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[ 2003年3月期 通期 連結決算説明会 ]2003年3月期 連結業績概要と2004年3月期の見通しについて

代表取締役社長 澤部 肇

代表取締役社長 澤部 肇

本日は大変お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。また、日頃はいろいろお世話になり、厚く御礼申し上げます。
早速、2003年3月期連結決算の業績をご報告申し上げます。

損益概況から申し上げます。売上高は、前期比6.7%増の6,089億円。営業利益は、前期のマイナス437億円に対して221億円。税引前利益は、同じく前期マイナス437億円に対して181億円。当期純利益は、前期マイナス258億円に対して120億円でした。一株当たり当期純利益は90円56銭、一株当たり純資産は4,176円です。なお、営業利益には、構造改革に伴う費用72億円が含まれております。

引き続きまして、部門別売上高の概況についてご報告します。弊社は、電子素材部品部門と記録メディア・システムズ製品部門の2つの部門に分かれております。電子素材部品部門は、前期比9.2%増の4,725億円。この部門は期初から大変好調に推移いたしました。電子部品は昨年6月をピークに若干勢いが落ちてきたものの、AV製品のディジタル化、あるいは自動車の電装化が促進する中で売上高を伸ばすことができました。また、HDD用ヘッドはマーケットシェアを奪還し、売上が好調でした。
これを製品別にブレークダウンいたします。

電子材料製品は、フェライトコア及びマグネット、コンデンサ等が含まれますが、4%増の1,689億円。コンデンサは得意先からの値引き要求が厳しかったのですが、AV製品のディジタル化や自動車の電装化が進む中で品種構成を改善し、売上高と収益の確保に努めました。マグネットは自動車用マグネット、マイクロモーター用マグネットが好調でしたが、フェライトは売上高が伸びず、値引きのため微減となりました。
電子デバイス製品には、高周波部品、インダクティブ・デバイス、電源、センサ・アクチュエータが入っており、6%増の1,127億円。ディジタル家電と呼ばれるディジタルTVやディジタルスチルカメラ、DVDレコーダー向けのインダクティブ・デバイス、あるいは自動車用のインダクティブ・デバイス、そして事務機用、特にプリンタ向けのセンサ・アクチュエータ製品、ゲーム向けのDC-DCコンバータは売上が伸びました。高周波部品は、2002年の夏以降、徐々にお得意様の部品の在庫調整が終わり、数量は回復しましたが値引きが厳しく、数量増ほど売上金額を伸ばすことができませんでした。
記録デバイス製品は、20%増の1,760億円。この製品の90%を占めるHDD用ヘッドは24%増加いたしました。40GB/P、60 GB/Pと80 GB/Pのコンビネーション、80GB/P共に好調でした。マーケットシェアも30%を回復でき、第4四半期では33%になりました。詳しくは、後ほど担当の中野からご説明申し上げます。
IC関連その他製品は、18%減の149億円。通信インフラ関係の設備投資が相変わらず低迷し、LAN/WAN用ICの売上が大幅に減少いたしました。

電子素材部品部門の市場分野別売上を申し上げます。
PC関連(情報)分野は全体の51%を占め、前期比15%増でした。HDD用のヘッドの好調が主因です。
自動車分野は10%の構成で、21%増。モーター用マグネットの新材料の成功、ハイブリッド自動車用電源等によって売上が伸びました。
部品分野は7%の構成で、27%増加しました。マイクロモーター用マグネットやバリスタ等が伸びました。
AV分野は14%の構成で、7%減でした。ディジタルAV製品は好調でしたが、全体の8割強を占めるアナログ製品の減少、並びに価格ダウンによる減少です。
通信分野は9%の構成で、11%の減となりました。値引きと通信インフラ設備の不振によるものです。

