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[ 2002年3月期 中間期 連結決算説明会 ]連結業績概要

経理部長 江南 清司

経理部長 江南 清司

スライド1 表紙

それではお手元にあります決算短信に沿ってご報告申し上げます。

スライド2 連結損益

先ずは連結決算についてのご報告となります。
10ページの連結中間業績をご覧下さい。
決算数値は先程、澤部社長から報告があったとおりです。8月7日の第1四半期の決算説明会では 第2四半期は第1四半期より状況は更に厳しく、悪化すると見て、上期業績見通しを売上高2,800億円、営業利益・純利益とも+−ゼロとご報告申し上げましたが、残念ながら、市場環境は予測よりも更に厳しく、一層の売上減を余儀なくされたことと、このような状況下、一部リストラに着手したことによる約11億円のリストラコストの発生で営業利益はマイナスとなりました。

スライド3 営業利益分析

11ページの連結損益計算書をご覧下さい。
営業利益の減益要因について、先ほど、社長から説明がありましたので割愛しますが、その中の価格ダウン201億円は電子素材部品が前年同期比で約6%の売価ダウン、記録メディアシステムズ関係で約11%の売価ダウンによるものです。

スライド4 連結貸借対照表 資産

12ページの連結貸借対照表をご覧下さい。
先期3月末との比較となります。
総資産額は約7,489億円で、約712億円の減となりました。
先期3月末日レートとこの9月末日レートでは、米ドルは123円90銭が119円40銭と円高、ユーロは109円33銭が109円30銭とほぼ同水準となり、海外資産の円換算影響額は約100億円の減となっております。
現金・預金等が約242億円減少しております。賞与・配当・納税等の決算資金約216億円、設備資金約381億円(償却費 約291億円)等の資金需要によりますが、何よりもこの上期は資金の源泉となる利益が出ていないことが現金を減らした最大の要因と理解しています。棚卸資産は10億円の増加となりました。 只、第1四半期6月末との比較では61億円の減少となっております。在庫を減らす必要性を認識し、在庫を減らすべく操業をダウンしたにもかかわらず、予測を超える受注減でかえって在庫が増える結果となっておりましたが、ようやく在庫削減の体制が整って来たと認識しております。
売上債権・買入債務がともに大幅に減少しておりますが、これは受注減から来る操業度ダウンに起因したものです。

スライド5 連結貸借対照表 資本

固定資産の部の前払年金費用・その他の資産、及び資本の部のその他の包括損失累計額に大きな変動がありますが、これは年金に関わる米国基準に従い処理したもので、先期、退職給付債務不足額約500億円を信託に拠出いたしましたが、年金資産がABO(累積給付債務)額を超過していた為、連結では前払い年金費用として処理しておりました。今回、株価の下落等によりABOとの比較で年金資産が約10億円積み立て不足状況になったことから、積み立て不足にならなければ表示不要であったB/S非表示の不足額を退職給付債務として負債認識して、前払年金費用と相殺すると共に、損益面では期間損益計算書を歪めない為に、直接資本勘定を減額し、同時に税金相当分を繰延税金として処理した結果です。

スライド6 部門別売上高

10ページ下段に製品別売上高の内訳があります。業績概況と売上高の構成割合、並びに売上高対前年比伸び率を申し上げます。

先ず、電子素材部品部門ですが売上高は2,097億円、全社に占める構成割合は77%、売上高の対前年比伸び率は28%の大幅ダウンとなりました。世界的なIT投資需要の減速を背景に得意先の在庫調整が幅広い分野で進んでおります。携帯電話・PCの世界需要に対する市場全体の見通しが過大であった結果、一番裾野にいる我々電子部品在庫が乗数的過剰となり、その調整に非常に長い期間がかかっているのが実情です。

電子素材部品部門中、電子材料製品の売上高は814億円で全社に占める構成割合は30%、対前年比で26%のダウンです。
電子材料製品の内、積層チップコンデンサは携帯電話・PC関連を中心に、フェライト及びマグネットはPC・AV・情報機器関連を中心に売上を大幅に落としました。
電子材料製品に占めるコンデンサの構成割合は62%、対前年比26%のダウンです。フェライト及びマグネットが残りの38%で、同じく26%のダウンです。

電子デバイス製品の売上高は543億円で、全社に占める構成割合は20%、対前年比28%のダウンです。
電子デバイス製品中、インダクティブ・デバイスはAV・PC・携帯電話関連で売上を大きく減少させ、高周波部品は携帯電話市場向けの比率が高いことから、携帯電話市場の大幅な減速による在庫調整の影響をもろに受け、一段と大きな売上減少となり、パワーシステムズその他はアミューズメント向けDC/DCコンバーターの好調で、売上高は微減に留まりました。
この結果、電子デバイス製品に占めるインダクティブ・デバイスの構成割合は55%、対前年比29%のダウンです。高周波部品の構成割合は17%、対前年比46%の大幅ダウンです。残りその他が28%の構成割合で4%のダウンに留まりました。

記録デバイス製品の売上高は640億円で、全社に占める構成割合は23%、対前年比30%のダウンです。記録デバイス製品に占めるHDD用ヘッドの構成割合は85%、対前年比33%のダウンです。その他が15%の構成割合で、13%のダウンです。

