サステナビリティ | 環境水資源への取り組み
基本的な考え方
途上国における経済発展や人口増加などによって限りある資源である水の利用が変化しており、世界規模な影響を及ぼすリスクの一つとして水の危機があげられています。TDKにおいて、水は製造活動において必要不可欠な資源であるとともに、水資源の枯渇や洪水などの影響を受けるため、水リスクの適切な把握と管理は重要事項です。
TDKではサプライヤー行動規範を定め、サプライヤーに対しても排水管理や水の効率的な利用に取り組むことを要請しています。
TDKは、地域社会やステークホルダーと共同し、持続可能な水利用の促進を図っていきます。
TDKでは製品の原材料から廃棄に至るサプライチェーン全体を通して、環境負荷の少ない操業に努めており、森林資源や水資源の保護も同様に進めています。TDK環境憲章に則り、「地球環境との共生」を目指し、従業員一人ひとりが、生産活動に伴う環境への影響や企業活動と環境との関わりを考え、豊かな地球環境の保全に努めていくとともに、生態系保全への寄与を常に考え、積極的に取り組んでいます。
また、TDKは、事業特性を考慮した形で、TDKが注力するSDGsを定め特定しており、本業の技術開発を通じ、水関連問題を含めた各課題を解決していくという方針を明らかにしています。水関連の例では、Goal12「つくる責任つかう責任」に沿って、各種センサー類の開発をすすめています。また、製造工程における取水量の削減も行っています。
目標と実績
2022年度目標 | 実績 |
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水使用量(取水量)原単位 前年度比1.5%改善 | 前年度比 17.8%改善 |
評価と今後の取り組み
TDKでは、取水量を目標の指標としています。2022年度の総取水量は前年度比2.4%減少の16,635千m3、原単位は前年度比17.8%改善となり、目標を達成しました。当社の製品内に水が混載することはないため、工程での消費量は洗浄の際の蒸発等ごくわずかとみています。
また、TDKグループの全生産拠点における水リスクに関しては、世界的な評価ツールであるWWF Water Risk Filter※1および世界資源研究所(WRI)が発表したAqueduct※2を用いてTCFDに沿った調査を行い、水ストレスの高い地域を特定し、対策を講じています。なお、調査の結果、水リスクが高いと判明した拠点のうちインドのある拠点の2022年度の取水量は、31千m3(TDKグループ総取水量の0.5%未満に該当)でした。
引き続き、地域の水リスクと生産工場における水利用状況について監視、管理を継続し、改善に努めます。
※1 WWF Water Risk Filter:WWFとドイツの金融機関DEGによって開発された、水環境にかかわるリスクを調査、評価、および対応できるようにするためのツール。2012年に最初のバージョンが発表されて以来、世界中の企業や投資家から使用されており、主要かつ信頼性の高いツールとなっている。
※2 Aqueduct:2011年の開始以来、洪水、干ばつ、ストレスなどの水関連リスクについて、企業、政府、非政府組織(NGO)に情報を提供しており、水リスクに関するグローバルな基準となっている評価ツール。
2023年度目標 |
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水使用量(取水量)原単位 前年度比1.5%改善 |
取り組み
TDKは取水量の削減及び水のリサイクルに取り組んでおり、取排水をサイト毎にデータとして把握しています。
具体的な活動内容としては、下記のようなものがあります。
生産工程に用いる純水使用量削減(TDKエレクトロニクスファクトリーズ株式会社 北上工場)
日本地区 岩手県北上工場では、地下水を組み上げ、生産工程で用いるための純水を製造しています。設備の台数制御や水量調整を、製造品質を損なうことなく継続実施してきた結果、6年間合計で10万m3の取水削減に成功しました。今後も限りある水資源保護のために、本取組を継続していきます。