[ 2002年3月期 第3四半期 連結決算説明会 ]連結業績概要
経理部長 江南 清司
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連結業績概要
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2002年3月期第3四半期の決算概要についてご報告申し上げます。
短信の7ページ、連結損益計算書をご覧ください。営業利益が対前年比で約323億円の減益となっています。減益要因の第一は、受注減に伴う操業ダウン。それから、品種構成の変化等を含んだ売上の減少で約269億円です。
第二には、売価ダウンによる影響。これが約125億円となっています。第3四半期の売価ダウンについては、電子素材部品部門でHDD用ヘッドの40GB/P製品へのシフトがありましたが、一方で電子材料、電子デバイス製品の得意先からの値引き要求が一段と激しかったということで、平均的には前年同期比8%のダウン。記録メディア・システムズ製品部門で6%強の売価ダウンとなりました。
当期間における対米ドルおよびユーロの期中平均レートは、それぞれ123円、111円で、それぞれ対前年比12%、16%の円安で推移しました。この為替変動による影響額は、売上で106億円、営業利益で29億円のプラス要因となっています。
加えて、原材料値引き、合理化コストダウン、一般管販費等の削減に努めて115億円を捻出しましたが、これらの増益要因だけでは操業ダウンと売価値引きをカバー仕切れませんでした。このままでは現状を打開できないとの認識から、73億円のリストラ費用を使わせていただいて体質改善を進めているということです。
先ほど澤部社長から、中間決算説明時にリストラ費用の見込みを55億円と報告させていただいたのに対して、この18億円の増分(73億円と55億円の差額)はすでに新聞でも報道されていますように、国内子会社の早期退職人数が予定よりも500名ほど増え、それに伴う費用の増加が主因です。
リストラ費用は別段に表示してありますが、SEC基準によってすべて営業費用に計上しています。ただ、それには、構造改革のための直接的な費用、いわゆる国内子会社で実施した早期退職優遇制度の費用や設備を直接除却する必要分のみが入っています。
また澤部社長から85億円のリストラ費用という話がありましたが、これは工場閉鎖や製品移管に伴って発生する機会損失も含めての85億円とご理解ください。
営業外損益ですが、前期から比べて29億円ほど良くなっています。これは前期に、投資有価証券評価損が33億円あり、その関係で良化しているということです。
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次の8ページの連結貸借対照表をご覧ください。これは、当期9月の中間期末との比較になっています。総資産額が7,682億円、約193億円の増となりました。9月末日レートと12月末日レートを比較すると、米ドルでは119円が132円、ユーロは109円が117円と、ともに円安で動いています。海外資産の円換算影響額は約276億円の増となっています。
まず上段の資産の部ですが、現金及び現金同等物が約91億円減少しています。賞与、配当、納税等の決算資金が約110億円、設備資金が約130億円、資金需要としてかかっています。
一方、減価償却費が157億円。こういう状況の中で、なんといっても現金及び現金同等物を減らしているのは、資金の源泉となる利益が十分に出ていないということが最大の要因です。
それから、棚卸資産が約65億円減少しました。第1四半期6月末には1,235億円とピークになりましたが、第2四半期、第3四半期でようやく在庫が減少しはじめたという状況です。売上債権が約141億円増えておりますけれども、第2四半期に比べて為替の円安の影響もあって、若干ですが売りが増えてきたことが増加の要因です。
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下段に負債がありますが、未払費用等が54億円ほど増加。これは、国内子会社で早期退職優遇制度に基づいて費用を計上したことによるものです。
負債勘定の未払退職年金費用が約210億円増加し、一方で、資産の部の「その他の資産」、資本勘定の「その他の包括利益損失累計額」が大きく動いています。これは中間期末に株価下落により保有年金資産の評価額が下がり、ABO(累積給付債務)が若干積立不足になった為、会計処理の経緯をご説明しましたが、9月末以降の株価急落により年金資産時価がさらに210億円ほど減少したことによる変動です。
SEC基準によれば、こういう状況になると不足分210億円を債務として認識します。期間損益を歪めないために期間損益には直接影響させないで、そのうちの税効果分をその他の資産に、残りは資本勘定を減らすという処理をしますが、これはこの基準に従った処理です。
この処理をしますと、包括利益損失累計額が増加しますが、これを見ていただくとマイナスが減っています。これは、別に円安による外貨換算調整勘定にプラス要因があったということです。
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5ページの下段に製品別の売上高がありますのでご覧ください。
売上高、その構成割合、売上高対前年伸び率を申し上げます。まず、電子素材部品部門の売上高は1,076億円でした。全社に占める構成割合は72%。対前年伸び率は24%の大幅ダウンでした。
電子素材部品部門中、電子材料製品の売上高は394億円、全社に占める構成割合は26%、対前年比30%のダウン。電子材料製品のうち、過半を占めるコンデンサの構成割合は65%、前年比29%のダウン。フェライトおよびマグネットが残りの35%、前年比31%のダウンでした。
在庫調整を含めた携帯電話向け需要の減少、IT投資需要の減速、PC、AV関連の不振等により、一部コンデンサで得意先の在庫調整が若干終わってきたということで、部品取り込みによる若干の改善が認められましたが、上半期と比べてそれほど顕著な回復の兆候は認められていないのが現状です。
