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[ 2013年3月期 第2四半期 連結決算説明会 ]Q&A

Q1. HDDの市場見通しですが、今回、7月時点の6億6,000万台から5億7,500万台に引き下げていますが、3Q、4Qはどういった数字を見込んでいるのか、可能であれば、来年どういった方向で見ているのかについて教えてください。あわせて、HDDヘッドの稼働率についても7-9月から10-12月とどのように変化するのかお願いします。
A1. 今期のHDDの市場の見方ですが、3Q並びに4Qの数量は、それぞれ1億4,000万台で想定しています。来年の見込みにつきましては、1つの明るい要素としては、おそらく2014年のWindowsXPのサポート終了前の需要がある程度出ると思っておりますが、市場については過剰には見られないと思っていますので、2〜5%程度の増加と見ています。
続きまして、2つ目のご質問のヘッドの稼働率ですが、後工程の稼働率は、ほぼ販売に合わせた形で修正を加えています。従って、当社の生産量の最大生産量に対して80%弱位の生産調整となります。一方で、前工程ウエハー側ですが、リードタイムが非常に長いので、上半期の市場の需要を大きく見ていたこと等も影響し、3Qの稼働率は少し低めで見ており、60%弱程度を想定しています。4Qには在庫レベルを戻して稼働率はあがって参ります。
Q2. 2Qの前工程の稼動実績は、何%位ですか?
A2. 2Qは60%の後半とお考えいただければ結構です。
Q3. セラミックコンデンサについてですが、生産拠点の再編等の構造改革は2Q末で完了しているのかどうか教えてください。上期から下期にかけて、リストラ費用はまだ発生するのかどうかについても、あわせてお願いします。
A3. 生産拠点の再編等の構造改革については、進捗はほぼ計画通りとなっています。足元で損益的には厳しい状況が続いていますが、4Qにむけて損益改善が進んでゆきます。コンデンサの構造改革費用については、下期は14億円を見込んでいます。
Q4. 受動部品において、1Qで2億円、2Qで10億円発生した構造改革費用は、ほとんどセラミックコンデンサという理解でよろしいですか?
A4. セラミックコンデンサについては、2Qに6億円です。
Q5. HDDヘッドの収益の増減、そして、全体の組立についてです。1Qから2Qにかけて、売上が記録デバイス全体で41億下がっているのに対して、利益が構造改革と保険金の差し引きで51億円程度、磁気応用製品で下がっていると思います。数量も下がっていますが、それ以上に利益の大きな下げがあるのか背景を教えてください。また、保険抜きの利益水準から3Q、4Qがもう1回下がるように計画されているのかどうかというところの確認をお願いします。
それを踏まえて、全体の利益の作りとして、2Qは保険金を除くとかなり低い水準になってしまいますが、下期は206億円なので、3Q、4Qでそれぞれ利益を100億程度作らなければいけない中で、2Qから3Q、4Qに向けたセグメントごとの利益の増減を、どの様に計画されているのか教えてください。
A5. 磁気応用製品ですが、今、お話がありましたように、2Qにつきましては保険が45億円入っております。また、リストラ費用についても8億円磁気応用製品で入っておりますので、それを加味していただければと思います。その要素を除いても、1Qから2Qにかけて利益はマイナスになっておりますが、HDDヘッドで、数量、売上が下落した分、利益は下がっております。ただ、磁気応用製品に含まれておりますマグネットにおいて、一時的にレアアース価格の変動がマイナスに影響しており、1Q比で若干マイナスになっています。
Q6. 確認ですが、HDDヘッドは売上減、数量減に沿った利益減で、特に急ブレーキを踏んで利益だけが悪化したという感じではなく、HDDヘッド以外のところの反動が大きいということでよろしいでしょうか?
A6. はい。電源も含めまして、HDDヘッド以外のところの減少が大きかったです。
Q7. 2Qの水準から、各セグメントの3Q、4Qの利益の増減は、どの様に組まれているのでしょうか?
