





TDKの歴史
- TDKのあゆみ
- 社会・エレクトロニクスのあゆみ
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1930磁性材料フェライトの発明
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1931電子顕微鏡の発明 チャールズ・リンドバーグが北太平洋横断飛行に成功
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1935レーダーの開発 ドイツでテレビ放送の開始
初代社長齋藤憲三が世界最初のフェライトコアの事業化を目的として、
加藤博士・武井博士のフェライト特許を取得し、
東京市芝区田村町に東京電気化学工業株式会社を設立
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1937蒲田工場完成
フェライトコアをオキサイドコアと命名し発売 カラー映画の制作が盛んになる -
1938交流バイアス式磁気録音方式の発明
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1939海軍技術研究所、
フェライトコアを
船舶無線用として正式採用決定 -
1940ラジオのμ同調用に
フェライトコアを大量受注 秋田県平澤町に平澤分工場新設 -
1945蒲田工場焼失(4月)
フェライト生産再開(10月平澤工場) プログラム内蔵式コンピュータの提唱
通信衛星の考案発表 -
1947スーパーヘテロダイン方式ラジオに必要な
中間周波トランス用コアの需要急増 トランジスタの発明 -
1951白黒テレビ偏向ヨーク用コア発売 平澤工場にて並形円筒セラミック
コンデンサ生産開始 -
1953磁気録音テープ「シンクロテープ」発売 DNAの二重らせん構造を発見
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1954世界初の
トランジスタラジオ発売 -
1955円板形
コンデンサ
「アルコン」
発売 -
1956市川工場新設 ハードディスクドライブの開発
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1957世界初の人工衛星、
ソ連のスプートニク1号の打ち上げに成功 -
1958ブラッセル万国博
にて
パラメトロン
演算素子
「パラミスタPM-4」
がグランプリ獲得 -
1959ICの発明
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1960TDKとして初のバリウムフェライト磁石発売
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1961株式を東京証券取引所第一部へ上場 人類初の有人宇宙飛行に成功
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1962磁気ドラム用フェライトヘッド発売 テレビの衛星通信実験に成功
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1966国産初のカセットテープを発売
(OEM商品提供:1966年6月、
TDKブランド商品発売:1966年9月)
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1968台湾TDK(TDK Taiwan Corporation)設立 電波暗室発売 米国で音楽用カセットテープ「SD」発売 液晶ディスプレイの発表
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1969インターネットの研究開発 アポロ11号月面着陸
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1970磁気ディスク用ガ
ラスボンディング
ヘッド発売 -
1971積層セラミックチップコンデンサ発売 マイクロプロセッサの発表
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1972ウィンチェスターヘッドを開発
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1973磁気テープ用の
高保磁力酸化鉄磁性材料
「アビリン」を開発 オイルショック -
1974スイッチング方式電源発売 サマリウムコバルト磁石発売
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1976縦型リード部品用プリント基板自動挿入機
「アビサート」発売 家庭用ビデオレコーダ(VHS方式)発売 -
1977薄型ラジオに積層セラミック
チップコンデンサ採用 -
1978VHS/ベータビデオテープ発売 体外受精児誕生
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1979ヘッドホンステレオ発売 セルラー方式自動車電話サービス開始
