株主・投資家情報

[ 2014年3月期 第1四半期 連結決算説明会 ]2014年3月期 第1四半期 連結業績概要

執行役員 経理部長 桃塚 高和

執行役員 桃塚 高和

桃塚でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

2014年3月期 第1四半期連結業績概要

2014年3月期第1四半期の連結業績概要についてご説明いたします。
前年第1四半期との比較になりますが、売上高は2,365億円、前年同期比279億円、13.4%の増収となりました。営業利益は40億円、前年同期比52億円、56.8%の減益。税引前利益は45億円、前年同期比43億円、48.9%の減益。当期純利益は4億円、前年同期比41億円、91.7%の減益。1株当たり利益は2円96銭となっています。税後利益が4億円と低水準になったのは、税金費用において低税率国の税前利益が減少したことが主な要因です。これによって高税率国の利益の比重が高まり、一時的に全体の税率が高くなっています。為替レートは、対ドルレートで98円74銭、23%の円安、対ユーロで128円96銭、25%の円安となっています。為替変動による影響は、売上高で約400億円の増収、営業利益で約59億円の増収となっています。

2014年3月期 第1四半期決算のポイント

2014年3月期第1四半期の決算のポイントです。
連結売上高は前年同期比13.4%増、営業利益は56%減となりましたが、自動車及び産業機器市場の売上は、前年第3四半期をボトムに増収基調が継続しています。受動部品につきましては、6四半期ぶりに黒字転換を果たしました。特に自動車、産業機器、通信機器市場向けで売上が増加しています。また、セラミックコンデンサを中心に、これまで行ってきた構造改革効果がここで出てきています。また、円安のメリットも発生しています。磁気応用製品の連結売上高は、前年同期比2.3%の減少、営業利益は68.5%となっています。これは、1つはHDD用ヘッドの需要の減少。前年同期はタイ洪水の影響で特需がありましたが、それがなくなったことが大きな要因です。もう1つは、マグネットの売上が、レアアースの価格下落の影響を受けて大きく減少しています。

営業利益増減分析

続きまして、営業利益52億円の減益の要因分析です。
操業度、品種構成を含めた売上による利益変動が、約50億円の減益要因としてございます。前年比、売上金額は増加していますが、円安による為替影響分とレアアースの影響を含めた売価下落分を加味すると、売上金額は前年比ほぼ横ばいとなっています。製品ごとに見ると、受動部品の販売が増加した一方で、記録デバイスの販売が大きく減少した結果、品種構成の悪化で約18億円の減益となっています。HDD用ヘッドは、前年のタイの洪水による特需がなくなったことでの操業度の影響と、また、マグネットにおいても、前期末に実施した海外生産拠点の集約に伴う在庫増加の影響で稼働率が低下したことなど、合わせて約32億円の減益要因となっています。
売価値引きで79億円の減益要因、円安による為替影響で59億円の増益要因、レアアースの価格変動による影響で約16億円の減益要因。合理化コストダウンとしては、労務費において中国を中心としたアジア地区の賃率アップ等はありますが、原材料値下げ及び合理化を加えた増益によって、全体で約26億円の増益となっています。構造改革効果として、約24億円の増益要因がございます。内訳としては、拠点集約によって主に受動部品で効果が出ています。また、海外での人員削減効果の数字も含んでいます。販売費及び一般管理費の増加で16億円の減益要因となっています。これには、構造改革費用が前年第1四半期の2億円から当期7億円に増加した、5億円の減益要因も含んでいます。それ以外については研究開発費の増加によるもので、主に二次電池の開発に関わるものでございます。

セグメント情報四半期比較(前1Q vs.1Q、前4Q vs. 4Q)

