- Q1. 2027年3月期の営業利益見通しの増益要因についてセグメント別に教えてください。
- A1. 全セグメントで増益の計画です。受動部品は、売上が伸び大きく増益となる計画です。自動車向けの売価は、例年並みの値引き率で見ています。さらにメタル価格の高騰影響を織り込んでいます。センサ応用製品は、売上はほぼ横ばいですが、営業利益率10 %という中期経営計画最終年度の目標にコミットしました。スマートフォンの生産台数が10 % 減少する前提となるため、TMRセンサの数量減を見込んでいますが、足元の状況は好調なのでダウンサイドリスクは少ないと考えています。MEMSセンサは、2026年3月期に黒字転換しましたが、MEMSマイクの拡販によって、その黒字を拡大していく計画です。磁気応用製品については、このセグメントの売上が最も増加すると見ています。ニアライン用HDD用ヘッドの台数が堅調に推移する前提です。また、HDD用ヘッド、HDD用サスペンションの能力増強等により増収増益を見込んでいます。HDD用ヘッドにおいて、HAMR(熱アシスト磁気記録)向け開発費の積み増しや、設備投資に伴う減価償却費の増加を織り込んでいますが、HDD用ヘッド、HDD用サスペンション関連で前期比約20 %の増益を見込んでいます。エナジー応用製品については、スマートフォンの生産台数が減少する中で、シェアアップや高付加価値品の構成比アップにより、前年並みの収益性を確保する計画です。産業機器電源の需要回復、赤字のEV電源新規開発事業の譲渡と合わせて、エナジー応用製品全体で2026年3月期並みの営業利益額を想定しています。
- Q2. 今期の設備投資額3,700億円との予想は目を引く数字ですが、どこに重点的に投資をするのでしょうか。どのような背景で投資を加速することになったのか教えてください。
- A2. まずはバッテリです。小型二次電池における新技術、新製品の量産立ち上げに対する投資です。メモリ不足等で、スマートフォンを筆頭に生産台数は減少傾向ですが、これが永遠に続くわけではありません。シリコン負極も、メタルケースも投資を緩めるべきではないと考えています。もう一つは、スマートグラスなどの新製品、また新製品の立ち上げです。AIエコシステムの進展に伴い、さまざまなウェアラブル製品が出てくると見ています。そこに対する開発、量産立ち上げも見込んでいます。磁気応用製品では、HDD用ヘッド、HDD用サスペンションにおいて、需要に対応していくための投資を見ています。HDD用ヘッドは、特にHAMRへの投資が主な投資になります。
- Q3. AIエコシステムの話は、次の中期経営計画につながる話と受け止めました。今解像度が一番高く見えているのはどの製品ですか。
- A3. 正確に順番をつけるのが難しいほどAIエコシステムのポテンシャルは大きいと思います。まずHDD用ヘッド、HDD用サスペンションはビジビリティが高いと考えています。受動部品は、xEV偏重だったところに対し、AIエコシステム向けへの展開を図っています。アルミ電解コンデンサは増産も視野に入れています。低電圧大電流対応のインダクタも引き合いが強くなっており、設備投資を含めて前倒しで対応しています。MLCCは、設備投資を以前行っており、AIエコシステム向けのビジビリティが高くなってきたところです。中型二次電池は、BBU向けビジネスが今期以降拡大します。半導体製造装置は、ロードポート、フリップチップボンディングシステムの受注が旺盛になってきています。今回ご説明した接合材は来年度中に量産する計画です。最後にソフトウェアドリブンなビジネスですが、次期中期経営計画以降での成長と見ています。この点については2026年9月のInvestor Dayで詳しくご説明する予定です。
- Q4. 昨今の中東情勢がTDKに与える影響について教えてください。
- A4. 主な内容としては溶剤系です。動向を注視しているところです。価格転嫁については、何か一つの特定の要因によってではなく、総合的に状況を見た上で適正な価格で販売していきます。また、並行して、コストダウンと品質向上に、これまで以上にしっかりと注力していきます。
- Q5. 自動車向けの単価は一定の値下がりがあるということですが、来年度以降を考える上で、溶剤や貴金属等の原材料価格の高騰や、需給バランスのタイト化によって価格戦略が変わってくるということはあり得るでしょうか。
- A5. 年末にかけて、お客様と交渉する予定ですが、マーケットの状況、中東情勢、貴金属の価格動向等を注視する必要があります。価格ありきではなく、継続的な供給を第一に考えた上で、お客様とさまざまなご相談をさせていただくことを考えています。
- Q6. 実績および今期における小型二次電池の売上構成比について教えてください。また、中型二次電池の見通しについても教えてください。
- A6. 実績は想定レベルでの着地となりました。今期、シリコン負極は、上期に次世代品を投入します。構成比は10 % 中盤ぐらい、前期比微増と想定しています。ある程度製品が普及してきたということもありますが、メモリ価格の上昇もあり、シリコン負極の採用を差し控える動きが一部あります。メタルケースは、今期倍増する見込みです。中型電池は、前期比で約3割の増収を見込んでいます。中型電池は前期で2桁の営業利益率を達成しています。今期も増収でさらに利益貢献していく計画です。
- Q7. 第3四半期決算発表の時点では、今期のニアライン用HDDのヘッドの数量は前期比で約30%増加するとのことでした。今回の説明では約40%増加するとのことですが、背景について教えてください。また、HDD用サスペンションとHDD用ヘッドのキャパシティを引き上げていくという話ですが、どの程度増やす計画ですか。
- A7. キャプティブのお客様からの引き合いが、前回よりも強くなっています。HDD用サスペンションは今期において、約20%程度の増産を計画しています。