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1980積層チップインダクタ発売
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1982ニューヨーク証券取引所に上場 コンパクトディスクプレーヤ発売
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1983社名をTDK株式会社(TDK Corporation)に変更 家庭用コンピュータゲーム機発売 世界初の携帯電話
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1986香港の磁気ヘッド製造会社
SAE Magnetics (H.K.) Ltd.を買収 高温超電導を発見 -
1987薄膜磁気ヘッド発売
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1988MHD(積層混成集積回路部品)発売 巨大磁気抵抗効果(GMR)を発見
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1989ベルリンの壁崩壊
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1990千葉県市川市に
テクニカルセンター
完成 インターネット
サービス開始 ハッブル宇宙
望遠鏡打ち上げ -
1992記録可能な
有機色素膜使用
光ディスク(CD-R)発売 -
1994中国・アモイに現地法人設立 高密度記録AMRヘッド発売
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1995パーソナル
コンピュータ
普及 -
1996クローン羊ドリー誕生
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1997世界初のハイブリッドカー発売
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1998GMRヘッド発売 地上デジタルTV放送開始
(イギリス) -
1999TMRヘッドの開発に成功 欧州単一通貨ユーロ導入
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2000米国の磁気ヘッドメーカー
Headway Technologies, Inc.を買収 デジタル家電時代 -
2001デジタルオーディオプレーヤ発売
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2002執行役員制導入
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2003ヒトゲノム解読完了
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2005PMR(垂直磁気記録素子)ヘッドの発売 秋田県にかほ市にTDK歴史館新設 ポリマーリチウム電池製造/販売会社
Amperex Technology Ltd. (ATL)を買収 電源製品の開発/製造/販売会社ラムダパワーグループ
(含むデンセイ・ラムダ)を買収 -
2007TDKブランド記録メディア販売事業を
米国のImation Corp.に譲渡 スマートフォン米国で発売・普及 -
2008ドイツの電子デバイスメーカー
EPCOS AGをTOBにより買収 リーマンショック -
2009「フェライトの発明とその工業化」が、
IEEEマイルストーンに認定 -
2010スマート
社会の到来 -
2011環境基本計画「TDK環境活動2020」策定(2011年4月より開始) 世界の人口が70億人突破
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2012ジスプロシウム(Dy)フリー・マグネット開発
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2014記録メディア事業撤退 フェライトが「戦後日本のイノベーション100選」に選定 世界初の燃料電池車発売
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2015IoT、AI時代の到来 重力波の観測に成功
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2016「TDK環境ビジョン2035」を策定 TDK歴史みらい館リニューアルオープン センサメーカーのMicronas Semiconductor
Holding AGを買収 米国のHDDヘッド用サスペンションメーカー
Hutchinson Technology Inc.を買収 MEMS慣性センサメーカーTronics Microsystems SAを買収 米国のHDDヘッド用サスペンションメーカーHutchinson Technology Inc.を買収
