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[ 2014年3月期 通期 決算説明会 ]Q&A

Q1. 今年度はこれまで取り組んできた構造改革の成果を出す攻めの年だと理解しています。今期計画の利益は、前期から大幅な増益の予想となっていますが、事業における前提について教えてください。
A1. 高周波部品事業、磁石事業の収益改善、二次電池事業やインダクティブデバイス事業等の利益成長を前提としております。
高周波部品(SAWフィルタ、BAWフィルタ、モジュール等)に関しては、需要の増加やリファレンスデザイン承認化活動の成果もあり、引き合い件数は確実に増加しています。計画している案件を受注に確実に結びつけ実績を出していきます。特にディスクリート(モジュール品ではない単品)製品に関しては、足元で大きく受注も増えており手ごたえを感じています。
磁石につきましては、フェライト磁石については車載向けの需要が堅調で、更に先期の拠点集約などの効果もあり、早期に収益改善を見込んでおります。金属磁石は、承認化、受注化に若干時間がかかるものの、自動車、産機市場向けのビジネス拡大に注力しており、着実な回復を見込んでおります。 二次電池は、引き続きICT市場(スマートフォンやタブレット端末)向けの販売の増加を見ております。インダクティブデバイスも同様に、ICT市場や自動車向けの着実な販売を見込んでおります。
冒頭に申し上げておりませんが、当社の主力事業でありますHDDヘッド事業に関しては、PC向けの需要が減少しているものの、データセンタ向けの需要が徐々に上がってくることで、引き続き安定高収益事業として今期も推移する見込みです。
Q2. 2014年3月期から2015年3月期にかけての営業利益の分析を、説明会資料スライドの9番と同じような形でご説明をお願いいたします。
A2. 為替につきましては、米ドル想定レートが100円ですので、影響は見ておりません。1つ大きいのはやはり売価の値引きがございますが、値引きは約4%超の水準を全体で見ております。また、もう1つは売上の増加による効果ですが、売上数量や品種の増加により売価の値引きによる減益分をカバーできるものと見ております。構造改革費用につきましては、前期71億円使っておりますが、今期は構造改革費用はなくなります。ただ一兆円の事業をグローバルで展開しておりますので 部分的に合理化等の費用は20億~30億円程度はかかると見ており、これは業績予想に織り込んでおります。効果については、今期新たに40億円出てくると見込んでいます。また、コストの改善ついては、現時点では200億から250億円の間位の水準を見ております。販売管理費につきましては、売上増加に伴って増える分新規事業を含めた開発費の増加、システム関連の費用もありますので、前期比で約100億円増えると見ております。また、前期は資産売却が20億円ございましたので、この分はマイナスの要因になると思います。大体同じような分析では以上でございます。
Q3. 設備投資と研究開発費が今期の計画において増えることになっているが、主に増える事業を教えてください。
A3. 今期の設備投資は800億を想定しております。主に増えるのは、二次電池事業です。研究開発費は680億円ですが、こちらも主に増加する事業は二次電池事業になります。
Q4. 第四四半期の構造改革費用を除いた実質的な営業利益は、約76億円になると思いますが、第一四半期はどのような変化を見込めばよろしいでしょうか。
A4. 今お話がありましたように、第四四半期については構造改革除きで76億円でございますが、第一四半期についてはその数字プラスアルファのところを見ております。
Q5. 今期通期営業利益の570億を4で割った数字までは難しいということでございますか。
A5. はい。現状、570億円の内訳につきましては、上期で4割超、下期で6割弱くらいの水準を想定しております。四半期に申し上げますと、やはり利益の水準は第二四半期、第三四半期のところに山が来ますので、第一四半期については前期の第四四半期よりは上に行くと想定しておりますが、570億円を4で割った数字よりは若干下の水準を見ております。
Q6. 4Qの実績について、受動部品の営業利益が3Qから4Qでかなり減少しているがその要因は何か教えてください。
A6. まず受動部品の3Qから4Qの営業利益の変動については、インダクティブデバイスと高周波部品の季節的要因を含めた利益の減少による影響が大きい。特殊要因が4Qにあるわけではございません。
Q7. 先程、重点5事業についてご説明をいただきましたが、その中にセラミックコンデンサが含まれていませんでした。セラミックコンデンサ事業についてどういう方針でどのように収益を拡大させていく方針なのか、ご説明をお願いいたします。
A7. セラミックコンデンサ事業は、2013年3月期に大規模な構造改革を断行した結果、前期2014年3月期は黒字化が定着し、実績は着実に上がってきております。方針としましては、以前からご説明している通り、まずは電装化の進展やEV、HEV等環境対応車の拡大で大きく成長が見込まれます車載向け製品の販売を着実に伸ばしていく方針です。もう1つはICT分野、スマホやタブレット端末向け応用製品の新製品を投入しながら、成果を上げていく方針です。拠点集約等の構造改革が終わりました今、今後はさらなる収益性の改善や成長の軌道に乗せることを目指していきます。重点製品にセラミックコンデンサが入る、入らないということについては、収益的に大きく貢献できるようなレベルを目指し、次につながる結果を出すことによって変わってくるだろうと考えております。
Q8. 高周波事業の主要地域別のビジネスの取り組み状況、見通しについて教えてください。
A8. 現在、中国向けは、足元の受注も強く想定線以上の水準で推移すると見ております。その中でも特にBAWフィルタについては、非常に強い引き合いをもらっているので、能力の増強も含め対応を進めています。韓国向けは、新規承認も取得しましたので、顧客の生産動向次第。北米向けは3Qがピークで立ち上がってくると見ております。
Q9. 高周波部品に関連して、米系PA(パワーアンプ)メーカーが日系SAW事業の買収のニュースが出たが、これらの動きをTDKとしてはどう見ていますか。
A9. PAメーカーが垂直統合型のインテグレ―ションの動きが出てきたが、買収したSAWメーカーの製品ラインアップだけでは、SAWフィルタの全てを賄えない部分があります。当社はそのラインアップ以外のSAWフィルタやBAWフィルタを持っております。また、PAは持っておりませんので、PAメーカーとは競合の関係にはなりませんので、引き続き様々な高周波部品の販売機会が継続すると考えております。
Q10. 今期のHDD出荷台数は5.35億台の見込みという説明があったが、HDDヘッドのTDKの出荷数量やシェア、員数の前提はどうなっているのか教えてください。
A10. HDDヘッドのシェアについては、前期からは殆ど変らないとみています。員数は若干増加すると見ており、HDDの出荷台数は対前年で若干減少しますが、当社のヘッドの出荷数量については前期と同水準になると見ております。
Q11. プレゼンテーションの後半に新製品の紹介があったが、こういった新製品が全社の収益に貢献するような見通しはどう考えていますか。
A11. 先程ご紹介したセンサやモジュール製品は潜在需要の大きい製品と考えております。まずどの製品が使われる可能性があるのかよく見極めた上で、製品化を加速させていきたいと考えております。これらの製品は、HDDヘッドの技術等、TDK独自の技術が活かされており、将来的には十分収益に貢献し得る製品になると期待しています。