[ 2015年3月期 第2四半期 決算説明会 ]2015年3月期 上半期連結業績概要
執行役員 桃塚 高和
桃塚でございます。本日はご多忙のところ、当社2015年3月期上半期決算説明会に多数お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。それでは私のほうから業績概要について説明させていただきます。
2015年3月期 上半期決算のポイント
まず、この上半期の決算のポイントでございますが、売上は過去最高の5,023億円になりました。営業利益は前年同期から64パーセント増の279億円になりました。特に受動部品の売上及び営業利益が半期ベースで過去最高を更新しています。営業利益については前年同期から倍増となっております。市場的には自動車市場向け、また中国・北米スマートフォン向けの販売が好調に推移しております。この受動部品の業績好調が、全社上半期の業績を牽引しています。また、フィルム用製品ですが、第一四半期は低調でございましたが上半期では、前年と同水準の利益を確保しております。このセグメントの主な製品は二次電池でございますが、第二四半期から北米スマートフォン向けの販売が好調に推移しております。
2015年3月期 上半期連結業績概要
それでは上半期の業績概要についてご説明いたします。当上半期につきましては非継続事業はございません。売上高5,023億円で前年同期比185億円、3.8パーセントの増収となりました。営業利益は279億円、前年同期比109億円、64.1パーセントの増益。営業利益率は5.6パーセントで2.1ポイント増加しております。税引き前利益は274億円となり、前年同期比93億円、51.4パーセント増益、当期純利益は181億円、前年同期比117億円、182.8パーセント増益となっております。一株あたりの純利益ですが144円17銭となりました。 当上半期の平均の為替レートでございますが、対ドルで103円2銭、4.2パーセントの円安、対ユーロで138円96銭、6.9パーセントの円安になっております。これによる為替の影響額ですが売上高で約169億円の増収、営業利益では約32億円の増益となっております。為替の感応度でございますが、これまでご説明させていただきますように円とドルの関係におきましては1円の変動で年間営業利益で約14億円の影響と試算しております。
上半期各事業の状況(受動部品事業)
上半期の各事業の状況についてご説明いたします。まず受動部品でございますが売上高2,558億円、前年同期比8.2パーセント増。営業利益が176億円、前年同期比95.6パーセント増益となっております。受動部品の全製品におきまして前期に比べて増収増益となっております。セラミックコンデンサは、自動車市場向け販売が堅調に推移し、前年同期よりも売上が増加し、生産性改善の効果により利益率も向上しております。インダクティブデバイスにおきましては好調なICT市場、特に通信機器向け、また、自動車市場向けで売上が増加。また、品種構成の良化によって利益が大幅に拡大しております。
高周波部品につきましては、旺盛な中国スマートフォン向けの需要を中心にディスクリート製品の販売が好調でございました。生産性の改善や品種構成の良化によって収益は大幅に改善し、安定して利益を出せる体質になっております。圧電材料部品、こちらは自動車向け部品、カメラモジュール用のVCMの販売増加により前年同期比、増収増益となっております。
上半期各事業の状況(磁気応用製品事業)
続きまして磁気応用製品の事業でございますが、売上高が1,775億円、前年同期比0.9パーセント減、営業利益については153億円、前年同期比23.4パーセント増加になっております。記録デバイス、HDDヘッドでございますが、出荷数量は前年同期よりも減少いたしましたが、生産性の改善効果、また品種構成良化、固定費削減等で前年同水準の利益を確保しております。次にマグネット製品、前年同期に発生しましたフェライトマグネットの拠点集約費用がなくなったことや稼働率が戻ったこと等によって、前年同期より赤字が縮小しております。電源製品は、半導体製造装置等の産業機器市場向けの販売が堅調に推移し黒字化しております。
上半期各事業の状況(フィルム応用製品事業)
続きまして、フィルム用製品事業でございますが、売上高が597億円、前年同期比0.8パーセント増、営業利益が55億円、前年同期比1.9パーセント増となっております。このセグメントの主な製品は二次電池でございますが、第一四半期は北米主要顧客の新機種発売前の生産調整等によって販売が低調だったわけですが、第二四半期に入って予定通り北米向けの販売が大きく立ち上がったと共に中国向けの販売も拡大しました。それによって上半期では前年同期並みの利益を確保しております。
営業利益増減分析
続きまして、上半期の営業利益の前年比較の要因分析です。操業度、品種構成等を含んだ売り上げの増加による利益変動で約199億円の増益要因がございました。前年比で受動部品の販売が自動車向け及びICT向けに全製品増加いたしました。また、プロダクトミックスも改善したことで増益要因になり、あわせてマグネットにおいては前年の中国拠点の集約に伴う、稼働率低下の要因がなくなったことも増益の要因になっております。次に売価の下落によりまして約214億円の減益要因がございました。次に円安による為替の影響で約32億円の増益要因、合理化コストダウンではHDDヘッド、また受動部品等で生産性の改善、合理化が進みまして原材料値下げとあわせて全体で約134億円の増益要因がございました。構造改革効果としては約15億円の増益要因。次に販売費、一般管理費の増加によって約57億円の減益要因となっております。