次に、記録メディア・システムズ製品部門は前期比横這いの1,364億円。オーディオテープは22%ほど減少しましたが、これをコンピュータ用のデータストレージテープ、ソフト関係製品でカバーしました。ビデオテープは、サッカーのワールドカップ効果で増加いたしました。光メディアはCD-R、DVDの需要増はありましたが、CD-Rの売価ダウン、MDの需要減によって、ほぼ横這いとなりました。

売上高の地域別概要を申し上げます。
アジア関係は中国の好調もあって19%伸び、構成比は43%になりました。米国は自動車分野は好調でしたが通信分野の不振で3%減、構成比17%。欧州は、通信分野が不調で1%減、構成比13%。この結果、海外売上高構成比率は71%から72.8%に増加いたしました。

次に、営業利益について申し上げます。
前期のマイナス437億円から221億円になり、658億円改善できました。当初計画の200億円も達成でき、収益構造改革の途上ではありますが、改善に向かって小さな第一歩を踏み出すことができたと思っております。
増加要因として、売上増加、並びに品種構成の改善による利益増が533億円。歩留まりの改善、資材値引き、経費削減等の合理化による効果は510億円。構造改革費用は、前期361億円から当期72億円に減少し、この増益効果が289億円。また、減少要因として、製品売価値引きが9.6%あり、これがマイナス644億円。1米ドル125円から122円の円高になった為替変動により、マイナス30億円。以上で、658億円の改善となりました。

部門別損益です。
電子素材部品部門は全体で9%の値引きがありましたが、HDD用ヘッドが好調であったことが主因で前期比569億円増加の205億円となりました。記録メディア・システムズ製品部門は収益構造改革が進み、11%の値引きがありましたが前期比89億円増加して15億円の利益となり、3期振りに黒字転換できました。今後も収益強化を図ってまいる所存です。

フリーキャッシュフローは、前期のマイナス164億円から741億円改善し、577億円となりました。利益改善に加えて、資産効率の向上を図っています。棚卸資産保有月数は、2002年3月末の1.9カ月を2003年3月末には1.46カ月、同じく固定資産回転率は2.1回が2.5回、売掛債券保有月数は3.1カ月が2.76カ月と、それぞれ目標を達成し、改善することができました。

単独決算です。売上高は前期比横這いの3,207億円。営業利益は前期マイナス85億円に対して32億円。経常利益は前期比19.8%増の91億円、税前利益は前期マイナス88億円に対して16億円。当期純利益は、前期マイナス38億円に対して1億3,300万円。営業利益は117億円改善していますが、当期純利益が39億円の改善にとどまったのは、子会社からの配当金99億円の減少によります。
期末配当金は、1株につき25円とさせていただく予定です。年間配当は、昨年12月に実施した中間配当金25円と合わせて50円になります。

次に、2004年3月期の見通しについて報告します。
まず連結の損益ですが、売上高は前期比4.3%増の6,350億円。営業利益は前期比86%増の410億円。税引前利益は前期比132%増の420億円。当期純利益は、前期2.5倍の300億円を予定しております。

単独の損益は、売上高は前期比横這いの3,210億円、営業利益は前期2.5倍の80億円。経常利益は前期比43%増の130億円。当期純利益は69億円増の70億円です。

借金をしながらも、ひとり世界経済を引っ張ってきたアメリカですが、アメリカへのお金の流れが変わったことで、牽引力が弱まったと見ております。したがいまして、世界経済の低迷は続くであろうと思います。また、市場、情報の発信基地、開発等で、米国との関係が極めて深いエレクトロニクス産業も踊り場にあると考えております。
もちろん、一部伸びるものもございます。例えば、ディジタル家電関係のDVDレコーダーは3倍、ディジタルテレビは50%増、ディジタルスチルカメラは30%増。あるいは、自動車の電装化の促進で、電子部品市場は10%弱伸びると思います。しかし、ここ数年、エレクトロニクスや電子部品を引っ張ってきたPC、携帯電話を補うほどの金額的伸びは当面期待できないと思います。さらに、中国生産の拡大が今後も続き、需給バランスの是正には時間がかかるため、価格の下落傾向はなかなか脱しきれないと考え、このような厳しい環境の中で事業展開をせざるを得ないと覚悟をしております。したがいまして、前期からの継続ですが、売上が伸びなくても利益の伸びる体質づくり、そして同時に、市場が伸びなくても売上を伸ばす体質づくりを当期の重点としております。これを目指し、顧客が本当に求める独創的な新製品をタイムリーに提供していかなければいけないと思います。
それには、強いものをより強くし、「e-material solution provider」として本業志向を強めていく所存です。

