2026年3月期 通期 決算説明会 説明要旨
社長執行役員CEO 齋藤 昇
齋藤です。本日はお集まりいただき誠にありがとうございます。
まず冒頭に、本日お伝えしたい事についてお話します。
2026年3月期は、増収増益となり過去最高を更新する事ができました。また、FCF(フリー・キャッシュ・フロー)も想定を上回る実績となり、株主還元も期初計画より上方修正し、増額しました。
2027年3月期については、中東情勢の緊迫化やメモリ価格高騰によるスマートフォン等のICTデバイスの生産台数減少等の逆風はあるものの、引き続き”Control the Controllable”、すなわち自力の向上を意識した経営を強化します。
中計の目標値は、概ね達成見込みですが、事業ポートフォリオマネージメント経営をより強化していきます。本日は、当社にとって中長期で大きなポテンシャルであるAIエコシステムへの投資について、特に、AIデータセンターに関連する各種製品の成長戦略進捗を説明します。
また、投資家、アナリストの皆さまとの対話も引き続き強化しています。2026年9月1日に予定しているInvestor Dayでは、新たにコア技術に加えたソフトウェア技術および人的資本についてご説明する予定です。
以上が、本日お伝えしたいことのポイントとなります。このあとは、山西よりご説明いたします。
2026年3月期 通期連結業績概要
副社長執行役員CFO 山西 哲司
山西でございます。それでは私より連結業績概要についてご説明します。
2026年3月期 連結決算のポイント
まず、2026年3月期通期決算のポイントですが、当社の業績に影響を与えるエレクトロニクス市場では、ICT関連製品の生産が前期比で堅調に推移し、データセンター向けニアライン用HDDの需要も引き続き高水準を維持しました。また、産業機器市場では、再生可能エネルギー向けの需要が底堅く推移しました。
一方で、自動車市場においては、BEV(電気自動車)の需要低迷が継続し、期初想定を下回る部品需要となりました。
このような経営環境のなか、ICT市場及び産業機器市場における部品需要が堅調に推移し、全てのセグメントにおいて前期比増収となりました。全体で13.6%の増収、21.5%の増益となり、売上高、営業利益ともに過去最高を更新しました。
2026年3月期 連結決算概要
通期業績概要についてご説明します。
対ドル等の為替変動で売上高が約25億円の減収、営業利益で約105億円の減益影響を含み、売上高2兆5,048億円、前期比3,000億円、13.6%の増収、営業利益は2,724億円、前期比482億円、21.5%の増益、税引前利益は2,768億円、前期比390億円、16.4%の増益、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,957億円、前期比285億円、17.1%の増益となり、売上高及びすべての段階利益で過去最高を更新しました。1株当たり当期利益は103円09銭となりました。為替の感応度につきまして、円とドルの関係では前回同様1円の変動で年間約20億円、円とユーロの関係では約3億円と試算しております。
2026年3月期 事業別概況 -受動部品-
通期のセグメント別の状況についてご説明します。
受動部品事業は、産業機器市場向けおよび自動車市場向けの販売が増加し、売上高は5,932億円、前期比6.0%の増収、営業利益は418億円、前期比22.8%の増益となりました。
セラミックコンデンサは、自動車市場及び産業機器向け販売が増加し増収ながら、平均売価低下の影響もあり減益となりました。アルミ・フィルムコンデンサは、再生エネルギー向けやAIサーバー向け等の産業機器市場向けの販売が増加し増収、事業ポートフォリオマネジメントの一環として、上期を中心に構造改革費用28億円を計上しながらも増益となりました。インダクティブデバイスは、自動車市場向けおよび産業機器市場向けの販売が増加し増収ながら、製品ミックスの悪化もあり若干の減益となりました。高周波部品は、ICT市場向けおよび産業機器市場向けの販売が減少したものの、収益は改善しております。圧電材料部品・回路保護部品は、産業機器向けの販売が増加し増収増益となっています。
