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[ 2010年3月期 通期 連結決算説明会 ]セラミックコンデンサ事業について

取締役常務執行役員 セラミックコンデンサビジネスグループ ゼネラルマネージャー 荒谷 真一

取締役常務執行役員 セラミックコンデンサビジネスグループ
ゼネラルマネージャー 荒谷 真一

セラミックコンデンサ事業について説明させていただきます。

2010年3月期実施した施策

2010年3月期の結果、並びに実施した施策について説明いたします。これについては何度かクオーターの途中でも話しましたので、簡単にさせていただきます。
売上は前期比10%ダウンとなりました。2010年3月期に実施した施策については、まず、国内製造拠点を8カ所から4カ所に集約しました。効果は生産効率の向上です。2番目はリストラおよび整流化に伴う設備・人員の再配置を整流化が終わった当期の後半から行ってきました。一度整流化したものをもう一度設備・人員の効率的な再配置を考えることによって約10%の生産能力アップ、これを今期から実施することになります。3番目は、生産性改善やコスト改善の推進。2010年3月期は売上が下がってくる中で、現状の工程をこまめに改善する、歩留まりをアップするということを中心に行ってきました。当期末はほぼ想定通りに進みました。

2011年3月期実施予定の施策

続きまして、2011年3月期に実施予定の施策について説明させていただきます。
2010年3月期はいろいろな施策を打ってまいりましたが、我々の回復度合いは、競合他社に比べると、まだまだ満足のできるものではないと思っています。これまで行ってきた事業基盤の再構築をベースに、2011年3月期は成長ステージへの転換点としたいと思っています。
具体的な施策の1番目は、海外テーピング拠点の集約。昨年、国内拠点の整流化を終えたわけですが、昨年の後半から海外拠点の集約に着手してまいりました。今期の上期で、8拠点から4拠点への集約を完了させたいと思っています。これにより、固定費削減およびリードタイムの短縮を目指します。
2番目は、更なる生産性改善やコスト改善の追求。前期は、先ほどお話ししましたように、現状プロセスの中できめ細かな工程改善とコストダウンを行ってきました。これがかなり大きな損益改善の効果になったわけですが、今期も引き続き、生産性向上、歩留まりアップを中心に取り組んでいくことに変わりありません。特に、今まで手を付けていなかった小型部品と、我々の強い応用製品について、重点的に取り組んでいきたいと考えています。
そして、市場変化に応じた生産体制と製品開発の確立。市場の特徴ということでは、次のように考えています。まず、汎用で需要の多い製品については、価格競争がますます激しさを増すだろう。前期は主に我々の強い製品を中心にやってきましたが、今期以降はこれら汎用で需要の多い製品を徹底して取り組んでいきたい。ただ、この点につきましては、数年先の価格トレンドを見越して、コスト競争力のある新プロセスで攻めていきたい。何度かここでもお話をさせていただいていますが、新プロセスが固まってきましたので、これを導入しながら、115期を通して量産ラインの導入を図りたいと考えています。

もう1つは環境関連分野、産業インフラ分野、HEVなど、今後増えてくるであろう新規のアプリケーションに対する支援製品を考えています。特に自動車分野、インフラ関連の応用製品は我々の強みでもありますので、ここに新製品開発のリソースをつぎ込んでいきたい。それから、TDKはどちらかというとモジュール製品は強くなかったのですが、エプコスとの統合によって、新規のモジュール製品の社内需要が今後大幅にアップするということも、売上の拡大につながると思っています。
これらの施策により、2011年3月期も収益改善を図っていくわけですが、まだまだ競合を追い上げていくための通過点であると、我々は思っています。いずれにしても、数年先を見据えた事業展開を図っていきたいと考えています。

以上、コンデンサの説明を終わらせていただきます。