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[ 2009年3月期 通期 連結決算説明会 ]Q&A

Q1. 棚卸資産が3月末で1,056億円まで減少していますが、6月末にどのぐらいを目処とされているのか、また、1Qの操業度をどのように見ておられるのか教えてください。2点目に、09年度の設備投資、減価償却、R&D費用のエプコスとTDK分、それぞれいくらなのか教えてください。
A1. 3月末では、いかに在庫を減らすかということで徹底して操業を落としてきました。基本的に4月からは受注即生産の体制を採っていますが、現実には在庫が減るくらいの受注が来ています。ただ、少なくともこれ以上在庫を増やさないように、本当の意味でのリードタイムの短縮等で在庫を減らしていきたいと考えています。操業度については、3月までは50%以下という状況にありましたが、4月以降は60から70%まで戻ってきています。 また、2010年3月期に計画している設備投資額等のエプコス社の数字につきましては、エプコス社が上場している会社であり、彼らが公表していないことから、我々からの公表を差し控えさせてください。
Q2. いつもの、HDDヘッドとMLCCの指数、クオータリーの予想があれば教えてください。特にHDDヘッドに関しては、HDDとHGAそして員数の実績と見通し数字について、細かい数字があれば教えて下さい。
A2.  HDDヘッドの指数ですが、2009年3月期の1Qを100として、2Qが113、3Qが97でしたが、4Qは69まで落ちました。2010年3月期1Qの今の見込みは、95まで回復するとみています。また、2009年3月期のHDD需要は5億1,000万台、員数は3.01、HGAの需要は15億個強とみています。2010年3月期については4億7,000万台、員数は3、HGA需要は14億個強とみています。 シェアは2009年3月期は29%、2010年3月期は30%プラスを目指しています。 MLCCについて申し上げます。2009年3月期は、売上ベースで31%の減収になりました。今期の数量は前期比ほぼ横ばいと考えています。値引きについては10〜15%で考えています。
Q3. 今期の業績が通期の数字で一本になっていますが、できればクオータリーのイメージ、黒字化していくタイミングを計画上どのようにみているのかということと、足下の部品需要は活発なので、その計画との乖離も教えてください。
A3. 今回は、中間期の見通しを出していません。その理由として、ここのところようやく回復基調にある受注が、このまま回復してくれるのか、回復がどのレベルまでいくのか、反動で若干下がることがあるのか、この辺りは読みづらいためです。そのため、四半期毎の業績見通し開示は差し控えさせてください。ただ、1Qだけで言うと、従来のTDKだけで売上高は420億円程度を想定しています。450億円の売上で何とか赤字にならないようにということで構造改革をやらせていただきましたので、1Qは若干赤というイメージになりますが、4月、5月を見ていると、これより良いほうにいくのではないか、ただ、これが2Q以降続くかどうかは定かではないという状況です。
Q4. HDDヘッドについてお願いします。現状でウエハ工程の工場の稼働率はかなり回復しているのではないと推定していますが、ボトムはどれくらいで、今どれくらいか教えてください。
A4. HDDヘッドのウエハの稼働率ですが、ボトムは1-3月の間で3割ぐらいまで落ちました。現状は7割程度に回復しています。
Q5. コンデンサ事業の収益がかなり悪化して、厳しい状況にある。由利本荘の見立てですが、集約される秋田の工場と比較して、工場のポテンシャルとして歩留まりはどのくらい改善する見立てなのか、インディケーションがあれば教えてください。
A5. 本荘工場のポジションは、先ほどお話ししましたように、これから増える高大容量、薄層化に向けた基幹工場として考えています。特に小型化製品の対応です。これについては実際に環境も含めて、歩留まりは去年の段階で数%上がっています。設備だけではなくて、今いろいろ細かい改善項目をしています。これが今期上期中には整ってくるのではないか。その中で本荘工場は、新製品の基幹工場としてこれからも位置づけていきたいと考えています。
Q6. 今年度から新規中期計画3年間が始まります。その数値等については特に決めていらっしゃらないかと思いますが、あれば教えてください。新規中期計画3年の前に、上釜社長が就任されて3年経ちますので、過去3年間、就任されて以降の具体的な成果を、大きい順にいくつか上げていただきたいと思います。3カ月前にも似たような質問をさせていただきましたが、まずそこを教えてください。
A6. 今期から新中期ということでアナウンスしています。エプコスを含めて語らなければいけないわけですが、改めて第1四半期の決算のときに、新中期の説明も具体的にさせていただきたいと考えています。