2026年3月期 事業別概況 -センサ応用製品-
センサ応用製品事業は、売上高は2,246億円、前期比18.6%の増収、営業利益は207億円、前期比で約4倍の増益となりました。
温度・圧力センサは、自動車市場向け販売が増加し増収ながら、製品ミックスの悪化等により減益となりました。磁気センサは、TMRセンサにおいてスマートフォン向けの販売が増加、また自動車向けの販売も増加し、磁気センサ全体で増収増益となりました。MEMSセンサは、マイクロフォンがICT市場向けの販売が増加していることに加え、モーションセンサが産業機器向けで販売増加となり、MEMSセンサ全体で増収、前年の赤字から黒字転換し、センサ全体の収益向上に大きく貢献しました。
2026年3月期 事業別概況 -磁気応用製品-
磁気応用製品事業は、売上高は2,629億円、前期比17.6%の増収、営業利益は270億円、前期比で約8倍の大幅増益となりました。
HDDヘッド・サスペンションにおいて、ニアライン用HDD向けの販売数量がヘッドで約14%、サスペンションで約35%の増加となり、大幅な増収増益となりました。マグネットは自動車市場向けの販売が増加し増収、品質改善等のコスト改善効果もあり赤字が縮小しています。
2026年3月期 事業別概況 -エナジー応用製品-
エナジー応用製品は、売上高は1兆3,703億円、前期比16.5%の増収、営業利益は2,467億円、前期比5.2%の増益となりました。
二次電池においては、スマートフォン向け小型電池が新モデルの販売効果等もあり増収、中型電池も産業機器市場向けの販売が増加し、二次電池全体で増収増益となりました。産業機器用電源は、需要に緩やかな回復傾向がみられ増収増益となりました。
事業別四半期実績
第3四半期から第4四半期の事業別売上高及び営業利益の増減要因についてご説明します。
受動部品事業は、売上高は第3四半期から25億円、1.6%の増収、営業利益は固定資産税等の計上もあり42億円の減益となりました。セラミックコンデンサは、自動車市場向け販売が減少ながら、AIデータセンター向け等産業機器向けの販売が増加し増収、利益はほぼ同水準となりました。アルミ・フィルムコンデンサは、再生エネルギー向けやAIデータセンター向けの販売が増加し増収・増益となりました。インダクティブデバイスは、売上高は横ばいながら、製品ミックスの悪化や中国拠点の春節休暇による稼働損もあり減益となりました。高周波部品は、ICT市場向けの販売が季節性により減少し減収減益となりました。圧電・回路保護部品は増収増益となりました。
センサ応用製品事業は、売上高は第3四半期から29億円、4.9%の減収、営業利益は57億円の大幅減益となりました。温度・圧力センサは売上は横ばいながら、構造改革費用3億円の計上もあり赤字となりました。磁気センサは、Hallセンサの売上は横ばいながら、TMRセンサのICT市場向け販売が季節性の影響で減少、磁気センサ全体としては減収となりました。利益について、Hallセンサにおいて構造改革費用12億円の計上もあり、大幅な減益となりました。MEMSセンサは、マイクロフォンおよびモーションセンサともに売上高は横ばいながら、構造改革費用の計上もあり減益となりました。
磁気応用製品事業は、売上高は第3四半期から50億円、7.1%の増収、営業利益は横ばいとなりました。HDDヘッドは販売数量が9%増加し増収増益、サスペンションは、第3四半期の前倒し出荷の反動により、販売数量が5%減少し減収減益、HDDヘッド・サスペンション全体では、増収ながら減益となりました。マグネットは、材料価格アップの売価転嫁を進めており増収、赤字が縮小しています。
エナジー応用製品事業は、売上高は第3四半期から320億円、8.5%の減収、営業利益は258億円、38.3%の減益となりました。二次電池は、ICT市場向け小型電池の販売数量が、季節性により約14%減少し減収減益となりました。産業機器用電源は、需要回復の傾向が見られ増収増益となりました。
