[ 2001年3月期 中間期 連結決算説明会 ]Q&A
- Q1. 記録デバイス製品の売上高見通しを8月の時点から下方修正されました。その要因として、3つの歩留まり悪化要因と異常気象をあげられていますが、どれが一番大きな要因でしょうか?
- A1. 上期未達要因の中で、歩留まりと異常気象では、金額的に約8:2で歩留まり関係が大きく影響しております。また、歩留まりの三要因の中での割合については、ビジネス上影響の出る可能性があるため、詳しいことはコメント出来ませんが、それぞれほぼ同じような割合であると理解して下さい。また、下期における歩留まりの影響も同じと見て結構です。
- Q2. HDD用ヘッドの第2四半期の出荷数量はどのくらいでしたか? 前年比の伸び率か出荷数量で教えてください。また、単価の推移についても教えて下さい。
- A2. 第2四半期の出荷数量は、第1四半期の実績に対して、マイナス16%程度。単価は前年比マイナス11%となっております。
- Q3. 今回の業績見通しの中で、電子材料のフェライトやコンデンサの構成比について教えて下さい。
- A3. 通期の構成割合は、コンデンサの方がフェライトよりは伸びが大きいので、上期の構成比に比べ、若干コンデンサの構成比が高くなると思われます。
- Q4. 記録デバイスの下期の売上計画874億円を第3四半期と第4四半期に分けると、だいたいどんな割合になりますか?
- A4. 売上比は、第3四半期を100にすると第4四半期は115程度です。
- Q5. 8月時点の業績見通しで出された第2四半期の売上高と実績を比較しますと、記録デバイスで約90億円の減収、電子材料でも約25億円の減収となっています。一方、営業利益は見通しと同じく170〜180億円くらいキープされています。これだけ減収要因があって利益がほぼ確定された要因はなんでしょうか? ヘッドの歩留まり悪化などが損益に与えるインパクトが、それほど大きくなかったのか。あるいは、もともと第2四半期の営業利益の見方が、かなり保守的だったのでしょうか?
- A5. 電子部品で収益性の高いものが伸びていて、これがヘッドの収益減をカバーしたことが、要因と考えます。
- Q6. 記録デバイスの営業利益を見た場合に、第2四半期と第3四半期でどちらがボトムと見ていますか?
- A6. 第2四半期と第3四半期では、第2四半期がボトムになると見ています。
- Q7. HDD用ヘッドの問題で、歩留り悪化の三要因を分析し、その方策について示されましたが、今後もヘッドの面記録密度が上昇していき技術的に難しくなっていくという想定の中で、同じような問題が再発しない、あるいは、現在の技術で歩留り悪化を防ぐ対策が講じられたと考えてよいでしょうか?
- A7. 先程説明した3点の問題に関しては、次の世代である40ギガビット/平方インチの製品までは十分に対応できる策を考えており、15ギガビット/平方インチだけを考慮しているのではありません。
- Q8. HDD用ヘッドのマーケットシェアを今後上げていくという考えを期首から示されていましたが、現実には下がっています。これは、一時的なものと考えていいのでしょうか?
- A8. 確かに今期の見通しではシェアを失っていますが、最終的な目標に向かって進めていきたいと考えております。
- Q9. 説明されましたHDD用ヘッドの生産能力の数字を基に年間の生産能力を推定しますと3億個前後ではないかと思いますが、外部の情報では2億個と聞いています。これは、統計の組み方が問題なのか、それとも、稼働率が非常に低いということなのでしょうか?
- A9. 生産能力については投入ベースでの数量を示しており、実際の生産数量は、そこに歩留まり要素が入ってまいります。
- Q10. AV用HDDの出荷台数の来年、再来年度の見込みを教えて下さい。
- A10. AV用HDDの出荷台数は、来年2,000万台、ヘッドの数で6,000万個と想定しております。
- Q11. 記録メディアで今回計画されている拠点の統合で、どの程度のコストダウン、経営に対するプラスファクターが出てくるのでしょうか?また、現段階での記録メディア事業のターゲットである収益性についてどう考えているのでしょうか?
- A11. 今回の拠点再編あるいは工場閉鎖により、連結で年間約50億円の経費削減の想定をしております。また、営業利益率については、中期的に10%以上を目標に取り組んでおります。
- Q12. では、その拠点の統合が達成されるタイミングは、いつ頃でしょうか?
- A12. 実行に当たってはセンシティブな事柄もありますので1〜2ヶ月ずれることもありえますが、来上期中には完了させたいと考えております。
- Q13. 光ディスクの市場がDVD以降にシフトしていった段階で、今回のCD-Rと同じようなことが起こらないのでしょうか? 記録層の材料においてTDKがノウハウ持っていることは理解していますが、今回のCD-Rで起こったことを防ぐ手段の考えがあれば教えて頂けませんか?