次に、電子デバイス製品の売上高は260億円。全社構成割合は17%、対前年比34%のダウンです。電子デバイス製品中、インダクティブデバイスの構成割合は52%、前年比35%のダウンとなっています。高周波部品の構成割合は16%、ウエイトの高い携帯電話市場の減速の影響をもろに受けまして、前年比58%の大幅ダウンです。
パワーシステムズその他の構成割合は残り32%で、アミューズメント向けDC/DCコンバータの好調もあって、前年比横ばいです。
記録デバイス製品の売上高383億円、全社に占める構成割合は26%。対前年伸び率は3%のダウン。記録デバイス製品のうち、HDD用ヘッドの構成割合は88%、前年比1%のアップです。その他が残り12%で、前年比28%ダウンとなっています。HDD用ヘッドは40GB/P製品の出荷が徐々に増えてきているということで、マーケットシェアが回復に向かっているためです。
電子素材部品部門中、最後になりますがIC関連その他製品の売上高は39億円。全社に占める構成割合3%、前年比率44%のダウン。半導体市場の減速の影響を第3四半期ももろに受けたということです。
次に、記録メディア・システムズ製品部門ですが、売上高416億円、全社に占める構成割合は28%、対前年の伸び率は9%アップとなっています。記録メディア・システムズ製品部門中、オーディオテープの構成割合は11%、前年比16%のダウン。ビデオテープの構成割合は33%、前年比3%のダウン。それから、光ディスクの構成割合は24%で、一方で大きな価格下落がありましたが、もう一方で数量増があり、前年比9%アップ。それから、レコーディング機器その他の構成割合が32%で、新しいゲームソフトの売上寄与もあって前年比40%のアップとなっています。
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弊社では、記録・通信の分野を中期計画の中で重点分野と位置づけ、ここを拡大していこうということですが、この観点から全社の売上を申し上げますと、全社に占める記録分野の構成割合は、目標45%に対してその目標と同じ45%になりました。
ただ、対前年伸び率は1%のダウンということで、HDD用ヘッドが回復してきて、電子材料製品あるいは電子デバイス製品がダウンしているという相対的な関係で、記録分野の比率が増えたということです。一部、社長から報告がありましたが、通信分野の全社に占める構成割合は目標20%に対して8%。対前年伸び率は59%のダウンです。
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次に、先ほど報告しました電子素材部品部門の売上高1,076億円を100としたときの、分野別の構成割合と対前年伸び率をご報告申し上げます。
PC分野ですが、構成割合が50%、前年比7%のダウン。通信分野、主に携帯電話関連ですが、構成割合が10%、対前年比60%のダウン。AV分野が構成割合17%、対前年比13%のダウン。自動車分野、構成割合8%、対前年比1%のダウン。部品分野、構成割合5%、対前年比35%のダウン。家電分野が構成割合3%、前年比27%のダウンとなっています。
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最後の9ページ、地域別売上高をご覧ください。
まず、国内の売上高ですが、前年同期比33%ダウンで409億円となりました。これは、HDD用ヘッドを筆頭に、ほとんどすべての製品で売上が減少したことが主因です。他の地域でかなり売上に寄与しているレコーディング機器、あるいはソフト商品の貢献が国内ではないということで、すべての製品で大きくダウンしたというのが国内の売上の状況です。
米州地域の売上高は、前年同期比12%ダウンの295億円。電子材料、電子デバイス製品が低調でした。それをHDD用ヘッドとレコーディング機器、ソフト商品等、記録メディア・システムズ製品部門の売上でカバーしきれなかったというのが、この12%のダウンということになっております。
欧州地域の売上高は、前年同期比29%ダウンの215億円。携帯電話向け高周波部品の大幅な減少に代表されますが、電子材料、電子デバイス製品とも一段と低調でした。それに加えて、米州ほどは記録メディア・システムズ製品の売上が寄与しなかった。それで29%のダウンということです。
アジア他の地域の売上高は前年同期比で4%アップして573億円です。これは、他の地域に比べて電子材料あるいは電子デバイス製品の落ち込みが比較的少なかったところへ、HDD用ヘッドのマーケットシェア回復による売上増があって、前期に比べてプラスに転じたということです。
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最後になりますが、4ページの業績見通しです。
先ほど社長から説明がありました連結業績見通し、および昨年11月の報告との差異要因は、社長からの報告のとおりです。これに付け加えて、11月の報告時にみた第4四半期セグメント別売上と、今回見込みとの差をここで報告したいと思います。それから、為替は1ドル120円でみていましたが、今回は第4四半期を130円でみています。
セグメント別の売上は、電子材料が410億円を377億円、電子デバイスが250億円を233億円、記録デバイスが390億円を414億円、IC関連その他が41億円を32億円。記録メディア・システムズ製品が340億円を376億円に、全体で1,431億円を1,432億円に変更しています。
それから、社長からの業績見通し差異の説明の際に、構造改革関連費用を256億円と申しましたが、これには直接的なリストラ費用のほかに、工場閉鎖あるいは製品移管等に関連した機会損失を含んだ形での256億円とご理解いただきたいと思います。
以上をもちまして、第三四半期の連結決算概要の説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。