それから、非常に厳しいご質問ですが、私が就任して3年、何をやったかということです。買収ばかりしたような感じですが、かなりお金を使わせていただきました。アルプス電気からHDD用ヘッドの資産譲受、マグネコンポ社の買収、エプコス社の買収、デンセイラムダ社の100%子会社化。必要だと思ってやったわけですが、まだ刈り取りができていないと認識しています。今期から刈り取りに入る。特にHDDヘッドは刈り取りに入れるのではないかとみています。TDKラムダもここに来て一体感が出てまいりまして、いろんな意味で動きは活発になっていますが、いかんせんこの不況で、半導体装置もだめ、産機もだめということで今は苦戦していますが、それなりの手は打っていますので、何とかこれも黒字にしたい。刈り取りをできるだけ早くしたいと思っています。また、いろんな分野に新しく伸ばしていこうとしています。鉄道関係、医療関係、LED関係、照明関係。特にやらなければいけないのは通信インフラの基地局用に電源を積極的に攻めていこうということで、拡販に動いているところです。
コンデンサは本荘工場を造りましたが、経済危機で、かえってお荷物になっているのではないかとおっしゃる方もいると思います。ただ、今回の大不況のお陰で集約がかなり早くできた。稼働率が落ちたお陰で完全集約、4拠点に集約できたことは、逆に良かったと思っています。そのために、各拠点の位置づけがきっちりできた。今まではバラバラに作っていたので、効果が見えなかった。何をどうやるかがわからなかった。非常に不透明だったわけですが、これがかなりスッキリしてくる。新製品も、今から本荘工場で集中してやれるだろう。何とか今年末までには他社に追い付きたいと思っています。お金を使わせていただいたので、早く刈り取りに回りたいというのが私の思いです。
Q7. 今の質問に絡むところがありますが、コンデンサについて、荒谷さんに代わったことで何が変わるのか。新しい発見や、改善点は見つかったのか。その辺りを教えていただいた上で、下期のコンデンサ事業の収益性は、トントンなのか、赤字なのか、どのような計画になっているか教えてください。
A7. 当然体制が変わります。逆に、あまりよく知らない部分もあるので、任せる経営ができるのではないかと思っています。言いにくいですが、やることは決まっています。何をどうするか、誰がいつまでにやるか、全部決まっています。それをただやればいい。ドゥをする。それをいかに管理するかということでは、荒谷は非常に長けているのではないか。今までインダクをやってきた手法は非常に良いのではないか、下が育つのではないかと思っています。その辺が違うところだと考えています。
Q8. エプコスについて冒頭社長からご説明いただきましたが、前回伺った感じでは、新会社を作る前から一緒にいろいろやって、スタートダッシュで相当スピードを上げていくとおっしゃっていたと思いますが、今伺っていると、効果は今期というよりも来年度。社長から見て何か遅れている要因があるのか、予定どおりなのか。その辺りの考え方と、今の事業環境の中で、更なる拠点等の整理をしないでシナジー効果が出るのかどうか。エプコスについて、予定どおりなのか、そうでないのか、どうしなければいけないのか、今の社長の見解を教えてください。
A8. エプコスの件ですが、確かにスタートダッシュということで、実際にドゥをする。いろんな制約があってなかなか言えないところがありますが、実際にはいろいろ動いています。今の説明では、確かに遅いということになろうかと思います。シナジーも含めて本当は言いたいところですが、これはぜひ次の第1四半期のときに具体的にご説明したいと思います。買収を発表してから1年経ちました。その意味では、1年でそこそこやれたのではないか。ほとんどのところは決まり、あとはドゥをするだけですので、私はそこそこいっているのではないかと思います。ただ、先ほど今期の構造改革費用として33億円と言いましたが、あれはエプコスとの再編の構造改革費用は入っていません。なぜかと言いますと、それをもってどれくらいの構造改革費用を計上しなければいけないか、効果、金額を中期のために今まさに算出している最中ですから、今回は入れませんでした。
人がまだ多いです。ただ、闇雲に自動化しても、品質が伴わなければいけないということがありますので、慎重にやっていきたいと思っています。ただ、今よりももっと品質を上げなければいけないと思っていますので、それなりの合理化を進めていかなければいけないだろうと考えています。
Q9. コンデンサの下期に向けた収益性は、今、計画でどれくらいを織り込んでいますか。
A9. できるだけ早い時期に、何とか黒字化したいと思っています。
まだ1カ月ですが、私のほうから一言。私はもともと設備をやっていましたので、コンデンサは知らないわけではありません。この7年ぐらいはあまり関わっていませんでしたが。先ほどの社長のお話のとおり、パーツはだいぶ揃ってきたと思います。拠点については、今まで流れが複雑だった中から、いわゆる整流化の中で、製品別にものづくりができるようになってきたということが1つあります。それから、パーツというのは、もちろん作る拠点もそうですが、私がインダクタのときは一気通貫でやってきましたが、その中で、例えば材料がある。製品の設計がある。プロセスがある。実際に、それも含めたものづくりがある。それらのパーツはだいぶ揃ってきていると思います。ここをいかに繋いでいくかが、私の仕事なのかなと。それをやることによって今までより効率的で、あるいは、収益性の上がるようなものを開発したり、製品を作ることが私の使命だと思っています。