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[ 2001年3月期 通期 連結決算説明会 ]HDD用ヘッド事業について

取締役 記録デバイス事業本部長 橋本 富智

取締役 記録デバイス事業本部長 橋本 富智

本日は、ハードディスクドライブ用ヘッド事業の概要について説明させていただきます。
まず、売上高の実績について。105期は、上期918億円、下期773億円、合計で1691億円です。一昨年が2007億円でございましたので、前年比16%の減少となりました。
以上の実績を昨年度HGA総需要に対比してみますと31%のシェアとなり、一昨年度34%に対して3%の下落となっております。なお、昨年度のHGA総需要は5億9000万個とみております。また、一昨年度の34%時点におけるHGAの総需要は6億2200万個です。

105期は売上高の大幅な減少、シェアダウンという結果でした。この原因について説明させていただきます。
技術的な面では、私ども、得意先が要求する製品を技術的方向性の判断ミスから、タイムリーに製品を供給できなかったことが一番大きな要因です。その内容の一番目ですが、高出力化を目指して改善に取り組んでいましたが、Free層の薄膜化の限界、MR形状影響の問題認識が遅れ、製品の改善が遅れました。次に、特性の安定性改善について、ヘッド構造の影響の発見が遅れ、改善に時間を要したこと。三番目は狭トラックとそのコントロールについて、工程管理的には、一部狭トラックが進む中で追従できない時期があり、歩留まり的に大きな損失を起こしました。

次に生産販売面ですが、上期第1四半期、4−6月期では、10 ギガビット/平方インチ(Gbpsi)が主流でしたが、他社よりも優勢を確保できましたので、受注も順調でした。シェアも36%ほど確保できました。第2四半期におきましては、15 Gbpsiの製品、3.5インチのプラッターでいくと20 ギガバイトの製品の立ち上げ時期でしたが、トラックコントロール問題が起き、特性面での歩留まりが低下して、十分な数量供給ができませんでした。販売面でも大きな減少をきたしました。またこの第2四半期の8−9月には水害等の被害により、ウエハーの生産がダウンしてしまいました。
次に、下期第3四半期について、8−9月の水害等の影響を受けて、HGAの出荷が大幅に減少しました。これは、得意先に大きな迷惑をかける結果となってしまいました。また、歩留まりはその改善に向かいましたが、販売面での増量には大きくつながりませんでした。
さらに12月から始まったPCの落ち込みの影響を受けて、販売面では挽回に至りませんでした。
第4四半期におきましては、さらなる新しい製品、20 Gbpsiの立ち上げ時期にありましたが、この商品については承認化でナンバーワンがとれず、PC市場の生産調整をまともに受ける結果となり、受注の大幅な減少につながったということです。
以上が105期のHDD用ヘッドの状況です。

次に、今期106期を、どのように進めようとしているかについて説明させていただきます。
まず市場について、今年、ヘッドの総需要は5億8300万個とみております。ハードディスクの総生産数量は2億700万台、1台当りのヘッドの員数は2.8個とみております。
ハードディスク市場の動きについて、一つは、サーバ系を中心とするより高密度を追求しなければならない分野と、デジタル家電等を中心とする、より低価格を追求する分野に分かれていくものとみております。TDKとしては、この二つのセグメントをしっかりと掴んで進めていきたいと考えております。

次に、新しい市場を含めたハードディスクの生産台数について。今年度は、2億700万台、来年2002年においては2億5500万台、2003年で2億9300万台とみています。この中で、新市場、デジタル家電、ゲーム機器、携帯機器等のシェアは、2001年で5.5%、2002年に18%、2003年に25.5%と、この3年間は大幅に拡大するものとみています。
新市場の内容は、今申し上げたように三つの分野にわかれると思いますが、一番目はデジタル家電用途。今年度では約500万台。2番目はゲーム機器で、今年500万台。三番目はモバイル機器で約200万台とみております。これは、2003年には全体で6900万台にまで成長するものと見込んでいます。これは全体の23.7%になるものとみています。