2015年3月期 第2四半期連結業績概要
続いて、第二四半期の連結業績概要です。売上高は2,648億円で前年比6.2パーセント増収となりました。営業利益については183億円、前年同期比46.4パーセント増益。純利益が124億円、前年同期比106.7パーセントの増益となっております。
セグメント別四半期実績
続きまして、第一四半期から第二四半期のセグメント別の売上及び営業利益の増減要因についてご説明いたします。まず受動部品の第二四半期の売上ですが、第一四半期の1,234億円から90億円、7.3パーセント増加し1,324億円となっております。そのうちコンデンサーですが売上が8億円、2.2パーセント増加し373億円。自動車市場向けや産業機器市場向けが堅調に推移しております。次にインダクティブデバイスの売上ですが21億円、5.7パーセント増加しまして388億円となっております。第一四半期に引き続き好調な中国スマートフォン向け販売に加え、第二四半期で立ち上がった北米のスマートフォン新機種向けの販売等、ICT通信機器市場向けが大きく伸びております。
次に、その他受動部品の第二四半期の売上ですが60億円、12.0パーセント増加し、562億円となっております。インダクティブデバイス同様、旺盛な中国スマートフォン向けの需要や北米スマートフォン新機種の立ち上げにより、高周波部品の販売が伸びております。受動部品の営業利益は、第一四半期の78億円から20億円、25.6パーセント増加し98億円となっております。自動車市場向けの販売が堅調に推移し、あわせて中国スマートフォン向けの旺盛な需要や北米スマートフォン新機種の立ち上げ等もございまして、各製品の稼動も高水準で推移しております。高周波部品は第一四半期より、引き続き収益性の高いディスクリート品の販売が伸びて、さらに生産性の改善も進み収益性がさらに改善しています。
次に、磁気応用製品のセグメントですが、第二四半期の売上が871億円から33億円、3.8パーセント増加しまして904億円になっております。記憶デバイスの第二四半期の売上は46億円、7.8パーセント増加し637億円となっております。ゲーム機器用やPC用のHDDの生産が堅調だったこと、また、ニアライン等のデータセンター向けの出荷も増えまして、HDDヘッドの出荷数量が前回の予想よりプラスとなりました。次に、その他磁気応用製品の売り上げですが13億円、4.6パーセント減少し267億円となっております。磁石、電源とも産業機器市場向けは、ほぼ横ばいで推移いたしましたが、ICT向けや自動車市場向けがマイナスとなっております。磁気応用製品の営業利益は第一四半期の71億円から11億円、15.5パーセント増加し82億円となっております。記録デバイスの利益がHDDヘッドの出荷数増で増益となった一方、その他磁気応用製品は売り上げ減の影響で若干減益となっております。
次に、フィルム用製品の第二四半期の売上ですが、第一四半期の225億円から147億円、65.3パーセント増加しまして372億円となっております。営業利益は第一四半期の3億円から49億円増加し52億円となりました。これは二次電池の主要顧客向けの販売が第一四半期は低調でございましたが、第二四半期より新機種向け製品の出荷も始まり、また中国市場向けも拡大したことで売上・利益とも回復しております。その他、製品につきましては、売上は3億円増加し48億円。営業利益については第一四半期の赤字の4億円から5億円改善しまして1億円の黒字となっております。これは新事業製品の採算性が改善したことによります。全社及び消去については第一四半期の52億円に対して第二四半期は50億円となり2億円影響が減少しております。
重点分野別の売上
次に、重点三分野の上半期の売上状況についてご説明いたします。まず自動車市場ですが北米市場が堅調に推移しまして受動部品の売上が大きく拡大しております。インダクティブデバイス、セラミックコンデンサ等、受動部品すべての製品で増加し14.3パーセント増となっております。ICTにつきましては中国スマートフォン向けの売上は増加いたしましたが、HDDヘッドの売上が減少した結果、全体では横ばいとなっております。産業機器および、その他は産業機器向けに電源および受動部品の売上が拡大した結果、6.4パーセント増となりました。
記録デバイス事業について
次に、記録デバイス事業についてご説明いたします。2015年3月期のHDD市場の推定でございます。前回7月末に、4月末の推定5億3500万台から5億5200万台にあげたわけですが、今回また800万台増加しまして現時点では約5億6000万台で見ております。これに合わせてHDDヘッドの出荷の推移でございますが、2014年3月期の第一四半期の出荷数量を100としまして、この第二四半期が104、このあとの第三四半期を106と見ております。以上、私のほうから上半期の業績概要の説明とさせていただいます。どうもありがとうございました。