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第129回 定時株主総会 質疑応答概要
- Q1. 若年層への認知度向上施策についてお聞きしたい。
- A1. カセットテープを販売していた時代と比較すると、若年層における認知度が低下している傾向にあります。若年層の認知度向上に向けた具体的な施策としては、フォーミュラEにおいて、TDKロゴをマクラーレンの車体に掲載したことや、学生向けインターンシップの導入などの活動を進めております。また、NHKのテレビ番組「魔改造の夜」に若手エンジニアが出場し、若年層からも大きな反響をいただいています。今後も若年層に対する認知度向上につながる活動を強化してまいります。
- Q2. 元従業員による技術情報流出に関する財務影響について伺いたい。
- A2. 技術情報流出に関する調査の結果、情報の持ち出しはあったものの、第三者への流出はなかったことを確認しております。当社への財務影響はございませんでした。
- Q3. 技術情報流出に関する再発防止策についてお聞きしたい。
- A3. 再発防止に向け、技術情報に対する管理体制を強化しており、各事業部及び研究所において、情報のクラス分けを徹底するとともに、情報の持ち出しについても厳重に管理しています。さらに、従業員への定期的な教育による意識向上を図るなど、再発防止に努めてまいります。
- Q4. 北米地域への売上比率及び事業運営方針をお聞きしたい。
- A4. 米国以外で生産された当社製品が、他国の顧客を通じて最終的に米国に納入されるケースはありますが、米国向けの直接売上比率は5%未満と多くはございません。昨今の関税問題については、米国にある地域本社と緊密に連携を図ることにより、米国の政策や中国に対する方針等について情報収集を行っております。これらの情報は本社と共有しつつ、米中貿易摩擦リスクに対応しております。生産体制については、米国内の生産拠点はそれほど多くはないものの、中国での生産比率が高いため、米中関係を注視しつつ、「中国プラスアルファ」の生産体制を継続的に検討し、リスク軽減に努めております。
- Q5. 中東情勢の緊迫化による影響について教えてほしい。
- A5. イスラエルにあるTDKラムダの工場につきましては、現時点で特に影響を受けておらず通常どおり操業を続けております。今後、戦禍が拡大した場合には影響が生じる可能性がございますので、状況を適宜注視しながら、事業継続について判断してまいります。
- Q6. 中国向けの軍事転用可能な製品の管理手法についてお伺いしたい。
- A6. 軍事転用可能な製品の管理手法については、社内での対応にとどまらず、外部専門家の助言も活用し、適切に対応しております。
- Q7. サイバーセキュリティ対策について教えてほしい。
- A7. 当社はガバナンス強化の一環として全社組織の情報セキュリティ委員会を設置し、グローバルに対応しております。また、サイバーリスク評価の仕組みを導入し、日々リスクの監視を徹底しております。ウィルス対策ソフトの導入にとどまらず、ゼロトラストと呼ばれる考え方に基づく様々な施策を積極的に展開しており、サイバーセキュリティへの取り組みを重要視し、各種施策を推進してまいります。
- Q8. 競争優位性を高めていくための戦略や施策について伺いたい。
- A8. 電子部品事業においては、自動車市場向けを中心に事業を展開しており、xEV(電気自動車、ハイブリッド車等の電動車)分野でも成長を続けております。今後はデータセンターやAIシステム向けの電子部品の開発・供給にも積極的に取り組んでいきます。競合他社への対応につきましては、TDKの最大の特長である幅広い電子部品のポートフォリオを活かし、AIエコシステムにおける幅広いアプリケーションに品質・性能・コストの面で最良の製品を提供してまいります。また、バッテリ、センサ等の事業においても、当社のコアテクノロジーである材料技術やプロセス技術を徹底的に追求し、競争優位性を確保していきます。さらに、市場やお客様からの情報を迅速に取り入れ、開発や製品の量産へとつなげるマーケテイング力も重視し、多様な人財とともに技術を価値に変え、社会に貢献してまいります。
- Q9. エナジー応用製品事業の成長戦略をお聞きしたい。
- A9. 当社の小型二次電池は、スマートフォンやノートパソコン等に使用されており、世界トップシェアを確立しております。2024年度には約3年ぶりに市場が回復し、今後も中期的に緩やかな成長が見込まれており、当社の技術力を活かして、さらなるシェア拡大を目指してまいります。特に、限られたスペースにどれだけ多くのエネルギーを搭載できるかが重要な技術要素となっており、安全性と高性能を両立した技術をさらに発展させ、事業拡大を図ってまいります。また、新たな成長機会として、電動二輪車、蓄電システム、ドローン、クリーナー等向けの中型二次電池の開発・製造・販売も推進しており、これは脱炭素社会の実現に大きく貢献できる分野であると考えております。当社が有する競争優位性に磨きをかけながら、電池事業全体のさらなる成長を目指してまいります。
- Q10. 賃上げの実施状況についてお伺いしたい。
- A10. グループ全体の賃上げについては、グローバルレベルで実施しているため、欧米のグループ会社も対象となり、労働分配率等の指標をベンチマークしながら進めています。日本では、物価高等の状況も鑑み、基本給を重点的に引き上げる方針を取っています。前回は約6%の賃上げを実施しており、従業員がモチベーション高く働ける環境づくりに努めてまいります。
- Q11. 2026年3月期の構造改革費用の計上予定について教えてほしい。
- A11. 4月に発表いたしました2026年3月期の業績予想には、一時費用として約50億円の発生をすでに織り込んでおります。これは、事業ポートフォリオの見直しに伴い、低収益事業の再建計画に必要な費用と考えております。今後も一時費用等の発生リスクを最小限に抑えられるよう努めてまいります。
- Q12. 自己株式取得に関する考え方をお聞きしたい。
- A12. 当社は中長期的な視点に立ち、成長戦略を推進するために必要な戦略投資を継続していきます。加えて、戦略投資の状況を鑑みながら、機動的な自己株式取得を行う方針のもと、引き続き株主還元の強化に努めてまいります。
- Q13. 重要経済安保情報保護活用法への対応について教えてほしい。
- A13. MLCC(積層セラミックコンデンサ)を含む先端電子部品が特定重要物資として指定されており、情報や設備の持ち出しや輸出について社内審査が必要な体制をとっております。また、経済産業省等の関係官庁とも連携をとり、対策を講じております。セキュリティクリアランスについては、当社は適合事業者ではないため特段の対応は講じておりません。
- Q14. 女性の海外出向者比率を含む女性活躍推進について教えてほしい。
- A14. 当社が持続的に成長し、競争優位性を高めていくためには、ジェンダー面も含めたダイバーシティが重要と考えております。日本における女性管理職比率については、2025年4月時点で5.3%となっております。海外出向者比率については、2024年には3.4%でしたが、2025年には4.7%と上昇しております。次世代リーダー育成のためのグローバルでの人財育成プログラムについて女性参加人数の目標を設定するなど女性活躍を推進しており、日本における女性管理職比率については、2035年度に15%という目標は十分達成可能と考えております。また、当社グループ全体では、女性管理職比率は22.7%となっております。