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[ 2006年3月期 通期 連結決算説明会 ]Q&A

Q1. 今期のコンデンサの四半期毎の売上はどのようにみていらっしゃいますか。
A1. 先期の1Qを100とすると、今期の売上計画は、1Qが122、2Qが130、3Qが130、4Qは120で見ています。
Q2. 今期の収益性の計画はどうなっていますか。
A2. 営業利益率で15〜20%ぐらいの間を計画しています。
Q3. ちなみに先期の4Qの営業利益率実績はどうだったのでしょうか。
A3. 2桁台%です。
Q4. 今期の増産のご計画はどうなっていますか。
A4. 月産20億個ぐらいの能力を追加する計画です。
Q5. その追加生産能力が立ち上がるのはいつぐらいでしょうか。
A5. 追加の生産能力が完全に売上に寄与するのは下期、9月ぐらいです。今、徐々に生産能力増加の準備を進めています。
Q6. 今期のHDD用ヘッドの計画をいつもいただいている指数で表現するとどうなっていますか。
A6. 先期の1Qを100とした場合、前回の説明会では、先期4Qは119で見込んでいましたが、先期4Qの実績は129になっております。同じベースで見て、今期1Qを121、2Qを124、3Q以降も120程度を見込んでおります。
Q7. 今期のコンデンサの価格の前提をどのように見ていますか。
A7. コンデンサの値引きは、計画上は7%程度を見ています。現在の市場環境では業界の供給能力がタイトになっていまして、以前のような強い値引き要求はありませんので、これを考慮した値引き計画としています。
Q8. 7%の値引きというのは、業界の平均的な値引率よりもやや厳しく見て、低価格戦略でシェアを上げるということですか。それとも、そういうことをしなくても十分シェアを戻せる環境だということですか。
A8. 現在の市場環境は、低価格で無理をしなくても、十分シェアを伸ばせる環境だと思っています。
Q9. 現在は、需要が大きく供給を上回っている状態だと思いますが、下期に向けてこの需給のバランスが緩和するような状態を想定しなくてもよろしいですか。
A9. 足下の状況ですと、確かに需要が大きく供給を上回っている状態なのですが、まさに今、各社増産を進めていますから、後半は供給過剰の恐れもなきにしもあらずと見ています。今期のコンデンサの増収計画は、そういう需給のバランスが崩れるリスクも考慮し、単に低価格で増収を図るのではなく、新規用途で収益性の高いものを取り込んで増収を実現しようという計画なのです。
Q10. 今回、社長の人事交代の発表がありました。澤部社長は次の経営陣に何を期待したいのか。逆に、上釜専務は何を一番やりたいという希望を思っておられるのかについてご示唆をいただければと思います。
A10. 〔澤部社長〕先程も申し上げましたように、次の中期計画では営業利益率15%という数値を実現する計画を作ることになると思います。この場合、HDD用ヘッド以外の商品の売上構成、あるいは収益性を上げることで営業利益率15%達成を目指すべき考えています。勿論、HDD用ヘッド事業を軽視するわけではありません。HDD用ヘッド事業を伸ばしながら、HDD用ヘッド以外の電子部品の売上、収益率を上げていきたいと、上釜とも話しています。
Q11. 今期のHDD用ヘッドの価格をどのように見ているのか教えて下さい。また、HDD用ヘッドは、今年、3.5インチドライブ用には160GB/P、2.5インチドライブ用には80GB/Pがメインモデルになってゆくので、製品ミックスの改善効果はあるのかどうか。利益率の観点も含めてご示唆いただけますか。
