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[ 2020年3月期 通期 決算説明会 ]Q & A

Q1. 2021年3月期の売上と営業利益について、上期と下期の見込みを教えてください。
A1. 2021年3月期の売上は、上期が50%弱、下期が50%強の割合と見ています。下期に向かって操業度も徐々に回復していくと見通していますので、下期の営業利益は上期よりも改善する見込みです。
Q2. 2020年3月期の第4四半期から2021年3月期の第1四半期にかけて、セグメントごとの売上はどのように変化する見通しですか。
A2. 全社の売上はほぼフラットから約3%の減少を見込んでいます。セグメント別に見ますと、受動部品が約16~19%減少、センサ応用製品もほぼ同様、磁気応用製品は約22~25%の減少、エナジー応用製品は逆に約22~25%の増加を見込んでいます。
Q3. 2021年3月期第1四半期の売上増減見込みからすると、営業利益も大きく減少するのでしょうか。
A3. 2020年3月期第4四半期よりも2021年3月期第1四半期の方がコロナによる影響が大きくなると見ていますが、その影響を除いた実質ベースで比較すると、第1四半期の全社の営業利益は第4四半期から若干増加する見込みです。第4四半期から第1四半期にかけて二次電池の売上が伸び、利益を稼いでいる状況です。受動部品とセンサの営業利益は若干増加し、ヘッドは売上の減少に伴い利益も若干減少する見込みです。
Q4. 二次電池は、2020年3月期第4四半期に中国における生産上の影響があったものの、2021年3月期第1四半期にはその影響がなくなることで売上が増えるのでしょうか。
A4. その通りです。
Q5. ノートPC、タブレット、5Gスマートフォン、ゲーム機向け等の電池は非常に好調な状況だと思います。エナジー応用製品の売上が2020年3月期第4四半期から2021年3月期第1四半期で約22~25%増加するとの見通しですが、現在の状況について教えてください。
A5. 昨今の状況でテレワークの導入が進んだこともあり、ノートPCやタブレット向けの電池の需要が増えています。3月~4月には多くのご注文をいただきましたが、5月頃から一段落しつつあると感じています。この第1四半期は、お客さまのインドの工場停止といった制限のある中で、当初の見込みよりも強い需要がありますが、現在の生産能力の範囲内で対応できています。
Q6. 以前、2021年3月期には二次電池の売上が二桁伸びるとの説明がありましたが、今回横ばいとした理由を教えてください。また下期の売上をどのように見ていますか。
A6. スマートフォン市場の縮小が予想される中、スマートフォン向け電池の売上が大きく減少すると見ている一方、ミニセルやパワーセルによる増収が見込まれるため、電池全体では通期で横ばいと考えています。下期については、現段階ではスマートフォン市場がまだ非常に不透明なため、当初の見込みより若干下回ると見ています。生産能力の増強については当初の予定通り行います。
Q7. 二次電池の売上は横ばい見込みとのことですが、生産能力を増強する理由を教えてください。
A7. 2021年3月期の設備投資は、セグメントごとにメリハリをつけたアロケーションをし、収益を拡大できる事業に対しては積極的な投資を行っていきます。設備投資見込み1,800億円のうち、最も大きいのは二次電池向けです。今期すぐには生産能力に結び付きませんが、来期以降効果が出てくると考えています。普通のスマートフォン用の電池については設備投資の必要はありませんが、高密度の製品や特殊な形状の製品、ミニセルや家庭用蓄電システム用のパワーセルへの投資を行っていきます。また、5G対応の部品の生産能力も増強する予定です。
Q8. 今回のコロナ禍により、自動車市場はリーマンショックのときよりも大幅に縮小し、サプライチェーンが変わり、Tier 1メーカーの統合やOEMの再編等が起こる可能性があると感じています。業界の変化を感じるようなことがあれば教えてください。
A8. EV化、電装化が進む中で、自動車業界の再編等の動きはTDKのビジネスにも非常に大きく関わってきます。車のさらなるモジュラー化はおそらく間違いありません。そのため、車載用の部品をディスクリートコンポーネンツとして納入するなど、Tier 1メーカーの近くでビジネスを展開しなければならない局面が出てくるのではないかと思っています。そのことをある程度想定し、異業種、同業種を問わず何らかのコラボレーションができないか、日々検討を重ねています。今回のコロナ禍によって、そのような構造変換が加速される可能性もあると考えています。
Q9. 今回のように事業環境が急速に変化するときには、自動化の技術は非常に価値があると思います。自動化への投資によって競合との差別化が図れる分野はありますか。
A9. 部品単品の生産だけでなく、電池のパッケージング等のアッセンブル工程において、自動化技術をテコに急速に改善を進めていくことはあり得ます。特にこれから立ち上がってくる車載用の電源等については、優れた自動化技術がコストを決めるだろうと感じています。また、自動化だけではなく、様々なセンサで検出したデータを生産ラインにフィードバックする部分等に合理化の可能性があると考えています。
Q10. マグネットの後工程の自動化によって、車載向けに競争力を伸ばせるでしょうか。
A10. 車載向けのマグネットについては、自動化だけでなく、パフォーマンスの高いモーターやトルクの強いモーター等を作るときの磁束の出し方や着磁の仕方などに工夫の余地があると考えており、より効果的、効率的な技術を鋭意開発中です。
Q11. 2021年3月期上期はコロナ影響により受動部品は厳しい状況にあると思いますが、下期から2022年3月期に向けてどのように考えているか教えてください。
A11. 2021年3月期下期から2022年3月期にかけ、5Gを中心としたデバイスやインフラ関係の市場が伸び、それに伴って高周波部品、インフラ向け電源関係のインダクタやコンデンサ等の需要が確実に増えてきます。5G向けでは、薄膜系デバイス等の高特性製品の需要が高まってきていますので、薄膜系電子部品の開発と販売に力を入れてまいります。一方、自動車関連の市況の回復には時間がかかるものの、EVやハイブリット車の需要は引き続き堅調と見ています。また、5Gは自動車にも関係してきますので、高周波部品の需要の掘り起こしを進めていきたいと考えています。