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[ 2014年3月期 第2四半期 連結決算説明会 ]Q&A

Q1. 利益の出方としては構造改革費用が発生したわりには2Qに利益は出てきているし、下期も上振れの可能性も見ているのですが、為替は当初想定に対してはかなり恵まれていますので、為替の影響を除いた実態をどのように見ていますか?例えば、高周波事業やマグネット事業などの改善スピードが予定どおり進んで、来年に向けた収益改善の照準を合わせていく時に、社内体制の変化が想定通りのスピードなのか、事業によって強弱があるのか、為替除きの実態の強さ、改善の速度をどういうふうに見ておられますか。
A1. 為替を除いても、高周波に関してはかなり加速してきていると感じております。体制を変えたということもありますし、日本人エンジニアを20名位送り込み、海外拠点とそれぞれのノウハウを持ち寄り、協業する形で改善に取り組んでいることもあり様々な変化が見えてきています。工程で現行流れている量産品もそうですし、開発品もそうですが、例えば、在庫が半分になったとか、リードタイムがかなり短くなったとか、サンプルのスピードが速くなったとか、個品の販売に関しては確実に結果を出せると見ております。
モジュールは個品と比較すると課題がありますが、利益を確実に出せる体質にしていくためには、従来と違った考え方をしなければいけないと思っております。
事業部ごとにスピードが違うのはかなり実感しております。1事業部の中だけで何かをするより、事業の壁を越えてそれぞれの事業部に蓄積したノウハウを共有しながら改善を進めることで、よりスピードを早められるのではないかと考えております。例えば、HDD用のVCMの販売は、HDDヘッドの部隊が動いたらどうだとか、そういう新しい発想も含めて、専務の小林や植村が担当しています。とにかくスピードが遅いところは収益が悪いということだろうと思いますので、体制をドラスティックに変えていかなければいけないと考えております。
Q2. 高周波部品事業についてですが、来年モデル等について現在デザインイン活動が続いており、まさに成果を出す時期に入るかと思います。今期9月で黒字化し、収益性は大分改善してきていますが、来期は何%ぐらいの営業利益率をで想定していますか?売上が今期仮に1,000億円位だとすると、来期、どの程度の売上と営業利益率を狙っているのか、現時点の見立てを教えてください。
A2. デザインイン活動は、現在鋭意取り組んでおります。現在、ICメーカー様も含めて積極的に活動を展開しております。単品については拡大がしっかり見えております。モジュールに関しましては、今後結果を出していくという状況にあると思っております。先程お話しがありましたように、9月で黒字化を達成したわけですが、この状態を保ちながら次の様々な結果をもって拡大につなげていきたいと考えています。具体的な利益率等の数字は現時点では、不確実性もあるため申し上げにくいですが、売上に沿った結果は出せると感じております。十分な投資と、体制も含めて様々な手を打っておりますので、着実にフォローして結果を出していきたいと考えております。
Q3. 本日のご説明の中で構造改革の大きなものが完了というお話がありましたが、確かに受動部品を拝見しますと、用途別の構成比もだいぶ変わってきて、従来に比べれば安定感が出てきているという感じがしますが、高周波部品事業などまだ十分に競争力を確保できてない領域も残っていらっしゃるのではないかとお見受けしております。そういう視点でご覧になって、もう少し改善をやらなければならないというようなご認識ありましたら、何が必要かというところを再度確認をさせてください。
A3. 受動部品事業についてですが、ご指摘の通り高周波についてはまだ改善の余地があると思っております。現状、個品の販売については、新製品の販売を引き続き加速させていきたいと思っております。一方、モジュール品については、今後の課題であると認識しております。現在は具体的には申し上げられませんが、こちらも施策を進めております。
