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TDK Investor Day 2025:中期経営計画進捗説明会
(2025年11月28日開催)Q & A:中期経営計画の進捗

Q1. 二次電池はウェアラブル向けやデータセンター向けで拡大するとのことですが、どのような事業機会が出てきていますか。2030年までを見据えたときのCAGRや営業利益率はどのくらいを見込んでいますか。
A1. 小型電池はスマートグラスなどのウェアラブルデバイスに注力したいと考えています。このカテゴリでも高性能・高い安全性・異形状電池セルの要望が強くなっており、当社の金属ケースを使った電池を活用できる機会があると考えています。これに加え、シリコン負極電池などを年々進化させていきます。中型電池の成長率は年率20~30%程度と見込んでいます。中期的に注力するのは高出力タイプのセルです。用途は2つあり、1つはパワーツール向けです。今期も受注好調でフル生産の状況が続いていますが、来期以降は製品ラインアップを増やして事業拡大につなげます。もう1つはデータセンター向けのUPSやBBUに使われる電池です。さらに出力と信頼性を高めたものをUPSは今年から既に出荷開始し、BBUについては来期から本格的な投入を行っていく予定です。当社の製品は、業界トップレベルの出力を持ったブレークスルー的な製品です。現状かなり高い収益性を実現しており、少しでもこれを維持しながら拡大していきたいと思います。
Q2. 再建中の事業については、どのように採算性が改善する見込みでしょうか。また、薄膜デバイスは重点モニタリング事業からProfit Baseに入りましたが、どういった取り組みを行ったのか教えてください。
A2. 再建中の事業には、アルミ電解コンデンサ、HDDヘッド、MEMSマイクがあります。アルミ電解コンデンサは想定以上に需要が急増しています。高付加価値品をカバーできているため、その相乗効果もあり、増産をしていくことを考えています。HDDヘッドも、顧客基盤の拡大や、中期的にはHAMRの投入が見えてきたということで実行議論中から再建中に入りました。MEMSマイクロフォンも、性能の良いマイクが量産できており再建中に入ってきました。
薄膜デバイスは、当社の薄膜技術はHDDヘッドの製造技術を転用したものであり、そこに強みがあります。超小型・超低背のインダクタに転用しています。ウェアラブルデバイスの進化に伴い、超小型・超低背のインダクタの要求が強く需要も伸びています。新製品開発が最大の要因であったということになります。
Q3. 受動部品の次の中期経営計画における目線はどのように考えていますか。注力しているAIデータセンター関連の製品群の寄与、MLCCなど既存製品における改善の努力の成果など、どのような改善を期待できるでしょうか。また、日本化学工業との提携はどのような変化を期待できますか。
A3. AIデータセンター関連ビジネスは大きな機会です。アルミ電解コンデンサは電源周りの需要に対し取り組みを行っています。MLCCも、データセンサ向けに高電圧の電源ライン向けの需要が増えており、増産をしていく状況にあります。当社が得意とする高信頼性・高耐圧性の製品を中心に展開していきます。それ以外にはインダクタ関係があります。特にAIデータセンターのCPU、GPU周りの電源供給ラインとして、高電流タイプのものが求められており、2~3年後には新しいアーキテクチャーの中に新しい部品として入っていきます。インダクタは次の中期経営計画に向け、新製品を特に伸ばしていきたいです。自動車関連も確実に需要は増えていくので、しっかりとやっていきます。日本化学工業との提携は、MLCCの競争力を高めるために開発から生産までのリードタイムを最短にすることを目的としています。
Q4. 今後の新製品は、事業領域がセグメントを横断したり、ソフトウェアの要素が入ってきたりすることが想定されます。今後の組織形態のあり方についてどのように考えていますか。
A4. 組織形態含めて新たな価値をどう創造していくのか揉んでいるところです。これまでの90年間、当社のコアテクノロジーは材料技術とそれを使いこなすプロセス技術だと申し上げてきました。この中期経営計画では、そこからTransformしていくということで、3つ目にソフトウェアを付け加えました。SensEIやSoftEyeという会社の買収により、アプリケーションで横串を通していくソリューションビジネスを新たに立ち上げ始めているのが現状です。縦割りの事業運営だけではなく、ある程度横串を通した組織体制も考えていかなければならないと認識しています。