- Q1. 2025年3月期通期の営業利益予想を400億円上方修正し2,200億円としていますが、構造改革費用約100億円との関係も含めて、従来想定比でどのように変化したのかセグメント別に説明してください。
- A1. 2025年3月期通期の営業利益予想を400億円上方修正しました。為替の影響を除いたベースでは200~300億円程度のプラスとなります。エナジー応用製品が受動部品の減収分をカバーして全社の利益を押し上げることに加え、磁気応用製品において、HDDヘッドの販売増による増収効果を見込んでいます。なお、センサ応用製品は期初想定並みと見込んでいます。セグメント別の構造改革費用は以下の通りです。
- 受動部品:10億円強
- センサ応用製品:10億円弱
- 磁気応用製品:約50億円
- エナジー応用製品:約20億円
- その他:20億円弱
なお、上期/下期別の内訳は以下の通りです。
- 上期:約30億円(第2四半期:約30億円)
- 下期:約80億円(第3四半期:約30億円、第4四半期:約50億円)
- Q2. バッテリ事業における第2四半期の上振れ要因と、第3四半期及び第4四半期の利益の方向感について教えてください。
- A2. 第2四半期の小型二次電池の数量は見込みに比べ約2%増加しました。第2四半期の材料価格は、当初、第1四半期から大きく変動せず、下期に向けて緩やかに上昇すると見込んでいましたが、実際は第2四半期において第1四半期からさらに低下しました。
第3四半期の数量は、第2四半期から横ばいで推移すると見込んでいます。第4四半期は例年通り、旧正月の影響により第3四半期に比べ大幅に落ち込むと見込んでいます。
- Q3. 2026年から北米でEV以外のバッテリにも関税をかけるという話があると思います。データセンターや蓄電システム(ESS)向け等の中型二次電池のマーケットとしてアメリカは今後伸びていくと思いますが、関税の対策についてどのように考えていますか。
- A3. ご指摘の通り、2026年から中国で作った電池をアメリカに輸入する際に25%の追加関税がかかるということですが、当社もそのままコストアップするわけにもいきませんので、中国以外の拠点の活用も検討に入れています。インドでの生産も一つのオプションだと考えています。
- Q4. 冷却・放熱をすることによって電池のパフォーマンスが上がるということが分かってきており、LFP(リン酸鉄リチウムイオン電池)もパックの技術を組み合わせればかなり良くなると推察しています。TDKの中型二次電池は現状、家庭用蓄電システム(RESS)、電動バイク等にフォーカスしていますが、大型ESS、いわゆるグリッド向けも今後オポチュニティと捉えていますか。
- A4. グリッドまでの規模には至ってはいませんが、さらに大きなESSのお話しをする機会が増えています。技術的課題は、セルというよりシステムの方にあると思います。そのような課題を解決しながら拡大していきたいと考えています。
- Q5. センサ応用製品の利益は、第1四半期比で大幅に改善していますが、どのような変化が起きているのか製品別に教えてください。またMEMSマイクロフォンの黒字転換の時期についても教えてください。
- A5. 磁気センサのICT向け需要が増え大きな伸びとなりました。温度センサは自動車向け需要が期初予定よりも少し下回りましたが、第3四半期、第4四半期に向けて回復していくと見ています。MEMSマイクロフォンは、第2四半期に新規製品の量産出荷を開始することができました。第3四半期以降の売上貢献及び収益改善を見込んでいます。今期は開発費の負担が重く利益を出すには至りませんが、来期以降搭載される製品が増えていくと見ており、来期後半に向けて利益が出るようにしていきたいと考えています。
- Q6. HDD関連事業について教えてください。大容量HDDの需要が大きくなり、サスペンション並びにヘッドの供給がタイトになっているという話が聞かれます。このような状況がTDKに与える影響について教えてください。ヘッド事業については、今後キャプティブ向けの売上も想定できますか。
- A6. サスペンション、ヘッドともに需要は回復傾向にありますが、当社は既に十分な設備投資を行っており、現状の設備能力でしっかりと需要をカバーしていけると考えています。キャプティブに関するコメントは難しいところですが、当社は唯一の独立系メーカーですので、機会が来れば逃すことなく捉えていきたいと考えています。例えば、当社はHAMRのサンプル活動も行っていますが、これは特定の1社のお客様に限った活動ではありません。中長期で幅広くしっかりと機会を捉えたいと考えています。