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TDKオーケストラコンサート2002

TDKでは、世界の著名オーケストラの日本公演に協賛しています。
2002年は世界屈指の名門チェコ・フィルハーモニー管弦楽団を迎え、屈指のピアニストであり首席指揮者でもあるウラディーミル・アシュケナージと、ヤコフ・クライツベルクの指揮にて、11月21日から12月4日まで、東京および名古屋にて、4回の公演を行いました。
また、11月26日には公演に先立ち「Specialリハーサル」を開催しました。
これは、公演前に実施されるリハーサルに小学生から社会人までの音楽を学ぶ人々を招待するもので、世界的なオーケストラと指揮者が音楽を創造していく過程を体験してもらうためのプログラムです。
TDKでは2003年以降もオーケストラ日本公演への協賛を継続していきます。

TDKオーケストラコンサート2002

Specialリハーサル

11月26日には、演奏に先立ち「Specialリハーサル」と称した公開リハーサルを開催しました。
これは小学生から社会人までの音楽を学ぶ人々を広く招待し、世界的なオーケストラと指揮者が音楽を創造していく過程を体験してもらうことを目的としたもので、昨年11月に引き続き2回目の実施となります。
2000通を超える応募の中から、100組200人の方をご招待しました。
ピアノを習っている小学生から、部活動などで演奏をしている高校生、そしてアマチュアのオーケストラに参加されている方など、実にさまざまの方々がいらっしゃいました。
楽団員が、本番とは違った実にラフな服装で、ステージや会場(何と客席の中でも)で音出しをしたり、指揮者が登場して全員で曲を演奏したりする様子に、参加者たちは真剣に見入っていました。中にはノートを取り出して一生懸命にメモをする方も。曲の途中で演奏を止めた指揮のクライツベルク氏が、冗談を交えながら、ややオーバーアクション気味に最後の指示をする姿に、参加者全員が目と耳を凝らし続けました。
参加された皆様に、感想をお伺いしたところ、大勢の方から「貴重な体験ができました」「大変満足です」という感謝のお言葉を頂きました。
なお、公開リハーサルは今後も継続して実施する予定です。

Specialリハーサル
Specialリハーサル
Specialリハーサル
Specialリハーサル

参加者の声

Y.Yさん(女性)と息子のKくん(10歳)

「娘がピアノの先生になりたいと言っており応募しました。が、娘は学校の試験と重なったので息子と来ましたが、二人共に感激しました。指揮者の方の「パッ、パッ」という指示が、娘のピアノの演奏への指示と同じだったことと、それぞれの楽器の持ち分(の音色)があり、それを指揮者がまとめていくところが印象的でした 」

F.Mさん(男性)

「私自身はトランペットの演奏とアマチュア・オーケストラの指揮を行っています。プロのオーケストラのリハーサル場面はビデオなどでは見たことがありますが、実際に見たのは今回が初めて。本番の演奏は、素晴らしい!の一言に尽きます。リハーサルでは集中力を高めることが重要で、その結果を本番一発で見せる集中力はすごい、さすがと感心しました。リハーサルでは指揮者と演奏者の掛け合い(言い争いなど)を期待していましたが、今回は確認の段階で、分かり合っている雰囲気でした 」

千葉県立T高校オーケストラ部の皆さん

「来年、オーケストラ部でチェコに演奏旅行に行くため、その参考にしたいと思って応募しました。本当は、部員全員で参加したかったのですが・・・。でも、代表で見に来ることができて、とても参考になり、大満足です。プロ楽団のリハーサルは初めて聞きましたが、通常のコンサートではない余裕が感じられました。指揮者の大きなアクションが印象に残っています。本番はリハーサルとは空気が違うし、顔つきも違う。リハーサルを聞いていたから、身近に感じられましたが、演奏に対する迫力が全然違って驚きです。「巨人」はいつかは演奏してみたい。大きな目標ができたので、これからいい音楽を出せるように練習をがんばろうと思います 」