電子素材部品部門中最後になります。IC関連その他製品は昨年の半導体需要を牽引した通信インフラ機器の需要減退により、半導体市場が低迷を続けている為、半導体の売上は大幅に減少しましたが、電波測定システムの売上が増加したこともあって、売上高は100億円で全社に占める構成割合は4%、対前年比24%のダウンに留まっております。

次に記録メディア・システムズ部門です。売上高は630億円、全社に占める構成割合は23%、対前年比伸び率は為替の助けもあり、ほぼ横ばいです。先期実施しましたリストラの効果はお蔭様で オーディオ・ビデオ・CD−R等従来メディアに効果として顕著に現れておりますが、目論んだ新規事業が売上に一部寄与してはいるものの、期待したレベルにまでは達せず、若干遅れ気味というのが現状です。記録メディア・システムズ部門中、オーディオテープの構成割合は14%、対前年比19%のダウンです。ビデオテープの構成割合は32%、伸び率は11%のダウンです。
オプティカル・ディスクは構成割合が26%で、対前年比13%のアップです。
レコーディング機器等その他の構成割合が28%で、伸び率は18%のアップとなっております。

16ページの(1)に事業の種類別セグメント情報がありますが、電子素材部品部門の営業利益が僅かながら赤字になっているのは、先ほど来の要因から来る全般的な操業ダウンの結果です。
記録メディア・システムズ部門の営業赤字は約20億円でした。第1四半期の説明時に「1Qで営業利益率が5%程の赤字、2Qトントン」と申し上げましたが、1Q分に加えて9月度の落ち込みで2Qにも若干赤字が残ってしまった結果です。

スライド7 記録・通信

弊社では記録・通信の分野を中期計画の中で重点分野と位置付けておりますが、売上をこの観点から申し上げますと、全社に占める記録分野の構成割合は41%(目標45%)、対前年比24%のダウンであり、通信の構成割合は10%(目標20%)で、対前年比47%のダウンとなりました。記録分野の落ち込みの中心はHDD用ヘッドであり、通信分野は携帯電話向け高周波部品・積層チップコンデンサ・インダクタやWAN/LAN向け半導体の売上減少が中心でした。

スライド8 分野別売上

次に、先程報告しました電子素材部品部門の売上高2,097億円を100とした時の分野別構成割合と対前年比伸び率を申し上げます。
情報機器、主にPC関連が構成割合45%で、対前年比29%のダウン。
通信主に携帯電話関連が構成割合12%で、対前年比47%のダウンです。
AV関連が構成割合18%で対前年比17%のダウン。
自動車分野は構成割合9%で、対前年比6%のアップと例外的な分野となりました。
部品分野が構成割合6%で、対前年比25%のダウン。
家電は構成割合3%で、対前年比7%のダウンとなりました。

スライド9 地域別売上

16ページの(3)をご覧下さい。
地域別売上高の状況ですが、国内の売上高は前年同期比25%のダウンの852億円となりました。HDDヘッドを筆頭にほとんどの製品で売上を減少させました。
米州地域の売上高は前年同期比17%のダウンで520億円です。電子材料・電子デバイス製品の低調が大きく、レコーディング機器の寄与による記録メディア・システムズ製品の売上増加でカバーしきれなかった結果です。
欧州地域の売上高は前年同期比17%のダウンで、380億円となりました。製品別売上の動きは米州と同様です。
アジア他の地域の売上高は前年同期比25%のダウンで、974億円となりました。電子材料・電子デバイス製品の低調に加え、この地域で売上構成比率の高い記録デバイス製品の売上減少が大きく影響しております。

この結果、海外売上高の合計は1、874億円、対前年比21%ダウンとなり、連結売上高に占める海外売上高の比率は前年同期の68%から69%と1ポイント増加となりました。

スライド10 単独業績

次に単独決算です。18ページをご覧下さい。
単独業績におきましては、売上高は1,640億円の対前年比30%のダウン、経常利益は前期350億円に対し60%ダウンの140億円、当期純利益は前期22億円に対し98億円と対前年比345%のアップとなりました。
経常利益が大幅ダウンで純利益は逆に大幅アップとなりましたのは、この間の前期の特別損失には 退職給付会計基準変更に伴う移行時差異として346億円の損が含まれていたためです。
連結業績と同様に、市場減速の影響を受け電子素材部品部門の売上高は1,406億円で31%のダウンであり、記録メディア・システムズ部門の売上高もオーディオ・ビデオテープの総需要減少に加えて、CD−Rは単独での生産をストップして外部からの直接購入にきりかえたこともあって、234億円で24%のダウンとなりました。

スライド11 連結業績見通し

最後に通期の業績見通しについて7ページをご覧下さい。
先程、社長から通期見通しについて説明がありましたその数字から計算して頂きますと分かりますように、下期では売上高が2,874億円、営業利益が15億円、税引き後利益は▲18億円とみております。
四半期別の内訳は、3Qが売上高1,443億円、営業利益は▲42億円、税引き後利益▲58億円となり、4Qが売上高1,431億円、営業利益57億円、税引き後利益40億円を予定しております。

これは先ほど話にありました8860名ほどの人員削減という計画を下期から来期に向けて実行していくわけですが、そのときのコストとして約65億円を想定しています。3Qで55億円、4Qで10億円が内訳です。この費用を営業利益の中に含んだ形で通期見通しとしています。

以上をもちまして、中間期の決算概要ならびに通期業績見通しの説明を終わらせて頂きます。有難う御座いました。