TDKの技術

TDKは、未知の磁性素材「フェライト」を工業化することを目的に1935年に創業されました。以来、優れた材料技術と、材料の特性を最大限活かすプロセス技術を通じて、独創的な製品をゼロから生み出し、世界のエレクトロニクス産業の発展を支えてきました。TDKのモノづくりを支える3つのキーワード「5つのコアテクノロジー」「4大イノベーション」「フェライトツリー」についてご紹介します。

  • 材料技術やプロセス技術など、最先端の電子部品を生み出す基盤となる5つのテクノロジーについてご紹介します。

  • TDKから生まれ、社会に大きなインパクトを与えた4つの技術(フェライトコア、音楽用カセットテープ、積層インダクタ、薄膜磁気ヘッド)をご紹介します。

  • 磁性材料「フェライト」から始まるTDKの技術のつながりと事業成長の軌跡を、一本の木で表しています。

材料への理解からはじまる
“TDKのモノづくり”。

TDKの技術の特徴は、材料から自社で開発し、
オリジナルの電子部品をゼロからつくり出せること。
これは、材料の特性に対する深い理解の証です。
また、精度の高い極小部品をつくる技術力も世界
トップクラス。
TDKだからできること、TDKでなければできないこ
とがここにあります。

5つのコアテクノロジー

材料技術 プロセス技術 評価・シミュレーション技術 製品設計技術 生産技術

最先端の電子部品をつくる
“5つの力”

原点である磁性素材・フェライトの製造から、電子部品の積層系・薄膜系工法、そして電子一つひとつの回転で情報を記憶するスピントロニクスという技術まで。
さまざまなナノテクノロジーを駆使して、磁性が持っている可能性に挑むTDK。
数々の先進的な挑戦を支えている、“5つの力”をご紹介します。

材料技術85年以上の歴史と
ノウハウの結晶。

材料それぞれの特性を原子レベルから追求し、先進的なニーズにお応えするのがTDKの材料技術。
例えば、素材設計では、主原料の配合や微量添加物を制御することで、必要とされる特性を高いレベルで実現させます。
これらは85年以上にわたる膨大な実験や研究による蓄積の結晶。
他社の追随を許さない、TDK独自の力です。

プロセス技術ナノメートルオーダーを
コントロール。

材料が持つ特性を最大限に引き出すのがプロセス技術。
薄膜技術はスピントロニクスなど、ナノメートル(10億分の1メートル)オーダーのコントロールを可能にし、最先端の電子部品を生み出します。
例えば、ウェハ上に薄膜を形成して電極、コイル、ヘッド素子などを構築。
HDD用ヘッドや薄膜部品などに応用されています。

評価・シミュレーション技術超微細技術を正確に解析する
極限の精度。

どんなにすぐれた材料・プロセス技術があっても、それを正確に評価する技術やシミュレーション技術がなければ製品開発はできません。
TDKの評価・シミュレーション技術は、材料の分析・解析から、製品の構造や熱、電磁界のシミュレーション解析、電波暗室を用いたノイズ測定・対策などに幅広く対応。
超微細技術をチェックする、極限の精度を磨いています。

製品設計技術蓄積されたノウハウと
新しいアイディアで
製品価値を創造する。

製品の活用方法を理解し、各種ラインアップされた材料、電子部品を統合して、安心・安全な電子デバイスや最適な組み合わせのモジュールを実現する技術です。
電子デバイスやモジュールの特長を活かすソフトウェア設計も重要な技術です。また、持続可能な社会生活に欠かせない電力変換、蓄電、エネルギー制御機能を組み合わせたエネルギーユニットも提供していきます。

生産技術製品をつくる装置も
自社でつくる。

すぐれた製品は、すぐれた製造装置によってつくられます。
独自工法の開発とともに、それを具現化するための製造設備を内製してきたことも、TDKのモノづくりの特色であり、大きな強み。
QCD(品質・コスト・納期)のさらなる向上と、材料から製品までの一貫生産の推進を図っています。

世界中、どこでつくっても
同じ品質を保つ。
それがTDKの技術力です。

TDKが目指すモノづくりの基準。それは、世界中、どこでつくっても同じ品質で製品をつくることができる“ロケーションフリー”の実現です。電子部品の製造で培ったメカトロニクス技術を応用展開して、ICの各種ウェハサイズに対応したロードポートやフリップチップ実装システムなど、最先端のFA機器を提供しています。
また、工業用ロボットや製造ラインには、多くのTDK製センサが搭載され、リアルタイムに生産状況から品質までの管理を可能に。クラウドでそのデータを分析して、不良の未然予防、機器故障の予知などにも貢献しています。

4大イノベーション

社会に大きなインパクトを与えた
“4つの発明”

TDKから生まれ、世の中に大きなインパクトを与えた4つの革新的な製品である「フェライトコア」「音楽用カセットテープ」「積層インダクタ」「薄膜磁気ヘッド」を「4大イノベーション」と呼んでいます。 それらTDKの革新的な製品は、社会や文化に影響を与えただけでなく、ここから生まれた技術は現在のTDKの製品開発にも受け継がれています。

  • フェライトコア:ラジオやテレビの性能を飛躍的に向上させ、
    音楽や映像の感動を共有できる文化を支えました。
  • 音楽用カセットテープ:世界初の音楽用カセットテープを開発。
    音楽の楽しみ方が大きく変わりました。
  • 積層インダクタ:薄い電極を積み重ねて製造した画期的な
    インダクタ。家電製品の小型化に貢献しました。
  • 薄膜磁気ヘッド:HDDの大容量化を実現し、パソコンの普及やITの発展を支えました。

フェライトツリー

未来のフェライトツリー

フェライトツリーの図

技術をもとに
成長を続けてきたTDKの軌跡。

「フェライトツリー」は、TDKが磁性材料「フェライト」を祖業として、事業を発展させてきた成長の軌跡を、4大イノベーションの技術的なつながりにひもづけて示しています。TDKは、フェライトの商業化以降、材料からプロセス、派生技術の開発やM&Aによるポートフォリオの拡充を通じて、技術の枝や葉を成長させてきました。
現在のビジネスの強化をしながら、さらに先の領域を探索、研究開発し、コアテクノロジーを磨きあげることで、フェライトツリーを大きく成長させていきます。