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[ 2009年3月期 通期 連結決算説明会 ]連結業績概要

取締役 専務執行役員 江南 清司

取締役 専務執行役員 江南 清司

こんにちは。先ほど社長から2009年3月期連結業績について、非常に大きな赤字決算だったという報告がありましたが、若干補足させていただきます。

2009年3月期 決算の特徴

通期連結業績の特徴です。上半期は北京オリンピックがありましたが、電子機器の生産は期待したほど伸びませんでした。加えて、高機能電子機器の需要に低迷傾向がみられ、電子部品の伸びは、そのころからすでに低下傾向にありました。下半期はリーマンブラザーズ証券の破綻を境に、我々の寄ってたつエレクトロニクス市場は電子機器の需要が急減速し、生産に急ブレーキがかかりました。同時に自動車市場も、前半は石油価格の高騰の影響を受け、後半は世界同時不況による需要の大きな落ち込みに直面して、同様の状況でした。
その結果、上半期は期待したほど数量が伸びない中、円高、売価値引き、資源高騰の影響を強く受けた決算でした。第3四半期決算は、急速な受注減による操業低下をもろに受けた決算でした。第4四半期は、操業低下が深まる中、事業レベルの低下が長期化するという認識から、在庫調整のための意図した操業ダウンと体質改善のための構造改革を実施して、それらが非常に強く反映された決算だったと認識しています。
もう1つの特徴は、エプコス社を買収したことによって、10月からの6カ月間分を業績連結という形で取り込むと同時に、そのときに発生したのれんの償却が、当期の決算から発生しています。業績に取り込んだわけですが、同じ業界にいますから状況は同じで、赤字の業績を連結することになりました。為替は、前年の平均ドルレートが114円44銭でしたが、当期は100円71銭。13円73銭、12%の円高となり、大きな悪化要因になりました。この辺りが当期決算の特徴です。

2009年3月期 前期比

先ほど社長から、エプコスを含めて前年比較16%の減収という報告がありましたが、TDKグループだけに限定すると、実に2,069億円、23.9%の減収になっています。コンデンサを含む電子材料、HDD用ヘッドの記録デバイスのセグメントの落ち込みが相対的に厳しかったと言えます。その他と位置づけられているセグメントはリチウム二次電池が好調で、落ち込みが比較的少なかった。また、先ほど2010年3月期の見通しについて1%の減収という説明がありましたが、これもエプコスの影響を受けています。先期6カ月間の取り込みに対して今期は12カ月間ということで、1%の減収となっています。エプコスの影響を取り除いて従来TDKグループだけで見た場合には、前期比較で10数%の減収は避けられない状況にあると認識しています。

2009年3月期 連結損益計算書

次に連結損益計算書です。全体として見たときの構造改革費用は380億円。エプコス社ののれんの償却が52億円。これらを含めて営業利益が543億円という大きな赤字になりました。前年比較で1,415億円悪化しています。
ここに表示されているリストラクチュアリング費用については、あとで説明させていただくとして、今回決算では、営業外損益の分野でも273億円の費用が発生し、前年比較で317億円、損益を毀損する結果となっています。その中の受取利息および受取配当金が43億円減少していますが、主に受取利息分で、1つは金利の低下と余剰資金の減少によります。もう1つは、支払利息が21億円増加していますが、エプコス社買収に伴う資金調達、社債、長期借入金によって支払利息が膨らんでいます。有価証券関連損益は投資有価証券と位置づけている株式ですが、株式下落で評価減が64億円、前年比較で43億円の悪化をもたらしています。
もう1つ、関連会社利益持分が前年比較で190億円悪化しています。これは、2008年3月期に記録メディアのコンシューマー事業をイメーション社に譲渡したときに、イメーション社の株式を20%取得しましたが、この株価が下落している中で、株式を174億円評価減させていただいています。20%以上の株式を保有しているということと、取締役を派遣して経営に参画していることで、必ずしも株価水準だけで評価減するものではありませんが、株価下落の幅が非常に大きいこともあって、前向きに評価減をさせていただきました。
大きな赤字計上となりましたが、繰延税金資産の回収可能性はあるという認識で、決算を締めさせていただきました。

