[ 2018年3月期 第3四半期 決算説明会 ]Q&A
- Q1. コンデンサは今後増産対応していくとのことですが、一般的に大手メーカーは小型大容量製品をダウンサイジングすることで前工程を軽くし、実質的に能力を上げていく方針かと思います。TDKの場合はスタンスが少し違うように思いますが、ダウンサイジングについてどう考えているかを教えてください。
- A1. MLCCの小型化の進め方に違いはありません。ICT向けの場合は低電圧化しながら小型化できるだろうと見ていますが、自動車向けの場合は、信頼性を保ったままいかに小型化するかに大きな違いがあります。TDKが大型製品を主に手掛けているのは、オンボードチャージャー向けなどの引き合いが多いためです。大型大容量製品のモジュール化によって、フィルムコンデンサや、アルミ電解コンデンサなど異種コンデンサのMLCCへの置き換えは十分考えられると思います。小型化への技術的対応は現在進めております。
- Q2. MLCCとインダクタの需給状況と中期的な見通しを教えてください。
- A2. まずMLCCですが、TDKは車載向けの比率が高く、タイトな状況にあることはご承知の通りです。増産対応を行って、可能な限りお客様のご要望にお応えできるよう進めています。インダクタは車載向けが非常に順調です。特に需要が強いパワーインダクタについては適時増産対応しており、引き続き需要の動向を注視していきます。ICT向けは一部の用途向けで調整が見られ、それによる影響がありました。
- Q3. センサ事業において、3か月前と比べて何が前進したでしょうか。
- A3. 1月にラスベガスで開催されたCESのブースで、TDKはセンサをメインとした展示をし、15種類のデモをご来場のお客様に体験いただきました。そのうちの3つをその週に新製品としてリリースしました。1つ目は大気圧センサで、すでに7軸のセンサモジュールに取り込んでいますが、今回はシングルセンサとして非常に低消費電力で高精度のものをリリースしました。2つ目はMEMSマイクロフォンで、AIスピーカー等向けに高性能、高SN比のものをリリースしました。3つ目が、旭化成エレクトロニクスと共同開発した電子コンパスで、TMRセンサを搭載した高性能、低消費電力の製品です。こういった新製品を来期以降投入していきますが、そのなかには現在お客様に具体的な評価をいただいている超音波の指紋認証センサも入ってきます。また、TMRセンサは、これまでの自動車向けに加え、ICT向け、モバイル向けに入り始めたため、顧客ベースが拡大していきます。温度センサ、圧力センサも自動車向けに堅調に伸びてきており、今期から来期にかけて確実に売上に貢献してきます。
- Q4. EPS(電動パワーステアリング)や産業機器向けロボットでTMRセンサが使われると思いますが、どれくらいのシェアがとれる見通しですか。
- A4. EPSだけではなく、ワイパーなどの用途でもTMRセンサは使われています。具体的に評価いただいている案件が40件と以前申し上げましたが、今は約60~70件に増えてきています。すべてヒットするかどうか分かりませんが、車用途ですので相当高い確率で採用されていくと見ています。
- Q5. 6軸センサは、顧客基盤の拡大は進んでいますか。また、自動車向けのセンサの売上はいつ頃本格的に拡大もしくは加速しますか。
- A5. 2017年5月にインベンセンスの買収が完了しましたので、TDKグループの幅広い顧客基盤を最大限に利用し、モバイル関連では主にアジア系のお客様を引き続き獲得していきます。また、エンターテインメント関連、ゲーム機など民生用途向けにもさらに拡大していこうと考えております。自動車向けのセンサについては、新中期が始まる来期から急にボリュームが上がるわけではありませんが、6軸のMEMSモーションセンサの販売が始まってくると見込んでいます。インキャビン用途向けからビジネスをスタートします。さらに、来期から中期に向け、トロニクスの超高性能モーションセンサ、技術、リソースと、インベンセンスのリソースを併せることにより、ロボティクスや、コンディション・ベース・モニタリングなどの用途向けで産業機器市場にも展開していきたいと考えています。
- Q6. リチウムポリマー電池の需給はタイトな状況にあると見て問題ないでしょうか。
- A6. そのように認識しています。
- Q7. 二次電池の生産能力は、来期も今期と同程度拡大しますか。また、設備投資は来期も今期並みでしょうか。
- A7. セルの生産能力アップは、来期も継続して行っていこうと考えております。設備投資についても、今期並みの投資は継続したいと考えています。
- Q8. 今年、パワー電池とマイクロ電池を手掛けていくことと思いますが、それぞれどういったアプリケーションでどういった役割を果たしていくのでしょうか。
- A8. まずマイクロ電池は、比較的小型のセルを使って、時計を含めたウェアラブルのデバイスやゲーム機など、小型のデバイスへの搭載が始まっています。今後、特に今年は、アプリケーションを広げていきたいと考えています。パワー電池は、セルとしては大型のものを作っていきます。パワーマネジメントシステムやパッケージについての技術も必要で、スマートフォンを中心としたICT向けの攻め方とは違ってくるため、現在開発を進めている最中です。アプリケーションについては、一般用ドローン向けも手掛けていますが、商業用ドローン向けなどハイパワーの電池も攻めていきたいと思っています。また、UPSや定置用のアプリケーションへも広げていきたいと考えています。