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[ 2012年3月期 第2四半期 連結決算説明会 ]Q&A

Q1. 上期から下期にかけて売上高が144億円減少する一方で、営業利益が74億円増加することになっていますが、内訳を教えてください。
A1. 上期から下期にかけて営業利益が74億円増加する要因は以下のとおりです。為替前提を80円から76円に変更した影響で、約40億円減少。タイの大洪水の影響で約100億円減少。売価値引きで約10億円減少。一方、震災の影響が無くなりますので、約36億円増加。年金制度変更に伴う一時費用が無くなる分で約31億円増加。加えて、下期に行う様々な改善効果、土地の売却60億円を含めた構造改革効果で約100億円増加を見ています。また、下期に販売が回復してくる一部製品の売上増加に伴う利益増が約42億円、その他で約15億円です。
Q2. HDDメーカーのHDDヘッドの生産が洪水でダメージを受けていると聞いていますが、TDKのHDDヘッドの出荷数量は、何月から増えていく見通しなのか教えて下さい。
A2. HDDヘッドの出荷数量が拡大するのは、来年の1月からと見ております。残念ながら11月は今回の洪水の影響でボトムになり、12月から回復に向けて伸び出しますが、先程ご説明しました4Qの出荷指数106まで戻すのは1月以降と見ております。今回の洪水で被害を受けたお客様が何社かございますが、当社のHDDヘッドのビジネスとしてできることについて様々な検討を行っています。
Q3. HDD用サスペンションの生産が今回の洪水で若干影響するかと思いますが、それによるHDDヘッド事業への影響について教えてください。
A3. 連結子会社でサスペンションを生産しているマグネコンプのタイ工場につきましては、ワンノイにある本工場は現時点で全く被害を受けておりません。本日時点で周辺の水位は一時は60センチ近くありましたが、30センチまで落ちています。本日からエンジニアを中心に200名弱、生産再開に向けての準備に入っております。この状況が続けば、11月第1週から生産の再開が図れるのではないかと見ています。以上の状況から、マグネコンプのサスペンションによるHDD生産に対する影響は、11月の1〜2週程度と考えています。環境が整い次第、十分に生産を再開してキャッチアップできると見ております。
Q4. 下期以降の施策を、もう少し詳しく教えてください。
A4. 生産拠点の見直し、不採算事業への対応、人員削減等は全てグループ全体を対象としていますが、詳細につきましては検討中のものもございますので現時点ではご容赦願いたいと思います。今後、事業というよりも、製品そのものの採算性を細かく明確にしていきます。不採算事業の中でも、集中と選択をすれば利益が出るポテンシャルのある事業もありますので、適切に選択してまいります。次に、固定費削減。これは人や工場の拠点再編も絡んできます。さらに遊休資産の売却も、順次進めていきたいと思っています。これらの施策により、来期における効果金額は200億円位を見込んでいます。
Q5. 製品ポートフォリオそのものをどのように見直していくかということについて、中期的なストーリーがあればご紹介ください。
A5. どうしても古い製品は収益力や生産効率が悪くなりますので、こういうものを新製品に切り替えていくというのが、1つ方法としてあります。ただ、新製品に切り替えると言いましても、そんなに簡単にはいきません。力のある事業部は、新製品の投入を積極的に展開してさらに収益力を上げていく。ただ、力のある事業部でも不採算製品はあります。今までは1つの技術だけで開発を進めてきた傾向がありましたが、今後は、グループ内に蓄積する複数の技術を使って新製品を生み出していくということを念頭に開発を進めていきます。そういう新しい製品ができてくると、お客様に対しても様々な紹介ができることで、製品の入れ替えも進んでいくのだろうと思います。また、民生用の製品は概して製品価格が安い傾向があります。従って、産機や車載、インフラ系のところもきちんとターゲットする方向が重要ではないかと考えております。この2つの両面から攻めていきたいと思っています。
Q6. 来期の構造改革の効果200億円の中身を教えてください。
A6. 拠点再編を含めた人員削減の効果が一番大きく、次に固定費削減となります。また、今期、有機EL事業を売却しますので、そこで出ていた赤字が来期解消されます。その他、経費削減等を含めて全体で200億円と試算しています。
Q7. HDDヘッド事業についてですが、今期のHDD市場全体の台数前提と、TDKのHDDヘッド事業のシェア前提を教えて下さい。
A7. 今期のHDD市場の台数は約6億台になるのではないかと想定しています。当社のHDDヘッドのシェアにつきましては、残念ながら上期のシェアは、大手顧客1社の生産環境が変化したことにより、特にデスクトップ関係のHDDヘッド使用本数が多い製品において販売が減少した影響で、30%を切る水準になりました。下期のシェアにつきましては、タイにおける洪水の影響で母数の変化もあり、30%以上に回復できるのではないかと見込んでいます。通期では30%を若干超えるシェアになるのではないかという前提を持っております。
Q8. タイの洪水で被害を受けたHDDメーカさんとは、HDDヘッドの代替生産の話を含めてビジネスを考えているのでしょうか?