A11. HDD用ヘッドの価格ですが、今期は1年間通して、トータル15%強の値引きを計画しております。160GB/P、80GB/Pの新機種が立ち上がり、製品ミックス改善の効果が出るのではないかとの御指摘ですが、確かに3Qぐらいから新機種のボリュームが増加し、製品ミックス改善の効果は出ます。しかし、マクスター社向けの数量が下期はゼロになるという前提を置くと、特にキャプティブメーカーに対する数量を増やして行かなければいけないので、必ずしも製品ミックス改善効果のみを期待してよいというものではありません。価格下落の影響も考えなければならないということです。しかしながら、幸いTMRの生産歩留まりがいいというプラスの要素がありますので、値引きを相殺する効果もある程度期待できるのではないかと考えています。
Q12. 今期の売上が事業ごとに減るところ、増えるところがありますが、利益的にどういう変動になっているか。一時費用を除くと100億円弱、営業利益が増える計画ですが、この内訳をいただけますか。
A12. 利益の変動という意味では、記録メディアが一番大きいです。大きな赤字から、今度は黒字計画になっていますので変動は一番大きいということになります。これは構造改革費用を入れた数値での話なので、この費用を除いて考えると、一番大きな伸びを期待しているのが電子デバイス製品です。ここにはインダクタが入っていたり、デンセイラムダさん絡みの電源事業が入っているので、ここが一番大きく伸びてくれるのではないか。2つ目は、コンデンサの部分が含まれている電子材料製品が回復してくるのではないかと思っています。ヘッドは売上が減ることになっていますので、利益も減少すると見ています。
Q13. ご計画上、電源事業全体では営業利益はどれぐらいで見ておられますか。
A13. 事業ごとに営業利益をお話ししていないので、デンセイ・ラムダさんに限定させてください。ここは公開会社で昨日も決算発表がありましたが、25〜30億円近い営業利益を期待しています。昨日のデンセイ・ラムダさんの発表によると、TDKがインベンシスから買収した欧州と米州関係の電源事業を、デンセイ・ラムダさんがTDKから購入して、その結果デンセイ・ラムダさんに営業権が発生しています。この部分は日本基準でいきますと一括償却もできるということで、彼らが選択したのは、先期4Q、3カ月分と今期12カ月で全部償却するという形を採っています。したがって、今期に約30億円の営業権償却費用を含めています。我々として連結で処理するときには一回全部戻します。戻した上でSEC基準に従った営業権償却を付け加えていくという形になるので、実際我々が連結するときには25〜30億円の営業利益が出てくると理解しています。
Q14. 記録メディアはどれぐらいの黒字をご計画ですか。
A14. LTO等、いわゆる開発してものを作る付加価値の高い部分も着実に伸びていますが、売上高が圧倒的に大きいのはDVDを中心としたバイ・セルビジネス、買って売るということなので大きな利益は期待できず、15〜20億円の営業利益水準を期待しています。
Q15. ヘッドに関してですが、シェアをもう一度世界一にするというお話でしたが、1位の人(シーゲート)を抜こうと思うと40数%いるわけですので、それに対する方策をお聞かせください。それから、TDKはWD社、マクストア社と重要な顧客を連続して失うという経験に遭遇することになりました。このようなHDD業界の再編対策として、今後それほど必要でないとしても、TDKが自社のヘッド事業を防衛するためにM&Aを行うこともあり得るのかどうか。また、上釜さんの後、どなたがヘッド事業を責任もって経営されていかれるのか教えてください。
A15. ヘッドのシェアをどうやって伸ばすのかということですが、キャプティブ(ヘッドを内製しているHDDメーカー)にもう少し入っていきます。ただ、今期も若干それは見込んでおります。しかし、今年中にシェアが挽回できるとは思っていません。来期までかかるのではないかと思います。
それから、M&Aに対する戦略については、非常に難しいご質問ですが、指をくわえて見ているわけではなく、対処していかなければいけないということで動きはかけています。ただ、これ以上は申し上げられません。
次に、私のかわりに誰が引き継ぐのかということについては、一応内定はしていますが、今の段階では申し上げられません。
