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[ 2008年3月期 通期 連結決算説明会 ]インダクタ事業の概要について

マグネティクスビジネスグループ ゼネラルマネージャー常務執行役員 荒谷 真一

マグネティクスビジネスグループ ゼネラルマネージャー
常務執行役員 荒谷 真一

荒谷より、インダクティブ・デバイスの概況について説明申し上げます。

2008年3月期の総括は、売上については今期もプラス成長し、7%のアップを果たしました。とりわけ好調に2桁の伸びを示したのは、デジタルテレビ関係、ノートPC、ゲーム、ポータブルメモリオーディオなどのモバイル機器が2桁以上の伸びを示しました。もう1つ、車載についても、同じように10%の伸びを示しています。

製品別に申し上げると、1つは数量ベースで積層コイルが大幅な伸びを示しました。その他に、薄膜コモンモードフィルタ、電源コイルが伸びています。トランスも売上で2桁増を達成することができました。

ただし、ネガティブな話として、先々期2桁以上の伸びを示していたものが、2008年3月期については1桁ということで、成長がスローダウンしていることが挙げられます。
この原因は2つありまして、1つは、セットの員数原単位の変化。特にノイズ対策製品につきましては、低価格化に伴い、ノートPC、DSC(デジタルスチルカメラ)について員数原単位の減少がありました。もう1つは売価下落ですが、円高を含めて14%の売価ダウン。特に積層製品の数量増、売価の低い積層製品の数量増があったということで、今の売価ダウンに関係しております。

続いて、インダクティング・デバイスの2009年3月期の重点施策について説明いたします。2009年3月期の需要については、今期並みに5%程度の伸びを示すと考えています。我々も同じように、売上については112期並みの伸びを維持していきたいと思っています。ただし、ここにきて資材高騰、製品の低価格化といった、利益に対する圧迫要因が増えています。そこで、2009年3月期については、収益改善の再加速に取り組みたいと思っています。

中身としては、1つは製品ミックスの改善。これについては、徹底した小型化、低背化を図り、コストの安い、材料の安い製品に設計を変えていくことで取り組みたいと思っています。同時に、市場の需要構造が従来の巻線コイルから積層、あるいは薄膜といったものにシフトしていますので、ここを先取りしながら生産を上げていきたいと考えています。

もう1つは、トランス事業の強化です。前期よりトランス事業が一緒になりました。前期の取り組みとしては、お客様の仕様を徹底的に見直して、再設計をし、新材料の投入、あるいは生産性のアップに取り組んでまいりました。これは成果が得られたので、それを核に、デジタルテレビ、あるいは家電を中心とした市場に踏み出して、利益を確固としたものにします。その結果として、インダクティブ・デバイスの第3の柱を強いものにしていきたいと考えています。

次に、インダクタ事業の1-3月期の実績と、4-6月期の見通しについて説明いたします。1-3月期は、情報家電、高速大容量ネットワークについては、季節変動要因もありダウンしました。特にゲーム関係、ポータブルメモリオーディオは季節的変動が大きく関係しています。カーエレクトロニクスについては、第3四半期の好調な需要をさらに第4四半期も維持して横ばいとなっています。平均単価については、円高も含めた形で下落しています。
4-6月期の見通しは、情報家電については在庫調整も終わり、上向きと考えています。高速大容量ネットワークについても同じように、4-6月期は上昇。カーエレクトロニクスは電装品向け、車内LAN向けを中心に需要は旺盛ですので、4-6月期も前期並みの実績が上げられると考えています。

以上です。