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[ 2005年3月期 通期 連結決算説明会 ]2005年3月期 連結業績概要と2006年3月期の見通しについて

代表取締役社長 澤部 肇

代表取締役社長 澤部 肇

皆さんこんにちは。澤部です。本日は、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。また、日ごろはいろいろとお世話になり、厚く御礼申し上げます。

それでは、当社2005年3月期通期の業績からご報告申し上げます。
損益の概況です。2005年3月期に、米国の半導体デザイン子会社、TDK Semiconductor Corp.を売却いたしました。これにより、半導体デザイン事業は当社にとって非継続事業となりますので、SECの基準により、その他の継続事業とは別扱いで表示することになりました。このベースで事業概要を申し上げます。
まず、継続事業です。売上高は前期比0.3%増の6,579億円、営業利益は前期比5.9%増の598億円、税引前利益は11.4%増の621億円、当期純利益は13.4%増の486億円でした。ここから、非継続事業となった分の損益マイナス37億円を差し引くと、当期純利益は前期比6.8%増の449億円でした。なお、当営業利益には構造改革に伴う費用42億円が含まれております。
1株当たり利益は、前年の317円80銭から、当期は339円76銭となりました。1株当たり株主資本は、前年の4,351円80銭から4,920円54銭となりました。お陰様で、売上・利益とも前期実績を上回り、3期連続で増収・増益とすることができました。

次に、部門別売上高です。
まず、電子素材部品部門は前期比4.9%増の5,452億円で、この部門全体としては増収となりました。その中身を要約いたします。電子材料製品および電子デバイス製品につきましては、上期はアテネオリンピックの特需等もあり、デジタル家電向け部品の需要が旺盛でした。当社の受動部品のビジネスにも好調に推移しました。しかし、夏休み以降、PCおよび携帯電話の伸び率が鈍化しました。また、デジタル家電も数量は伸びましたが、売価値引きが厳しくなり、第3四半期、第4四半期と非常に厳しい局面が続きました。しかしながら、通期では両製品とも増収となりました。
記録デバイス製品は、2004年3月期の後半は非常に好調でした。その反動でHDDメーカーの在庫調整があったことと、お得意様であるウエスタンデジタル社のヘッドの内製化により、上期は前年同期比で減収となりました。しかし、下期は市場の拡大、占有率の回復により増収となりました。通期でも増収です。

これを、製品別にブレークダウンします。電子材料製品は前期比4.8%増の1,748億円でした。コンデンサは、先ほど申し上げましたようにオリンピックの特需もあって上期は好調でしたが、下期は低調に終わりました。それでも、為替や値引きの影響を新製品開発、プロダクトミックスの改善等によって吸収し、通期で5%の増収を確保することができました。
フェライトは、デジタル家電向けのトランスや電源が伸びていますが、CRT用のフライバックトランス用コアの生産能力カット等もあり減収となりました。マグネットは、自動車向けやHDD向けを伸ばして増収となりました。フェライトマグネット部門は、前期比4%の増収となりました。

電子デバイス製品は、前期比7.8%増の1,164億円です。インダクティブデバイスは、携帯電話の高機能化、CAN-BUSを始めとするカーエレクトロニクス化の拡大等、需要の増加要因と新製品の投入効果が相まって8%増収となりました。高周波部品事業は、ワイヤレスLAN等が伸び、携帯電話向けの各種部品も上期は伸びましたが、下期は中国の携帯電話の在庫調整等もあって苦戦しました。通期では横這いとなりました。その他の部門は、情報家電向けおよび産業市場向けのDC-DCコンバータ、DC-ACインバータの好調、PC関連向けのセンサアクチュエータの売上拡大により、10%増収となりました。

記録デバイスは、前期比1.9%増の2,346億円でした。HDD用ヘッドは、ウエスタンデジタル社のヘッドの内製化、およびHDDメーカーの在庫調整によって上期は6%の減収でしたが、下期はノンIT向けを始めとする市況の好調とシェアの挽回により14%増収となり、通期では4%の増収でした。シェアは、前年は33%ありましたが、ウエスタンデジタル社がなくなったことで、上期は29%まで落ちました。それを、下期は33%と前期並みまで回復することができました。その他のヘッドは、DVD用の光ピックアップが得意先の在庫調整により減収となりました。

