TDKの社是「創造によって文化、産業に貢献する」という経営理念が、TDKの社会貢献活動のベースになっています。
クラシック音楽は、「時代や国境、さらには世代を越えた世界共通語」であるという特徴があります。
当社のTDKオーケストラコンサートは、高品質で感動を引き起こすことができる音楽イベントに協賛させていただくだけでなく、音楽を学ぶ若い世代の人たちに、世界一流のオーケストラの生の音作りの現場であるリハーサルを体験する機会を提供する「公開リハーサル」と、学校にアーティストが出向いて演奏し、生徒たちと交流する「アウトリーチ」活動を行なうことも、企業ができる社会貢献活動の一部と考え、2003年より毎年実施しています。
11月23日(水)、本公演に先立って行なわれた「公開リハーサル」に、音楽を学ぶ学生200名を抽選でご招待しました。鑑賞した学生たちは、指揮者のサイモン・ラトル氏が想い描く音楽を楽団メンバーに声を出し指示する姿や、楽団メンバーが要求される音楽を作り出す真剣な様子など、普段目にすることのない音作りの過程を興味深く見学していました。
- 「とても貴重な体験をさせていただきました。どこをとっても美しく、繊細且つ大胆な演奏でした。特にホルン協奏曲「開花の時」は指揮者サイモン氏の手から音楽がほとばしるようで、ホール全体が包みこまれるようで、とても感動いたしました。そして、私は吹奏楽でファゴットを演奏しているので、「道化師の朝の歌」が曲目に入っていたことが嬉しく、とても楽しみにして参りました。私も将来、人に感動を与えられるような、そんな奏者になりたいです。」(高校生:女性)
- 「『真の音楽』がそこにある、という感じで、とても感動しました。涼しげな顔であんな素晴らしい音楽を作られるなんて、さすが世界最高峰のオーケストラだなと思いました。今日の演奏を聴いて、自分の音楽に対する気持ちが一層強くなりました。僕は吹奏楽部で指揮者を務めています。今後もバンドの発展のために、ベルリン・フィルのような素晴らしい音楽を作っていけるように精進していきます。最高のステージをありがとうございました。」(高校生:男性)
- 「どの曲も迫力がありました。一人一人弾き方に個性があり、自由に体を動かして演奏しているのがとても印象強いです。強弱の差が素晴らしいと思いました。全員が指揮者に注目し、集中していて、1つになっているように感じました。今回学んだことを活かせればと思います。ありがとうございました。」(高校生:女性)
- 「音楽の美しさに感激しました。このような機会は二度とないと思いますが、これを一生の宝物にして、今後の活動に活かしていきたいと思います。」(高校生:女性)
- 「音がとても綺麗でした。ホールの中の空気を動かしていて、とても繊細かつ迫力がありました。私も、もっと納得のいく音が出るまで練習して、オケとして、もっと良い音楽をつくっていきたいと思いました。」(高校生:女性)
- 「音楽が創られていく過程がよく分かりました。本物の音楽に触れられて良かったです。今後の演奏に役立てていきたいと思います。」(高校生:女性)
アーティストの紹介
- ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- サイモン・ラトル
- シュテファン・ドール
- 樫本 大進
- 細川 俊夫

(C)Berliner Philharmoniker/Matthias Heyde
1882年5月1日発足。初代常任指揮者は、ハンス・フォン・ビューロー。1895年からは、アルトュール・ニキシュが27年間にわたり、常任指揮者を務め、ベルリン・フィルは国際的地位を獲得。第3代常任指揮者、ヴェルヘルム・フルトヴェングラーは20年間君臨し、1955年に初となるアメリカ・ツアーを行う前年に死去。代わりにヘルベルト・フォン・カラヤンが指揮し、その後1956年終身指揮者兼芸監督に就任、以後33年間にわたって、数多くのレコーディングなどを通じ、名声を確立。1967年からは、ザルツブルグ・イースター音楽祭を創設した。カラヤンの就任後、1990年からは、クラウディオ・アバドが第5代常任指揮者に就任。2002年秋より、サイモン・ラトルが首席指揮者・芸術監督に就任し、現在に至る。今回の公演で19度目の来日となる。