会場でのアンケートより

「本番直前まで構想を練りまくっていてビックリしました。さすが、プロ!このまま譜面にメモも取らず本番でそれを発揮するのでしょう・・・と感動しました。ヤコフの生の声も聞け、ジョークを交えながら団員を一つにまとめていく流れが見られてよかったです 」(30歳代の女性)

「プロオケの練習を見られることはめったにないし、指揮者の指示で曲の雰囲気がガラッと変わるのはとてもおもしろい。本番でも、練習でここやっていたなと意識して聞けるので2度楽しめる 」(20歳代の女性)

指揮者インタビュー (ヤコフ・クライツベルク氏)

-公開リハーサルの経験は?

ヤコフ・クライツベルク氏

日本ではまだ機会が少ないようですが、ヨーロッパやアメリカでは、普通のリハーサルや今回のようなドレスリハーサルを公開することはよくあります。
例えば、ニューヨークフィルハーモニーでは、チケットを買い、お金を支払えばそのような機会を与えられています。
今回のように若い方々や音楽を目指す方にチャンスを与えることはとても価値があると思います。こういうチャンスがクラシックに一番最初に触れるいい機会になるかもしれない。そういうことは、このリハーサルの意義としては大きいと思います。

-何歳頃から音楽に触れるのが理想ですか?

一般的にはバイオリンやピアノなどの演奏をするには、3歳、4歳から始めますが、これは筋肉的なものが最初に固まってしまう前に柔軟性がある3~4歳から始めることが大変重要だとされているからです。言語と同じで、ある程度の年齢に達してしまうと、そこからまた勉強していくのが難しい。だが、その前の段階のレベルだと、非常に簡単に言葉が覚えられる。吸収力が違うからでしょう。本当に小さい頃と、幼児の頃、子供になった頃、中学生になってしまった頃、これらは非常に大きな差が出てきます。
そういう意味では少しでも早い時期からいい音楽に触れて興味を持つことが大切だと思います。だから、私たちオーケストラの側から見ると、若い人たちがもっと来て欲しい。
クラシック音楽は、本当にもっと聴衆を拡大していく必要があると感じています。

-日本の若いファンの方たちにメッセージを

音楽というものは、私たちが話す前に思いつく最も自然な形の表現なのです。
ですから、今日(こんにち)の世界にとって、音楽はとても重要な存在なのです。
というのは、私たちはこれだけ多くの問題を抱えていますからね。しかし、音楽は、全世界に共通な言語であり、人々をひとつのものにします。
これは、とても重要な役割です。だから、音楽は最も美しい言語ではないか、と私は思っています。

-ありがとうございました。

本公演

名称 TDK オーケストラ コンサート 2002
招聘元 株式会社 梶本音楽事務所
特別協賛 TDK株式会社
出演 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
指揮 ウラディーミル・アシュケナージ、ヤコフ・クライツベルク
ソリスト マーティン・カシック、エレーヌ・グリモー(ピアノ)
2002年11月21日(木) 開演:午後6時45分
会場 愛知県芸術劇場(名古屋市東区東桜1-13-2)
主催 中日新聞社、テレビ愛知
指揮 コフ・クライツベルク
曲目 マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」他
2002年11月26日(火) 開演:午後7時
会場 東京サントリーホール(東京都港区赤坂1-13-1)
主催 梶本音楽事務所
指揮 ヤコフ・クライツベルク
曲目 シューマン:ピアノ協奏曲イ短調op.54 (ピアノ/マーティン・カシック)
マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」他
2002年12月2日(月) 開演:午後7時
会場 すみだトリフォニーホール(東京都墨田区錦糸1-2-3)
主催 梶本音楽事務所/すみだトリフォニーホール
指揮 ヤコフ・クライツベルク
曲目 ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調「新世界より」op.95他
2002年12月4日(水) 開演:午後7時
会場 東京サントリーホール(東京都港区赤坂1-13-1)
主催 梶本音楽事務所
指揮 ウラディーミル・アシュケナージ
曲目 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調op.18 (ピアノ/エレーヌ・グリモー)
ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調op.

