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[ 2002年3月期 第3四半期 連結決算説明会 ]第3四半期連結業績と今期見通しについて

代表取締役社長 澤部 肇

代表取締役社長 澤部 肇

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本日は大変ご多忙のところお集まりいただき、ありがとうございます。
日頃はご支援を賜り、御礼申し上げます。

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2002年3月期第3四半期の連結業績の概要、通期の見通しについてご説明申し上げます。
はじめに第3四半期の連結業績でございます。売上高は対前期比17.2%減の1,492億円。営業利益は前年の181億円に対し、マイナス142億円。税引前利益は前年の156億円に対し、マイナス138億円。当期純利益は前年の104億円に対し、マイナス98億円でした。なお、営業利益には構造改革に伴う費用85億円が含まれています。

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電子素材部品部門を市場別に見ますと、通信分野が前年同期比60%減。AV分野が13%減。OA分野が7%減。自動車分野のほぼ横ばいを除いて、全分野にわたって前年同期比はマイナスでした。

通信分野については、前々期の全社売上に占める比率10%を中期的に20%にする方針を立てました。前期は16%まで増加しましたが、当期は8%まで落ちました。後発の弱さが市況の悪化の中で、下落幅をより大きくしました。次の拡大期に向けた強い商品づくりに専念したいと思っています。

OA分野の下落が比較的少なかったのは、HDD用ヘッドの売上が回復してきたことによります。HDD用ヘッドは第2四半期に対して28%アップとなり、ようやく前年同期を上回りはじめました。市場における40GB/Pの比率が増加したことにより、マーケットシェアも挽回し、上期の20%から、下期平均で28%、第4四半期では30%と見ています。
有力得意先のHDDの生産中止、あるいは歩留まりの低迷で苦戦していましたが、ここへきて歩留まりが上昇していますし、次の60GB/P、80GB/Pの見通しも立ちました。収益的にも期待できる状態になったと考えています。

記録メディア・システムズ製品部門は、オーディオ、ビデオテープの減少を光メディア、データテープ、ソフト関係で補い、前年同期比9%アップになりました。オーディオとビデオテープの比率が、同部門の50%を切り、44%になりました。CD-Rは大幅な市況の下落があり、残念ながら赤字から脱却できませんでした。欧州を主体とする、もう一段の収益構造の改革が必要と考えています。
データテープも収益が上がっていまして、これについては将来を期待しています。

損益面では記録デバイス、記録メディア・システムズ製品部門はほぼ予定どおりでしたが、電子素材部品部門の市況に対する見方が、甘く、売上の回復がずれ込み、また、値引きも予想より多くなり収益が悪化しました。

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次に、通期見通しについてご報告いたします。
連結売上高は前期比18%減の5,650億円。営業利益は前期の563億円に対し、マイナス360億円。当期純利益は前期の440億円に対し、マイナス230億円。単独は、売上高前期比32%減の3,120億円、営業利益は前期261億円に対し、マイナス78億円。経常利益は前期比84%減の78億円。当期純利益は前期比89%減の10億円でした。

昨年9月の中間決算では、1975年に連結決算を開始して以来、初めての営業赤字になりました。通期でも、残念ながら初の赤字となる見通しです。また、昨年の中間決算発表時に、2002年3月期の最終損益はトントン、営業利益はマイナス13億円の予定と申し上げました。また、当日ご説明しました収益構造改革に加え、更なる構造改革を検討中であり、数字的にめどがつき次第、逐次ご報告しますと申し上げました。
いずれにしましても、大幅な下方修正をせざるを得なくなったことをお詫び申しあげ、中間時の見通しの差異を、追加収益構造改革と併せてご説明申し上げます。

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はじめに、通常の営業損益の悪化要因ですが、一つは売価値引きで、60億円悪化しました。セットメーカーからの値引き要請がますますきつくなってきました。上期に対し下期は7.5%とみていた値引きを9.5%に修正しています。
次に、電子素材部品部門の売上の減少および製品構成の悪化で、70億円悪化しています。通信分野の携帯電話あるいは基地局の回復を見誤りまして、コイル、高周波、フェライト、コンデンサの売上減がありました。現状では少しずつ増えていますが、増え方の見誤りもございました。

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次に、収益構造改革の費用についてご報告申し上げます。
中間決算発表時には、今期76億円の構造改革費用を見込んでいました。この内訳は退職金の加算分等で50億円。設備等の除却等で26億円。今回、追加として180億円をリストラ費用として見込みます。この内訳は、退職加算金で101億円、設備等の除却等で79億円。今期合計で256億円の収益構造改革費用を見込んでいます。内訳は、退職加算金が151億円、設備等の除却等で105億円です。
これにより、人員は今期国内で2,780名、海外で4,500名、合わせて7,280名をこの3月期までに逐次削減しています。107期以降については、海外2,000名、国内自然減480名の計2,480名の削減を計画しており、合計で9,760名の削減を見込んでおります。
次に生産拠点の再編です。国内子会社8社を3社に統合しました。これとは別に、国内工場を3工場閉鎖、海外工場を3工場閉鎖します。さらに、規模を縮小する工場が5工場あります。

以上の施策により、来期2003年3月期つまり107期における固定費削減は、前回の中間時には労務費を160億円と申し上げましたが、200億円に増額します。それから経費圧縮を145億円とし、合わせて345億円の固定費を引き下げる予定です。
その他、原材料費。中間期で申し上げた時は200億円でしたが、昨今の製品値引きの多さから、もう一度見直し、今度の4月からの事業計画ではさらにプラスアルファを考えています。

(注:ここで申し上げております来期の効果金額の試算は、今期行っております構造改革を実行する前のベース、具体的には今上期の実績をベースに行っておりますので、ご承知おき下さい。)

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次に配当です。期末配当については1株につき20円、中間配当と合わせ、1株につき年50円とさせていただきたいと考えています。対前期比では10円の減配となりますが、構造改革に配当資金を回させていただき、早期体質改善を図り、配当率の向上をめざしたいと思っています。なお、役員賞与はゼロとし、役員報酬も現在実施中の削減を増加し、この2月から、最高25%のカットをします。

以上のように、大変な減収減益の発表となってしまいました。全社一丸となって早期回復を目指しますので、引き続きご指導ご鞭撻のほどをお願い申し上げます。ありがとうございました。