2009年3月期 営業利益増減

営業利益が1,415億円悪化している中身です。プラス要因として、合理化、コストダウン、原材料値下げで258億円、販売費及び一般管理費の削減で108億円、合計366億円のプラス要因しかありません。それに対してマイナス要因は、操業度、品種構成を含んだ売上高減少による利益減で585億円。為替の影響で189億円、売価値引きで401億円、TDKが行ったリストラクチュアリング費用で314億円。それから、前年は記録メディアの譲渡益がありましたが、これが当期はなくなったことでの153億円の悪化。エプコスを取り込んだことによる営業損失が80億円。エプコスが行ったリストラが7億円、のれんが52億円。マイナス要因は合計で1,781億円、差し引き1,415億円の悪化になっています。
先ほどのP/Lにリストラクチュアリング費用と表示してあるのは、会計監査上の基準で別表示しなければいけないものが、リストラクチュアリング費用として表示されています。それ以外のものは、基本的には原価あるいは販売費及び一般管理費に含まれています。構造改革費用はTDKの314億円とエプコスの7億円で321億円が前年から比べた悪化要因になっていますが、発生額は総額380億円。本来なら、為替変動、売価値引きという、避けられない要因を操業アップによってカバーすることになりますが、第3四半期から第4四半期にかけての急速かつ大きな需要減少による操業低下と、在庫の過多を調整するための更なる操業調整を余儀なくされて、実に585億円という操業度悪化で終わっています。また、大幅受注減の状況に耐えられる体質にしなければいけないということでの構造改革の実施で、営業利益が大きく悪化しています。
エプコス社買収ののれんの償却で、52億円という比較的大きな金額が計上されています。のれんについて簡単に説明いたします。1,666億円で95%強の株式を取得していますが、外部評価者によって広い意味でののれんが706億円と評価されました。そのうち減損評価の対象になる狭い意味でののれん、償却対象にならない分が313億円。差し引き395億円が無形資産という形で償却対象になるのれんと評価されています。その中には、一括して落とさなければいけないものと、何年かで落としていくものがありますが、この両方で52億円という数字になっています。

通期比較(2月9日計画値vs.実績値)

2月9月の第3四半期決算説明会で発表した通期見通しから比べて、通期業績が非常に悪化しています。2月9月に発表したあと、社債の発行や、銀行からの長期借入金により長期資金を調達したということから、これだけ大きく悪化した要因を説明しなければいけないと思っています。見通しとの差額は、当然ですが、すべて第4四半期に発生したものです。
まず、売上高が急速に落ちていって、12月の落ち込みも激しかったため、12月の売上高をベースに3倍して、第4四半期、1-3月期の売上高を想定しましたが、現実には見通しが甘く、1月は更なる落ち込み。2月以降は戻り始めたものの極めて緩やかであったため、売上高は136億円の減少となりました。為替は90円で想定していましたが、94円で推移しました。約4円の為替の円安を加味すると、売上高は実質で約200億円、我々の見込みから減っています。200億円減るということは、その中に含まれる利益や、それがカバーする固定費で営業利益が約80億円悪化することになります。一方、約4円の円安は20億円の営業利益の良化をもたらし、80−20で、売上絡みで営業利益が約60億円悪化しています。
構造改革費用は上半期の36億円と第3四半期の3億円、アナウンスした構造改革費用が150億円、エプコスで7億円。合計196億円の構造改革費用を年間で想定していましたが、現実には380億円で、差し引き184億円の悪化。売上高に絡んだ営業利益悪化の60億円と構造改革費用の超過184億円。合計すると244億円営業利益が悪化することになりますが、163億円の悪化に留まっています。その差の81億円は、1月以降、不採算製品の終息・改善、あるいは人員削減、拠点整理、経費の削減がこの1-3月期に徐々に具現化して、改善されたことによると認識しています。
税引前当期純利益は356億円悪化しています。営業利益の悪化が163億円ですから、営業外で193億円悪化したことになりますが、これは、先ほど言ったイメーション社株式の評価減が大半です。構造改革費用がこれだけ超過した理由は先ほど社長からもありましたが、不採算製品が必ずしも思うようにいかない。それをカバーするための追加施策と、我々に関係した他社の動向が新たに加わったことへの対応による追加施策。それから、在庫処分の徹底、立ち上げ過程にある、利益がまだ出せないでいる事業の減損で、多くの構造改革費用を使わせていただきました。その分損益は悪化しましたが、体質は改善されたと認識しています。

