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[ 2020年3月期 通期 決算説明会 ]
2021年3月期 連結業績見通し

代表取締役社長 石黒 成直

代表取締役社長 石黒 成直

石黒でございます。
まずは、このような変則的な決算説明会開催となったにもかかわらず、多数の皆様にご参加いただきましたことに感謝申し上げます。それでは、私より2021年3月期の連結業績見通しについてご説明します。まず業績見通しの前提条件とした経済動向ならびに主要デバイスの需要についてご説明します。

Quarterly World GDP Growth

Quarterly World GDP Growth

このグラフは、今回TDKが見通しを立てるにあたって前提としたGDP見通しを示したものです。全世界ベースでは、この2020カレンダーイヤーのGDP成長率を▲4%と見通しました。地域別に見ますと、いち早く感染が拡大したものの最も早い段階で一応の終息を見た中国は、下半期には、昨年末つまり新型コロナウイルス感染拡大以前の経済環境まで回復するだろうと見通しています。しかしながら、日本を含む他の地域では、経済の冷え込みは第2四半期をボトムとし、下半期に向けて段階的に回復するものの、新型コロナウイルス感染拡大以前のレベルには到達できないであろうことを前提としています。TDKの事業に与える影響は、市場の在庫の関係等により、このGDPの動きに対して2~3か月後に出てくると見るのが妥当と感じています。

2021年3月期の市場予測

2021年3月期の市場予測

次に、TDKの関係する主要なデバイスの需要前提についてご説明します。自動車については、商用車を含む2021年3月期の市場規模を7,500万台、前期比で▲14%の減少を前提としました。一部市場では、さらにマイナス幅が拡大するのではないかという声が聞かれる一方で、中国市場においては、早くも4月には前期比で増加に転じたという情報もあり、今後とも見極めが大切だと感じています。その中にあってxEVの市場は11%拡大することを前提としました。
ICT市場を代表するスマートフォンは、12億4,000万台、前期比▲9%の減少を前提としました。そのうち、5Gスマートフォンの台数は3億7,600万台と見ています。昨年末には、2020年の5Gスマートフォン需要は4億台レベルになるのではないか、と言われていましたので、そのレベルからやや下方に修正しました。
その他、データセンターで使われるニアライン向けHDDは、HDD市場全体が縮小する中で唯一拡大を継続、また、在宅勤務や在宅学習で広く利用されるであろうPCやタブレットは、横ばいから微増を前提としました。
新型コロナウイルス感染拡大は、単に市場の需要だけに影響するわけではありません。短期的には、TDKのサプライチェーンが直撃を受ける影響、つまり工場の不稼働等の影響も考えなければなりません。
現在、TDKには、インドと東南アジアの一部で100%の稼働が実現できていない拠点がありますが、その他の地域では、ほぼすべての拠点において通常稼働を実現しています。今回の見通しは、今後の生産稼働については通常の稼働ができることを前提としています。

2021年3月期 通期連結売上高増減イメージ

2021年3月期 通期連結売上高増減イメージ

以上を前提として、売上全体では、2020年3月期に対して約▲5%減の1兆2,900億円の見通しとしました。
受動部品セグメントは、自動車市場・産業機器市場向け比率がある一定のレベルにあることを含め、▲7~▲10%の減収を見込んでいます。受動部品セグメントの中では、5G関連市場向けを中心に高周波部品事業の堅調な成長を期待しています。
センサ応用製品セグメントは、顧客ベースの拡大と製品ラインアップの拡充を進めてきた結果、新型コロナウイルス影響を含めても8~11%の成長を見込んでいます。従来からの温度・圧力センサおよび車載用のHall ICは、市場の影響をダイレクトに受け大きな伸びを期待することはできませんが、これから成長が期待されるTMR磁気センサ、マイクロフォン、MEMSセンサについては、新規顧客とアプリケーションの開拓が奏功し成長を見込んでいます。
磁気応用製品セグメントは、HDDヘッドにおいて2.5インチおよび3.5インチドライブの市場が段階的に後退すること、それに伴い3.5インチドライブの受託生産数量も減少することなどを背景に、売上が減少する見通しです。また磁性製品についても、xEV用の新規プロジェクトの拡大は期待できますが、自動車市場の後退で売上を伸ばせず、全体では▲15~▲18%の減収と見込んでいます。
エナジー応用製品セグメントは、スマートフォン市場の縮小、電源事業の関係するインフラ市場の縮小はある一方で、PC、タブレットやゲーム機を中心とする在宅市場は堅調であること、ミニセルやパワーセルの売上が段階的に貢献することを前提とし、ほぼ横ばいを見込んでいます。