(C)NIKOLAUS
サイモン・ラトル [指揮]
1955年イギリス・リヴァプール生まれ。ロンドンの英国王立音楽院で指揮と打楽器を学ぶ。80年から98年まで、バーミンガム市交響楽団の首席指揮者兼芸術顧問、次いで音楽監督に就任。94年、音楽界への貢献を称えられ爵位を授与され、以来サー・サイモン・ラトルと呼ばれる。2002年の9月、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者兼芸術監督に就任。両者は世界中で、数々の録音と先駆的な教育プログラム“Zukunft@Bphil”(未来@ベルリン・フィル)など新分野を推し進めており、この功績に対し2009年にドイツ政府より功労勲章大功労十字章が授与された。現在、ザルツブルグ・イースター音楽祭では、芸術監督を務め、オペラ公演の指揮もベルリン・フィルと行うなど積極的に活動している。

(C)Jim Rakete
シュテファン・ドール [ホルン]
シュテファン・ドールは“ホルンの王”とニューヨーク・クロニクルに評価された。
その完璧なテクニック、音程、アーティキュレーションなどにより、ホルン界のリーダー的存在となっている。19歳の時にフランクフルト・オペラの首席ホルン奏者となり、その後、バイロイト祝祭管弦楽団、ニース・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン・ドイツ交響楽団の首席奏者として実績を積む。そして1993年、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席ホルン奏者として任命され、今日に至る。
ソリストとしても世界最高峰の奏者として精力的な活動を行っている。

(C)Jim Rakete
樫本 大進 [第1コンサートマスター]
1979年ロンドン生まれ。恵藤久美子、田中直子、ザハール・ブロン、ライナー・クスマウル氏に師事。1996年のフリッツ・クライスラー、ロン=ティボーの両国際音楽コンクールでの1位をはじめとして、5つの権威ある国際コンクールにて優勝。当時50年の歴史を誇るロン=ティボー国際音楽コンクールでは史上最年少優勝という快挙で世界の注目をあびた。これまでマゼール、小澤征爾、ヤンソンス、チョン・ミョンフンなどの著名指揮者の下、国内外のオーケストラと共演。1995年アリオン音楽賞、97年出光音楽賞、モービル音楽賞、1998年新日鉄音楽賞フレッシュアーチスト賞、平成9年度芸術選奨文部大臣新人賞を受賞。2009年6月、世界最高峰の実力と知名度を誇るベルリン・フィルの第一コンサートマスターに内定したことが発表され、2010年12月10日に楽団員の投票により、正式就任へと至った。
使用楽器は1674年製アンドレア・グヮルネリ。