2009年3月期 貸借対照表

連結貸借対照表です。第3四半期から第4四半期にかけて出入りが激しかったものですから、先期末との比較ではなくて、第3四半期、12月末との比較で説明させていただきます。
総資産が352億円減少しています。3月末の為替レートは、ドルが98円23銭、ユーロは129円84銭。12月末と比較すると、それぞれ7円20銭、1円88銭、円安に動いています。したがって、外貨資産は300億円強増加していますが、赤字計上や包括利益の損失幅拡大で総資産が減少しています。この中で、現金及び現金同等物が115億円減少しています。逆に、短期投資が159億円、有価証券が175億円増えています。固定資産の中のその他の資産の中に、エプコス社を100%化するための、残り5%弱相当の資金68億円が含まれています。12月以降、これら資金性のものの増分は282億円ありました。
これに対して、短期借入債務は長期に置き換えたことで1,622億円減少しています。また、一年以内長期借入債務が140億円減少しています。逆に、長期借入金と社債が2,029億円増加して、差し引き267億円の借入資金の増加となりました。第4四半期は、多額の構造改革費用の発生、評価減等で大幅な赤字決算となりましたが、資金的には借入金の増分よりも、資金の増分が若干上回ったことでキャッシュの毀損が避けられました。これは、構造改革もキャッシュアウトを伴うものがなかったことと、在庫削減や売掛金の回収を徹底したことによって、キャッシュポジションの悪化が避けられたということです。棚卸資産は224億円減少しています。TDKの従来グループの分では12月が914億円でしたが、721億円ということで193億円の在庫削減になっています。
株主資本比率は50.3%まで落ち込みました。12月末では、エプコス社を1,651億円で買収して総資産が増え、それによって55.9%まで低下しましたが、この第4四半期では607億円赤字を計上しています。その他の包括利益は、年金債務調整額を中心に201億円悪化しています。いわゆる資本減による資本比率の低下を、早急に改善していかなければいけないということです。