2026年3月期 営業利益増減分析
通期の営業利益482億円増益の増減分析についてご説明します。
全セグメントで販売数量増加により、1,286億円の増益となりました。合理化コストダウン188億円、前期実施の構造改革に伴う効果59億円による増益の一方、売価値引き影響が532億円の減益影響となっています。販管費は、新技術や新製品の開発等を加速している二次電池を中心に、R&D費用の増加もあり446億円増加しました。また、前期に発生した一時収益の減少影響33億円、構造改革費用の減少66億円、さらに円高為替影響106億円の減益影響もありましたが、販売数量増加効果により、全体で482億円の増益となりました。
2026年3月期 キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況についてご説明します。
通期実績は、営業キャッシュ・フローが5,077億円、投資キャッシュ・フローは新製品や新技術対応等、二次電池を中心に設備投資が増加し、前期比では全体で1,329億円の増加となりました。FCFは1,299億円と前期から711億円減少していますが、想定していた水準を上回って推移しました。
2027年3月期 通期業績の見通し
2027年3月期通期業績見通しについて、ご説明します。
2027年3月期 業績予想の前提 -主要デバイス市場予測-
業績予想の前提となる、主要デバイスの生産台数予想ついてご説明します。
自動車市場について、総生産台数は、全体で約1%の減少とみていますが、xEVは約13%の増加とみています。ICT市場を代表するスマートフォンの生産台数については、メモリ不足の影響が見込まれ11億1千2百万台、10%の減少を見込んでいます。また、HDD市場について、全体では約2%の減少ながら、AIデータセンタ向け需要が引き続き好調に推移し、データセンター向けニアラインHDDの生産台数は7%増加するとみています。ノートパソコン、タブレットについても、スマートフォン同様にメモリ不足の影響によりそれぞれ12%、8%の減少を見込んでいます。なお、AIサーバーの需要拡大を踏まえAIサーバー用ボード台数の見通しも示すようにしましたが、21%の増加を見込んでいます。
2027年3月期 連結業績見通し
2027年3月期連結業績の見通しをご説明します。
先ほどご説明した主要デバイスの市場予測や、直近の需要動向を踏まえ、通期業績予想は売上高は2兆5,800億円、営業利益は2,950億円、当期利益 2,250億円とします。為替レートは、対ドル150円、対ユーロ175円と、2026年3月期平均とほぼ同水準の前提としています。FCFは、中期的な成長を見据え、CAPEXを大幅に積み増す計画とした結果600億円を見込んでいます。事業ポートフォリオマネジメント推進の一環として、構造改革費用等の一時費用を約60億円見込んでいます。
1株あたり配当金の見通しについて、利益の増加を踏まえ、中間・期末とも20円、年間40円を予定しています。
2027年3月期 セグメント別売上高増減イメージ
通期のセグメント別売上高増減イメージについてご説明します。
なお、為替の影響は軽微ですので、公表値をベースに比較します。
受動部品事業は、インダクティブデバイスが自動車向けで増加、またAIサーバー向けにアルミ電解コンデンサをはじめ各種製品の販売が増加することを見込み、全体で+5%~+8%の増加とみています。
センサ応用製品事業は、磁気センサの販売数量減少がある一方で、MEMSセンサにおいてはマイクロフォンの新製品販売拡大もあり、全体で±0%~+3%と見込んでいます。
磁気応用製品事業は、HDDヘッドはキャプティブメーカーからの受注もあり、ニアラインHDD向け販売が約50%の数量増、サスペンションも販売数量約22%増加し、全体で+21%~+24%の大幅増加を見込んでいます。
エナジー応用製品事業は、小型電池についてスマートフォンの生産台数が約10%減少するなか、製品ミックスの改善やシェアアップにより販売数量約7%の減少を見込み、全体で△3%~±0%を見込んでいます。
