株主・投資家情報

IRイベント

第121回 定時株主総会 質疑応答概要

Q1. 招集通知に業績予想を記載してほしい。
A1. 招集通知に記載する情報と他の公表資料に記載する情報との整合を取ることも含め、改善を進めていきたいと存じます。
Q2. 役員は、全員が当社株式を所有してほしい。社外役員について、独立性の維持という観点で制約があれば、それも含めてお聞きしたい。
A2. 社内の取締役、執行役員については、社内ガイドラインを定め、当社株式の取得を推進しております。社外取締役及び候補者は、当社株式を所有しておりませんが、個人の財産に関わることであり、また、インサイダー取引規制に関わる面もあるため、株主の皆様と同じ目線という観点から今後のあるべき姿について、社内で検討してまいりたいと存じます。
Q3. 当期(2017年3月期)の業績は、クアルコム社との合弁会社設立に伴う事業譲渡益が寄与している部分が大きいと思われます。事業譲渡益を除いた数値について教えてほしい。
A3. 当期の営業利益2087億円のうち、事業譲渡益として1444億円を計上しております。営業利益からこの事業譲渡益を差し引くと643億円程度となります。今回の事業譲渡で得た資金を活用し、今後の成長につなげ、収益を拡大していきたいと考えております。
Q4. 当期の通期決算発表日(2017年5月10日)が例年より遅かった。これはなぜでしょうか。来年以降も今年同様の時期とするのでしょうか。
A4. クアルコム社との合弁会社設立に伴う事業譲渡に関し、対象となる資産・負債の精査をはじめとする一連の手続に相当な時間を要することが見込まれておりました。慎重を期すために時間的な余裕をいただきました。来年以降の通期決算発表の時期については、昨年までと同様、連休前の4月末に行う方針に変更はございません。
Q5. 社長の当期における成果や今後の経営方針についてお聞きしたい。
A5. 2つのことをやりたいと申し上げてきました。1つ目は、成長戦略の実現です。高周波部品事業の一部を譲渡した後の次の成長を生み出すのが私のミッションだと考えております。そのためにまず、素材・プロセスの技術をベースとした電子部品のビジネスをしっかりと展開していきたいと存じます。その上で、センサ及びアクチュエータ関係のソリューションビジネスを成長させてまいります。センサは既存の磁気・温度・圧力センサのほか、買収したインベンセンス社、ミクロナス社等の技術を取り込んで、お客様へ価値を提供していきたいと存じます。アクチュエータに関しても、カメラモジュール用をはじめ、成長させてまいります。また、パワーエレクトロニクス関係も、電磁気という当社のルーツに立脚した分野であり、エネルギーソリューションやパワーソリューションを展開させてまいります。これら3つの大きな枠組みを成長させていくのが、私の想いでありミッションであると考えております。
2つ目が収益力のある事業展開を行うための仕組みづくりです。その一環として、モノづくり強化の観点から、「インダストリ4.0+ゼロディフェクト」の取り組みを秋田地区で既に行っております。また、サイクルタイム、リードタイムを短縮することにより、「First to market」を実現してまいります。さらに、ロジックツリーの手法を活用し、我々のテーマを着実に実現していく仕組みを導入するとともに、スタッフのプロフェッショナル化、グローバル化を推進していきたいと存じます。
いわば、1つ目が動の攻め、2つ目が静の攻めといえます。この2つを両輪としてさらなる成長を目指していきたいと考えております。
Q6. 社長の対処すべき課題の説明の中で、「分散している組織を統合」とあったが、具体的にはどういうことですか。
A6. 今期(2018年3月期)の典型例は、センサ事業です。センサ事業は、これまで当社グループ内の複数の事業部門に分散しておりました。これらをセンサシステムズビジネスカンパニーとして集約・統合し、経営・マーケティング・開発機能の一元化に取り組んでおります。
Q7. 現在シェアの大きい製品とその優位性についてお聞きしたい。将来的にシェアの拡大が期待できる製品についてはどうでしょうか。
A7. 当社は、1935年に設立され、磁性材料フェライトの工業化からスタートいたしました。当社の磁性技術は世界に誇れる技術であり、磁性材料から応用展開した製品や、これをつくるためのプロセス技術が強みだと考えております。 世界シェアトップクラスの製品としては、例えばスマートフォン等に使われるリチウムポリマー電池や、スマートフォン、自動車等に使われる各種インダクタが挙げられます。また、自動車の高機能によりECU(電子制御ユニット)の数が増えていますが、これらを繋ぐ車載LANのノイズ対策に使われるEMCフィルタのシェアも高いと推定しております。コネクテッドカー(インターネットへの常時接続機能を備えた自動車)や5G(第5世代移動通信システム)等、今後通信に使われる電波の高周波化が進むと見込まれる中、高周波フィルタのシェアも高いと考えております。さらに、圧電材料部品・回路保護部品もトップクラスのシェアを占めると見ております。今後伸長が期待できる市場分野で、基盤技術を活かした各種製品のシェアをさらに高めていきたいと存じます。
Q8. 非接触給電について、市場をどう捉えていて、今後、どのように事業展開していくのでしょうか。