A7. まず、受動部品ですが、現在、リストラ費用を下期で20億円程度、3Qと4Qでそれぞれ10億円程度で見ています。年間32億円ほどのリストラ費用を見ております。3Q、4Qともに損益改善傾向になります。
磁気応用製品については、特にHDDヘッドにつきましては、3Qの数量については、指数でいくと若干上がっているという中で、売上は1%か2%マイナスで見ていますが、値引き、価格のプレッシャーの影響を見ております。フィルム応用製品につきましては、2Qに続いて好調を維持する見込みです。
Q8. 磁気応用製品は、保険を除いたベースから、3Q、4Qと利益が落ちていくということを、イメージとしているのでしょうか?
A8. HDDヘッドについては、売上は変わりませんが、若干価格のプレッシャーをここで見ています。他の製品については、利益は戻るのではないかと考えています。
Q9. 全体で、保険金を除くベースから特に変わらないぐらいのイメージでしょうか?
A9. そうですね。
Q10. コスト管理をもう1回引き締めるという中で、その効果をどの程度来期出てくると見込んでいるのかを教えてください。過去1年以上、相当構造改革を取り組んだ現在の環境で、追加的にこの様な取組みをやらなければいけない課題として考えていることを教えていただければと思います。
A10. コストに関しては、特に海外ですが、投資に対してリターンの創出が低い設備を1点1点、分析しているところです。遊休資産も含めて、再活用ができるものは徹底的に活用したいと思います。改造して使用可能であれば使うということも含めて、投資をできるだけ抑えながら、生産能力はもう少し拡大していくことを追求したいと考えています。特に海外でこの様な取組みを徹底させる考えです。また、購入品についても事業部毎に、あるいは工場毎に管理のばらつきがありましたので、これを見直します。今まで手を付けていなかったことも含めて今後コスト管理を徹底させようと思っております。来期どの程度まで反映できるかの点ですが、設備投資は今期の見通し水準から低くできるだろうと見ています。キャッシュフローを改善しながら、生産能力を低下させない形で進めていく考えです。
Q11. セラミックコンデンサは、現在実施していている構造改革施策により、今後市場で生き残る上では十分な経営環境が整うという考え方でしょうか?
A11. はい、そのように考えています。加えて、製品開発においては、産機、車載、パワー系のところのセラミックコンデンサは引き続き伸ばしていく方針で、新製品を出していきたいと思っています。セラミックコンデンサの、0402以下の製品の開発には力を入れています。今後もこの分野は積極的に開発リソースを投入していきたいと思っています。そこが現在行っている構造改革施策が完了することで収益均衡になった後の、事業成長に繋がっていく大きな要素になるのだろうと見ています。
Q12. 高周波部品は、下期、来期、どの程度デザインイン活動が進んで、損益の改善が見えているのかという点と、下期にリスクとして考えなくてはいけない点を教えてください。
A12. 高周波部品ですけれども、おっしゃるように収益的には厳しい状況が続いています。1Q、2Qはお客様のスケジュールの影響も若干はありましたが、根本的には当社のデザインインの成果が十分でなかったと感じています。ただ、下期にかけては、これまでやってきた案件も相当ありますので、デザインインの成果が出てくるものと感触を掴んでおります。来期の高周波部品は、当然単品もありますし、モジュール製品もあります。その中で、1つはパワーインダクタです。この辺りの製品も重要な要素になりますが、既にICメーカー様からの承認も取りつつあります。今後この辺りの分野で強みを発揮できるのではないかと思っています。
Q13. セラミックコンデンサで0402の高容量系の新しい材料の製品を発表していると思いますが、ここのデザインイン活動は今どうなっていて、セラミックコンデンサの利益を損益分岐点にもっていく上で、どれぐらいこの商品は重要性がありますか?今期、来期くらいを見据えて感想をいただければと思います。
A13. セラミックコンデンサにつきましては、先日、0402品で久々に新製品を発表させていただきましたが、あれは従来定格電圧4V位で使っていたものを、6.3Vに対応できるように性能を向上させた製品です。今期は構造改革によって損益改善を進め、今後は、今回発表したような材料開発も含めて差別化した製品よって収益を上積みするということを考えています。この後は、従来から申し上げておりますが、特に車載分野、先端部品の差別化された分野でのビジネス拡大を狙っています。
Q14. スライドの14ページ目に、3Qと4Qのそれぞれの見方が書いてあります。ここで特に4Qの受動部品とフィルム応用製品の動きについてですが、通常、1-3月はシーズナリティの影響で売上が落ちると思いますが、受動部品の方が上がるとなっているのは、基本的に特定顧客の動きで増えるとういうことなのか、それとも、最近は10-12月よりも1-3月が増えることも結構ありますので、その様なシーズナリティの変化によるものなのか、教えてください。
A14. 両方だと思います。4Q1-3月期はそんなに落ちないだろうと思います。
Q15. HDD市場が横ばいもしくは若干の成長という状況になり、HDDメーカーの稼働も低い状況になる中で、HDDヘッドは来年どの様になっていくと考えられますか?
