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2025年3月期 第1四半期 決算説明会 Q & A

Q1. 第2四半期の利益の方向性についてセグメント別に教えてください。
A1. 受動部品は、基本的には各事業において増収に伴う限界利益の増加によって増益と見込んでいます。MLCC、インダクタ、高周波部品が主な増益要因です。センサ応用製品は、スマートフォンのピークシーズンを迎えることに加え、自動車向けが増加することで、磁気センサ、温度・圧力センサは増収増益と見ています。第2四半期のセグメント利益は黒字を見込んでいます。磁気応用製品は、ヘッドの数量が第1四半期並みで推移すると見ています。営業利益は第1四半期に計上した一時収益を除けば、ほぼ第1四半期並みと想定しています。サスペンションは第1四半期から第2四半期に販売がズレ込んだことで大幅な数量増加となります。約3割の増収を見込んでおり増益に寄与します。サスペンションについては黒字化が定着するという見方をしています。エナジー応用製品は、小型二次電池の数量が16%増加、中型二次電池についてもESS向けで若干回復傾向が見られることから増収増益という見方です。しかし、第1四半期でさらに下がった材料価格が、第2四半期の売価に転嫁される影響が若干あることや、売価値引きの影響も見込んでおり、増収による増益分が若干相殺されると見ています。電源は産業機器向けが厳しく減収減益、EV電源は増収ではあるものの、生産調整の影響もあり減益と見ています。
Q2. 第1四半期の数量が予想比で5%増えたとのことでしたが、第4四半期から第1四半期への推移はどうでしたか。また、シリコン負極の競合の状況や来期以降の拡大ペースについて教えてください。
A2. 小型二次電池の数量は、第1四半期は第4四半期比で16%アップしました。シリコン負極電池については、小型二次電池における売上構成比を今期10%近くまで引き上げると申してきましたが、計画通り進捗しています。来期さらなる拡大を目指し、15%までは引き上げたいと考えています。こうした技術は、競合もキャッチアップするためにいろいろと方策をとっていると思いますので、その点も注視していきたいと思います。
現在、シリコン負極電池に対しては、多くのメーカーから引き合いをいただいています。また、この第2四半期中にエネルギー密度をさらに数%引き上げた第二世代を投入する予定です。このように、小型二次電池において技術で先手を打ちながら市場をリードしていきたいと思います。
Q3. 第2四半期のヘッドの数量が第1四半期比で横ばいとのことですが、世の中の流れからすると増える方向かと思います。実際にはオーダーは来ているが、慎重に見込んでいるということなのでしょうか。
A3. 第2四半期以降の数量の見方ですが、HDDドライブの記録密度の進化が進みながらの在庫消化局面となっています。記録容量に対しての需要が読みづらい状況です。その意味で第1四半期から第2四半期にかけては、数量は横ばいと見ています。
Q4. 産業機器向けの見通しおよびBEVの需要回復の時間軸について教えてください。MLCCは、新工場(岩手県北上市)で増産した部分はしっかりと売上に繋がっていくのでしょうか。
A4. 産業機器向けは、受注・需要共に今のところ弱含んでおり、全般的に想定ほど伸びていません。MLCCの増産については、新工場が予定通り立ち上がり、第2四半期で設備の搬入がひと段落する見込みです。BEVは想定ほど伸びていない状況ですが、下期にかけての回復を見込み、受注努力をしていきたいと考えています。
Q5. インダクタがようやく復調してきた印象を受けています。どのような領域でインダクタは成果を出しているのでしょうか。
A5. インダクタは全部門で売上が伸びています。自動車向けでは金属系コイル製品、薄膜コイル製品が伸びています。ICT市場においては薄膜系、積層系製品が伸びています。当社は全方位的に様々な製品を供給していますので、市場の全体の動きに応じて当社の業績も伸びると思います。特に金属系コイルはお客様からの引き合いが増えています。以前の様相からは変わってきたと思います。
Q6. キャッシュ・フローの考え方について教えてください。第1四半期から上振れていると思われますが、設備投資、M&A、株主還元等、今期どのような展開が考えられますか。
A6. 期初想定では、第1四半期は利益が十分でない中で投資が進むと見ていたので、フリー・キャッシュ・フローはマイナスと見ていましたが、大きく利益が増加し、設備投資が420億円程度に収まったことで期初の見立てから好転しました。第2四半期においては設備投資のキャッシュアウトのタイミングがズレ込むと見ているので、第1四半期程の大きな改善はないと思われます。通期では、在庫もかなりコントロールしているので改善できると見ていますが、増え幅はそれほど大きくないというのが通期の見方です。来期、再来期のフリー・キャッシュ・フローの積み上げ状況を見て株主還元策等を検討していきたいと思います。