- Q1. 一過性費用の影響額について教えてください。
- A1. 2026年3月期は、第2四半期約23億円、下期約70億円、年間約100億円の計上を見込んでいます。第2四半期の23億円のほとんどがアルミ電解コンデンサの海外拠点再編に関わる費用です。AIデータセンター向けに需要が拡大しており、体質強化を踏まえた計上です。なお、アルミ電解コンデンサ関連では年間約30億円の計上を見込んでおり、残りは第4四半期での計上を見込んでいます。下期は、一番大きなものとして2025年9月に事業譲渡をリリースしたEV電源関連で約60億円を見込んでいます。
- Q2. 年間の上方修正額に対し下期は慎重な印象を受けました。上期と下期の利益の入り組みについて教えてください。
- A2. 上期と下期を比較すると、売上高は全社で横ばいのイメージです。セグメント別に見ると、受動部品では自動車市場向けの拡販により、上期に対し下期4~7%増収と見ています。センサ応用製品は、スマートフォンの季節性影響により下期の売上が減少します。特に第4四半期に落ち込むと見ており、上期に対して5~8%の減収を見込んでいます。磁気応用製品は、HDDヘッドが需要堅調でサスペンション、ヘッド共に増加し17~20%の増収と見ています。エナジー応用製品は、スマートフォンの季節性影響により2~5%の減収と見込んでいます。第4四半期は第3四半期からさらに落ち込むという想定です。
営業利益は、下期は差し引き1,000億円弱と見込んでいます。為替は若干プラスに影響しますが、一時費用が約50億円増加することに加えて、第4四半期には固定資産税が全体で40億円発生するため、上期から下期にかけて100億円程度費用が増加します。セグメント別に見ると、受動部品は一時費用を除いて増収増益と見込んでいます。稼働益も寄与することで、売上の増加に近いレベルの増益を見ています。センサ応用製品は、季節性影響で収益性の高い製品が減少し、減収額に近いレベルの減益と見ています。磁気応用製品は、売上が伸びる前提ですが、固定資産税などの費用増により、増収額に対してあまり増益を見込んでいません。大きく減益となるのがエナジー応用製品です。季節性影響による減収に加え、材料価格の上昇影響を織り込んでいます。
- Q3. HDDヘッドはキャプティブとの取引再開の予定はありますか。サスペンションの供給能力に問題はありませんか。
- A3. キャプティブとのビジネスについては、そのポテンシャルについて検討している段階です。サスペンションの能力は増やしてきています。15%程度生産能力を増やしており、可能な限り旺盛な需要に応えていきます。
- Q4. シリコン負極や金属ケース製品の構成比が来期どうなっていくのか教えてください。
- A4. 来期は、全体の市場感として緩やかな増加があると見ています。シリコン負極は今期第1四半期より第3世代の製品が立ち上がっていますが、来期についても第4世代の製品を投入しつつ、既存の世代も広げながら、ボリュームを引き上げていきます。金属ケース製品も、来期以降さらに広がっていくと考えています。スマートフォンへの採用の広がりに加え、もう一つ力を入れているのがスマートグラス、ウェアラブル関係です。金属ケース製品は、スペースが限られる中で高いエネルギー密度を実現できることや、軽量であること、形状をフレキシブルに対応できることが特長です。また、高い安全性が求められるため、まさに当社が取り組んでいる金属ケース製品に合致します。シリコン負極の比率は、今後検討していくところですが、今期15%の構成比を来期さらに広げていきます。
- Q5. データセンター向けの開拓を進めていくとのことでしたが、その後の進捗について教えてください。
- A5. データセンターの電源ユニット向けのアルミ電解コンデンサの引き合いは非常に強くなっています。MLCCも高耐圧品の電源ラインでの採用が進んでいます。特にアルミ電解コンデンサは、来期に向けて能力増強も含め進めています。インダクタは、GPU周りの高電流タイプの引き合いがあり検討していただいているところです。
- Q6. MEMSマイクの来期以降の採用の広がり方について教えてください。
- A6. 今期から来期に向けて採用が拡大していくと見ています。当社のビジネスモデルの特徴でもある、設計と前工程に特化したモデルの比率が来期広がります。まずは現在のお客様1社に供給していきます。その後、他のお客様に向けても供給していきたいと考えています。