サステナビリティ | 社会ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン

基本的な考え方

TDKグループは、グローバルに事業展開する多数のグループ企業から形成されています。多様な個性を持つチームメンバー(従業員)が能力を発揮できる環境を整備することは、TDKグループの今後の成長にとって必要不可欠です。TDKグループは従来ダイバーシティ&インクルージョンの促進を掲げてきましたが、多様なチームメンバーの活躍に不可欠なエクイティ(Equity、公平性)の概念を加え、組織のDE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)を促進し、革新的な創造を生み出し続け、競争力を高めています。エクイティとは、すべてのチームメンバーを公平に扱うだけでなく、社会や職場への参加を阻む困難に直面してきた人々の存在に気づき、対応することも意味します。

またTDKグループは中長期の人財戦略として「インクルーシブ・リーダーシップ」を掲げています。インクルーシブ・リーダーシップが実現するには、チームメンバー全員が受け入れられ、支えられ、ビロンギング(Belonging、帰属意識)の感覚を感じられる環境を作り出す力や行動が必要です。ビロンギングにより、チームメンバーは潜在能力を最大限に発揮し、ビジネスや世界にポジティブな影響を与えることができると考えています。TDKグループのリーダー達はその模範を示しつつ、積極的にインクルーシブ・リーダーシップを実践することで変革を推進します。また明確な目標とオープンなフィードバックを通じてエンゲージメントを促進します。

DE&I推進のための3つのA

TDKグループがDE&Iを促進する上では次の3つのAに注力しています。

  • Awareness : 認識
    ◦DE&Iの重要性と意義への認識
    ◦DE&Iを推進する上でのチームメンバーが担う役割への認識
  • Action : 行動
    ◦インクルーシブな考えを備えたリーダーシップ行動
    ◦DE&Iをすべての活動に組み込む行動
    ◦エンゲージメントとビロンギングの向上につながる行動
  • Accountability : 説明責任
    ◦インクルーシブな考えを備えた企業文化の創造
    ◦DE&Iの浸透を確認するための指標(チームメンバー・エンゲージメント調査への参加率等)

関連情報

ガバナンス

TDKグループのDE&I推進活動の推進体制は以下の通りです。
・2020年:人財本部国内人財開発統括部内にダイバーシティ推進部を創設し、DE&Iに対する日本のチームメンバーへの意識向上、女性活躍推進、ハラスメント防止を重視した取り組みを進めてきました。
・2023年:アジア、欧州、北米の人事部門のリーダーで構成するグローバルのDE&Iチームを設立しました。グローバル全体と地域ごとにおける人事部門や事業部門と連携し、DE&Iに対する意識の向上に努めています。グローバルにおけるインクルーシブな行動を喚起し、DE&Iに対する個人と組織のアカウンタビリティを創出することがねらいです。

戦略

グローバル戦略:以下の活動を通じて、TDKグループにおける人財活用戦略を支援しています。

  • グローバルや地域での人事活動において、戦略的なDE&I促進の支援
  • 全チームメンバーのTDKグループへのビロンギングの向上
  • 多様性に富む人財パイプラインを構築するため、投資対象となる人財の発掘と投資

リスク管理

DE&Iの目標に対する進捗状況をモニタリングするため、以下の指標を確認しています。未達事項に対しては必要な調整を行います。

  • トップ、ミドル、ジュニアマネジメント層における女性の割合
  • 技術職における女性の割合
  • 事業部門における女性の割合
  • 社外からの採用における女性の割合
  • グローバルマネジメント開発プログラムに参加する女性の割合
  • 海外赴任をする女性の割合
  • チームメンバー・エンゲージメント調査におけるチームメンバーのビロンギングのスコア

指標と目標

中長期目標

TDKはグループ全体で女性の活躍を推進する活動に注力しています。社長執行役員CEOの齋藤は、「国連の持続可能な開発目標(SDGs)を実践するには、女性チームメンバーの育成と活躍が不可欠です。女性が本来持っている力を発揮することによってもたらされるポジティブな影響は、女性の活躍を見れば明らかです。女性が本来持っている力をさらに引き出し、TDKグループ内にとどまらず、社会にとってより大きな価値を生み出すために、私たちにはもっとできることがあると考えています」 と述べています。この考えのもと、TDKグループは、女性の持つ能力、価値、可能性を引き出していきます。
そこで、TDKグループではでは中長期的な目標として、以下のように目標を設定し、その達成を目指して活動を展開しています。

女性管理職比率の目標と実績(%)

