2026年3月期 第2四半期 決算説明会 説明要旨
2026年3月期 中間期連結業績概要
副社長執行役員CFO 山西 哲司
山西でございます。本日はご多忙のところ、当社2026年3月期中間期決算説明会に多数ご参加いただき、誠にありがとうございます。それでは私より連結業績概要についてご説明します。
2026年3月期 中間期決算のポイント
当中間期決算のポイントについてご説明します。
当社の業績に影響を与えるエレクトロニクス市場では、ICT関連製品の生産が前年同期比で堅調に推移し、データセンター向けニアライン用HDDの需要も引き続き堅調に推移しました。また、産業機器市場では、再生エネルギー向けの需要が底堅く推移しました。一方で、自動車市場においては、BEV(電気自動車)の需要低迷が継続し、期初想定を下回る部品需要となりました。
この様な経営環境のなか、当中間期は、センサ応用製品、磁気応用製品、エナジー応用製品の3つのセグメントにおいて、ICT市場及び産業機器市場における堅調な部品需要や、関税措置による前倒し需要等により、前年同期比で8.6%の増収、10.7%の増益となり、中間期として売上高及び営業利益で過去最高を更新しました。
市場分野別セグメント別の販売は、ICT市場向けで小型二次電池やセンサの販売が増加、HDD市場の需要が前年を大きく上回り、HDDサスペンションの販売が大幅に増加しました。一方でBEVの販売減速により自動車市場向け受動部品の販売が減少しました。産業機器市場向けでは、小型二次電池、受動部品及びセンサの販売が増加しました。
2026年3月期 中間期連結決算概要
当中間期の業績概要をご説明します。
対ドル等の為替変動で売上高が約417億円の減収、営業利益で約92億円の減益影響を含み、売上高1兆1,834億円、前年同期比939億円、8.6%の増収、営業利益は1,476億円、前年同期比143億円、10.7%の増益となりました。税引前利益は1,475億円、前年同期比102億円、7.4%の増益、親会社の所有者に帰属する中間利益は1,114億円、前年同期比57億円、5.4%の増益となり、中間期として売上高、及びすべての段階利益で過去最高を更新しました。一株当たり利益は58円70銭となります。為替の感応度につきましては、円とドルの関係におきましては前回同様1円の変動で年間約20億円、円とユーロの関係におきましては約3億円と試算しています。
中間期 事業別概況 -受動部品事業-
当中間期のセグメント別の状況についてご説明いたします。
受動部品は、産業機器市場向け販売が増加したものの、自動車市場向け販売が減少し、売上高は2,857億円、前年同期比0.2%の微増、営業利益は27億円の構造改革費用を含み148億円、 48.8%の減益となりました。
自動車市場向けの売上構成が高いセラミックコンデンサが減収減益、アルミ・フィルムコンデンサは自動車市場向け販売が減少ながら、再生エネルギー向け販売が増加し増収も、ポートフォリオマネジメントの一環として構造改革費用27億円を計上したことにより減益となりました。インダクティブデバイスはICT向け販売増加ながら自動車市場向け販売減少により増収減益となりました。高周波部品はICT市場向け及び産業機器市場向け販売減少で減収減益となりました。圧電材料部品・回路保護部品は、産業機器向け販売増加も、自動車向け販売が減少し増収減益となりました。
中間期 事業別概況 -センサ応用製品事業-
センサ応用製品事業は、売上高は1,079億円、前年同期比で13.8%の増収、営業利益は121億円、前年同期比大幅増益となりました。
温度・圧力センサは売上横ばいのなか、家電市場向け販売減少で減益となりました。 磁気センサは、ホールセンサにおいて自動車市場向け販売減少も、TMRセンサはスマートフォン向けピークシーズンにより増収、磁気センサ全体としても増収、利益は円高為替影響もあり横ばいとなりました。MEMSセンサは、マイクロフォンがICT市場向けで販売が増加していることに加え、モーションセンサが産業機器向けで販売増加となり、MEMSセンサ全体でも増収となり、黒字転換しました。
中間期 事業別概況 -磁気応用製品事業-
磁気応用製品事業は、売上高は1,158億円、前年同期比4.3%の増収、営業利益は119億円となり大幅増益となりました。
HDDヘッド・サスペンションにおいてニアライン用に販売を伸ばし大幅な増益となりました。マグネットは自動車市場向け販売減少で減収ながら、品質改善等コスト改善効果もあり収益性は改善しています。
中間期 事業別概況 -エナジー応用製品事業-
エナジー応用製品は、売上高は6,481億円、13.3%の増収、営業利益は1,377億円、11.6%の増益となりました。
