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[ 2011年3月期 第3四半期 連結決算説明会 ]2011年3月期 第3四半期 連結業績概要
2011年3月期連結業績見通し

経理部長 桃塚 高和

経理部長 桃塚 高和

桃塚でございます。よろしくお願い申し上げます。本日はご多忙のところ、また、お寒い中、当社の2011年3月期第3四半期の決算説明会に多数お集まりいただき、誠にありがとうございます。また、日頃の御支援に感謝申し上げます。それでは画面に従って説明させていただきます。

2011年3月期第3四半期業績概要

2011年3月期第3四半期の連結業績についてです。前年第3四半期との比較になります。売上高は2,199億3,700万円、前年同期比3.9%増収となっております。営業利益は172億1,300万円、42.3%増益となりました。税引前利益は165億5,700万、67.6%増益となりました。当期純利益125億9,500万円、42.7%増益となっております。1株当たり四半期純利益ですが、97円64銭となっております。当第3四半期の平均為替レートですが、対米ドルで82.65銭、7.9%の円高、対ユーロで112円20銭、15.4%の円高となっております。これら為替変動による影響額ですが、売上高で104億円の減収、営業利益で43億円の減益となっています。為替の感応度につきましては、これまでご説明させていただいていますように、円とドルの関係においては1円の円高で、売上高では約55億円の減収、営業利益では約20億円の減益になります。また、ユーロとの関係では、その影響は軽微なものであります。

2011年3月期第3四半期決算の特徴

続きまして、2011年3月期第3四半期決算の特徴についてです。エレクトロニクス市場はセット製品によって市場動向が異なってきています。ノートPC、薄型テレビなどの主要セット製品が伸び悩む中、スマートフォン、タブレットPCが牽引する携帯端末市場は本格的な拡大基調になり、また、産業機器や車載向け市場も引き続き堅調に推移しています。そのような中で、当社の受動部品の売上高は、前年同期比15%の増加となりました。インダクティブデバイスの販売が幅広くセット製品向けに増加いたしました。また、高周波部品の販売がスマートフォンを中心に、携帯電話向けに大幅に増加し、また、アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサの販売が産業機器向けに増加しました。
次に、磁気応用製品の売上高ですが、前年同期比11.0%減少しました。これは記録デバイスの販売がHDD市場の生産調整および円高の影響を受け、販売が減少したことによります。その他の売上高は前年同期比35.0%増加したしました。二次電池の販売が、携帯機器向けに大幅増加しています。

売上高の前年同期比較

続きまして、セグメント別の売上高の前年同期第3四半期比較についてです。受動部品の売上高は1,084億円で、前年同期比15%の増収となっております。特にその他受動部品に含まれる高周波部品の出荷が、スマートフォン、携帯電話向けに好調で、買収したドイツの子会社エプコスとのシナジー効果が拡大してまいりました。次に、磁気応用製品ですが、売上高908億円と、前年同期比11%の減少となっています。そのうち記録デバイスの売上高は前年同期比14.6%の減収となりましたが、これはHDD用ヘッドの販売数量がわずかに減少したことに加え、円高による為替影響および売価下落によるものです。その他の売上高は207億円となり、前年同期比35%の増収です。
全体では、記録デバイスの減少分をインダクティブデバイスとその他受動部品の増加でカバーし、それに二次電池の増加が加わり、増収となっています。

営業利益の前年同期比較

続きまして、第3四半期事業セグメント利益についてです。受動部品はエプコスを含めた売上の伸びが大きく寄与しており、前年第3四半期の営業利益3億円から63億円となり、大幅な増益となっています。磁気応用製品の営業利益は115億円で、前年同期比20.9%の減益となりました。これは記録デバイスが為替影響および売価値引きにより売上が減少したことによります。その他の営業利益は20億円で、前年同期比84.2%の増益となっております。

四半期連結損益計算書

続きまして、2011年3月期第3四半期連結損益計算書についてです。販売価格の下落、レアアースの材料価格の高騰などの影響はございましたが、中国生産拠点の自動化ラインによる合理化や生産性の向上により、売上原価率は全体で75.4%となっています。販管費はリストラクチャリング費用と別掲されているものを含めまして44億円減少で、売上高比率では16.8%となり、前年比2.8%の改善となっています。操業度は前四半期並みに平均85%近くで推移した結果、上期に続きまして売上増による効果が上乗せになり、営業利益は172億円となっています。一時費用は、前年第3四半期にはリストラクチャリング費用の戻り1億円を入れて、構造改革費用20億円が含まれていましたが、当第3四半期は3億円を含んでいます。営業外損益では前年第3四半期比較16億円の改善です。主な要因として、投資有価証券損益の改善が11億円、関連会社持分損益の改善9億円がその他の中に含まれています。