例えばコンデンサは、私どもが強い高・大容量に注力し、売上高の10%以上に拡大していきます。また、他社より先行しているタンタルコンデンサの置換を、積極的に進めてまいりたいと思います。インダクティブ・デバイスについては、夏から秋にかけて新製品攻勢をかけます。コスト対応力もついてきましたので、同時にコモンモードフィルターの車載を中心にした拡販を展開してまいります。センサ・アクチュエータも拡販していきます。HDD用ヘッドは、計画は堅めに見ておりますが、80GB/P、120GB/P、160GB/Pとナンバーワンの地位を固めてまいります。

いずれにしても、このような状況下においては開発促進がキーとなります。開発費は売上高に対して5〜6%を考えていますが、開発段階から勝ちカードが考えられるものに極力テーマを絞り込んでまいります。それから、私どもはカーエレクトロニクス、情報家電、高速・大容量ネットワークを重点3市場としておりますが、ここに対応した営業体制に改組しました。そして、市場と要素技術を結ぶアプリケーションセンターを新設し、お客様とわれわれの技術の距離を極力縮めるようにしております。また、知財、開発、事業の三位一体運営を図るべく、知財機能の強化を図っております。したがいまして、CTOの野村に知財センター長も兼ねてもらうようにしています。

以上の施策によって開発を促進し、新製品比率はヘッドを除いて30%を目指します。ヘッドを含めればすでに30%を超えておりますが、ヘッドはご承知のように6カ月で商品が代わりますので、これを除いた製品の新製品比率を30%としています。さらに、ナンバーワン製品比率50%を達成し、収益の改善を図ってまいります。

営業利益については、先ほど申しましたように、前期の221億円から当期410億円と、189億円の利益改善になります。その内訳は、売上増加および品種構成改善による利益増で351億円。歩留まり、資材値引き、経費の削減等の合理化による増益効果で326億円。構造改革費用は前期72億円が当期40億円を見込むので、これによる増益効果は32億円。製品売価値引きはマイナス要因で500億円、前期は1米ドル122円でしたが、当期は120円で計画していますので為替変動による利益減は20億円。以上で、189億円の増益を考えております。

2004年3月期は、われわれにとって新しい成長の期にしたいと考えます。厳しい環境ですが、売上が伸びなくても利益の伸びる体質。次に、市場が伸びなくても売上を伸ばす体質を構造改革のテーマといたしました。地味でございますが、本来やるべきことをきっちり行い、利益の出る新製品をタイムリーに生み出せる構造、体質にいたしました。2004年4月から、高収益会社を再度目指していきたいと考えております。
短期的には非常に厳しい環境でございますが、中・長期的にみれば、エネルギー、環境、ロボット、ナノテク利用、バイオエレクトロニクス等の期待の市場が待ち受けておりますから、これらの市場に対応できる材料技術力、プロセス技術力を高めてまいりたいと存じます。

なお、当期は、中期計画で設定した「エキサイティング108」の最終年度になります。残念ながらITバブルの崩壊、それに伴う設備投資の見込み違い等により、目標達成は難しくなってまいりました。この構造改革をなんとしても完了し、達成時期はずらしても、当初の目標は達成したいと考えております。引き続き、ご支援のほどをよろしくお願いします。ありがとうございました。

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