2027年3月期 営業利益見通し 増減分析
2027年3月期の営業利益増減をご説明します。
受動部品を中心に販売数量の増加により200億円の増益、HDD用ヘッドやアルミ電解コンデンサ等、事業ポートフォリオマネジメントにおいて「改善中」と区分している事業の収益向上効果で280億円の増益、EV用電源事業やカメラモジュールアクチュエータ事業等の撤退による赤字縮小効果で40億円の増益を見込んでいます。
さらに合理化コストダウンの効果として300億円、前期実施の構造改革の効果30億円、また一時費用の減少効果90億円などで、コスト競争力を高めながら、売価変動影響450億円を吸収していく見込みです。
また、今後のさらなる成長に向けた費用として、二次電池やHDDヘッドを中心に新製品・新技術開発強化のため、主にR&D費用を増額することで販管費が194億円増加、エッジAI関連事業等の新規事業拡大のため、おもにR&D費用を50億円投入していく計画です。
最後に、若干の円高為替影響20億円を含め、全体で226億円の増益を見込んでいます。
2027年3月期 各種費用見通し
各種費用の見通しについてご説明します。
設備投資は、小型二次電池の新技術や新製品立ち上げ、さらにパック製品の増産対応等を積極的に進めるとともに、HDDヘッドは今後増加が見込まれるHAMR対応設備や、サスペンションのさらなる増産対応の投資を見込み、全体で3,700億円を計画しています。
減価償却費は、2026年3月期に実施した設備投資分の増加もあり、2,400億円を計画しています。
研究開発費は、二次電池の新技術開発、HDDヘッドではHAMR開発対応、またエッジAI関連の新事業拡大に向けた開発加速を予定し、3,100億円を計画しています。
2027年3月期 年間配当金見通し
配当金についてご説明します。
現中計期間においては、配当性向35%を基本に株主還元を行うことを方針としています。2026年3月期において、中間配当16円、期末配当は第3四半期時点で18円と予定していましたが、利益の増加を踏まえ20円に増額し、年間36円を予定しています。2027年3月期は、利益の増加を踏まえ、中間、期末とも20円、年間40円と増配を予定しています。今後の利益実績や、手許資金の状況を踏まえ、適切な株主還元を検討していきます。
以上、私からの説明を終わります。
中期経営計画の進捗
社長執行役員CEO 齋藤 昇
それでは、齋藤より中期経営計画の進捗についてご説明します。
財務KPIの進捗
現中期経営計画の財務KPIの実績値及び見通しについてご説明します。
2026年3月期は、過去最高の売上高及び全段階での利益となり、全てのKPIを達成しました。27年3月期においては、中計最終年度の目標達成に向けて、財務、未財務の取り組みを強化し、さらなる自力を高める事で資本収益性重視で取り組んでいきます。
キャピタル・アロケーション方針の見直し
キャピタル・アロケーション方針の進捗についてご説明します。
3年間累計で約1兆円の営業キャッシュ・フローを見込んでおりましたが、当初2年間ともFCFが上振れた事から、3年間合計で当初計画対比3,000億円ほど上振れる事を予想しています。そのうち、約1,300億円は、市場環境を注視しながら、株主還元、戦略投資に機動的に対応していきます。
また、設備投資を約2,000億円増額します。増額分は、主にエナジーと磁気応用向けです。エナジーについては、小型二次電池の革新技術に対する需要が旺盛なため、関連技術設備に対する投資を積み増す予定です。磁気応用については、HDDヘッド・サスペンションともに需要が旺盛なため、継続的に能力を拡大していく予定です。HDDヘッドについては、HAMR立ち上げに向けての設備投資となります。
また、戦略投資枠については、昨年ソフトアイ社を買収したように、引き続きAIエコシステム領域に対して積極的に投資を行っていく予定です。
中期経営計画のポイントの進捗
現中期経営計画の3つのポイントの進捗についてご説明します。