A15. 来年はHDDメーカーとしては厳しいところに差しかかると思います。先々を見れば、当然のことながら、当社は熱アシストヘッド等の次のブレークスルーを手掛けておりますので、そこの開発を極力早くすることで、市場の中での当社の強みや存在価値をアピールしていくという形になると思っています。現行品につきましても、数量が伸びない中にありましても、今後延びていくハイデータ転送レートの製品等々をお客様に提供していくことによって、より多くのヘッドを使っていただけるような機種の取り込みを加速させたいと考えております。
Q16. パソコンが新しい機種に半年ごとに変わるごとに、ハードディスクドライブの容量が上がり続けて、メモリの容量も上がり続けていたという過去があると思いますが、最近メモリの容量が上がってこない状況になっています。HDDの容量は、今後も上昇するものなのでしょうか?来年以降のPCの開発において、例えば、250GBでストップしてしまうとか、サーバ分野などを除いたボリュームゾーンの動きは、どうなっていくのでしょうか?
A16. 現状、市場で流れている機種の2.5インチHDDでは、320GBから500GBクラスへのシフトは続いております。当社の生産割合としても、500GBが今後とも上がっていくと見ております。さらに加えて、私どもの開発としましては、640ギガという製品は次のマイルストーンとして、来年の前半には提供させていただけると考えております。まだもう一段階、記録密度の高密度化というところは、伸びしろがあると考えております。
Q17. パソコンに搭載されるHDDの容量が上がっていくのでしょうか?容量が上がっていかないのであれば、ヘッド本数が減っていくわけなので、そこはどう考えればよいのでしょうか?
A17. ご指摘のとおり、パソコンに搭載されるHDDの容量自体が、今後急激に上がっていくとは思われません。その中にあって、HDDヘッド全体の市場といたしましては、上流のほうで、より多くの枚数を使うデータセンター等に市場がシフトしていくと考えられますので、全体としてはヘッドの使用本数は増加傾向にあり、その中でよりヘッドの本数を多く使っていただけるような市場を、今後開拓していくということになると思います。
Q18. スライド9ページの、構造改革の確実な実行、設備投資・研究開発の見直し、購入資材などのコストダウンの徹底という三つの部分の今期の業績に対する影響があれば、教えてください。具体的にいくらかの効果を織り込まれているのか、それとも織り込んでいなくて、来期以降に期待すべき話なのかというのを明確にしていただければと思います。
A18. 構造改革の確実な実行は、先期から引き続き実践してまいりましたので、これは今の計画に織り込まれております。設備投資をこれから1点1点見直していくということについては、今も厳しく見ている部分ではありますが、今期に効いてくる部分は、この中で数億円を見込んでいます。来期以降、この部分の効果が出てくると思います。研究開発費につきましては、機器を含めて見直しをやっていきますので、今期について、数字的にどこまで入るかはご勘弁ください。購入資材につきましては、2Qの終わりから特に海外調達の拡大等、また安い資材、購入部材の検討等を積み重ねてきて、変動費の削減ということでやっておりますので、これについても、下期に効果が出てくるものと思っております。諸経費についても、効果は下期見ておりますが、スライドに書かれていることをより進めて、効果をもっと取っていくということを考えております。
Q19. HDDヘッドですが、来期HDD市場が2〜3%しか延びないことを仮に前提とするならば、余剰な生産設備があるという状況と推測します。これに対して何かアクションを取られるのでしょうか?
