株主・投資家情報
IRイベント
第130回 定時株主総会 質疑応答概要
- Q1. MLCC(積層セラミックコンデンサ)事業の再成長に向けた戦略について伺いたい。
- A1. 当社はこの事業をさらに成長させたいという強い思いを持っております。具体的には、これまで注力してきた自動車向けに加え、需要が急拡大しているAIデータセンター向けへの供給を強化するなど、注力領域の拡大を図っています。また、日本化学工業株式会社との合弁会社設立により材料開発を加速させ、これまで課題であった製品の小型化・大容量化を追求しラインアップを拡充することで、AIエコシステムにおける確固たるポジションを築いてまいります。
- Q2. 新タグライン「In Everything, Better」に込められた意図を教えてほしい。
- A2. このタグラインには2つの意味を込めております。In Everythingには、当社の技術があらゆる場面に存在し、独自のテクノロジーで社会の変革に貢献したいという想いを込めています。またBetterには、自らを変革し続けることでより良い未来に挑み続ける姿勢を込めました。長期ビジョン「TDK Transformation」が掲げる、絶えず変化し良くなり続けるという考え方を、ステークホルダーの皆様に平易な表現で伝えるために策定いたしました。
- Q3. レアアースの調達リスクへの対応方針についてお聞きしたい。
- A3. 磁石に関連する製品を中心にレアアースを使用しておりますが、現時点で生産への影響はございません。今後の地政学リスク等に備え、主に3つの対策を推進しています。第一に、技術面での重希土類フリー・レス化(使用しない、あるいは低減する技術)による依存度低減。第二に、新たなサプライヤー開拓による調達先の多角化。第三に、リサイクル業者との協業による資源再利用の強化です。これらを通じて、安定的かつ持続可能な材料調達体制を構築してまいります。
- Q4. 取締役会の実効性評価と、中期経営計画を策定する際の議論の内容を伺いたい。
- A4. 取締役会では実効性評価を毎年実施し、企業価値向上に向けた課題を共有しております。中期経営計画の策定に際しては、社内外の情報の格差を解消するため、定期的な会議に加えオフサイトミーティングを活用し、事業ポートフォリオの見直しや収益性改善等について活発な議論を尽くしました。これらの議論を経て、キャッシュ・フロー経営や未財務資本の強化といった重要テーマを計画に反映させております。
- Q5. 設備投資の状況と今後の計画について教えてほしい。
- A5. 2026年3月期には約3,000億円の設備投資を実施し、その約6割を成長事業である二次電池を中心としたエナジー応用製品事業に投入いたしました。2027年3月期には、さらに投資を拡大し、3,700億円を計画しています。引き続き、当社の強みである二次電池などの成長領域へ積極的にリソースを配分し、企業価値のさらなる向上に努めてまいります。
- Q6. 株主数の増加に向けた施策を伺いたい。
- A6. 投資家層の拡大に向け、株式分割による投資単位の引き下げやIR活動の強化に取り組んでおり、個人株主数は右肩上がりで推移しております。現在はBtoB(企業間取引)が主体となっており、一般消費者の目に触れる機会が減っていますが、若年層の認知度低下を課題と捉え、フォーミュラEや世界陸上への協賛や、ブランドアイデンティティの刷新などを通じて、グローバルでの知名度向上を図っております。あわせて、配当性向35%を目安とした長期安定的な配当を基本方針としています。業績の最大化により株主様への利益還元を進めることが、さらなる株主層の拡大につながるものと考えております。
- Q7. 未財務資本の考え方と、それがどのように業績向上につながるのか伺いたい。
- A7. 一般的に非財務資本と呼ばれるものを、当社はあえて未財務資本と表現しています。これは人的資本や技術力、顧客基盤といった要素が財務数値と切り離されたものではなく、将来的に売上や利益、キャッシュ・フローを生み出す源泉であるという考えに基づいています。これらはまだ財務的に数値化されていない資本ですが、ここに継続的な投資を行い充実させることが、将来の財務資本の創出、すなわち業績向上に直結すると捉えています。引き続き、中長期的な企業価値向上のために、これらの資本への投資を重視してまいります。
- Q8. センサ応用製品および磁気応用製品セグメントにおいて、営業利益が大幅に改善した背景と今後の見通しを教えてほしい。
- A8. センサ応用製品事業では、高収益なTMRセンサに加え、収益性が課題であったモーションセンサやマイク等の収益改善が進んだことが寄与しました。今後はAIの普及に伴い、データ創出に不可欠なセンシング需要の拡大を期待しています。磁気応用製品事業では、構造改革を実施した成果に加え、AIデータセンター向けハードディスクドライブ用製品の需要回復が利益を押し上げました。一時期の在庫調整局面を脱し、AI市場の旺盛な需要を確実に捉えることで成長を目指してまいります。
- Q9. ヒューマノイドロボットやフィジカルAIといった技術進展に対し、今後どのように関与していくのか。
- A9. ヒューマノイドロボットを含むロボティクス分野や、実世界でAIが機能する「フィジカルAI」の進展は、当社にとって大きな機会であると捉えています。中でもロボットが情報を検知・取得するために不可欠な「センサ」を注力領域としており、供給体制強化に向け、新潟県小千谷市に新工場を建設することを決定いたしました。二次電池や各種電子部品を含む幅広いポートフォリオを通じて、この分野のさらなる発展に貢献し、事業成長につなげてまいります。
- Q10. 二次電池の安全性確保に向けた取り組みについて伺いたい。
- A10. 当社の二次電池事業において、これまで重大な火災事故は発生しておりません。設計段階でのゼロディフェクト(設計段階から品質を造り込み、不良品を一切出さない・届けないという考え方)の追求や、原材料の厳格な管理、製造工程での品質管理を徹底しています。また、本社品質保証部門と連携し、過去の事例解析に基づいた再発防止活動も実施しています。今後も材料開発等を通じて安全性のレベルを継続的に引き上げるとともに、次世代技術の研究開発を進め、安全で高品質な製品の供給に努めてまいります。
- Q11. 女性活躍推進を含む人財戦略の現状と育成計画を教えてほしい。
- A11. 当社が持続的に成長し続けるためには、多様な人財の活躍が不可欠です。女性管理職比率については、2030年までにグローバルで25%、日本では2035年までに15%という目標を設けています。その達成に向け、将来の役員候補を育成する経営プログラムへの女性参加を推進しており、今年の参加率は20%となっています。また、技術系女性社員に現場経験を積んでもらうための海外派遣も強化するなど、将来の役員候補となる人財の層を厚くし、多様な人財が活躍できる環境を整えてまいります。
- Q12. 社長が兼務している加湿器対策本部長の役割と具体的な活動内容を伺いたい。
- A12. 当社は、加湿器事故の対象製品を最後の1台まで回収するという意志のもと、2013年より社長を本部長とする対策本部を設置しております。現在も社長である私が責任者として、定期的に回収状況や施策のレビューを行いながら活動を継続しています。今後も対象製品の確実な回収に向け、全力を挙げて取り組んでまいります。