Q16. 構造改革に関わる費用を四半期ベースでの数字を確認させてください。年間での数字は先ほどいただきましたが、4Qでいくらだったかということと、今期のご計画の中で1〜4Qと、どういう形でチャージが入ってくるのか教えてください。
A16. 構造改革費用ですが、前期1Qが5億円、2Qが8億円、3Qが9億円、4Qが120億円で、合計142億円でした。それに15億円の営業権償却が加わっての157億円です。今期の1Qで発生する15億円の大半は、メディアのずれ込みを想定しています。2Qは23億円。これは先回も言いましたが、磁性製品関係でやりたいと思っています。3Qはゼロ、4Qは3億円、合計41億円と考えています。
Q17. 澤部社長のプレゼンテーションの中で、高周波に関連するコメントがございました。高周波ビジネスに関してのコメントとしては、比較的強いトーンのコメントだったと感じておりますが、ここ数年で準備されてきて、今後立ち上がってくるという確信をかなりお持ちになっているのかどうか。また、WiMAX、Wi-Fi、UWBの市場でどういう差別化を図って取っていくのか、その策を教えていただければと思います。
A17. 高周波ですが、不採算の部門を落としてようやく収益が上がるようになってきましたが、これは先期末に、通信系のセラミクスモジュール関係、薄膜デバイスの関係のプロジェクトを発生させたところです。これはCTOの高橋常務の下でスタートさせています。また、今の主力の携帯電話メーカーのお客様にも深く入れる形になってきましたので、いよいよこれからという意味で、先ほど力が入ったわけです。
Q18. どういうところでTDKさんらしさをアピールして、シェアを取っていこうとお考えですか。
A18. 基本的にTDKはセラミック屋であり、それを生かしたプロセス技術屋ですから、モジュールに特徴を出したもの、低背の小型のものを、個々に承認活動に入っています。
Q19. 御社はヘッドの出荷数量の指数で、3Q123に対して4Q129に増えたということですが、マクストアの決算を見ると、彼らの数量が落ちています。実際になぜ4Qが増えたのか。今のマーケット環境、そして今走っている4-6月期がどんな環境なのか教えてください。
A19. 4Qがよかったのは、1つは、マクストアは落ちなかった。追い込みに入ったようなところで買収の話があって、何とかマクストア製品を出そうというマクストアチームの思いもあったと思いますが、結構出荷数はありました。それから、市場全体が伸びたという、2つの理由から4Qはよかった。逆に、今の4-6月期はマクストアがその反動で相当落ちるだろうと見ております。他のHDDメーカーは落ちないと見ている。
Q20. ヘッドの利益率ですが、終わった3Qから4Qにかけてどう変化したのか教えてください。
A20. 3Qから4Qにかけて利益率はよくなりました。
Q21. 先程来、営業利益率を中期的に15%まで上昇させるとおっしゃられていますが、いつごろ達成可能でしょうか。また、15%を達成した場合の売上の規模をどれぐらいで想定されているか教えていただけますか。
A21. 2007年4月から入る新しい中期計画でシミュレーションしていますが、収益性の悪いものをずいぶん片づけて、これから仕掛けるものでシミュレーションしますと、新しい中期計画内で1つのターゲットとして15%と申し上げています。
Q22. 昨年の8月以降、対前年比の受注が2桁の伸びを維持しているということですが、すでにピークアウトしているのか、それとも2桁の伸びをキープしたまま上昇し続けているのか。ヘッド、それ以外の電子部品に分けて教えていただけますか。
A22. 受注の状況ですが、電子部品に関しては引き続きすべての商品でものすごい勢いで強いです。ヘッドに関してはマクストア以外の顧客は相当好調だと見ております。特に2.5インチは相当強気に動いております。デスクトップもある顧客は、今回のシーゲートの買収を機にシェアを伸ばせるのではないかと思います。
Q23. 来年度から始まる中期計画は、何年間の中期計画ですか。
A23. 3年です。