未財務資本のうち、TDKグループでは人的資本を重視しています。TDKの競争優位性は多様な人財を有しているだけではなく、その多様性が秘める力を最大限に発揮できる組織文化にあります。現在の従業員約10万人のうち8割はM&Aで仲間に加わったメンバーです。さまざまな個性や能力のぶつかり合いから生まれる、つながり、調和、融合によりイノベーションを起こし、それが先端技術の事業化に結び付いてきました。当社は当社自身をオーケストラではなく、多種多様な才能・技術・個性を持ったプレイヤーたちが集うビッグ・ジャズ・バンドであると考えています。ビッグ・ジャズ・バンド「TDK United」の多様性は人財戦略としてのダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)を実現しており、買収先の企業が培ってきた文化への尊重、異なる個性のぶつかり合いから生まれるイノベーション、創造性・意欲・想いを最高の形で発揮する自発性と共創―こうした組織風土を大切にしてきた結果として、当社の持つ多様性が競争優位性の源泉となっているといえます。
Empowerment & Transparency(権限委譲と透明性の確保)のガバナンス方針を原則としつつ、当社の強みの一つである多種多様な事業や、多様な人財について、グループ各社の枠を超えて結び付きを強くすることが、未来構想力や実行力の強化につながると考えています。異なる背景を持つ一人ひとりのチームメンバー(従業員)全員が、当社の一員として責任を分かち合い、部門や組織の枠組みを超えてつながり、協力することがなければ、組織内のサイロ化に陥ってしまうからです。