1つ目のキャッシュ・フロー経営の強化について。既に説明しましたとおり、FCFが当初想定を上振れ、超過達成しています。3つ目のフェライトツリーの進化、すなわち未財務資本の強化についても、ご覧のとおり様々な進捗がありました。これらに加えて、サステナビリティ活動やDXの取り組みについても強化し続けることで、フェライト・ツリーを大きく進化させていきます。
2つ目の先手の事業ポートフォリオマネジメントについては、前回同様に、次以降のスライドにて、詳細を説明させて頂きます。
中長期で目指す姿の実現に向けて
2025年11月に実施したInvestor Dayでもお話した通り、中長期で目指す ROE15%以上、ROIC 12%以上達成に向けて、先手の事業ポートフォリオマネジメントを強化、加速、推進しています。繰り返しになりますが、当社にとっての事業ポートフォリオマネジメントの第一義は成長戦略の推進です。
ポイントは3つ、
- 成長けん引事業のオーガニック成長。
- 重点モニタリング事業への対処。
- R&D投資、CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)投資及びM&Aも含めたインオーガニック成長です。
(参考)TDK Investor Day 2025:中期経営計画進捗説明会
https://www.tdk.com/ja/ir/ir_events/strategy/20251128/index.html
AIエコシステム全体に貢献し、成長を目指します
以前よりお話しているとおり、当社では、AIにかかわる様々なアプリケーションをAIエコシステムとして捉えています。
AIエコシステム全体に向けて売上を伸ばします
こちらは、昨年4月の通期決算説明会でご説明しました、AIエコシステム市場向け売上成長見込みの実績及び今期の見込みです。2026年3月期は、全社売上の1割強程度ですが、27年3月期は、前期比で25%アップ、全社売上の15%程に成長する見通しです。
本日は、ブルーとグリーンの現有製品と、グレーの部分の新事業の特に半導体製造装置関連ビジネスについて、より詳しくご説明します。
HDD市場向け製品について
まず、現有製品のうち、HDD市場向けヘッド・サスペンション事業についてです。
HDD市場における記憶容量の需要は、当初想定していたよりも強い成長が見込まれます。その中で、HDDメーカー各社は、台数を増やすよりも、1台当たりの記憶容量を増やす事で、この需要に応えようとしています。
そこが、当社にとっての大きなビジネスチャンスであり、2021年より高密度磁気記録可能なヘッドMAMR技術は、量産開始済みです。
2年後には、HAMRを量産化することで、高付加価値製品比率をさらに高め、HDDヘッド事業を高収益事業にしていきます。
AIデータセンター関連向け高電圧対応、低電圧大電流部品の販売増
受動部品についてご説明します。当社は、AIデータセンタのインフラを支える為の幅広い製品ラインアップを保有しております。
今後、データセンターのパワーユニット電源は、400-800Vへと高電圧化されていきます。高電圧となると当社が、自動車向けxEV用途で競争優位性のある、高耐圧対応のアルミ電解コンデンサ、高耐圧MLCC、フィルムキャパシタ等の製品が更に伸びる機会と捉えています。また、高電圧領域だけでなく、低電圧領域も強化していきます。日本化学工業とのJV(合弁会社)設立を4月2日に発表しましたが、JVを設立する事で、MLCCの材料開発を加速させ、データセンターに使われる低電圧大容量MLCCの開発を加速させて行きます。
キャパシタ(コンデンサ)だけでなく、インダクタも強化します。インダクタの課題は、当社にとっては機会となりますが、低電圧・大電流のインダクタで垂直給電化することで、データセンター全体の消費電力の削減です。
当社は、巻線・積層・薄膜と様々なインダクタを保有しておりますが、特にHDDヘッドの薄膜プロセス派生の薄膜インダクタについては、当初計画を前倒し能力増強し、今期業績に貢献していく予定です。
また、Optical Transceiver(光トランシーバー)向け薄膜インダクタやチップビーズ等の需要も旺盛であり、今期より売上に貢献していきます。