今後のTDKの取り組み方について説明させていただきます。
高密度化の追求へ、どのように取り組んでいくかということで、次の三つのキーポイントがあると考えています。
まず一つ目は、読出機能としての高出力化です。この課題に関してはLOL構造を全製品に導入したいと考えています。このLOL構造は、今回、私どもが新しく商品化して、各得意先から大変良い評価をいただいております。また、高出力化にむけて、MR Ratio20%の新しい膜であるH-ΔR膜(ハイ・デルタ・アール膜)を採用して、さらに高密度化、高出力化をねらっていきたいと考えています。
二番目に書込機能。いかに高周波対応をするか、高効率の記録効率を上げるかということについては、新しいコイルの構造、ならびに新Hi-Bs材を採用していきます。この新Hi-Bs材に関しては、限界に挑戦するような形で採用していきたいと考えています。
三番目として、読出、書出共通ですが、いかに狭トラック化を可能にするか。新しい装置の導入とレジスト技術を導入して、コンマ1μ大のトラック幅にしていきたいと考えています。また、これだけ狭くなったものをいかにコントロールして、量産で、安定的につくるかということで、新しい工法の管理も同時に進めたいと考えています。

以上のような技術的な課題を成功させて、次の製品化のスケジュールを考えております。まず、30 ギガバイト/ディスク(GB/P)については、2001年1月から量産に入っています。これは、他社に遅れをとった製品ですが、現時点では量産を可能にして、納入を始めています。
次に40 GB/Pですが、今まさに立ち上げようとしております。この製品には、LOL構造を導入しております。得意先からは良好な評価をいただいております。この製品については、ナンバーワンのポジションを再度獲得できるのではないかと考えております。
60GB/P、80GB/Pの製品については、できるだけ早い時期にデモ・サンプルを提出して、問題抽出等を行い、量産時には高い歩留まりを確保できるように挑戦していきたいと考えております。この表の中で80GB/Pまで示していますが、ここまでは、現在のアドバンストのGMRで、高密度化への施策ができると考えています。今後の製品については、垂直、ならびにTMRといった製品の導入が必要だと考えています。

次に、新しい市場の拡大が見込まれていますが、新しい市場に対して、デジタル家電、ゲーム機器、モバイル機器については、低コストの追求が課題となります。106期では具体的に15 Gbpsiクラスでの低コストの実現を考えております。
その内容は4項目あります。一番目にはLOL構造を採用し、より高歩留まりを達成させていくこと。二番目は、ウエハー工程の削減により、効率的な生産、リードタイムの短縮を図り、コストの削減を目指すこと。三番目は低コストの部品、私ども、サスペンションにおけるジョイントベンチャーで、新しい製品の開発を行っておりますが、これらを採用すること。四番目に、ドライブメーカーとの連携により、より低コスト設計の実現を図っていきたいと考えています。ドライブメーカーとの連携におきましては、量産時に高歩留まりを確保できる設計を目指しています。

もう一つ重要な課題はスピードです。その課題を進めるために、一つは、ドライブメーカーとの連携強化。多様化するドライブ設計とその連携ということで、できるだけ早い時期に開発に着手し、早期に問題を抽出して、その解決にあたって、量産時には高い歩留まりを実現したいと考えています。また私どもの内部的な問題でもありますが、TDK本体、香港SAE、米国のヘッドウェイという三極開発部門をもっておりますが、これらをより効率的に動かして、スピードアップを図っていきたいと考えています。これはもちろん、得意先の要求に対応できるということもありますが、歩留まりを上げるための一番のポイントだと思っております。

最後になりますが、106期の目標数値です。販売シェアとしては31%です。上期28%、下期35%とありますが、上期は前期からの承認化の遅れ等によって、特に第1四半期においてはシェアを落としています。その関係で、上期28%、下期は新しい製品が好評をいただいておりますので、シェアを戻せるだろうと考えております。
以上で説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。

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