実績 目標
2022 2023 2024 2030 2035
TDKグループ 22 22 22 25 -
TDK(株) 3.7 4.3 4.8 - 15

関連情報

2023年度の目標と実績

2023年度目標 実績
新任・経験者採用の管理職を対象とする意義浸透のワークショップの継続展開。 参加率89%
女性係長職人財の外部研修機関への派遣、メンター制度実施、キャリア開発セミナー展開。女性一般職へのキャリア開発セミナー展開。 外部研修機関への派遣人数:4人
メンター制度参加者:9人
係長職キャリア開発セミナー参加者:40人
一般職キャリア開発セミナー参加者:38人
障がい者チームメンバーの定着のための障害者職業生活相談員の日本全国の拠点での配置。 TDK(株)の日本国内の事業所のあるすべての地区に配置完了

評価と今後の取り組み

2024年度目標
TDK(株)でLGBTQコミュニティ理解のためのハンドブック制作

取り組み

日本の女性チームメンバーへの活躍支援

TDK(株)では、創業100年に当たる2035年までに日本の管理職における女性の比率を15%にすることを目標に、各種の取り組みを展開しています。すべての活動の目的は女性チームメンバーの視野の拡大です。ここでは活動の一つである、日本で毎年約80人が参加するキャリア開発セミナーを紹介します。

管理職手前の係長職の女性チームメンバーを対象に、2日間のプログラムのキャリア開発セミナーを年2回開催しています。本セミナーの大きな特徴は以下の通りです。

・日本全国から集まる女性チームメンバーのネットワーク作り
本セミナーでは多くのグループディスカッションを用意しています。日本全国から集まった初めて出会う参加者とディスカッションを繰り返し実施し、参加者によるネットワーキングを促します。
・EQ診断による行動特性の確認
参加者の行動特性を診断する「EQ診断」と取り入れています。自分自身への洞察の深め、他者への関心の高さや、コミュニケーション手法を本診断で確認し、参加者が今後の活躍のヒントを得ます。
・上司とのキャリア開発面談
研修プログラムの中に直属上司とのキャリア面談の時間が設けられています。今後の目標、上司から期待されていること、キャリア開発のスケジュールなどについて、上司と具体的に話し合い、今後のキャリアプランを具現化します。

活動が始まってから、本セミナーの受講者から管理職への昇格者が誕生しています。最近ではセミナーと工場見学を合わせるなど、セミナーへの参加意欲を高めています。

障がいのあるチームメンバーの活躍

TDK(株)には100名を超える障がいのあるチームメンバーが在籍していますが、その大多数が正社員として職場で活躍しており、チームメンバーがともに支え合い誰もが活躍できる職場を目指しています。また、障がいのあるチームメンバーが在宅勤務を行いながら遠隔拠点の業務を担うといった、柔軟な働き方を積極的に取り入れています。

TDK 就労パスポートの取り組み

TDK(株)では、障がいのあるチームメンバーと上司や人事担当者との個別面談を通じて「TDK就労パスポート」を作成し、一人ひとりの得意な業務スキルや働く上で必要な配慮について相互理解を深める取り組みを行っています。面談時のチームメンバーの意見をもとに、聴覚に障がいがあることを自ら示すためのシンボルマークである「耳マーク」を作成したり、緊急避難時の情報伝達の方法を工夫するなど、さまざまな合理的配慮の施策につなげています。

障害者職業生活相談員の配置

TDK(株)のすべての事業所に障害者職業生活相談員を配置して相談・支援体制を整えています。

人財の尊重に関する各種の取り組み

TDK(株)では、LGBTQ+が直面する課題への理解を深めるため、2023年11月にLGBTQ+セミナーを開催し、社長執行役員CEOの齋藤や日本在住の執行役員を含む90名以上が参加しました。セミナーでは、LGBTQ+を取り巻く環境や企業として取り組む必要性についての講義、ゲイとトランスジェンダーの当事者によるパネルディスカッション等が行われ、活発な議論となりました。このセミナーをきっかけに、LGBTQ+チームメンバーのための相談窓口も開設しています。2024年4月には東京レインボープライドに参画するなど、アライとしての活動も行っています。

また、3月の国際女性デーでは、TDKグループ全体で国際女性デーを祝うイベントを展開しました。社長執行役員CEOの齋藤は女性メンバーに対するTDKグループのコミットメントを発表し、すべての日本の拠点で、国際女性デーの象徴であるミモザの花が飾られました。TDK Philippines Corporationでは自治体と協力して、子宮頸がん予防のためのHPVに対するワクチン接種を無料で実施するなど、TDKグループ全体でこの日を盛り立てました。

多様な働き方とワークライフバランス