[ 2007年3月期 中間期 連結決算説明会 ]連結業績概要
取締役 執行役員 経理部長 江南 清司
先ほど社長から2007年3月期中間業績の概要説明がありましたが、若干補足させていただきます。
皆様のお手元にある短信の12ページに連結損益計算書が載っています。
営業利益が前期281億円から、今期は383億円と102億円増加しました。営業利益の増加要因ですが、プラス要因は、操業度、品種構成を含んだ売上増が339億円、原材料値下げと合理化によるコストダウン145億円、為替変動で41億円、合計でプラス要因が525億円です。マイナス要因は、売価値引きが264億円、販売費及び一般管理費が大きく膨らみ159億円で、合計マイナス要因423億円。プラスマイナスで102億円の増となっています。
この期間における為替の影響ですが、前期中間期の平均レートが、米ドルが109円52銭、ユーロが135円61銭、今期の中間期は米ドルが115円38銭、ユーロが146円01銭と、それぞれ5円86銭、10円40銭の円安で推移しています。その影響で、売上では177億円の増加、営業利益で41億円のプラス要因になっています。
構造改革費用は、前期中間期が13億円でした。今期は31億円あります。今期の上期計画として皆さんには38億円と申し上げていましたが、7億円ほど下期にずれこんでいます。
販売費及び一般管理費が大きく膨らんでいますが、1つの大きな要因は電源事業を買収したことにあります。10月付けでしたから、下半期にそれが加わったことで大きく膨らみました。同じような理由で、減価償却費が前期265億円が今期309億円。開発費は、前期184億円が今期238億円。両方合わせて98億円増えていますが、積極的なマイナス要因と我々は認識しています。
売価値引きは大きな金額ですが、景気が非常に好調で、需給関係の好転もあり、前年比較では若干緩和していると言えますが、下期に向かって値引き要求も厳しくなっているため、予断を許さない状況です。
営業外損益では、受取利息が前年同期比で15億円増えています。これは、ドルの金利が上がり、ドルベースで持っているキャッシュがこの利息を生んでいます。同じく営業外損益のその他は前期から11億円マイナスになっていますが、関連会社持ち分増の減少と、投資有価証券の売却損および評価損が出たことで、11億円ほど悪化しています。
17ページにセグメント情報があります。先ほど社長から、上半期、記録メディアが23億円赤字だったという話がありましたが、第1四半期、第2四半期に区分すると、第1四半期が16億円のマイナス。うち構造改革費用が8億円で、実質8億円のマイナス。第2四半期が7億円のマイナス。うち、構造改革費用が3億円で、結果、実質4億円のマイナスということで、損益均衡に近づきつつありますが、残念ながら黒字にまで持っていけませんでした。ただ、9月度単月では黒字を計上していますし、第3四半期は繁忙期に入ることもあり、いよいよ黒字に転換してくれるのではないかと期待しています。
13ページに連結貸借対照表、15ページに連結キャッシュフローがあります。これは、前期3月末との比較になります。
総資産額が9,594億円で359億円増加しました。前期3月末日と9月末日の為替レートですが、米ドルが117円47銭が117円90銭とほとんど同レベル。ユーロは142円81銭が149円77銭と、5%ほど円安に動いています。その結果、海外資産の円換算影響額が約42億円プラスになりました。それも含めての359億円の総資産増です。
現金および現金同等物が2,648億円で、3月末から258億円キャッシュが増えています。このうち14億円は為替の影響で、実質的には244億円ほど現預金が増えています。減価償却費は309億円ですが、設備投資が360億円で、51億円ほどキャッシュが出ています。在庫も25億円ほど増えています。この大半は、ラムダパワーグループが下半期に向けて在庫を持ったためで、従来のTDK部分については、売上が増えている中で在庫はほとんど増えずに推移しています。借入金の返済については、ラムダパワーグループが外部から借り入れたお金を弊社の内部資金で替えたことにより、借入金の返済が28億円発生しました。また、配当金の支払いが66億円。こうした要素がキャッシュ的にはマイナス要因になっています。それに対して利益が296億円。売上債権の回収が進んで債権額減少が51億円、支払債務の増加が86億円で、キャッシュとして実質的に244億円ほど増えています。
15ページのキャッシュフローですが、営業活動によるキャッシュフローを見ていただくと、前期中間期との比較では、利益の増加、移転価格課税を含めた税金支払いの減をベースに営業活動による部分で600億円プラス。投資活動によるキャッシュフローでは、前期の事業買収資金87億円がなくなったことでプラスになっています。逆に、短期投資に回した100億円で、投資段階では2億円ほどのマイナスです。財務活動によるキャッシュフローでは、配当金の増加、借入金の返済で31億円ほどマイナスが増えています。また、為替41億円のマイナス。結果、前期上期とこの上期を比べると、キャッシュは527億円ほど改善されています。
14ページに連結資本勘定計算書があります。資本合計が227億円増えています。横軸にその他の剰余金がありますが、上から2つ目にSAB第108号適用による過年度累積的影響23億円というのがあります。これは、有給休暇分を費用計上すべきだということから、有給休暇の費用引当に関する基準ができましたが、過去分については、今期計上すれば資本の部で処理してかまわないということで、今期過去分について計上しています。額にして38億円。そのうち、税金を控除したあとの金額がここに表示されている23億円です。これが資本を減らす働きをしています。
同じくその横に、その他の包括損失累計額がありますが、包括損失が207億円あります。その内訳は、外貨換算調整額が191億円マイナス、最低年金債務調整額が30億円のマイナス、有価証券未実現利益がプラス14億円、合計207億円。これは資本勘定に影響させていますが、将来P/Lに跳ね返る可能性があります。単独決算について、今日は特に触れませんが、会社法が施行されたことに伴って表示方法等が変わっているので、ごらんになるときに注意していただきたいと思います。
1ページの下段に売上高の内訳があります。社長から営業概況等の報告がありましたが、従来報告している製品区分ごとの構成割合と伸び率を申し上げます。
電子素材部品部門の中の電子材料製品ですが、ここにはコンデンサとフェライトおよびマグネットが含まれています。まずコンデンサですが、構成割合が68%、伸び率が17%。フェライトおよびマグネットが残り32%、伸び率は9%、それぞれアップです。
次に電子デバイス製品ですが、インダクタと高周波部品、その他に分かれています。インダクティブ・デバイスは、構成割合が39%、伸び率27%アップ。高周波部品は構成割合5%、伸び率4%ダウン。その他が構成割合56%、伸び率が106%のアップ。ラムダパワーグループの売上254億円が、この中に含まれて大きなアップになっています。
記録デバイス製品は、HDDヘッドの構成割合が97%、伸び率13%アップ。マクスターさんが買収されて半減近くになりましたが、それを吸収して13%のアップです。応用各種ヘッドは、構成割合が残りの3%で伸び率35%ダウンとなっています。
その他の電子部品製品は、前年比伸び率が104%と大きく伸びております。この中には、依然として好調な半導体製造装置やフラッシュメモリ用コントローラー等、新たな製品が出てきたことに起因しての大きな伸びになっています。
記録メディア製品部門については、オーディオテープの構成割合が5%、伸び率は23%ダウン。ビデオテープは構成割合が18%、伸び率17%ダウン。オプティカル、光関係の構成割合は50%で伸び率は1%のダウン。数量は増えていますが価格が下がっている中でほぼ横ばいとなっています。データテープ、レコーディング機器その他は27%の構成割合で11%のアップ。ここには業務用のLTOが含まれています。
以上です。ありがとうございました。