IC関連その他は、前期比30.8%増の194億円です。製造設備の外販および電磁波ノイズ関連の部門が増収となり、部門全体として増収とすることができました。

電子素材部品部門を市場分野別に見ます。全体の構成比65%の情報家電は、3%の伸びでした。9%の構成比である高速・大容量ネットワークは10%の伸び、9%の構成比であるカーエレクトロニクスは10%の伸び、17%の構成であるその他部門は8%の伸びでした。

次に、記録メディア・システムズ製品部門は、前期比17.2%減の1,126億円でした。オーディオビデオテープ等のアナログ製品の減収と、ソフト関係の子会社を売却したことによる売上減を、DVD等の光メディア、コンピュータ用データストレージテープ等でカバーできず、減収となりました。

地域別売上高の概要を申し上げます。
国内売上高は9%増加、日本を除くアジアも2%の増加でした。しかし、欧州が11%、アメリカが12%の減収となりました。これは、記録メディアの減収が響いています。海外売上高は、前期比3%減の4,738億円となりました。海外売上高比率は前年から2.3ポイント減少し、72%となっています。

次に、連結営業利益です。前年の565億円から6%増の598億円となり、33億円の増益となりました。その増益要因は、売上増および品種構成の改善で410億円、合理化その他で445億円です。減益要因としては、売価値引きが10.6%あって、これが782億円。それから、為替変動が1USドル前期113円に対して当期は107円となり、6円の円高になったことによって40億円マイナス。これらを差し引き、33億円の増加となりました。

次に、部門別損益です。電子素材部品部門は、電子材料、電子デバイスに加え、期初は減収を予定していた記録デバイス部門も増収に転じました。さらに、電子材料、電子デバイスの収益体質の改善が進み、当部門の営業利益は前期比88億円増の675億円となりました。その結果、営業利益率は前年の11.3%から1.1ポイント改善し、12.4%とすることができました。
記録メディア・システムズ製品部門は、営業利益が前期比55億円悪化してマイナス77億円でした。光ディスク製品の市場価格下落による値引きが最大要因で、中でもDVDメディアの値引きが1年間で320億円ありました。計画でも144億円、27%の売価ダウンを見ていましたが、実際には55%もの値引きとなり、価格下落に対応しきれませんでした。上期を終わった段階で追加施策に着手しておりますが、完全に期待できるところまで至っておりません。価格下落予測が甘かった結果の大幅な赤字になりました。誠に申し訳なく思っています。早急に、光ディスクの赤字を食い止める収益改善施策を加速していきたいと思います。詳細につきましては、後ほど担当の鹿内執行役員よりご説明申し上げます。

次に、単独業績です。売上高は前期比3.9%増の3,285億円、営業利益は前期比392.8%増の87億円、経常利益は前期比197.3%増の306億円、当期純利益は前期比786.3%増の395億円です。

期末配当金について申し上げます。1株につき40円とさせていただく予定です。年間配当金は、昨年12月に実施した中間配当金30円と合わせて年70円になる予定です。なお、2005年3月期の配当金は、当初60円を予定しておりました。しかしながら、過去3カ月間の業績がITバブル崩壊から回復し、安定した業績となる兆候が見えてきたことから、当社の基本方針である「配当は安定的な増加を念頭に置いて行う」ということに照らして70円にしたいと考えています。前期比15円の増加となります。また、2006年3月期は、この方針に基づき年間80円を予定しておりますが、業績推移によって、さらに10円の増加も考えていきたいと思います。

次に、2006年3月期の見通しです。連結損益は、売上高が前期比4.9%増の6,900億円、営業利益が前期比12%増の670億円、税引前利益が前期比11.2%増の690億円、当期純利益は前期比11.2%増の500億円を計画しております。為替レートについては、1USドル100円を想定しております。2006年3月期の想定レートの影響額は、売上高で260億円の減収、営業利益で90億円の減益要因となっております。しかし、これらを吸収して、増収・増益を計画しております。