- A13. DVDの将来については、CD-Rと同じケースを想定し、社内生産を常にハイエンドのものにし、それ以外は外部から供給を受けるというスキームを考えており、具体的な方法については現在検討中であります。
- Q14. HDD用ヘッドが、下期売上930億円の見込みから872億円と、6%減少していますが、数量、単価、為替といった要因で見た場合、当初の計画に対してどのように分析されていますか? また、上期と比べた場合はどうでしょうか?
- A14. まず、下期930億円の計画を立てた時点の数量に対しては約2割弱の減少となります。また、上期に対しては、3〜4%の数量的なダウンです。また、下期の価格は、上期に対して数%の減少で留まると見ております。
- Q15. 連結の貸借対照表の中で棚卸資産が増加していますが、その増加要因と今後の方向性について教えて下さい。
- A15. 棚卸資産の内容は、電子材料あるいは電子デバイスなど、売上が増えている部門の在庫増加、いわゆる売上増加に伴う回転在庫の増加で、手持ち月数的にはそれほど増加にはなっていません。また、製品在庫と仕掛かりの両方が増えております。
- Q16. HDD用ヘッドの売上が上半期未達となった仕向け先は特定の一社だけだったのか、それとも複数社向けだったのでしょうか? また、今後のシェアアップに関しては、当初の計画通りに挽回するということですが、そのために、単価が大きく下落するなど、何らかのペナルティが発生する可能性はないのでしょうか?
- A16. ある得意先に限定されたことではなく、各得意先に影響を及ぼしています。また、今後のシェアアップに関しては、難交渉も予想されますが、計画しております価格ダウンの幅の中に収まると考えています。
- Q17. 一般電子部品の中で、コンデンサの下半期の単価下落についてどのように見ていますか
- A17. 一般電子部品全体として上期の価格ダウンは2%弱でした。商品によって多少異なりますが、下期もほとんど同程度と見ています。そのため、年間でも前年比2%ダウンと見ております。
- Q18. HDD用ヘッドの歩留まりの問題とその対応策について説明されましたが、元々その対策をしていれば問題は起こらなかったことなのでしょうか? それとも、TDK固有の問題で他社に無いような設備を入れ、その問題を解決しなければいけなかったということなのでしょうか? すなわち、根本的な問題があり、今後もこういうことは起こり得るのか、それとも起こる可能性の低いことが起きたのでしょうか?
- A18. 歩留まりの問題については、TDKの目標としている歩留まりはかなり高く設定してあり、その目標に到達していないためです。高い歩留まりを達成するには新規設備の導入が必要ですが、今回の場合は、2〜3ヶ月の新製品の前倒しがあったために歩留まりの問題が発生してしまいました。そのため、タイムスケジュールは非常に重要だと反省しております。
- Q19. 最近、HDD用ヘッドを内製しているメーカーの生産量が増加しているようですが、それは、TDKが作れなかったために増えたことなのか、それとも、内製メーカーの能力・技術が向上したために増えたことなのでしょうか?
- A19. これは一概に私どもだけの問題とも、得意先の問題とも言えず、両要因があると見ております。
- Q20. 通期連結業績の営業利益の前提となっている粗利益率と販売管理費比率について教えてください。
- A20. 粗利益率は、全体で約30%と見ております。
- Q21. 有機ELディスプレーの上期の販売実績金額、もしくは、下期販売実績の見通しと来期の見通しについて教えて下さい。
- A21. 有機ELディスプレーの販売実績は月数千万円程度です。来期以降の計画については、現在、非常に歩留まりで苦戦中であり、そのため今後どのような設備を導入するか考えており、来期以降の数字にいても検討中のためこの場での回答はご勘弁下さい。
- Q22. 今回の問題は、3.5インチHDD用ヘッドだと思いますが、現在、記録密度の高い2.5インチHDD用のヘッドでは、特に問題は起こっていないのでしょうか?
- A22. 最近の記録密度は2.5インチも3.5インチもかなり近づいており、今回の問題は決して片方だけではありません。
- Q23. HDD用ヘッドの上期の対前年比での個数の伸び率を教えてください。
- A23. 上期数量は前年比5.2%の増加となっております。
- Q24. 今回の記録デバイスの売上減少をカバーした一般電子部品は、記録デバイスのHDD用ヘッドと同じくらいの収益性になってきているのでしょうか? また、下期の売上の伸びの見込みと、市場の需給関係について教えてください。
- A24. 今回の記録デバイスの売上減少をカバーした一般電子部品は、記録デバイスのHDD用ヘッドと同じくらいの収益性になってきているのでしょうか? また、下期の売上の伸びの見込みと、市場の需給関係について教えてください。