A19. 高密度化が進んでおり前工程は生産の工数自体が拡大する方向にありますので、今後の新製品が立ち上がると、設備としてのいわゆる大きな余剰感はありません。ただ、当社はこういう市場環境を受けて、今後やらなければいけないと考えていることは、生産能力投資の絞り込みです。技術の投資につきましては、継続的に競争力を具備するための投資ですので継続しますが、生産能力投資につきましては、厳選していく方向に舵取りをしていきたと思っております。
Q20. HDDヘッドの生産設備の場合、生産設備の寿命が若干短かった印象がありますが、それは、何か新しい技術革新なりで、何なりかで少し延命ができるということなのか、以前から取り組まれていることの延長線なのでしょうか?
A20. HDDヘッドの生産装置は、非常に技術サイクルが速いですが、特に前工程の装置は過去の装置を捨てて、全く新しいプロセスで作るということではなくて、新たな技術を上乗せしていく形になっております。今までの装置を新しい装置に大きく変えるという形の展開ではなくて、装置を改造し過去の技術の上に新たな技術を乗せて生産してきております。そういった形での展開にはならないと考えております。
Q21. フィルム応用製品のところで、2Qはかなり利益水準が上がってきている。もちろん保険料等もあったと思いますが、現在、投資を一時的に凍結されて、今後、来期に備える意味では、天井の生産能力はどのくらいの水準にあるのか。ここは、今期については、今の現有能力で3Q、4Q、少し上がっていくと思いますけれども、利益率は投資なしで今期は上がっていくと見ていいのか。あと、来期の見方、特に生産能力の拡大を考えていないのか教えてください。
A21. 設備投資については、電子部品に関しては一時的に凍結をしますが、電池に関してはどうしようかと、まさに今、せめぎ合いをしている最中です。増産をする一方で合理化も一緒に達成すること念頭に作り方ももう少し変えていきたいということも考えています。来期以降の生産増強については、電池に関しては投資はせざるを得ないと見ています。
Q22. 電池の事業環境としては、シェアは上がっているという認識でよろしいですか?
A22. 今後ポリマー電池が使われる市場がもっと増えてくるだろうと見ており、出来る限り全部のお客様に出荷していきたい。基本的にはプラットフォーム化して出していきたいということです。
Q23. HDDの来期の市場環境について、HDD1台当たりのヘッドの搭載量の見通しは変わっていないという理解でよろしいですか?また、TDKのシェアの目標、35%を目指すと以前説明がありましたが、その目標は変わっていないのかどうかコメントをください。それに加えて、熱アシストに対する投資がいつごろから始まって、その影響がいつ頃から出てくるのか教えてください。
A23. HDDにおけるヘッドの搭載量は、先程申し上げましたとおり、ニアライン系のサーバ系が増えていくと見ておりまして、全体としては上昇傾向にあると考えております。従いまして、HDDの伸びが2%程度で見ていますが、おそらくHDDヘッドの本数については、HDDより多い4〜5%位のレベルで伸びると見ております。シェアは、現状、当社のシェアは約31%と見ておりますが、中期的に見ましても、先ほど申し上げました、当社の特徴ある製品と熱アシストに繋げることも含めまして、目標の35%につきましては、現状も維持をしています。熱アシスト系の投資等々につきましては、前工程のほうはそれ程大きな投資を必要とは考えておりませんが、後工程では、組立工程で、レーザーを搭載していきますので、投資を段階的にしていくという形で考えております。量産が開始されます2014年から段階的に投資を進めていくというように考えております。