MEMS慣性センサメーカーTronics Microsystems SAを買収 -
2017Qualcomm Incorporatedとの
業務提携ならびに合弁会社の設立 Qualcomm Incorporatedとの業務提携ならびに合弁会社の設立 センサメーカーInvenSense, Inc. を買収 ASIC(特定用途向け集積回路)の
開発を行うICsense NVを買収 ASIC(特定用途向け集積回路)の開発を行うICsense NVを買収 -
2019ベンチャー企業への投資を行う
TDK Ventures, Inc. を設立ベンチャー企業への
投資を行う
TDK Ventures, Inc. を設立 -
2020グローバルサプライチェーンにおいて
企業の社会的責任を推進するイニシアティブ
「Responsible Business Alliance」に加盟 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行 -
2021「2050年CO2ネットゼロ」に
向けて環境対応への取り組みを強化 -
2022国際的な環境イニシアティブ「RE100」に加盟 ATLとCATLとの業務提携及び合弁会社の設立 世界の人口が80億人突破
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2023TDKの国内全製造拠点、再生可能エネルギー由来の電力100%での操業を開始 自動機械学習プラットフォーム開発を手掛けるQeexo, Coを買収
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2024エッジAIとセンサフュージョンで先進的な産業機械の
最適化を実現するAI新会社TDK SensEI Pte. Ltd.を設立
TDKはこれからも
テクノロジーの力で
暮らしの
「当たり前」を
支えていきます。


- 新方式のラジオ用にフェライトの注文が殺到
- 戦後まもない1947(昭和22)年、雑音が多くて聞きづらかった従来方式のラジオ(並四ラジオなど)にかわり、高性能のスーパーヘテロダイン方式のラジオへ転換されることになりました。この方式のラジオには中間周波トランス(IFT)が不可欠で、そのコアとしてフェライトが必要とされたため、当時、国内で唯一のフェライトメーカーであったTDKに注文が殺到しました。これによりTDKは戦後の苦境を乗り越え、今日の基礎が築かれました。1955(昭和30)年には、日本初のトランジスタラジオが発売されました。このラジオにもTDKのフェライトがバーアンテナのコアとして使用されました。AV機器の原点であるラジオの普及に、TDKのフェライトは大きく貢献したのです。
- テレビ放送開始とともにフェライトの需要が急増
- 1950(昭和25)年、テレビ放送の実験を開始したのを受け、TDKではブラウン管に画像を表示させるために必要な偏向ヨークコアとフライバックトランス用のフェライトコアの試作品の開発に着手、1953(昭和28)年の本放送の開始と前後して量産に踏み切りました。テレビカラー放送は白黒放送開始から7年後の1960(昭和35)年にスタートしました。1980年代にはテレビの大画面化が進行し、偏向ヨークコアも複雑形状化や特性の向上が求められました。また、大きなパワーが必要になったため、スイッチング電源のトランス用パワーフェライトの需要も増加しました。
- 1955
- 円板形
コンデンサ
「アルコン」
発売
- 1958
- ブラッセル万国博
にて
パラメトロン
演算素子
「パラミスタPM-4」
がグランプリ獲得
- 1966
- 国産初OEMでの
カセットテープを
発売
- 放送局に採用された録音テープ、ビデオテープ
- 日本で初の国産テープレコーダが発売された1950(昭和25)年、TDKは磁性材料技術を生かした新規事業として、磁気テープの研究開発に着手。3年後の1953(昭和28)年には、アセテートをベースフィルムとしたオープンリールの録音用磁気テープを”シンクロテープ”という商品名で発売しました。その後、材料技術や製造技術などの深化により、放送用テープとしての性能が認められ、1957(昭和32)年、放送局に採用されました。また、TDKは放送用ビデオテープの国産化にも技術協力、1963(昭和38)年には、TDKが開発したシンクロビデオテープが放送用テープとして採用されました。翌1964(昭和39)年の東京オリンピックの放送において使用されたビデオテープの約6割はTDK製品でした。
- TDKの名を世界に広めたSDカセット
- 磁気テープに記録できる信号量は、テープ幅が広いほど、またテープの走行速度が速いほど多くなります。1966(昭和41)年、TDKは”シンクロカセット”という商品名のカセットテープを販売しましたが、オープンリール式の磁気テープとくらべてテープ幅は狭く、走行速度も遅いため、音楽用としては使用できませんでした。この問題を解決するため、TDKではきわめて特性にすぐれる新開発の磁性粉を採用、1968(昭和43)年、世界初の音楽用カセットテープ”SDカセット”を発売しました。たくみな販売戦略も功を奏して、SDカセットはまたたくまに世界中のユーザーから圧倒的な指示を受け、大ヒット商品となりました。SDカセットは世界ナンバーワンの磁気テープメーカーとして、TDKの名を広めることになった記念碑的な製品です。