アメリカと中国がある種のバブルを拡大していく中で、資源の高騰、為替の変動等のマクロ経済は非常に見えにくくなっています。好調を謳歌しているエレクトロニクスも、昨年秋から少し勢いが弱まってきました。電子部品業界も、昨年11月からグローバルベースで前年割れいたしました。当4-6月期も、前年がオリンピックで非常に良かったこともあり、前年に届かないのではないかと予測しています。電子部品業界にとって比率の高いPC、携帯電話の伸びが1桁台になってきたために、売価ダウンを考慮すると金額ベースでの市場の拡大は当面少ないかと考えます。

また、デジタル家電はこれから普及期に入りますので、台数的には大いに伸びが期待できますが、売価ダウンが予測より早まっています。したがって、部品への値引き圧力がますます強くなってくると考えられます。為替も基本的には円高と考えておりますので、換算目減りが発生します。当社の場合、2005年3月期は、売価値引きと為替の変動の影響で約1,000億円、13.2%発生いたしました。こうした状況下で成長を図っていくことは容易なことではないと思いますが、今期は今までの収益体質の強化施策から、成長力の強化を強く意識した経営にシフトしていく期と位置づけています。
HDD用のアプリケーション拡大に伴うヘッド需要の拡大、デジタル家電・携帯電話等の高機能化からくる部品需要の増大、ハイブリッドカーを始めとする電装化の加速が期待されるカーエレクトロニクス、地球との共存を図る省エネ・環境対応の電子部品など、小型・高性能・省エネ・環境対応部品の需要がますます高まってきています。これらの要求に積極的に対応すべく、我々の要素技術である材料開発、それを活かすプロセス技術、シミュレーション技術をブラッシュアップして、積極的なビジネス拡大を図ってまいります。
デジタル時代の宿命である標準化とボリューム拡大が価格下落で食われてしまうという構造を打破し、TDKとして核となる技術を軸に、中期的成長を目指すことが、今我々に問われていると認識しております。

創業70年を迎える今期、今一度全員で創業時のベンチャースピリットを思い起こし、全社一丸となって成長を目指してまいります。具体的には、次の5項目を重点テーマとして設定し、成長力の強化を図ってまいります。
第1は、選択と集中による積極投資。第2は、市場環境に合致した製造力の強化。第3は、中国内需市場の事業拡大。第4は、開発のスピードアップ。そして、第5が最も重要な、人材の強化と増強です。何と言っても、企業の成長を可能にするには、メンバー一人ひとりの成長が不可欠です。一人ひとりのメンバーの強化と活用に全力を尽くします。

今回の電子部品市場の調整局面は、在庫調整というよりも、需給バランスからきていると思われます。回復は、季節的にも需要拡大が期待できる秋口になると思っています。したがって、我々の売上計画も後半拡大型になっていますが、収益的には、できるだけ前半で稼いでおかなければならないと思っています。また、利益計画は、構造改革の費用の増加によって2桁の利益率にはわずかに届かないレベルになっておりますが、目標はあくまでも2桁利益率です。これを目指して、中期的には2桁半ば程度の利益率を意識した事業展開を視野に入れ、当期の事業運営を行っていきたいと考えます。

この数期のキーワードとして、「新製品」「自然との融合」「中国」「為替」を考えておりますが、「新製品比率・ナンバーワン製品比率の向上」も、継続テーマとして推進していきます。2006年3月期は、ヘッドを除いた新製品比率35%以上、ナンバーワン製品比率50%以上を目標としています。さらに、企業価値向上の視点から、コーポレート・ガバナンスの一層の充実と、環境対応を含めたCSRも重要な経営課題として追求し、エキサイティングカンパニーの実現に努力してまいります。皆様の一層のご支援をよろしくお願いいたします。ご清聴ありがとうございました。

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