A8. 当社として、現状の能力で協力できる部分は最大限協力するというスタンスでやっております。協力の中では、技術的なマッチング等の問題が発生すると思いますが、その部分については、特に大きな課題があって乗り越えられないような状況ではないと考えております。ただ、1つ大きな問題としては、生産能力について、現在当社が持っている以上に必要な場合にどういうアクションをとるのか、という点があります。当社の状況もありますが、お客様の状況もありますので、どういう形になっていくのかということについて見極めるにはもう少し時間が必要かと考えています。いずれにしても当社を取り巻く環境は様々な意味で、洪水の前と後では違った形になってきていると認識しております。
Q9. 先日シーゲート社とサムソン社のHDD事業の統合がEUで認可され、EUが公表したドキュメントを見ますと、TDKからHDDヘッドを買い続けるだろうということが書いてありました。シーゲート社が買収を発表した時にも、TDKとのパートナーシップをより強化したいということが書いてあったかと思います。振り返ってみると、シーゲート社はかなりTDKと事業をやりたいという意思があるのではないかと、認識しています。再編の話がそろそろ固まってきた矢先にタイの洪水が発生したわけですが、今後シーゲート社とはどういう関係になりつつあるのか、できる範囲でいいので解説ください。
A9. EUの発表についてですが、まさにおっしゃられたとおりで、当社からHDDヘッドを買っていただける方向になっているかと思います。ここまで色々な形で統合が進んでくれば、市場に存在する既存の生産能力をどのように活用するかというのは1つのポイントになってきています。もう1つは、投資をいかに押さえるかがポイントになります。コモディティ化したHDDでは、そういった部分も非常に大きな要因になると考えますので、経済合理性から見ても、当社と一緒にやっていただけるのではないかと思っています。加えて、技術的な面についても、当社がHDDヘッドメーカーとして培ってきた技術を活用していただけると思っています。それが将来に向けて関係を維持していただけるベースになっているのではないかと思っています。
Q10. 熱アシストを考えたときに、業界としてこれからは後工程の設備投資負担が重くなってくるとともに、技術的にも難しくなってきます。製品開発のロードマップを考えると、HDDメーカーが独自にやっていける分野ではなくなっていくのではないかと思っています。次のロードマップを考えたときに、資産、あるいは資本の効率性を考えると、TDKと一緒にやれるのが良いと私は考えますが、意見をお聞かせください。
A10. 当社の強みは、そういった新しい技術の、前工程もまさにそうですが、後工程の組立を差別化するなど、当社の独自性が出せる部分ではないかと思います。コストも合わせながら作り込むというような部分について、期待されている部分もあるのではないかと思っています。
Q11. HDDの需給はかなり厳しくなっていると思いますが、HDDヘッド価格の下落率は、10-12月、1-3月はどの様に考えれば良いですかいいですか?また、2.5インチ用500GB/Pヘッドが、本来は10-12月からかなり立ち上がるはずだったと思いますが、製品ミックスも絡めて、価格動向をどのように見ればいいか教えてください。
A11. 今回の災害によってお客様におかれましても、プロダクトミックスを色々な形で調整されなければいけない状況になってきているのではないかと思います。それぞれの部品の調達の度合いによって、作りたいけれども中々難しいというような状況がありますので、今時点で当社としては、とにかくお客様の要求に合わせて生産できるように準備をしております。こういった状況もありますので、価格下落率は抑えられるのではないかと考えています。ただし、500GB/Pヘッドへの移行については、諸般のサプライチェーンの悪化がありますので、今時点では、ある程度加速はしますが、もう少し時間がかかるのではないかと見ております。
Q12. TDKのHDDヘッドの生産能力の余力はどれぐらいありますか?先程説明のありました4Qの出荷指数106というのは生産能力の最大値なのかなと思ったのですが、その辺りについて教えてください。
A12. 生産能力については、4Qはまだ余力はございます。全体のサプライチェーンの状況を考慮し、4Qでも厳しい部分があるのではないかというマイナス要素も加味した中で、106という数字を出させていただいております。
Q13. 大洪水が発生した後、各HDDメーカーさんが置かれている状況はそれぞれ異なりますが、TDKとして生産能力が限られる中で、どの様に供給配分を行っていくのでしょうか?