2009年3月期第4四半期 前年同期比

第4四半期の製品別売上高です。エプコス社を除いた前年第4四半期比較で、セグメント別の当期売上高と、前期第4四半期比較の増減額、伸び率、全社に占める構成割合、セグメントを構成する製品区分ごとの事業概況、伸び率と構成割合を報告させていただきます。従来のTDKグループの売上高は1,070億円、実に1,009億円、49%のダウンとなりましまた。エプコスを含めた全体売上高が1,391億円ですから、従来のTDK分は77%ということになります。この部分についての説明です。
まず、電子材料の売上高は209億円、前期第4四半期比較マイナス250億円、54%の減収。構成割合は全体に対して15%。電子材料を構成するコンデンサは、PC、AV、ゲーム、携帯電話、カーエレクトロニクス、押しなべて販売が落ちています。その結果54%の減収で、このセグメントの68%を構成しています。フェライトおよびマグネットですが、金属磁石はHDDで、フェライト磁石は自動車で、フェライトコアは電源トランスで売上を落として56%の減収。構成割合は残り32%。
電子デバイスは、売上高が290億円、前期第4四半期比較マイナス223億円、43%の減収です。構成割合が21%。電子デバイスを構成するインダクティブデバイスは、コイル製品とEMC製品は薄型テレビ、ゲーム、携帯電話、カーエレクトロニクス向けで販売を落とし、トランスは電源製品向けの販売を落としています。高周波部品はPC向けの販売が減少しています。その他に含まれるセンサアクチュエータはPC周辺機器向けで落とし、電源は半導体が不調で売上を落としています。その結果、インダクティブデバイスは44%の減収。構成割合は43%。高周波部品は71%の減収で、構成割合は5%。その他が37%の減収で、構成割合は残り52%。
記録デバイスは、売上高388億円、前期第4四半期比較マイナス491億円、56%の減収。全体に占める構成割合は28%。需要縮小と、それに伴う数量減、価格下落と円高ということでの減収です。HDD用ヘッドは53%の減収、構成割合は88%。その他は70%の減収で構成割合12%。その他にはサスペンションが含まれています。需要減によって売上は減っていますが、一昨年10月にサスペンションメーカーであるマグネコンプを買収して、10月以降昨年3月までの5カ月間の売上高を前年は第4四半期に入れたこともあって、減収幅が大きくなっています。
その他の売上高は182億円、前期第4四半期比較マイナス45億円、20%の減収。構成割合は13%です。その中で、電池は需要増によって増収し、減収幅が比較的少なかったということです。
営業利益は660億円悪化していますが、前年と比べると、操業ダウンで463億円、構造改革費用で292億円、加えて円高や売価値引きの影響があり、合理化・コストダウン、資材値引き、販売管理費削減等ではカバーしきれなかったということです。エプコスは営業利益が109億円の赤字となっていますが、通常営業分は構造改革費用3億円を含んだ57億円の赤字、のれん償却の発生が52億円で、合計109億円となっています。

前四半期比較(3Q vs. 4Q)

次に、第3四半期、第4四半期の比較です。売上高が489億円減少しています。10月、11月、12月と、急速かつ大幅な受注減、売上高減となりました。1月は12月の売上高をさらに下回り、2月以降の回復が非常に緩やかなため、第4四半期の売上高は第3四半期より489億円落としています。損益的には前四半期比較で505億円悪化していますが、売りが落ちたことと、在庫調整のために意識して操業を落としたこと、その双方が加わっての悪化となります。構造改革費用は、第3四半期39億円に対して第4四半期は298億円。259億円の悪化要因がありました。

設備投資額、減価償却費、研究開発費の実績と見通し

次に、設備投資、減価償却費、研究開発費の実績と見通しです。設備投資が1,000億円、TDKが956億円、エプコスが44億円。減価償却費が896億円、研究開発費が576億円。2009年3月期はこのような実績になりました。設備投資は前回の見通しから約50億円増加しています。これはキャッシュベースの話で、新たな投資を抑制していますので、支払いが促進された結果だと思っています。それから、減価償却費が増加していますが、エプコス社ののれん52億円をここに追加した結果、増えています。今期の見通しですが、設備投資410億円、減価償却費810億円、研究開発費530億円を考えています。比較するときに、2009年3月期はエプコスが6カ月分、それに対して2010年3月期は12カ月分が入っていますので、みかけよりはもっと減っている。そういうイメージだと理解していただければと思います。

設備投資額の四半期推移

最後になりますが、2009年3月期は設備投資がキャッシュベースで956億円と膨らみましたが、その前年度、投資を決定した本荘工場を始め、多くの設備でずれ込みがあり、このような数字になっています。2009年3月期として検収ベースで承認した分は446億円。特に第4四半期は57億円にとどまっています。当初予定していた700億円からは250億円強の投資を抑制したことになります。多額の構造改革費用を使わせていただいたものの、大きな回復が期待できない状況下にありますが、何とか黒字決算を確保すべく最善を尽くしたいと考えています。

ありがとうございました。

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