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[ 2008年3月期 第1四半期 連結決算説明会 ]Q&A

Q1. 1つ目が、電子素材部品部門の営業利益について、第4四半期のリストラ費用を除いた実質営業利益が210億円、今回、第1四半期が176億円ですが、この間の各製品増減にどのような動きがあったか教えてください。
A1. 電子材料はほぼ横並びで、電子デバイスが減っている感じです。記録デバイスは減益、その他の電子部品が若干減っています。
Q2. 第4四半期から第1四半期は、HDD用ヘッドの減益がほとんどと考えてよろしいですか。
A2. HDD用ヘッドと、もう一つが電子デバイス。デンセイラムダグループは、UPSの事業で第4四半期はすごく利益が出ます。それが第1四半期にはなくなるということで、ここで差が出ています。
Q3. コンデンサはどうでしょうか。
A3. 第1四半期のコンデンサは第4四半期比較ではほぼ横ばいです。
Q4. 第1四半期から第2四半期にかけて、第1四半期トータルの営業利益が161億円、第2四半期が290億円程度ですが、この間の各部門の増加具合を教えてください。
A4. 全製品合計の営業利益については、第1四半期の売上そのものが、電子部品全体も円安効果を考慮すると、伸びたとはいえません。しかし、第2四半期にはコンデンサを始め、その他製品も伸びてくると考えています。HDD用ヘッドも同様に伸びると想定しています。ただし、現実問題として、第2四半期に売上が伸び分だけで上半期に予定する450億円という営業利益が実現できるかは難しいと思っています。
5月の決算説明会でお話ししたように、記録メディアTDKブランド事業をイメーション社へ譲渡することが決まっています。その際、譲渡益が出ますが、その譲渡益を通期の営業利益見通し900億円に上乗せすることは考えていません(しかし、上期には計上されます)。譲渡益は出ますが、第2四半期にはこの譲渡に関するリストラ費用の計上があります。また、下期には当社に残った記録メディアに関するリストラクチュアリングを予定しています。したがって、通期では記録メディアに関する譲渡益と同額のリストラ費用を予定している中での、上期の営業利益は450億円になるとご理解ください。
Q5. 第1四半期から第2四半期にかけて、コンデンサとHDD用ヘッドの増益はどんな感じで見込まれていますか。
A5. コンデンサは20億円ぐらい増えるという想定に立っています。HDD用ヘッドは20億円以上をカバーするのではないかと見込んでいます。
Q6. HDD用ヘッドの期初に対する変化の確認をお願いします。四半期ごとの数量ベースでの、指数のトレンドを教えてください。また、値引きの前提は、去年が15%、今年が10%で、これは平均単価ベースだったと思いますが、これはどう変わりましたか。とりわけ、第1四半期に価格対応されたということで、四半期別にどういう動きになっているか教えてください。それにともなって、120GBと160GBの2.5インチの垂直磁気記録方式の第二世代、第三世代への食い込み状況や採用状況が、価格対応によって変わってくるのかどうか。シェアは横ばいとされていましたが、今後採用状況にプラスの話が出てくるのかどうかということを含めた変化点を教えてください。
A6. HDD用ヘッドの数量ベースは、先期の第1四半期を100とすると、先期の第2四半期が117、第3四半期が118、第4四半期が119、今期の第1四半期の実績が116となっています。価格については、特にこの第1四半期の値引きが19%と厳しかったのは、一番は3.5インチの160GBクラスの数が増えて、ボリュームゾーンになったために、この部分の価格帯は非常に厳しく、前年と比べて19%という大きな値引き額になっています。
今後、新製品のPMRが出てきますので、160GB製品で下がった、低いプライスのままでは進みませんので、いったんは平均売価を上げる方向に動くと考えています。ただし、引き続き売価へのプレッシャーは高くなっていますので、暫時それも下げていくことになると考えています。今のところ、今期は通期で15%くらいの値引きなると見ております。
Q7. 数量で今後の見通しはいただけませんか?
