[ 2011年3月期 第2四半期 連結決算説明会 ]Q&A
- Q1. まず、製品別売上高のコンデンサに占めるセラミックコンデンサの構成比が2Qどうだったのか教えてください。
- A1. セラミックコンデンサの構成比は約65%です。
- Q2. セラミックコンデンサの売上金額と収益性は1Qと比較してどのように変化しましたか。
- A2. 売上高は1Q比でほぼ横ばいです。収益性は1Qに比べると、円高の影響により悪化傾向です。
- Q3. 3Qのセラミックコンデンサの売上及び収益に関してどのように予測していますか。
- A3. 売上高は約7〜8%落ちるのではないかとみております。収益性につきましてはコストダウンのその他で挽回してゆきますが、すべてはカバーしきれないかもしれません。
- Q4. 製品別売上高のその他に占める二次電池の構成比および四半期での変化について教えてください。 又、期初にご質問させていただいたときに、二次電池の生産能力を2割程度上げるという話だったと思いますが、計画のご変更等があれば教えてください。
- A4. 構成比は6割ぐらいです。生産能力の増強ですが今のところ計画どおりと思っていただいて結構だと思います。
- Q5. 売上高は1Q対比ではどのように推移しているのかということ、及び3Qについてはどのように予測されていますでしょか。
- A5. 売上高は約3割伸びております。3Qにつきましては数%伸びると予測しております。
- Q6. 中期計画に対する進捗度合いに関して教えてください。環境が変わる中でそれをどう達成していくかというところですが、社内的に見たスピード感、エプコスとのシナジー、もしくはコンデンサの黒字化、さらに収益拡大。その辺りを思った以上に早くやっていかないと、2012年度10%利益、1,000億円に向けてというところに対して、かなり踊り場的な業績になっていくような感じがします。そこに対してのブレークスルーというか、来年に向けて、環境がどうであれ増益で高い収益改善をしてゆくためにどのようなことを考えられているのか教えて下さい。
- A6. HDD用ヘッドへの依存度が高いと言われてきたわけですけれども、ここにきて受動部品の改善が顕在化してきています。特にエプコスとのシナジーがかなり出てきていますし、もっと加速できるのではないかと思っています。投資も、来期に向けて前倒ししているものもあります。特にエネルギー分野に向けては、フィルムコンデンサ、アルミ電解コンデンサは絶好調でございまして、投資をして来期はさらに事業を伸ばしたいと考えております。通信分野には高周波モジュール、特にスマートフォン向けの新製品についても投資をして、来期から、あるいは早いものでは今期末から投入していけそうです。来期に照準を合わせて着々と準備を進めています。これが1つ、良い材料だと思っています。 もう1つは、想定以上に円高になっているわけですが、そうしますと、セラミックコンデンサ、特に一般品の海外生産を加速する必要があると考えています。電源事業もインフラ向けで今かなり良くなっていますので、これも期待したいと考えています。これからは、受動部品でより一層伸張を目指して頑張っていきたいと考えています。
- Q7. HDDの生産が、底打ちで戻るような動きもあるようですが、御社の場合は、先ほどの伺った指数が直近の状況でも変わりないという感覚でよろしいでしょうか。
- A7. はい。
- Q8. 中国での生産効率倍増ということで、御社はアルプスさんの後工程を買収されて、相当良いタイミングで人員削減された経緯があると思いますが、それに加えて、今回この2年のプロジェクトというのはどういう性質のもので、どのセグメントなり、どういう製品の利益率改善に効くものとしてプロジェクトがスタートしたのでしょうか。
- A8. 今まで、労働集約型の製造工程は中国での生産を増加させてきました。これを全部自動機に変えていくというのが1つ。それも、できるだけ効率の良い自動機にしていきたいと思っています。これだけでかなり改善できます。それから、後工程ももちろん、人のスキルに頼るところは全部合理化していくべきだろうということで進めています。製品別に特徴的なところもありますが、基本的には工場ごとにやっていきたいと考えています。工場も効率的に、例えば、2つに分散したものを1つにするということも含めてやっていきたいと思っています。ヘッドは引き続きさらに合理化を行います。特に加工プロセスでの改善はさらに追求していかなければいけないだろうと思っています。ですから、各工場、1年半で達成できるところもあれば、2年かかるところもある。時間軸でずれはありますが、2年かけてトータルで効率を2倍にしなければいけないと考えています。
- Q9. エプコスとの拠点統廃合等で、今後費用削減されていく、もしくはもっと効率化されていくということをご説明いただいていますが、金額面でどのぐらいの成果が出てきているのか、今後どういった成果が期待できるのかについて教えてください。
- A9. 旧TDKの工場よりも旧エプコスの工場の改善幅が大きくできるのではないかと見ています。