A8. 非接触給電は、ローパワーからハイパワーまで幅広い用途向けの技術です。ローパワー用はスマートフォン、イヤホン、補聴器等向け、ミドルパワー用はAGV(無人搬送車)、ロボット等の産業機器向けとなります。ハイパワー用が自動車向けです。当社では、スマートフォン等向けの送受電用コイルを既に量産中で、薄型が大きな特長です。産業機器向けは1kW以下のものを中心に開発を進めております。また、自動車向けも鋭意開発中です。米国のワイトリシティ社とのライセンス契約により、磁気共鳴方式での開発・量産化において優位な立場にあると考えており、今後も、市場をリードできるよう開発・用途開拓を進めていきたいと存じます。
Q9. 1兆1000億円強という売上高における、地域別の売上高についてお聞きしたい。
A9. 2017年3月期の実績では、アジア他が約70%、欧州が約12%、米州が約9%、日本が約9%です。
Q10. 海外オペレーションに従事している日本人の出向者数はどのくらいですか。
A10. 技術系や、経理・企画部門の人員を中心に、現在、約300名です。
Q11. 原材料の安定調達におけるリスクと、その低減に向けた取り組みについてお聞きしたい。
A11. 資材調達の考え方としては、現地調達を優先するとともに、サプライチェーンの確立を重視しております。QCD(品質・コスト・納期)の実力が十分にあるサプライヤーを選択するほか、BCP(事業継続計画)をサプライヤーと協力して策定するなど、安定的な調達を確保してまいります。また、紛争鉱物等、我々が直接関与しない部分についての情報収集も行うなど、今後も十分な対策を講じていきたいと考えております。
Q12. 為替変動の影響とその対策についてお聞きしたい。
A12. 取引通貨は、ドル、ユーロ等の外貨が中心です。為替変動の影響は大きく2つありますが、日本からの外貨建ての輸出時、海外子会社の業績を反映させる連結決算時のいずれにおいても、円安の方がプラスの影響を受けます。円高への対策としては、海外子会社と日本との取引をできる限り現地通貨で行うことにより、為替変動リスクを日本に集約し、集約したリスクを為替予約、外貨借入等により低減しております。
Q13. (株主総会会場の)北側に新しい施設を建設しているようだが、どのような目的・用途ですか。
A13. 新棟の建築工事を今年4月に開始いたしました。建物から外構工事等の屋外整備まで含め、2019年3月末に完成予定です。First to marketの実現に向け、また、「コトづくり」の観点から様々な業種の方々との交流も可能とするなど、さらなるイノベーションを創出できる拠点としていきたいと考えております。
Q14. 磁気応用製品セグメントの売上高が前期(2016年3月期)比10.9%増となっているが、買収したミクロナス社やハッチンソン社の売上高を除いても伸びていると言えるのでしょうか。
A14. 磁気応用製品セグメントの売上高については、ミクロナス社の売上高が通期で、ハッチンソン社の売上高が2016年の10月から、それぞれ含まれております。しかし、これらを除いても、HDD用ヘッドの販売が堅調であったことにより、前期と比べて微増でした。
Q15. 受動部品セグメントの売上高が前期比6.0%減となっているが、減少の理由と今後の見通しについてお聞きしたい。
A15. 減少の理由として、主に、高周波部品事業の一部譲渡により、2017年の2月及び3月の売り上げが含まれていないこと、また、為替変動による影響において、前期より円高であったことの2点が挙げられます。IoT(モノのインターネット)市場における事業機会の拡大、自動車市場における高信頼性の電子部品需要の高まり等により、引き続き2桁の営業利益率の確保が可能だと考えております。
Q16. 磁気応用製品セグメントの営業利益が前期比で大きく減少しているのはなぜですか。特に第4四半期の対前年同期からの減少額が大きいのはなぜですか。
A16. 構造改革費用として約110億円を第4四半期に計上したことが主な理由です。具体的には、まず、HDD用ヘッド事業に関し、ウエハ拠点の1つをセンサ事業に転換したことに伴う減損を計上いたしました。また、磁石事業に関し、金属磁石においてHDD用ヘッド向けの依存を脱し、自動車及び産業機器市場向けに一層注力し、収益構造転換を目指すことに伴う減損を計上いたしました。これらに加え為替変動による影響を考慮すると、前期並みの水準でした。
Q17. 中国における事業展開の基本方針や現状についてお聞きしたい。
A17. 海外製造拠点のうち多くが中国に存在いたします。当社では製造拠点の展開にあたり、近隣に需要が存在するか(インマーケット)、コスト・品質・納期において世界的な優位性があるか、ということを重視しております。その両方を兼ね備えた中国の拠点数が結果として多数にのぼっております。また、多様性を尊重しグローバルに人材を活用するという方針のもと、製造のみならず研究開発等についても、例えばHDD用ヘッドの後工程や二次電池において、中国拠点のメンバーの力が大いに貢献しております。
Q18. 知的財産部門の強化についてお聞きしたい。
A18. 知的財産は、競争力の源泉になるとともに、お客様が安心して当社製品をお使いいただくために必要な資産であると考えております。いわば「攻め」から「守り」まで一貫した知的財産戦略が取れるように組織変更を行うとともに、担当役員を新たに選任いたしました。

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