2021年3月期 連結業績及び配当金見通し

2021年3月期 連結業績及び配当金見通し

ただ今ご説明した世界経済動向、および主要セットの需要予測に基づき、2021年3月期の連結業績をご覧の通り予測しています。
為替の前提は対ドル105円、対ユーロ117円とし、売上高は1兆2,900億円、約▲5%の減収と予測しています。新型コロナウイルスの感染拡大により、売上高は感染拡大前の需要環境を前提として算出した売上高と比較し、年間で約▲1,800億円の影響があると試算しています。その影響も含み、営業利益は700億円、税引前利益は700億円、当期純利益480億円、1株当たり利益約380円を計画しています。
2020年3月期の下期配当金はすでに発表している通り90円とし、年間配当金180円を予定しております。2021年3月期の配当金については、1株当たり利益の水準や配当性向30%を目途とした現中期の株主還元目標を踏まえ、上期・下期とも80円とし、年間160円を予定しています。
設備投資は1,800億円、減価償却費は1,400億円、研究開発費は1,200億円を見込んでいます。
今回はこうした特別な環境下ですので、財務戦略の考え方について山西よりご説明します。

2021年3月期 財務基盤の強化に向けて

2021年3月期 財務基盤の強化に向けて

2021年3月期の業績見通しは先ほど石黒社長よりご説明した通り、新型コロナウイルス感染拡大の影響等によって売上・営業利益とも2020年3月期を下回る見通しとなり、結果的に2018年に公表した現中期経営計画最終年度の財務目標達成は難しい状況となりました。現中期期間の各年度でフリーキャッシュフロープラスは達成できる見込みですが、2021年3月期の収益減少見通しにより十分な水準には至らず、財務体質改善は遅延する見通しです。
2021年3月期も将来の収益拡大を期待できる成長投資を優先的に実施するとともに、これまでの成長投資の確実な回収を図り、フリーキャッシュフローの拡大を確実に実現し、財務目標の早期達成を目指してまいります。一方、想定している需要環境の急速な変化に備えるために、コミットメントラインの設定を含め資金調達力は十分に確保しています。また、手元流動性を高め、不透明な需要環境においても事業活動を支えることができる財務基盤の強化を進めています。株主還元については、2021年3月期は1株当たり利益の成長に至らず、2020年3月期に予定している1株当たり配当金180円から▲20円の減額予定とさせていただきますが、配当方針に基づき、また中期期間累計のフリーキャッシュフロー水準も踏まえ、目標としていた配当性向30%を中期期間累計で実現する水準を予定させていただいております。
最後に石黒よりポストコロナに向けての考えをご紹介します。

エネルギー・環境問題への貢献

エネルギー・環境問題への貢献

今回の新型コロナウイルス感染拡大は、サプライチェーン上の問題に始まり、長期的には消費市場に甚大な影響を与えています。しかしながらTDKが関与するエレクトロニクス市場は、幸いにも将来の成長が期待できます。昨年の会社説明会でも申し上げましたが、EX(エネルギー・トランスフォーメーション)と、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の大きな流れは、TDKが社会に大きく貢献できる世界をさらに拡大させると考えています。
EXの世界では、まずTDKを徹底的にEco-TDKにしていきます。デジタル技術も応用しながら、より少ないインプットで最大のアウトプットができるTDKにし、そして再生可能エネルギーへの積極的な転換を行います。同時に、社会の省エネルギー化と低炭素化に大きく貢献してまいります。

データ活用による社会効率化への貢献

データ活用による社会効率化への貢献

そしてDXの世界では、まずTDKをできる限りデジタル化していきます。今回のパンデミックの発生で世の中の常識や仕事の仕方が大きく変わり始めました。人と人とのつながりや人間性を否定するつもりは毛頭ありませんが、デジタルテクノロジーを利用すれば、時間と空間を超えて価値を創造することができると実感できるようになりました。物理的な移動時間を伴わずに、コミュニケーションできることが分かってきました。設計・開発、モノづくり、マーケティング、スタッフ業務のあらゆる局面においてデジタル化を推進するとともに、社会のデジタル化のお手伝いをして社会の課題解決に結び付けていきたいと思います。
長くなりましたが、私からの説明は以上です。ありがとうございました。

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