- Q10. 先ほどHDDの今期の市場を、出荷台数6億4,000万台とおっしゃられましまたが、例えば、2Qを100としたときに、3Q、4Qをどういうふうに見ていらっしゃるのか。また、今期の6億4,000万台に対して、来期、再来期と、私どもはどういうふうに予想すべきなのか、何らかのご示唆をお願いいたします。
- A10. 今年は非常に特徴的で、2Q、3Q、4Qと、HDDの数はフラットに推移すると見ております。来年以降につきましては、引き続きドライブの需要については堅調であると見ておりますので、年間では10%に近い成長が見込まれるのではないかと見ております。
- Q11. そのときの御社のヘッドのシェアですが、来期はどのぐらいのシェアを見込んでおられるのか教えてください。
- A11. 来期は32〜33%にしてゆきたいと考えております。
- Q12. 2Qの販売管理費の項目を見ると、売上がほぼ同じでしたので、販売管理費比率が悪化している方向ですが、どういった要因があったのかという点について、教えてください。
- A12. 販売管理費比率は1Q比若干上昇していますが、円高による売上目減りの影響もございます。増えた項目としては、開発費で1Q比8億円、販売管理費に含まれる構造改革費用3億円などです。
- Q13. ヘッドについて教えてください。ウエハの工場の稼働率の推移と見通しをお伺いできればと思います。ウエハの投入ベースで見て、9月ぐらいから調整をかけられていると思いますが、いつぐらいが底になって、いつぐらいから投入が増やしていけるのか。業界環境を考えると、今、高容量のところがおそらくハードディスクは足りないはずで、一部トラブルの噂が流れてきますが、それによって何か変化があるのかないのか。特に御社は高容量でのシェアが高いので、見通しについて教えていただければと思います。
- A13. まず、ウエハの稼働ですが、1Qは繁忙を極めました。2Qの9月から落ちていまして、稼働でいうと1Qは9割以上、2Qが85ぐらい。下期は、現在では80〜75%ぐらい。4Qは今の時点でまだ不透明な部分があります。中国の旧正月に向けたアジア系の需要が戻れば、またウエハの稼働を上げていきたいと思っています。 HDD業界で今、高容量が少し足りないのではないかという話については、高容量は比較的強いと思いますが、今の時点で特に不足感は感じておりません。
- Q14. シングルライト等のいろいろな技術が出て、高容量化のトレンドにあると思いますが、ヘッド業界の高容量に対する技術の取り組みは、今、直近ではどういう動きをしているのでしょうか。全体的な技術の流れとして、どんどんこれからハイエンドのほうに行くのか、それとも、一旦低迷するような感じなのか。この辺りの流れがどうなっているか教えてください。
- A14. 我々としてはエナジーアシストの技術を使ったヘッドで業界のスタンダードを目指すということで、次の大きなブレークスルーのヘッド側のきっかけになっていくのではないかと思っています。
- Q15. ロードマップ的なところは、今どんな感じになっているのでしょうか。特にシングルライトの場合は、ハードディスクメーカー側に対する負荷がかかってくるような感じがするのですが、順番的にどんな感じなのでしょうか。
- A15. ヘッド側からすると、現状のPMR、TMRからシングルライト、そのあとエナジーアシストに変わっていくというふうに考えています。
- Q16. アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサが好調ということですが、下期以降、エコカー向けの新しい事業を立ち上げられたり、いろいろなことが出てくると思いますが、こちらのエプコスとのシナジー、内製部品としてアルミ電解コンデンサを使っていくというようなところの道筋について、下期あるいは来期辺りから何か動きが出てくるのか教えてください。
- A16. これらについては、民生向けはあまりやっておりません。産機向け、特にインフラ系、車載をやっているわけですが、ほとんど日系顧客への販売はありません。ですから、ここは旧TDKの営業ルートを使って、時間はかかると思いますが、拡販しているところです。フィルムコンデンサのほうが先に日系メーカーさんに入っていけるだろうなと思っています。内製でも使い始めております。順番としては、まず、フィルムコンデンサを日系メーカーさんに拡販して、そのあとアルミ電解コンデンサという順番になるかと思います。特にフィルムコンデンサの車載が伸びてくるだろうと思いますが、これは2012年以降だと思っています。
- Q17. HDD用ヘッドの価格ですが、今、HDDの価格が相当下がっていて、かなりきつい状況が今あるのですけど、HDDヘッドの価格についてはどのように想定されていますか。
- A17. 新製品の部分で、品種構成で全体を調整することが、我々として価格を維持できる1つの方策ですが、正直申し上げて次の500GB/プラッタ製品については、早急に立ち上がるかどうかというところが難しいので、下期については、価格は若干厳しい見方をしなければいけないのではないかと思っています。