11月26日(サントリーホール・東京)

100年以上伝統的な美しい音楽を受け継いでいる屈指の名門「チェコ・フィルハーモニー管弦楽団」による得意のマーラーに注目が集まったコンサートでした。
端正な顔立ちの指揮者ヤコフ・クライツベルクの勝負曲でもある「巨人」。
クライマックスでの「勝利」のファンファーレに観客は皆圧倒され、ダイナミックな指揮と、世界の名門の演奏に会場からは割れんばかりの拍手が沸き起こりました。

11月26日(サントリーホール・東京)
11月26日(サントリーホール・東京)

12月4日(サントリーホール・東京)

新たな黄金時代を迎えた一世紀を超える名門「チェコ・フィルハーモニー管弦楽団」が、首席指揮者であり、また、現代屈指のピアニストでもあるマエストロ ウラディーミル・アシュケナージと繰り広げたオールラフマニノフプログラム。マエストロ自身も非常に思い入れの強い祖国ロシアの作曲家であるラフマニノフだけあり、並々ならぬ情熱が感じられるコンサートでした。
ピアニスト エレーヌ・グリモーの若い個性を存分に引き出した、素晴らしい、そして熱い音楽に観客は皆酔いしれました。

12月4日(サントリーホール・東京)
12月4日(サントリーホール・東京)

出演者の紹介

チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

チェコは古くから栄えた文化的先進国。音楽の世界でも「モルダウ」で有名なスメタナ、「新世界より」で有名なドヴォルザークなどの世界的な作曲家がそろっている。
こうした文化的土壌から生まれたのが「チェコ・フィルハーモニー管弦楽団」。
1886年、ドヴォルザーク自身を指揮者に、彼自身の作品のコンサートを行ったのが始まりで、以来、「弦の国」チェコで1世紀を越える歴史を誇る、ヨーロッパ屈指の名門オーケストラとなった。
1908年にはマーラーの交響曲第7番を世界初演。ターリヒ、クーベリック、アンチェル、ノイマンら歴代の首席指揮者に加え、古今東西の優れた指揮者、ソリストたちが共演。ツアーも世界各地へ行っている。1998年、新首席指揮者にアシュケナージを迎えた。

ウラディーミル・アシュケナージ(首席指揮者)

ウラディーミル・アシュケナージ(首席指揮者)

1936年ゴーリキー生まれ。現代屈指のピアニストであると同時に指揮者としても活躍。
1955年のショパンコンクールで第2位を受賞したのを皮切りに、1962年のチャイコフスキーコンクールでの第1位受賞等、世界のコンクールで輝かしい成果を収めつつ、世界各地で精力的にコンサート活動を続けてきた。1970年以降、徐々に指揮者としての活躍が目立つようになり、ロイヤル・フィル音楽監督、クリーヴランド管弦楽団やフィルハーモニア管弦楽団首席客演指揮者、ベルリン・ドイツ響首席指揮者・音楽監督を歴任。1998年1月、チェコ・フィルの首席指揮者に就任した。

ヤコフ・クライツベルク(指揮者)

ヤコフ・クライツベルク(指揮者)

1994年からベルリン・コーミッシェ・オーパー首席指揮者・芸術総監督。
サンクトペテルブルク生まれ。1976年アメリカに移住し、研究生としてタングルウッドでバーンスタイン、小澤、ラインスドルフの、ロスアンジェルス・フィルではティルソン・トーマスのもと研鑽を積む。ボーンマス響の首席指揮者・芸術顧問を5シーズン務め、チェコ・フィル、ベルリン・フィル、コンセルトヘボウ管、ニューヨーク・フィル、N響など一流オーケストラにも数多く客演。オペラでもグラインドボーン音楽祭、イングリッシュ・ナショナル・オペラ、シカゴ・リリック・オペラなどで活躍。ジュネス・ミュジカル(世界ユース管)の芸術顧問も務めている。