[ 2015年3月期 第2四半期 決算説明会 ]2015年3月期 通期見通しについて
代表取締役社長 上釜 健宏
上釜でございます。本日は多数ご出席いただきまして、まことにありがとうございます。それでは私のほうから2015年3月期通期見通しについてご説明申し上げます。
下期の市場動向
まず、下期の市場動向をご説明いたします。ICT分野は、中国スマートフォンが第一四半期は絶好調でしたが、第二四半期はその分若干調整が入りました。しかし、また第三四半期から回復してきております。また、北米スマートフォン市場も好調で、第三四半期の生産がピークになる見込みです。例年第四四半期はかなり落ち込むことが多いのですが、今期の第四四半期はそれほど落ち込まないのではないかと見込んでおります。HDD市場につきましては、期初想定より下期も堅調に推移すると見込んでおります。ニアライン市場が増えてきそうな兆しがあります。自動車市場ですが、欧米メーカー中心に下期も堅調に推移する見込みです。国内は、上期販売台数が前年割れし、下期も横ばいか微増だろうとみております。EV、HEV、PHEV等の市場については、主要市場である日本や米国で販売台数が鈍化しております。最後に産業機器市場ですが、工作機器、ロボット関係は下期も好調を維持する見込みでございます。
主要製品の下期動向
続きまして主要製品の下期動向について簡単に説明いたします。まず受動部品ですが、インダクタの金属系の薄膜積層製品の販売が拡大してまいります。あとは積層高周波コイルの需要が増加してまいります。高周波部品につきましてはSAW、BAW等のディスクリート製品がさらに増加する見込みでございます。あとは圧電材料部品でカメラモジュールに使われるVCMの販売が増加する見込みです。特に手振れ防止用アクチュエーターのOISに対する引き合いがかなりきております。
磁気応用製品についてですが、HDDヘッドは、先程も申し上げましたが第二四半期よりも第三四半期のほうが出荷数量が増加する見込みです。マグネットは、HDD用のVCMを中心に残念ながら磁石の販売が減少する見込みです。電源は、顧客需要の下振れによりEV電源が減少する見込みです。最後に二次電池ですが、北米・中国向け需要が第三四半期にピークになるわけですが、第四四半期もそんなに落ちることなく例年よりは高い水準で推移するのではないかと見込んでおります。
第3四半期の売上高増減イメージ
次に、各セグメントの第三四半期の売上見通しについてご説明いたします。受動部品、磁気応用製品、フィルム応用製品、全社の売上の変化イメージをグラフにしてみました。まず受動部品ですが、第二四半期から第三四半期にかけて売上は、3パーセントから4パーセントの伸びを見込んでおります。磁気応用製品は、HDDヘッドの数量が増えますが磁石の販売が低調ですので、1パーセントから2パーセントの増加を見ております。フィルム応用製品は、第一四半期から第二四半期にかけて、65.3%売上が増加しましたが、第三四半期はさらに20パーセント以上の伸びが期待できると見込んでおります。全社では、5パーセントから6パーセントの伸びを見ております。
2015年3月期 連結業績予想及び配当金見通し
最後になりますが、2015年3月期連結業績の予想および配当金の見通しについてご説明いたします。売上高1兆500億円、営業利益、前回4月28日に発表いたしました営業利益570億円に対して若干上方修正しまして630億円と見込んでおります。税前利益620億円、純利益370億円、一株あたりの利益293円98銭を見込んでおります。配当金ですが前回の発表のとおり上期40円下期40で、通期で80円を見込んでおります。為替ですが対ドルに対する下期のレートは105円、ユーロについては135円と見込んでおります。あと設備投資に関しまして、前回発表で800億と発表しましたが、今回増産投資を前倒ししてやると決定し、900億円に変更させていただいています。その他、減価償却費、これは前回公表同様830億円のなかで収めていきます。研究開発費も680億と前回発表の内容のとおりでございます。
業績推移
最後ですが、受動部品事業を大幅に改善できたことで、事業全体としてかなりバランスのとれた利益構造が見えてきたと思っております。まだまだ収益性は改善の余地があると考えておりますが、全てのセグメントで稼げる力が出てきたと思っています。スライドのグラフは、2012年3月期からの業績推移になりますが、ご覧のとおり、従来は第四四半期に利益が落ちる傾向があったのですが、先程も申し上げました通り、今期2015年3月期は例年よりも、かなり堅くそれほど落ち込むことはないだろうと想定しております。
以上でございます。ありがとうございました。