前期第4四半期から第1四半期にかけての売上利益の増減要因についてご説明いたします。
構造改革費用がこの第1四半期に7億円発生しています。これは、前回の決算説明会でご説明させていただいた、今期の構造改革費用約100億円の内数です。残りの大部分については下期で発生する予定です。
続いて、セグメント別の売上と利益について説明いたします。
受動部品の第1四半期における売上は、前期1,044億円から126億円、12.1%増加し、1,170億円となっています。コンデンサの第1四半期の売上は、前期の307億円から30億円、9.8%増加し337億円となっています。対ドル及びユーロに対する為替が円安基調で推移したことに加え、主に自動車市場向け、産業機器向けの販売が好調に推移しました。インダクティブデバイスの第1四半期の売上は、前期の312億円から38億円、12.2%増加し350億円となっています。主に自動車市場向け、通信機器市場向けの販売が増加しています。その他受動部品の売上は、前期の425億円から58億円、13.6%増加し483億円となっています。スマートフォン向けカメラモジュール用のVCMの販売が大きく伸びています。また、高周波部品の販売は、新興国を中心にスマートフォン向けの需要が好調に推移し増加しました。受動部品の営業利益については、前期の39億円の損失から67億円改善し28億円。6四半期ぶりに黒字転換しています。このうち、構造改革費用は前期の約26億円から19億円減少し、7億円となりました。また、エプコスののれん費用は9億円で、前期と同等となっています。前期に行った構造改革等の効果により、セラミックコンデンサをはじめ、コンデンサ事業の収益性は大幅に改善しています。インダクティブデバイス、その他受動部品についても、売上の増加に伴い増益基調になっています。
磁気応用製品のセグメントですが、前期の821億円から41億円、5.0%増加し862億円になっています。そのうち、記録デバイスの売上は、HDD用ヘッドの出荷数量が当初想定を下回って推移しましたが、前期の576億円から26億円、4.5%増加し602億円になっています。その他磁気応用製品の売上は、マグネットの販売は自動車市場向けで増加、電源は通信機市場向けで増加した結果、前期比15億円、6.1%増加しています。磁気応用製品の営業利益は、前期の18億円から28億円、155.6%増加し46億円となっています。増加要因としては、先期第4四半期のタイの洪水影響の受取保険金7億円がなくなったものの、発生していた構造改革費用23億円が当第1四半期には発生しなかったことに加えて、記録デバイスが増益基調で推移したことによるものです。一方で、マグネットは、前期末の拠点集約に伴う在庫増加の影響で稼働率が低下したこと、また、新拠点の立ち上げコストが想定よりかかったことなどにより、前期比で損益が大きく悪化しています。これは、在庫の償還に伴い第2四半期以降は徐々に回復すると見込んでいます。
次に、フィルム応用製品の第1四半期の売上ですが、前期の286億円から横ばいで推移しています。二次電池の販売が主要顧客の生産調整により減少しましたが、主要顧客以外のビジネスの拡大や為替の追い風もあり、横ばいとなっています。フィルム応用製品の第1四半期の営業利益は、前期の17億円から1億円、5.9%減少し16億円となっています。その他製品の第1四半期の売上は、前期から7億円、13%減少しています。
営業利益は前期3億円の赤字から5億円減少し、8億円の損失となっています。これは、既存製品の販売が低調に推移したこと、また、新製品の研究開発費用等が増加したことによります。全社の第1四半期の営業損失は、加湿器等の回収費用等もあり42億円となっています。

財政状態

2013年6月末の財政状況の説明です。3月末との比較になります。
総資産は1兆2,240億円、前期末比544億円の増加。株主資本は5,887億円、前期末比275億円の増加となりました。うち、包括利益はマイナス1,270億円で、前期末比320億円マイナスが減少しています。これは、為替が主要通貨において前期末から円安が進んだことによるものです。よって、現預金及び短期投資の残高は2,448億円、前期末比213億円増加しています。有利子負債は3,044億円、前期末比88億円の増加です。この結果、ネットキャッシュは前期末比125億円改善し、マイナス596億円となっています。これまでに進めてまいりました購入設備のコストダウン等や円高修正で、キャッシュポジションは大幅に改善されています。

2014年3月期連結業績予想

2014年3月期連結業績予想です。売上高9,300億円、営業利益300億円、税引前利益280億円、当期純利益130億円と、前回4月に発表させていただいた見通しから変更はございません。当第2四半期以降の平均レートも、対ドル90円、対ユーロ118円を前提としています。第1四半期は計画レートより円安に推移したため、為替影響による増益分がありました。為替水準がこのまま円安傾向で推移すると、さらに業績の上積みが期待されるところですが、下期以降の為替水準が不透明なこともあり、通期業績見通しを据え置かせていただいています。
第2四半期から下期にかけての見通しですが、1つは、引き続き需要が拡大基調であるスマートフォン、タブレット端末向けにおいて、新モデル向けに、高周波部品、インダクティブデバイスなどの受動部品の販売が伸びていく見通しです。二次電池においても、主要顧客への売上が増加するとともに、新しい顧客への拡販によってビジネスの拡大を見込んでいます。HDD用ヘッドの生産についても、データセンター向け及びゲーム機向けなどの需要が増加していく見通しです。また、構造改革による効果についても、受動部品を中心に継続して出ていく見通しです。

以上、私のほうから業績概要の説明とさせていただきます。ありがとうございました。