[ 2010年3月期 通期 連結決算説明会 ]Q&A
- Q1. いつものヘッドの本数の状況と、コンデンサの今期売上の見込み、これが四半期でどう変化するのか。
- A1. ヘッドの本数につきまして、2010年3月期の1Qを100といたしまして、2Qが119、3Qが129、今回4Qについては128ということで、ほぼ3Qと同じ数量になっています。この4月からの1Qについては、今時点では138〜139ぐらいと見ています。
コンデンサの今期の売上見込みは5%増となっています。四半期ごとの売上推移は終わった4Qから1Qは約8%落ちる計画です。そして1Qに対して2Q、3Qが15%アップぐらい。 - Q2. 2011年3月期のリストラコストがどれくらい見込まれているのか。それから、終わった4Qのリストラコストが計算上79億円で、それを除くと実質162億円ぐらいが4Qの営業利益という計算ができます。これに対して今期620億円ぐらいの営業利益ということは、四半期で見たときに、あまり改善しない計画になっているように見受けられます。リストラチャージが今期どれくらいあるかわかりませんが、どのように620億円という数字を組み立てて出されたのかを教えてください。
- A2. 今期のリストラコストですが、今、40〜50億円ぐらいで見ております。見込みですが、値引きと為替によるものが入っております。ほかに、特に大きく見ている部分はございません。
- Q3. 4Qから1Q、2Qはビジネス上で何か下がるものは、それほどないという認識でよろしいですか。
- A3. そうです。
- Q4. 社長にお伺いしたいのですが、いわゆる今まで収益性の低いところでエプコス、MLCCというところがあったと思いますけれども、今の段階での社長の手応え。一歩抜けた感じがあって今期はいけるという感じなのか、それとも、何かまだもう一段仕組み上変えなければいけないものがあるのか、その感触を教えて下さい。特にエプコスに関して、シナジー効果を高周波部品で出てくるとおっしゃっていましたが、今まで高周波部品は赤字事業だったので、それがどのように変わってくるのか補足していただきたい。
- A4. 長いことかかりましたが、やっと今期、2011年3月期でシナジーが出ると見ています。一番早く刈り取れるのが、携帯電話、特にスマートフォンの分野だろうということで、売上増の中の一部はここから来ると見ています。今まで、TDK、エプコスとも高周波部品は赤字でしたが、これで黒字化が達成できるという手応えがあります。それから、ここにきて、エネルギー問題や環境問題ということで、インフラ系の需要がかなり伸びてきていますので、フィルムコンデンサやアルミ電解コンデンサの需要が増えてきており、今期、エプコスの赤字事業はなくなるのではないかというような手応えを持っています。
- Q5. そうすると、エプコスの今の収益体質というのは、年間どれくらいですか。例えば、1桁5%の利益率が経常的に出るような体質なのでしょうか。本来なら10%ぐらいが適正なのでしょうけれども。
- A5. おっしゃるとおりで、そういう形で私も見込んでいるわけですが、再来期辺りは、利益率をかなり改善していかなければいけない。ただ、エプコスの体質が昔ながらの体質と言いますか、産業機械市場を中心にやっていましたので、注残という考え方がまだあります。要は製品在庫を抱えて良い、あるいはリードタイムは長くてもいいというような、どうもそういう体質がありそうです。ですから、改善できるとするとリードタイムを短くするとか、製品在庫を減らしていく。あとは、回転率を上げていくことで、もっと収益が改善できるだろうと見ています。
- Q6. 販管費の考え方について教えてください。エプコスを買収されるときに、販管費を下げていきたいと。売上高販管費率は、確か15%を目指していきたいというお話がありました。具体的に2011年3月期の販管費は終わった期に比べて、15%の売上高販管費に近づいていくような方向で考えたらいいのかどうかという点について、教えてください。
- A6. おっしゃるとおり、エプコスを買収する前にTDK売上高を8,000億円に想定したときに販売管理費15%を目指しております。今はエプコスが入りましたが、エプコスを含めた今後の売上の中で15%に持っていこうとしているところでございます。
- Q7. 具体的に今期、販管費は下がっていくような方向で見ればいいですか。レベル感としては、どれぐらいですか。終わった期は1,600億円強でしたが。
- A7. 今、計画で見ておりますのが、18%弱ぐらいのところです。
- Q8. ヘッドの話を社長と小林さんお二人から聞かせてください。後工程は、御社は非常に強くていらっしゃって、コスト的にもかなり安くて、品質もいい。前工程ももちろん強いですけれども、後工程の自動化のラインを、今年どのように戦略的に使っていかれるかという点について教えてください。キャパをどれぐらい上げて、そのキャパを立ち上げるに当たって、どういった顧客の戦略であるとか、どういった使い方をするかというところを教えてください。
- A8. 自動化につきましては、中国も労務費が上がってきていますので、前回もご報告しましたように、今後、進めていこうと考えています。組み立ての既存のラインで、アルプスさんから受けましたラインにつきましては100%稼働しておりまして、そのコンセプトを用いたTDKの、合体したようなラインを順次導入していくという形で考えております。能力については、先ほどの目標であるマーケットシェア、来年3月で35%強を狙うということで、それに合わせて準備していきたいと考えております。
人がまだ多いです。ただ、闇雲に自動化しても、品質が伴わなければいけないということがありますので、慎重にやっていきたいと思っています。ただ、今よりももっと品質を上げなければいけないと思っていますので、それなりの合理化を進めていかなければいけないだろうと考えています。 - Q9. 今回高周波モジュールの件でいくつかお話がありました。かなり強い自信を感じるコメントが多かったのですが、現段階でそう見えているものというのは、具体的にどういうものなのでしょうか。
- A9. RFモジュール、プラットフォームというところに商売が広がりそうです。今までは、なかなか入れなかったところです。今までは電子部品単体での売りのほうが多かったわけですが、今からは恐らく、モジュール売りのほうが増えるだろうと見ています。
- Q10. 設備投資の今期の額、750億円ありますけれども、この内訳がありましたら教えてください。セグメント別、あるいは設備でどのくらいとか、それ以外にどういったものがあるのか教えてください。
- A10. 750億円の内訳でございますが、ヘッドがこの中で3割ぐらいです。続いて、電子材料、電子デバイスの電子部品関連。あとは、その他になっています。
- Q11. ヘッドの今期の設備投資で能力アップのために、どれくらいまで先を見た投資金額なのか教えてください。
- A11. 先ほど、ヘッドの前工程、後工程の話がありましたが、どんどん高機能化、それから、前工程で言うとプロセスのステップが増えてまいります。そういった新製品の競争力を上げるための投資に、かなり重きを置いています。高機能化に伴って、後工程でも非常に精度の高い加工が必要になってくるということで、技術的な優位性を確保するための投資、それから、先ほど社長からもありましたが、増産という意味合いでは、注意しながら、目標のシェアに届くように慎重に準備していきたいと考えています。
- Q12. 競争力強化のためにこの先の技術を見据えているということで、単純に数量を上げるというよりも、来期以降の技術的な対応が大きいという理解でよろしいですか。
- A12. そうです。そこに重点を置いています。