- Q1. 第2四半期に向けた利益の動きについて、セグメント別に教えてください。
- A1. 全体感として、売上高は自動車向けで増加、AIエコシステム関連の需要が拡大、スマートフォン向け需要もピークシーズンとなり増加すると見ています。営業利益は増収による増益および操業度アップによる稼働益もあり増益を見込んでいます。
受動部品の売上高は、全製品群において為替影響を除いて増収となります。営業利益は、為替影響を除き全事業で増益を見込んでいます。特に第2四半期においては、インダクティブデバイスの増益を見込んでいます。受動部品全体の営業利益率は2桁 % を超えると見ています。
センサ応用製品は、特にスマートフォン向けで季節性による需要の増加によりTMRセンサが増収になると見ています。営業利益は、TMRセンサの増収により増益、温度・圧力センサの収益もようやく向上し、全体の利益を押し上げると見ています。
磁気応用製品は、HDD用ヘッド、サスペンションの数量増加を見込んでいます。営業利益は、HDD用ヘッド、サスペンションの販売増加に加え、HDD用ヘッドの操業度向上に伴う稼働益も利益を押し上げ、第1四半期の営業利益率から向上すると見ています。
エナジー応用製品は、小型二次電池の数量が10 % 増加し増収、電源も引き続き増収と見込んでいます。営業利益は、電池材料価格の上昇影響は若干あるものの、高付加価値品の増加により平均売価が上がってくること、稼働益、増収効果により増益と見込んでいます。
- Q2. 通期業績について、期初の計画に対して上振れ気味の事業、苦戦気味な事業を色分けしてください。
- A2. 売上高は全般的に若干増加するという見方をしています。利益に大きく貢献すると期待しているのが、磁気応用製品におけるHDD用ヘッドとサスペンションです。特にHDD用ヘッドは、ウエハの投入を増やしており、稼働率の向上を見込んでいます。売価については、HDD用ヘッド・サスペンション共に、需給に応じた適切な価格設定をさせていただくというところで、利益を底上げする可能性があります。
もう1つは受動部品です。AIデータセンター向けの需要が、第2四半期以降の売上増加に貢献すると見ています。それについては、収益性も良いだろうと見ており、利益の上積みを期待しています。
電池については、スマートフォンの生産台数が落ちる中でも、小型電池のセル出荷数量は期初並みを目指しています。利益についても期初に想定した水準を維持したいと考えています。
- Q3. ハイパースケーラーの投資額が急増しており、電子部品業界にも恩恵が出てくると思いますが、TDKの設備投資は、来期も大幅に伸びていくと考えるべきですか。
- A3. 基本的にはデータセンター等の動向を見極めながら、適宜適切に設備投資を進めていくという考えです。
受動部品については、コンデンサにおいて、今まで投資してきた設備を有効活用するために、まずはラインバランスを取って生産対応に当たるということになります。それ以降に関しては、需要を見極めながら投資計画を立案しているところです。今、最も投資の重要性を感じているのはインダクタです。AIデータセンター関連で非常に需要が伸びており、大きな投資を考えている状況です。磁気応用製品については、HDD用ヘッドではHAMR対応に向けた設備投資を進めており、サスペンションについても順次設備投資を実施しています。
- Q4. かなり良い決算で、利益が一段と上がってきている印象です。これまで行ってきたことの中で何が上手くいき始めているのでしょうか。
- A4. 近年の収益を支えてきた基盤は、やはり電池事業である、ということに間違いはありません。さまざまな競争環境の中でもしっかりと基盤を守っているということが大きいです。一方、よく「電池一本足」と言われてきましたが、需要の追い風を受けて良くなっているだけではなく、収益構造が大きく変わってきたことが、今の大きな収益を支えていると認識しています。
HDD用ヘッド、サスペンションは、構造改革をしっかりと行った上で、損益分岐点を下げながら、需要の増加をしっかりと獲得しています。MEMSセンサにおいても、構造改革をしながら、新製品を確実に出して、シェアを拡大してきました。受動部品についても、基盤となる自動車向けの売上を確保したうえで、AIデータセンター向けの需要に対して、しっかりと入り込んでいます。これらのベースとなっているのは、今期で3年目となる、事業ポートフォリオマネジメントの推進です。大きな事業体の括りではなく、その中の小さな単位であるキャッシュフロー・ビジネス・ユニット(CBU)ごとに収益の向上を図っていることが、大きな効果を生んでいると考えています。
- Q5. AIデータセンター向けの取り組みについてセグメント別に教えてください。
- A5. 受動部品は、CPUやGPUの性能が向上し、新たに垂直給電という技術が採用されつつあり、さまざまなパッケージング技術や、半導体を安定的に動かすためのさまざまな回路設計に伴って、インダクティブデバイスが次の技術的なトリガーになっています。その中で当社の薄膜技術が、小型化、低背、大電流というお客様の要望に非常にマッチしていることが分かりつつあります。インダクタへの集中的な開発リソースの投入や、増産投資に取り組むことで、さらに伸ばしていきたいと考えています。
センサ応用製品については、温度センサは、パワーサプライ、リキッドクーリング(液冷)、サーバーラックなど、AIデータセンター向けに既に出荷しています。今注目しているのは、光トランシーバー向けの温度センサです。当社は材料技術、プロセス技術を持っており、特長のある製品に対する引き合いが徐々に増えているところです。電流センサについては、TMRセンサを使った、高周波数帯の電流センサシステムが今後増えてくると見ています。
中型電池については、今期はUPSに注力しています。当社は、高出力、急速充電といった強みを生かし、 UPS 市場での差別化を図っています。UPS の役割は、停電時のバックアップ機能から、 AI データセンターにおける電力負荷への対応、高い電力密度、このようなものを支える制御装置へと変わっていくと理解しています。 UPS 市場は 、BBU と同様に重要な市場と認識しています。BBU については、複数のお客様から承認をいただいています。第3四半期から直流・高圧対応品の量産を開始する予定です。