二次電池においては、スマートフォン向け小型電池の販売数量増加や新モデル販売効果に加えスポット受注もあり増収、大幅増益となりました。中型電池も産業機器市場向け販売が増加しました。産業機器用電源は産業機器向け需要の大きな回復が見られず減収減益となりました。
2026年3月期 第2四半期連結決算概要
当第2四半期の業績概要をご説明します。
対ドル等の為替変動で売上高が約41億円の減収、営業利益で約21億円の減益影響を含み、売上高6,476億円、前年同期比769億円、13.5%の増収、営業利益は912億円、前年同期比158億円、20.9%の増益となりました。税引前利益は898億円、前年同期比221億円、32.6%の増益、親会社の所有者に帰属する四半期利益は699億円、前年同期比239億円、51.8%の大幅増益となり、四半期ベースでも売上高、及びすべての段階利益で過去最高を更新しました。
一株当たり利益は36円86銭となりました。
事業別四半期実績
当第1四半期から第2四半期のセグメント別売上及び営業利益の増減要因についてご説明いたします。
受動部品セグメントは、売上高は、第1四半期から94億円、6.8%の増収、営業利益は第2四半期発生の一時費用37億円を除き、57億円の増益となりました。セラミックコンデンサは、8月に秋田地区で発生した洪水により生産が一時停止し、約10億円の損失影響がありましたが、自動車市場向け販売が増加し増収増益となりました。アルミ・フィルムキャパシタは、自動車市場向けや産業機器市場向け販売増加で増収、事業ポートフォリオマネジメントの一環で今後の収益改善に向けた体質改善の為の構造改革費用を27億円計上した結果、若干の赤字となりましたが、実質的には増益となりました。インダクティブデバイスは、自動車・産業機器市場向け販売の増加に加え、ICT市場向け販売が季節性もあり増加し、増収増益となりました。高周波部品は、ICT市場向け販売が季節性により増収となりました。圧電・回路保護部品は、産業機器市場向け販売増加で増収となりました。営業利益は一時費用の発生が37億円あったものの、全体的に増収により増益となりました。
センサ応用製品は、売上高は、第1四半期から151億円、32.5%の大幅増収、営業利益は67億円の増益となりました。温度・圧力センサは自動車・産業機器市場向け販売が増加し増収増益となりました。磁気センサは、ホールセンサ・TMRセンサともに、ICT市場向け需要の季節性により増収、大幅な増益となりました。MEMSセンサは、マイクロフォンが販売好調で増収、収益性も大きく改善し中間期でブレークイーブンを確保、モーションセンサも中国スマートフォンやゲーム機向けに増収増益となり、MEMSセンサ全体で第2四半期で黒字転換、中間期でも黒字を確保しました。
磁気応用製品セグメントは、売上高は、第1四半期から66億円、12.2%の増収、営業利益は7億円、若干の減益となりました。HDDヘッドは、主にニアライン用ヘッド新製品の販売数増加により全体数量が約14%の増加、増収に加え品種構成の好転もあり増益となりました。HDDサスペンションは、ニアライン用需要の増加で販売数量は約4%増加し増収増益となりました。マグネットは、売上ほぼ横ばいのなか、第1四半期は福利厚生施設売却益約10億円を含んでいるため減益となり、磁気応用製品全体では若干の減益となりました。
エナジー応用製品セグメントは、売上高は、第1四半期から771億円、27%の増収、営業利益は269億円、48.6%の大幅増益となりました。二次電池において小型電池のICT市場向け販売が季節性による数量増加、新製品の構成比アップによるアイテムミックスの好転、さらにスポット受注もあり、大幅な増収・増益となりました。産業機器用電源は、緩やかな需要回復で増収増益となりました。EV用電源はBEV需要減少で赤字が継続しています。
中間期 営業利益増減分析
中間期の営業利益143億円増益の増減分析についてご説明します。
二次電池やHDDヘッド・サスペンション及びセンサの販売数量増加により643億円の増益となりました。 合理化コストダウン72億円、前期実施の構造改革に伴う効果34億円による増益の一方、売価値引きプレッシャーも強くなっており272億円の減益影響となっています。販管費は、新技術や新製品の開発等を加速している二次電池を中心に、R&D費用の増加もあり、206億円の増加しました。前年発生した一時収益の減少影響36億円、さらに円高為替影響92億円の減益影響もありましたが、販売数量増加効果により、全体で143億円の増益となりました。