また、高周波部品に限らず、受動部品事業の中で、日本とドイツでやっていることをもう少し統合して効率よくやっていくようなことは引き続き検討し、収益性の改善に繋がるようにしていきたいと考えております。
Q4. 受動部品のところで、1Qから2Qにかけて売上が24億円伸びていますが、売上の伸びよりも利益の改善分が多くなっていると思います。そこの要因を確認させてください。
A4. セラミックコンデンサや高周波部品の収益改善もございますが、主な要因はインダクティブデバイスの品種構成の改善です。高収益の製品が一方で伸び、不採算の製品がかなり減少しました。
Q5. 受動部品セグメントのコンデンサとその他受動部品内の高周波部品の、売上と利益の関係を教えていただけないでしょうか。
A5. コンデンサについては、売上が1Qから2Qにかけて4%伸びております。利益面につきましては、セラミックコンデンサは、1Qは若干の利益が出たレベルでしたが、2Qは1Qより利益が増加し、アルミコンデンサ・フィルムコンデンサについても1Qから2Qにかけて利益が増加しております。高周波部品については1Qから2Qにかけて売上は微増となりましたが、利益面につては営業赤字がかなり減少しました。圧電材料については、1Qから2Qにかけて利益が増えております。
Q6. 高周波部品についてですが、LTEになると高効率のフィルタが必要になり、高効率のフィルタの開発競争が現在業界であると思います。TDKの高効率フィルタやその開発状況について教えてください。
A6. 高周波部品についてですが、当社はSAWフィルタという従来のものと、薄膜系のBAWフィルタを両方持っております。高周波帯域や幅の狭い周波数バンドのところはBAWフィルタが使用されます。BAWフィルタとSAWフィルタのハイブリット型の部品も提供しております。様々な特性改善を図った製品や小型化の開発も進めておりますし、生産工程の改善により、原価低減等も進めております。
Q7. 磁気応用製品の説明ページのところで、HDDヘッドの市場の本数の中期的な予想を出していますが、データセンター向けのHDD市場に絡んだところのHDDヘッドの販売の関係について教えてください。
A7. データセンター向けのHDDが増えるということで、HDDヘッドの販売数量が伸びることを予想していますが、HDD一台あたりのHDDヘッドの員数は、今期から来期にかけて、徐々に上昇していくと見ております。データセンター向けのHDDは現在は2TBの3枚ディスクが主流ですが、今後は4枚ディスクから5枚ディスク、さらには6枚ディスクを使ったものになると言われております。そういったHDD製品が増加していくことでHDDヘッド販売も増えてくる部分を加味し、こういう数字の予想を立てております。
Q8. そういう市場環境の中で、TDKのニアライン等のデータセンター向けの販売はどのようになると考えておけばいいでしょうか。
A8. 従来、当社は2.5インチで強かったわけですが、3.5インチニアライン向けでも今後販売を伸ばしてまいります。
Q9. シェアについては今後どのように考えればよいでしょうか。
A9. 足下で申し上げますと、昨年来のタイ洪水後の特需が減っていく中で、先ほどのニアライン等の部分で当社も実力を出していくということで、現状30%をちょっと切るぐらいの水準ですが、その後、HDDヘッドの需要が拡大に転じる頃には、新しい技術もちょうど出てくるタイミングになりますので、そこで新技術の提供と共にシェアップにつなげていきたいと考えております。
Q10. 熱アシストヘッドについては、どの時期から貢献を見込まれていますか。
A10. 2015年3月期の後半に初期の量産品がスタートして、市場への受け入れを含めて順次拡大していくと見ております。そこでは当社のHDDヘッド技術やHDDの組み立て技術を含めた様々な部分のノウハウが活きてくることになりますので、熱アシストヘッドについては業界のデファクトスタンダードというような形で、当社の設計プロセスが市場の中心になって動くように、現在鋭意開発を進めている状況にあります。
Q11. その他磁気応用製品に収益性の低い事業があるように思いますが、状況を教えてください。