- TDKの知名度と企業イメージの向上に貢献
- 世界初のVTR(ビデオテープレコーダ)は、1956(昭和31)年、米国で発売されましたが、非常に高価な装置で、納入先はテレビ局などにかぎられていました。1960年代には、オープンリール式に続き、カセット式のビデオテープを用いたVTRも開発され、1970年代半ばには、ベータ方式およびVHS方式の家庭用の小型VTRが開発されました。当時、TDKではビデオテープをOEM(相手先ブランドでの生産)製品として供給していましたが、家庭用VTRの普及による需要増に対応して、1978年、TDKブランドのビデオテープを発売。さらに大増産を図るため、1982年には大分県日田市にビデオテープの専門工場として三隈川工場を新設しました。当時、ビデオテープの売上金額は、全売上の50%以上にまで及びました。テレビCMなどにより、TDKの知名度は一気に上がり、企業イメージの向上にも大きく貢献しました。
- 針状の磁性粉の表面にコバルトを被着する新技術
- 磁気テープの性能に大きく関わるのは、ベースフィルムに塗布される磁性粉の特性です。TDKのSDカセットは、針状の微細な磁性粉を採用することで、カセットテープの限界を突き破り、世界初の音楽用カセットを実現しました。さらにTDKは1973(昭和48)年、針状の磁性粉の表面にコバルトを被着させるという新技術により、当時、高性能テープに使用されていた材料(二酸化クロム)を超えるすぐれた特性を実現しました。アビリンと名づけられたこの新磁性粉を採用して発売された音楽用/ビデオ用のSA(スーパーアビリン)テープは、高音質・高画質化により録音・録画文化の向上に大きく貢献しました。
- 1972
- ウィンチェスターヘッドを開発
- チップ部品と自動装着機によるSMT(表面実装技術)
- かつて電子部品はリード線をもつ脚付きタイプが主流で、これをプリント基板に挿入してから、はんだ付けして製造されていました。1970年代、電子機器の製造方法に大革新がもたらされました。リード線をもたない小型チップ部品と、それをプリント基板に高速実装する自動装着機によるSMT(表面実装技術)が登場したからです。1976(昭和51)年に発売された超薄型ラジオは、チップ部品とSMTによって製造された初の民生機器で、TDKの積層セラミックチップコンデンサが採用されました。1980年代になると、チップ部品の小型化が急速に進み、電子機器の驚異的な”軽薄短小”化が推進しました。
- TDKのファイン積層技術を結集したチップ部品
- 一般にインダクタ(コイル)はコア(磁心)に巻線をほどこして製造されます。この常識をくつがえし、TDKでは1980(昭和55)年、巻線なしに積層工法でコイルを形成する画期的な技術を開発し、世界初の積層チップインダクタを製品化しました。さらにTDKは、独自のファイン積層技術を深化させ、フェライトと誘電体セラミックスなど、異なる素材を同時焼成する高度な技術を確立。コンデンサとインダクタを一体化させた積層複合チップや、ICも搭載させた積層混成集積回路素子(MHD)も開発。ビデオカメラやヘッドホンステレオなど、ポータブル電子機器の小型・軽量・高機能化に貢献しました。
- 誘電体シートと内部電極を交互に積層
- 現在、世界で生産されるコンデンサの80%以上が積層セラミックチップコンデンサで、スマートフォンやノートパソコンには500個以上も使用されています。世界初の積層セラミックチップコンデンサは1940年代の米国で開発されましたが、軍用、産業用など、特殊用途にかぎられていました。1970年代に日本で量産化技術が確立され、民生機器にも広く使用されるようになりました。その製法にはさまざまなバリエーションがありますが、基本となっているのは、誘電体シート上に内部電極をスクリーン印刷して、これを積み重ねてからチップ化する工法です。
- ノイズ対策部品や回路保護部品などにも展開
- 1980年代以降、電子部品のチップ化とSMT(表面実装技術)の進展は、電子機器の小型・軽量・高機能化に大きく貢献してきました。TDKでは独自のファイン積層技術をコンデンサやインダクタ(コイル)にとどまらず、ノイズ対策部品や回路保護部品などにも展開、多種多様な積層チップ部品を供給してきました。電子部品のチップ化には高精度なスクリーン印刷技術、加工技術などとともに、すぐれた材料技術も求められます。とりわけ重要なのは、フェライト(磁性体セラミックス)、誘電体セラミックス、半導体セラミックスなど、エレクトロセラミックスとよばれる電子材料です。
- 1990
- 千葉県市川市に
テクニカルセンター
完成
- 1994
- 中国・アモイに現地法人設立
- 2005
- 秋田県にかほ市にTDK歴史館新設
- 2009
- 「フェライトの発明とその工業化」が、
IEEEマイルストーンに認定
- 2016
- TDK歴史みらい館リニューアルオープン