中間期 キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況についてご説明いたします。
中間期の実績は、営業キャッシュ・フロー1,894億円、投資キャッシュ・フローはAIエコシステムに関連する企業の買収も含み1,283億円となった結果、フリー・キャッシュ・フローは611億円となり、中間期で想定していた水準を上回って推移しています。
以上、私からの説明を終わります。ありがとうございました。
2026年3月期 通期業績の見通し
社長執行役員CEO 齋藤 昇
齋藤でございます。
本日はお集まりいただきありがとうございます。2026年3月期通期業績見通しについて、ご説明します。
2026年3月期 業績予想の前提 -主要デバイス市場予測-
業績予想の前提となる当社に関係する主要なデバイスの生産台数予想の見直しについてご説明します。
自動車市場は、自動車総生産台数を4月時点よりも上方修正してますが、xEVについては、BEVの台数を見直したことにより、下方修正しています。
ICT市場を代表するスマートフォン生産台数は、4月想定の12億台から11億9,100万台に見直しました。
HDD市場は、引き続き堅調な需要傾向がみられることから、データセンター向けニアラインHDDの生産台数を、4月時点よりも上方修正し、6,700万台と見直しました。
第3四半期の売上高増減イメージ
第3四半期のセグメント別売上高増減イメージについてご説明します。
第3四半期以降の平均為替レートは、期初想定の対ドル140円から145円へ変更しましたが、比較しやすいように為替変動を除いた増減でご説明します。
受動部品は、自動車市場向け販売増を見込むものの、産業機器市場向け販売は減少を見込むため、全体では△3%から横ばい程度とみています。
センサ応用製品は、温度・圧力センサが自動車向けで増加も、磁気センサやMEMSセンサはスマートフォン向け販売が季節性ピークアウトや関税前倒し需要からの反動減により全体で△13%~△10%を見込んでいます。
磁気応用製品セグメントは、HDDヘッドが約3%の数量増、サスペンションが能力増加の寄与もあり約15%ほどの数量増を見込んでいるため、全体で+9%~+12%とみています。
エナジー応用製品は、小型電池はスマートフォン市場向けにおける季節性や、関税影響による前倒し反動減により減少するとみており、全体で△6%~△3%を見込んでいます。
2026年3月期 連結業績見通し
2026年3月期通期業績の見通しについてご説明します。
米国による関税措置の影響が限定的と考えられることから、ベースシナリオ・リスクシナリオの2つの業績予想からベースシナリオのみでの業績予想とします。
先ほどご説明したとおり、当中間期のエレクトロニクス市場において、自動車市場の需要は低調に推移したものの、スマートフォンやHDD等のICT市場の生産は前年同期を上回り堅調に推移しました。そのため、当中間期の業績は、今年4月28日発表時の想定を上回る水準となりました。ICT市場において、新モデル立ち上がりや関税措置による前倒し需要等もあり二次電池及びセンサの販売が拡大しました。また、データセンター向けの需要が堅調に推移し、HDD用サスペンションの販売が好調に推移しました。
これらを踏まえ、通期業績予想を見直した結果、今年4月28日発表の見通しから上方修正し、売上高は2兆3,700億円、営業利益2,450億円、親会社の所有者に帰属する当期利益 1,800億円とします。
下期為替レートについては期初から変更し、対ドル145円を前提としてます。
また、事業ポートフォリオマネジメントを推進し課題事業へ対処するために、構造改革費用等の一時費用を期初予想から約50億円追加し、通期合計で約100億円計上することを見込んでいます。
1株あたり配当見通しについては、期初発表の年間配当30円から増額し、中間配当16円、期末配当16円で、合計32円を予定しています。
TDK Investor Day開催のお知らせ
最後に1つお知らせがあります。
11月28日にTDK Investor Dayを開催します。長期ビジョン達成に向けた道筋、中期経営計画及びポートフォリオマネジメントの進捗についてご説明します。また、社外取締役4名が登壇し、ガバナンスの実効性等について、投資家の皆様と直接対話をする予定です。
当日は会場とライブ配信のハイブリット開催を予定していますので、ぜひご参加ください。
アーカイブ掲載予定リンク:
https://www.tdk.com/ja/ir/ir_events/strategy/index.html
以上で、私からの説明を終わります。ありがとうございました。