営業利益変動要因分析(前第3四半期vs当第3四半期)

続きまして、営業利益51億円増加の内訳です。まず、利益増加要因ですが、売上増による利益変動116億円増益、合理化・コストダウン・原材料値下げ66億円増益、販売費および一般管理費減12億円増益。これら増益要因トータルで194億円になっております。次に、利益減少要因です。為替変動によるものが43億円の減益、売価値引きで100億円の減益、合わせて143億円の減益になっています。エプコス買収時ののれん償却費ですが、当第3四半期は17億円で前年第3四半期19億円に対して2億円減少しています。

売上高・営業利益の四半期比較(当第2四半期 vs 当第3四半期)

続きまして、当期第2四半期と第3四半期とを比較した事業セグメントの売上利益についてです。第2四半期は、ノートPC、薄型テレビ、HDD等について一部生産調整がある中で、スマートフォンを中心とした携帯電話、自動車および産業機器向けの出荷が堅調であった状況から、この第3四半期においても、その流れが継続した形となっております。また、平均の為替レートについては、対ドルで第2四半期平均85円88銭から第3四半期平均82円65銭と、3.8%円高になりました。
そのような市場環境の中、当第3四半期の売上高は7-9月の前四半期に比べて、売上で4億円の減少、0.2%の減収でしたが、営業利益は2億円の増加、1.2%増益となっています。エプコス買収時ののれん償却費用は第2四半期の11億円から第3四半期の17億円と6億円増加しています。セグメント別に見ますと、受動部品においては携帯電話向けの需要増加により、その他の受動部品は売上が伸びましたが、コンデンサの販売が減少したことで、受動部品全体で11億円、1.0%減収となり、営業利益は減収により13.7%減少しました。磁気応用製品のうち、記録デバイスにおいてはノートPCの市場が伸び悩む中、HDD用ヘッドの出荷は第2四半期並みをキープしたものの、円高による為替影響と売価値引きによる減収により、売上が3.5%減少しました。一方、電源用部品は販売製品を伸ばし、その他磁気応用製品の売上は3.1%増加しました。その結果、磁性応用製品全体の売上は前四半期に比べて14億円、1.5%減少し、営業利益は10億円、8%減少しています。その他の売上は前四半期に比べて21億円、11.3%の増収で、営業利益は3億円の増加となっています。全社および消去は、費用の減少により営業利益で20億円改善しています。

2011年3月期第3四半期累計 連結業績概要

続きまして、2011年3月期第3四半期累計連結業績についてです。売上高は6,621億7,100万円で、前年同期比10.8%増収となっています。営業利益は544億100万円で、3.1倍の増益、税引前純利益は512億100万円で4.7倍の増益、当期純利益は387億1,100万円で3.8倍の増益となっています。1株当たりの純利益は300円10銭となっています。為替レートは対米ドルで86円84銭、7.2%の円高、対ユーロで113円27銭、14.9%の円高となっています。これによって、為替変動による影響額ですが、売上高で386億円の減収、営業利益で127億円の減益となっています。

2011年3月期通期業績見通し

続きまして、2011年3月期通期業績見通しについてでございます。売上高8,800億円、営業利益620億円、税引前利益600億円、当期純利益450億円と、前回の見通しを据え置いています。第4四半期の対米ドルとユーロの平均レートは、それぞれ80円、110円を想定しています。営業利益620億円を据え置いたわけですが、第4四半期に発生する一時費用として、約35億円を想定しています。内容は、不採算製品に関連する費用や製品の集約に伴うものでございます。第4四半期の売上は、第3四半期比横ばいで見ておりますが、例年ありますような季節的な変動要因も踏まえた上で、1-3月の利益については慎重に見させていただきました。

2011年3月期 配当金見通し

続いて、2011年3月期配当金の見通しでございますが、期末配当金は1株当たり40円となる見通しです。それによって、中間配当金の40円と合わせまして、年間配当金は80円となる見通しです。

以上、第3四半期連結業績概要および通期連結業績見通しについてご説明させていただきました。ありがとうございました。