A7. 今後の見通しはご容赦ください。ただ、第2四半期、第3四半期は大きくなると考えています。
Q8. 記録メディアについて、上期は第1四半期の赤字をカバーして、リストラ費用等を盛り込んだとしても黒字で見ていいということですか。
A8. 記録メディアの譲渡益も記録メディアのセグメントに含めれば当然黒字になります。
Q9. 下期の記録メディア事業は、ブレークイーブン以上はいきたいということでしょうか。
A9. 開発、製造オペレーションだけになりますし、それは達成したいということです。
Q10. 第1四半期で記録メディアの営業利益が予定よりも落ち込んだにもかかわらず、上期の計画が達成可能ということは、その部分を電子素材部品部門で補うということになりますか。
A10. 円安効果も全体にとってプラスに働いているのも事実で、記録メディアの落ち込み分ぐらいはカバーされるという認識です。
Q11. HDD用ヘッドの部分の確認です。もともと価格下落を10%で見ていたものが、15%に落ちていて、今回シェアの前提や諸条件は変わっていない。にもかかわらず、売上を上げていますよね。これはどこからくるのですか。シェアの前提、数量前提も変わらず、値段だけ落ちた。一方、御社の売上が、為替も110円にもかかわらず上がっているというのは、辻褄が合わないような気がします。上期のヘッドの売上が上がっていますが、これは何で上がっているのですか。
A11. 数量前提に変更が無いのではなく、数量の見込みは上げています。
Q12. HDD用ヘッドについて、第3世代の垂直磁気記録方式(PMR)の構成比が、3.5インチ、2.5インチそれぞれで、第1四半期実績で何%あったかということと、下半期に向けてこの構成比がどれぐらい立ち上がってくるか教えてください。
A12. PMRの世代を製品別に分けた資料は手元にありませんが、全体の比率については指標がございます。今期の第1四半期のPMR比率は27%、TMR比率が76%になっています。第2四半期以降、PMR比率は49、62、64%と増えていくと見込んでいます。
Q13. HDD用ヘッドの売上ですが、第4四半期と第1四半期で見ると、売上は円ベースでどれぐらい変化したのでしょうか。
A13. 5%減です。
Q14. 頂いたHDD用ヘッド出荷指数によると、第4四半期から第1四半期にかけて数量が2.5%減ですから、普通に考えると総平均単価の下落が2.5%ぐらいと計算されますが、これが、例えばマージンを大きく下げるような値下げだったのかどうか、ご教示いただけないでしょうか。
A14. かなり厳しい値下げでした。
Q15. 値下げをされた背景ですが、顧客が苦しかったから値段を下げたのか、どういった経営判断で今回の価格の引き下げがあったかご教示ください。
A15. 私どものお客様に競争力をもっていただくという意味があります。すなわち、HDD用ヘッド売価を高く維持したままで、お客様がハードディスクドライブの価格下落に対応するのは非常に難しいと考えています。私どもがお客様と一緒にやっていくためには、できる範囲でお客様に協力して価格に対応し、その中で事業を継続していこうと考えています。
Q16. 第1四半期は、構造改革費用が入っていたとすれば、いくら入っていますか。
A16. ほとんど入っていません。ごくわずかです。
Q17. 第1四半期の営業利益が161億円の実績で、第2四半期は289億円の見通しです。この四半期での増益は128億円となっていますが、HDD用ヘッドとコンデンサでそれぞれ20億円ずつ、合わせて40億円の増益を考えているとのお話がありました。すると残り88億円の増益要因が必要となります。これはどの製品区分から創出されるのでしょうか。
A17. 88億円の増益要因としては、記録メディア販売事業の譲渡益が挙げられます。本日時点では、譲渡に関してのクロージングが完了しておらず、株価や為替の影響もあるので正確な譲渡益金額を見積もることは難しいのですが、88億円増益の主因となります。この譲渡対価としてイメーションの株式と現金を受け取ります。
ただし、この譲渡益と同程度の諸費用を今期中に計上する見込みですので、年間の営業利益900億円にはこの譲渡益の効果を含めておりません。
Q18. 先ほど、HDD用ヘッドのお客様を支援するために値下げを認めざるを得ないというコメントを頂戴しましたが、昨今、さらに御社お客様の競争相手が競争力をつけて格差が広がっているような気がします。少なくとも損益的にもそういう状況になっています。一方で、技術動向等を踏まえて、長期計画でもHDD用ヘッドの利益はあまり増えないという前提になっていますが、それを覆すような変化が起きているのか、逆にもっと厳しい状況なっているのか、HDD用ヘッドの利益がこれから中期的にどうなるのかお尋ねしたいと思います。
A18. ハードディスクドライブがコモディティ化するというのは避けて通れない流れです。非常に厳しい状況ですが、私どもが想定している範囲で対応しています。
Q19. HDD用ヘッドの出荷数量は増えているのに利益は横ばいというのがここ数年間の状況ですが、この状況が続く可能性が高いということですか。
A19. はい。
Q20. コンデンサについて教えて下さい。4-6月期は御社だけでなく全体的に静かになりましたが、足下の状況と、来年度コンデンサメーカー各社が投資されたあと、どういう状況を想定されていますか。来年、新工場をなるべく早く稼働させたほうがいいと思いますが、今の時点ではどのようなご計画になっているか、新工場の現状について変更があればお願いします。
A20. 変更はございません。来年の4-6月期に新工場を立ち上げたいと考えています。各社、増産体制に向けて工場を建てています。今期は北京オリンピックに向けて需要は旺盛だと思いますが、そのあとどうなるかというのはよくわかりません。ただ、コンデンサの中期的な見方をすると、セットの多機能化・高機能化がまだまだ続くと見ています。そういう意味では、チップコンデンサの小型化、薄型、大容量化の市場が出てくると考えています。我々はその需要に対応すべく工場の立ち上げを考えています。
Q21. コンデンサは、今どういうお客様の引き合い状況でしょうか。
A21. 現在、デジタル家電やPC関係を含めて需要は落ちておりません。
Q22. 4-6月期であまり売上が伸びなかったのは、受注はもっとあったけれども作れなかったのか、どういう状況でしたか。
A22. 5月15日の決算説明会でご説明したと思いますが、1-3月期に比べて4-6月期の売上はほぼ横ばいで計画を組んでいます。そういう意味では計画どおりに推移しています。ただ、その中でもCPUに使われる低ESLコンデンサの需要が落ちました。我々もその影響を受けています。
Q23. それを除くと順調で、足元はさらに好況さを増しているということですか。
A23. 順調というよりも、計画どおりに進んでいるということです。