AIデータセンター関連向け受動部品の売上を大幅に拡大
先ほどご説明したようなこれら取り組みで、AIデータセンター関連向け受動部品の売上を約10倍に増やしていく予定です。高電圧領域に加えて、低電圧領域においても、当社の競争優位性に磨きをかけ、積極的な投資等、各戦略をタイムリーに実行していきます。
半導体製造装置の成長戦略
半導体製造装置向け取組進捗をご説明します。
こちらは、2025年11月のInvestor Dayでもご説明したスライドですが、当社は半導体製造装置向けに、ロードポートやフリップチップボンダー等の設備を販売しております。今後は高密度・高精度実装技術に加え、高信頼・高放熱特性材料を組み合わせ、消費電力低減に貢献することで、独自の競争優位性を確立して、事業の拡大を計画しています。
そのなかで本日は、半導体接合材料の進捗についてご説明します。
貴金属に代わる半導体接合材料を量産化へ ナノコンポジット微粒子
ロジックICやパワーICの接合材料で、現状の銀等の貴金属よりも高放熱なナノコンポジット材料に関連する材料技術を、ナプラ社より獲得しました。この材料技術は、記載のように、耐熱性、信頼性、放熱特性等のメリットが多数確認されています。この度当社がこの技術を獲得し、業界初の量産化を目指していく事としました。
来期中には、一部のお客様向けに量産を開始しますが、ご覧のようなメリットがあるため、すでに多くの引き合いをいただいており、並行して社内の商材への展開も検討しています。高密度パッケージの消費電力の削減という非常にポテンシャルがあり、半導体以外にも多くの市場への用途展開が期待できる材料です。
今後もパートナーの方々と協業等も踏まえ、この材料ビジネスを拡張させていく予定ですので、ご期待ください。
重点モニタリング事業の収益性改善が進んでいます
2025年11月のInvestor Dayでもご説明しました、事業ポートフォリオマネジメントの進捗についてご説明します。
重点モニタリング対象事業全29CBUのうち、Profit BaseとなったCBUは2つです。Profit Baseにいく道筋が見えた改善中のビジネスユニットは、前回の9つから2026年4月時点では13に増えました。おもに受動部品のCBUとなります。現在、実行議論中の5CBUについては、中計最終年度、すなわち当期末までに方向性を決める予定です。
また、先ほどご説明したとおり、2026年3月期から2027年3月期では約320億円の効果ですが、現中計における累計効果金額は、約900億円の改善効果と試算しております。
セグメント別ROICの進捗
このような事業ポートフォリオマネジメントの進捗を受けて、セグメント別のROICについては、ご覧のように改善、進捗しています。
今後も、資本収益性を重視したポートフォリオマネジメントの経営を強化することで、ROIC-WACCスプレッドを高め、キャッシュ・フロー拡大を目指していきます。
長期の技術戦略:成長領域への投資を加速強化
最後に、成長戦略の3つ目である、インオーガニック成長についてです。
2026年4月からコーポレートマーケティング&インキュベーション本部を発展的解消し、受動部品営業とセンサの営業部隊を統合し、全社の営業を担うセールス&マーケティング本部を設立しました。また、インキュベーショングループを独立させ、R&Dセンター内に設置する事で、一気通貫で新事業の創出活動をより強化させていきます。
以上の組織変更を踏まえ、当社のValue Creationサイクルをより一層スピーディーかつ、効率的にTransformさせていきます。
2026年9月のInvestor dayにおいては、フェライトツリーの根の部分、すなわち未財務資本の人的資本の取組について、とSensEI、AR Platform等のソフトウェア技術に関して、ご説明をさせて頂く予定です。
今回の価値創造チェーンのTransformationにより、フェライトツリーを持続的に成長させていきます。
以上が私からの説明となります。
本日は、ご清聴いただきありがとうございました。