(C)Kaz Ishikawa
細川 俊夫 [作曲家]
広島生まれ。1976年から10年間ドイツ留学。ベルリン芸術大学でユン・イサンに、フライブルク音楽大学でクラウス・フーバーに作曲を師事。ベルリン芸大学生時代に26歳で、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団創立100周年記念作曲コンクール第1位(1982)を受賞。それ以降数々の国際作曲賞を受賞。2001年にベルリン芸術アカデミー会員、2006年にベルリン高等研究所のフェローに選ばれる。国内では、文部科学大臣賞(2007年)、第39回サントリー音楽賞受賞(2007年)。
2011年にモネ劇場、ルクセンブルク、ワルシャワ、ベルリン国立歌劇場の共同委嘱により初演されたオペラ《松風》は各地で絶賛の嵐を巻き起こした。東洋思想、日本の美学を基礎に、現代ヨーロッパの音楽の影響を受けつつ独自に結実した数多くの作品は、ヨーロッパの音楽界で常に高い評価を受け続けている。
ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、クリーヴランド管弦楽団、ザルツブルク音楽祭、ルツェルン音楽祭、エクサンプロヴァンス音楽祭、モネ劇場、ベルリン国立歌劇場、エディンバラ音楽祭などから作品を委嘱されている。主要作品は、オペラ《松風》、《班女》、オーケストラのための《循環する海》、笙のための協奏曲《雲と光》、弦楽四重奏曲《沈黙の花》など。
11月21日(月)、ベルリン・バロック・ゾリステン(ベルリン・フィルメンバーによる弦楽アンサンブル)5名が成田市立下総中学校(千葉県)を訪問しました。アーティストたちは、体育館につめかけた下総中学校、近隣小学校4校の生徒や保護者など350名を前に、テレマン作曲の組曲「ミュゼット」の解説を交えつつ世界最高峰の演奏を披露。生徒たちは透き通った美しい音色に息をのんで真剣に聴き入りました。演奏終了後、出張演奏と交流のお礼として、小中学生たちが心をこめて「翼をください」を熱唱、下総中学校吹奏楽部が「センチュリア」を力強く演奏し、体育館は大きな拍手につつまれました
出演者の紹介:ベルリン・バロック・ゾリステン 〜ベルリン・フィルメンバーによる弦楽アンサンブル〜
ヴァイオリン奏者:町田琴和さん、ライマー・オルロフスキーさん、ヴィオラ奏者:ヴァルター・キュッスナー、チェロ奏者:シュテファン・コンツ、コントラバス奏者:ウルリッヒ・ヴォルフさん
- 「とても5人で弾いているとは思えないような迫力で、本当に音色がきれいで、素晴らしい演奏でした。私は、吹奏楽部に入っているのですが、いつかベルリン・フィルの皆さんのような音色が出せるように、たくさん練習をして頑張りたいと思いました。」(生徒:女性)
- 「演奏を聴くのは初めてで、ベルリン・フィルの演奏が聴けて嬉しかったです。1つ1つの曲の説明があり、とても分かりやすかったです。世界でもとても有名なのに下総中学校に来てくださるなんて、もう二度とないと思います。コントラバスで演奏していた方はすごく指が早く動いていてびっくりしました。練習は最低3時間、普通は6、7時間も練習していることにとてもびっくりしました。やっぱり練習は大切だと実感しました。今日は生の演奏とドイツ語を話しているのも聴けて本当に良かったです。」(生徒:女性)
- 「初めての生の弦楽器の音色を聴いて、とても感動しました。日々受験勉強に追われ、疲れていた心に、元気をもらいました。そして、ベルリン・フィルメンバーの方のお話を聞き、やはり世界のベルリン・フィルは違うなと思いました。また、吹奏楽部の演奏もとてもダイナミックで、「自分も楽器が弾けたらどんなにいいだろう。」とこんなに思ったことはありません。この貴重な体験を糧に、受験勉強にしっかりと臨んでいきたいと思いました。」(生徒:男性)
- 「私は生まれて初めてプロの音楽家の演奏を聴きました。演奏者の全ての人が1つの音楽に対して真剣に向かい合い、とても楽しそうに演奏しているのを見て、一瞬で演奏に引き込まれました。1人1人が違う楽器を演奏していても、お互いの目を見てお互いの音を聴いて演奏しているからこそ、人を感動させ、「世界のベルリン」と言われるような演奏ができるんだなと思いました。大人になったら絶対にドイツに行って、ベルリン・フィルの演奏をもう一度聴きたいと思える演奏でした。」(生徒:女性)
- 「学生の頃に初めてベルリン・フィルの演奏を聴きました。トロンボーンの首席奏者が小柄な女性であることに大変驚きました。それまでの音楽の道を志してはいましたが、本当に心の底から感動したことは今までなかったのだと初めて気付きました。ベルリン・フィルの演奏を聴いて、悲しいときと嬉しいとき意外で初めて泣きました。ベルリン・フィルの音楽は、人の心に届く音だと思います。ぜひ皆さんも心を開いて音楽を受け入れてほしいです。」(教員:女性)
公演概要
名称: | TDKオーケストラコンサート2011 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 来日公演 指揮:サイモン・ラトル |
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主催・招聘・制作: | フジテレビジョン |
特別協賛: | TDK株式会社 |
出演: | ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 |
指揮: | サイモン・ラトル |
公演日: | 11月22日(火) (プログラム1) 11月23日(水) (プログラム2) 11月24日(木) (プログラム1) |
演目: |
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