- Q18. HDDのマーケットの環境が、仮にクラウドの世界になって、HDDの台数が、特に2.5インチがあまり伸びなくて、ハイキャップのデータセンター向けの大容量のものが伸びていったときに、御社の場合、特に2.5インチは記録密度が非常にセンシティブで、そこでシェアを上げる戦略があったと思います。それがサーバのようなものが伸びていった場合、御社の売上構成比では、今、そこは小さいと思いますが、これからどういう勝ち方になるのですか。記録密度をどんどん上げて、サーバの何枚もある円盤を少なくしてコストを下げるとか、そういう戦略が通じるのかどうかも含めて教えてほしいのですが。
- A18. 我々として、技術革新によって容量を上げて売価を維持するという、これは変わりません。先ほど申し上げました新技術をどんどん導入して、高容量に対応する。それと併せて、中国でのいろいろなコストダウン、効率化も含めて、両極で対応できる形を作っていかなければいけないのではないか。我々から100%買っていただいているお客さんもありますので、高容量の製品も作りますし、こなれた汎用品もかなりの低コストで提供できる形で対応していきたいと考えています。
- Q19. ハイキャップの場合は2.5インチと違って、ヘッドとか部品のコスト構成が小さいような気がします。そこのコストを下げるインパクトが、HDDメーカーにとって大きくなくなるような気がしますが、そういうわけではないですか。例えば、サーバ向けのHDDは価格が高いですし。
- A19. 純粋なハイスピードのサーバの市場は非常に限られていて、今、クラウドで使われているのは、ニアライン系の、そうは言っても7,200回転相当のものなると思います。そういったものは、それなりの価格で作られていると考えていますので、本当にハイエンドの、エンタープライズのサーバとは違った市場が形成されてきていると思います。
- Q20. 下期の計画について教えてほしいのですが、今回、営業利益で620億円という計画で、上期実績が372億円となりますから、下期248億円を予想されているということになります。上期、下期で見ると、下期は構造改革費用が30〜40億円発生するとおっしゃられていましたので、それを考慮すると下期で300億円近い営業利益の予想になって、150億円/四半期となります。為替前提を80円とされていますので、その影響を考慮すると、150億円/四半期という営業利益は厳しいのではないでしょうか。
- A20. 構造改革費用ですが、上期で約7億円入っています。下期は、期初計画しておりました残りの約30〜40億円の計画に変更はありません。 為替でいきますと、今回80円で見ていますが、上期は89円でしたので、上期から下期で90億円ぐらいの為替のマイナスを見ています。
- Q21. 2Qで170億円の営業利益ですので、これが、例えば80円前提だったとすれば、営業利益水準は150億円弱ぐらいになりますよね。単純計算すれば。それ掛ける2倍が下期の計画という感じになっていますが、先ほどの高周波部品が下期伸びていくことを考えると、ある程度バッファが入っているようなイメージでしょうか。
- A21. 80円で為替が想定どおりいくかというのが1つあります。ひょっとしたら、もっと円高にいくかもしれない。非常に不透明だということで、据え置かせていただいたと思っていただければよろしいかと思います。
- Q22. 最近のレアアースの高騰の影響ですが、それがどのように影響しているか教えていただけますか。例えば、ネオジウムとか、ジスプロシウムとか、在庫をどんな感じで持っていて、実際、価格高騰のインパクトがどういうタイミングで出てくるのかという点も含めて。要するに、金属磁石等の赤字が拡大していくようなリスクがあるのかどうか。ないしは、来年以降の調達を含めた戦略を教えていただければと思います。
- A22. おっしゃるとおり、損益に影響がないわけではございません。ジスプロシウムについては、今期一杯は大丈夫です。備蓄しています。ただ、ネオジウムは今期一杯は大丈夫ですが、値上げせざるを得ない。お客様とは交渉を行っている最中ですが、金属磁石としては、損益的にインパクトは若干出てくる。合理化を含めて自社での改善努力は継続して行い、損益に対するインパクトが極力少なくなるようにしたいと考えています。
- Q23. セラミックコンデンサの稼働率、2Q、3Q、ないしは可能であれば4Qにかけてどんな感じで見られているのか教えていただければと思います。
- A23. 2Qが90〜95%の間ぐらいで推移しております。3Qについては85%ぐらいになるだろうと思っています。3Qが底になるかなと予想しています。
- Q24. 価格等への影響というのは、どんなタイミングで出てくる可能性があるのかご示唆いただければと思います。値下げ要請とか、新年から価格改定があったり、来年の春とか、いろいろあると思いますが、その先はどういう展望でご覧になっていますか。
- A24. 今までの流れを申し上げますと、単純平均売価で、基本的には、1Q比で2Q平均売価は僅かですが上がっています。それは、いろんな意味での製品構成を変えてきたということがあります。民生機器向けの需要が軟化していますので、ある程度の単価の下落は織り込んでやっていかなければいけないだろうなと思っています。