A11. その他磁気応用ということですが、具体的にはマグネット(磁石)事業になります。現時点で金属磁石関係のHDD用VCMのタイ洪水の影響で失った売上分の回復が非常に苦戦しているという実情と、産業機器向けに拡販をしていました製品が大きく結果に繋がっていない部分、特に新しく開発したジスプロシウムフリーのネオジム磁石の拡販において、狙っている市場が産機のため承認化に時間がかかっているという状況がございます。それから、フェライト磁石については、集約による効果を早期に出せるというように見ていましたが、若干想定より時間を要してるという状況を早く改善し今期中に何とかブレークイーブンの形に持っていきたいと考えています。当然、さらに加速をしたいと考えておりますが、現状は中々厳しい状況であると認識しています。
Q12. フィルム応用製品についてですが、売上が結構伸びたわりには利益の伸びが少し弱かったように見えます。このセグメントは二次電池が牽引し、2Qから3Qにかけても売上が伸びていくと思いますが、最後確認させてください。
A12. フィルム応用製品ですが、二次電池事業は売上げの伸びとともに利益も想定通りかなり伸びているんですが、このセグメントを構成しているもう一つの事業であるアプライドフィルム事業が、売上減少に伴って、赤字が増加し、かなり苦戦したことが、セグメントの利益の伸びが低めに見えている要因でございます。
Q13. 非継続事業になったデータテープ事業の2Qの構造改革費用28億円は、継続事業の営業利益の中には含まれていないという理解で正しいのか、ご説明をお願いいたします。
A13. 構造改革費用は、継続事業の営業利益の中には含まれていません。
Q14. 2Qから3Qにかけての4つのセグメントの売上がどのように変化するのか、見通しをお願いします。
A14. 受動部品は、スマートフォン向けに高周波部品が増加する見込みのため、2Qの1,190億円に対して1〜3%の増収で見ております。続いて、磁気応用製品でございますが、ヘッドの数量はほぼ横ばいを想定していますので、2Qの929億円とほぼ横ばいで見ています。フィルム応用製品については、主に二次電池の販売が引き続き好調に推移すると見ており、2Qの331億円プラス20%+αをございます。3Q売上合計については、2Qの2,498億円から3〜4%増の水準を想定しております。
Q15. 3Qの営業利益の出方について教えてください。説明会資料の6ページにグラフで出ていますが、150億円ぐらい出ると示しているのか、その辺りも教えていただければと思います。
A15. 通期の営業利益予想は300億で据え置いておりますが、この前提になりますのは、期初に説明申し上げました様に、400億円の営業利益予想からリストラ費用、想定100億円を落とした額ということは変わっておりません。3Qの対米ドル為替見通しは90円ですので、3Q 90円ベースでの営業利益の進捗が、3Q時点で400億円の75%位としてグラフに表示しております。3Qの平均為替レートが90円より上振れした時、つまり円安にいった時の上振れ分が、上のほうに上っているというようなイメージで見ていただけるといいと思います。
Q16. 構造改革費用はどういうふうに考えればいいですか。
A16. 3Qの構造改革費用につきましては、通常のものは2、3億円程度で見ております。データテープについては、3Qでおそらく6、7億円は入るかと思いますが、それはここでは見ておりません。非継続事業になっておりますので、そちらのほうに入ってきます。
Q17. ブルーレイ事業の撤退というのは、次の決算の時には非継続事業になるのでしょうか。
A17. ブルーレイ事業は、撤退予定ではおりますが、時期については、今期の下期を予定しております。おそらく4Qになる見込みでございます。ブルーレイについてはデータテープの様に非継続事業になるかどうかという点については、会計上のところで精査する必要がございますが、現状は非継続事業なると見込んでおります。
Q18. その場合に、今期の100億円のリストラ費用の中で、ブルーレイにかかるところのリストラ費用というのは、どのぐらい見込んでいますか。
A18. 100億円の中では10億円強を見ております。