A13. OEMのビジネスですので、共通化している部分、それから、HGAで納める場合は個別に違う部分もあり、そこは各社向けの能力ということになります。そういった中で、当社がお客様の要求に合わせてどこまで調整して合わせ込めるか。それは、現実的なリードタイム、生産能力を引き上げるためのリードタイムも含めながら、当社として最大限協力できる形で調整させていただいていると考えています。 全体の流れとして、当社のビジネスは、前工程のウェハー加工と後工程のスライダー加工、組立てがありますが、4Qに向けては、前工程は今の時点で既にフル生産で動いています。後工程もお客様からの要求があった際に、フル生産で協力できるように準備を進めています。4Qは色々な経済環境の変化も想定されますが、当社としてはどのお客様に対しても最大限できることをやっていくという考えで進めています。
Q14. 大洪水の発生で売上230億円、営業利益100億円の影響があったと説明がありましたが、売上、利益の中で、ヘッド事業の占める割合をどの程度見ているのか教えてください。
A14. 洪水の影響による減収額230億円ですが、内訳としてはHDDヘッドが約6割、それ以外が約4割という数字になっています。減益額100億円については、中に実損部分が含まれています。ヘッド事業(サスペンション)においては、機械を迅速に避難したことで実損があまりないと見ておりますので、利益面においては、逆にヘッド事業の影響額は約4割で見ております。
Q15. コンデンサ事業で、今、情報家電向けで需要がかなり減速していると思います。また、競合環境もかなり厳しくなり、前回の説明からは状況が変わっているのではないかと思います。特に3Q、4Qに対してコンデンサ事業がどう動くかという見通しを教えてください。以前、特にボリュームゾーンへの戦略として、これからかなり積極的に展開されていくというお話がありましたが、その後の状況を教えてください。あわせて、アルミコンデンサとフィルムコンデンサに関して下期の動向も教えてください。
A15. セラミックコンデンサは、おっしゃるとおり、情報家電は厳しくなっていまして、受注は落ちてきております。ただ、当社は、この分野に関しては、正直申しましてシェアをあまり持っておりません。従って、確かに影響はありますが、元々採算の悪い製品だったというのが1つあります。一方、車載向けの販売は伸びています。それから、産機分野向け特にインフラ系は販売が堅調ですので、もっと伸ばしていこうという戦略で動いています。
スマートフォン向けの小型製品については、今迄当社はほとんど入っていなかったわけですが、やっと承認が取れまして、新たな動きが出てきています。これをできるだけ早く増産していきたいと考えています。アルミコンデンサ、フィルムコンデンサについては、おかげさまでインフラ系向けの受注が旺盛です。3Q、4Qの販売は増えていく見込みです。
Q16. 上期実績と通期の営業利益予想に基づくと、下期の営業利益は全体で約210億円になると思いますが、3Q、4Qにどういう形で配分されるのかイメージを教えてください。
A16. 約210億円の利益ですが、4分の1が3Q、4分の3が4Qのイメージです。
Q17. 土地の売却益60億円は、どのセグメントに入る予定でしょうか?
A17. 今のところ、60億円のうち40数億円は海外ですので、事業の一環として見ている関係上、セグメントとしては受動部品の中に入ってくると思っております。
Q18. 土地の売却益は、来期は無くなるという理解でよろしいでしょうか?
A18. はい。
Q19. 2Qのコンデンサの売上342億円の内、セラミックコンデンサの割合と、セラミックコンデンサの2Qの稼働率実績がどうだったのか教えてください。
A19. 2Qのコンデンサ売上実績の内、約6割がセラミックコンデンサの売上です。1Q実績よりは減少しています。3Qは増加する見込みです。稼働率は1Qが80〜85%程度。2Qは80%を下回りました。
Q20. 2Qでかなり在庫が絞れたという感じでしょうか?
A20. 4月は震災の特需がありました。この在庫をはくのに時間がかかったと思っています。