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[ 2005年3月期 第3四半期 連結決算説明会 ]Q&A

Q1. 通期の営業利益600億円の見通し内訳を電子素材部品部門と記録メディア・システムズ製品部門とに分けて教えて欲しい。
A1. 記録メディア・システムズ製品部門の第4四半期の営業損益は赤字が残ると見ており、9ヶ月通算で53億円の営業損失なので通期で約60億円の営業損失と仮定すると、電子素材部品部門でその損失額を補い、合計で600億円にするというイメージである。
Q2. リストラクチュアリング費用の考え方が中間期と今回とで変わった所はあるか。
A2. 第4四半期に予定していたリストラクチュアリング費用は約20億円を考えていたが、得意先や受注の状況から計画通りに実施できないものもあり、結果として約10億円は減少すると見ている。
Q3. 年金の代行返上による費用減少が、第4四半期もしくは来期以降の利益の増加要因となるか教えて欲しい。
A3. 代行返上をすることで債務が減るので、来期以降はそれがいくらか利益に効いてくるという論理にはなる。
Q4. 為替変動による現金及び現金同等物への影響額が第3四半期でマイナス52.6億円ということだが、12月末の現金及び同等物残高の2,353億円を通貨ベースで分けて教えて欲しい。
A4. 約半分は円通貨でもっており、残り半分の大半は米ドル通貨でもっている。一部、他の通貨も持っているが、基本的には円と米ドルで半々である。
Q5. 人民元が対米ドルで今後切り上がった場合、仮に10%切り上がったとすると、TDKの売上高および営業利益にはどのような影響が出るか教えて欲しい。
A5. 取引は円通貨もしくは米ドル通貨なので、人民元での取引はあまりやっていない。人民元で支払っているのは、労務費や現地での支払いに限定され、その他の要因もあるので、直接、決算には効いてこないと思う。
Q6. 第4四半期の営業利益の考え方を教えて欲しい。電子素材部品部門をみると、第3四半期から第4四半期は売上高が減少する計画に対して、営業利益は横ばいと見ているのか。
A6. 第3四半期と第4四半期の全社の営業利益はほぼ同水準である。第3四半期の記録メディア・システムズ製品部門の営業損失が23億円の赤字となっているが、ここが黒字にはならないものの改善されると見ている。しかし、リストラクチュアリング費用も第3四半期から第4四半期にかけて約10億円増加するので、電子素材部品部門の売上高が減少する中で営業利益はほぼ同額と見ている。
Q7. 第3四半期に在庫をかなり落としているが、このときに、何らかの費用が発生したということはないか。
A7. 在庫を減らすために費用を使ったことはない。ただし、記録メディア・システムズ製品部門において、販売体制の見直し等の諸費用がかかっていることはある。
Q8. 電子材料と電子デバイスについて、事業環境が中間期の説明会の時に比較し、だいぶ厳しくなっているように思う。赤字が出ている製品を、どの時期にどの程度改善していくか。さらに、それに伴うリストラクチュアリング費用がさらに必要となる局面が来期にあるのか。これを、2製品について整理していただきたい。
A8. 事業環境についてはご承知のように、セット商品の動きは、中間期説明会の時点と現在とではあまり変わらない。コンデンサの高容量・大容量製品の売上は昨年度に比較し、伸び率は1割弱くらいになっている。この面から見れば、我々がコアとしていた高容量・大容量コンデンサは、利益も売上も、セット製品の売上の落ち方よりは、小さいという感じを受けている。
インダクティブデバイスについては、例えばこの3Qは携帯電話向けのGLFが増える等、前期からやっていることが、今期になって相当実績に反映している。来期も、我々が今やっていることをさらに力を入れてやっていきたいと考えている。値引きや円高の問題があるので来期も非常に厳しいと思うが、販売方針は今までどおりにやっていきたいと考えている。
Q9. 高周波部品はこの下期にかなり売上を伸ばして利益を改善している。しかし、今期は、赤字も脱却する予定だったと思うが、その予定も厳しいと思う。それに対して、来期はどのように見ているか。
A9. 現状では、高周波部品や電源製品など、まだまだ多少赤字のものもある。来期にかけて、そういうところを改善していけば全体の改善はかなり実現されるだろうと思う。高周波部品も、TDKの弱さ、強さが鮮明に見えつつある。今期はなかなか改善策も実績に反映できないと思うが、来期以降はぜひとも利益に貢献したい。赤字をできるだけ減らして、黒字にしていきたいと思っている。
Q10. 先ほど、第3四半期から第4四半期の利益は実質ほぼ横這いというお話だったが、逆に電子素材部品部門の中で第3四半期から第4四半期に増益になる製品はあるか。
A10. 第3四半期から第4四半期にかけて増益となる製品は、電子デバイス製品であると見ている。電子材料製品は微減と見ている。
Q11. 第2四半期から第3四半期にかけての電子素材部品部門は、営業利益が150億円から190億円に40億円ぐらい増えている。製品別に、電子材料、電子デバイス、記録デバイス、IC関連その他で見た場合、第2四半期から第3四半期にかけての利益の変化はどうなっているかについて教えて欲しい。それと併せて、先ほど、第4四半期の電子素材部品部門の営業利益は第3四半期と同じぐらいとおっしゃっていたが、これが現実的な数字なのかということを教えて欲しい。
A11. 第2四半期から第3四半期にかけてどの製品の営業利益が増えたかということだが、一番増えたのは記録デバイスである。値引きはあるものの数量が第3四半期に入って大きく改善してきた。これが、電子素材部品部門としての一番大きな増益要因である。第4四半期と第3四半期の営業利益が同額くらいで、その実現性はどうなのかということについては、非常に難しい質問だが、600億円より上に行く可能性は、確率的にはあまり高くないと思っている。しかし、600億円より下に行く可能性というと、これも大きく下へ行くということはあまりないとみている。電子部品やHDD用ヘッド等の売上が見通しを下回らずに6,600億円の売上が達成できれば、営業利益600億円の実現は可能とみて差し支えないと考えている。
Q12. 電子材料は売上が伸び悩んでいるが、利益は第2四半期から第3四半期にかけては落ち、コンデンサの利益率も悪化しているという解釈でよいか。
A12. 若干だが、利益率が落ちている状況だと理解していただきたい。
Q13. 電子デバイスは、第2四半期から第3四半期は増益ということか。
A13. その通り。
Q14. HDD用ヘッドの出荷数量の動きを指数化したもので教えて欲しい。また、サイズ別の内訳について、第3四半期の実績と第4四半期の見通しを教えて欲しい。
A14. 今期の第1四半期を100とすると、第2四半期104、第3四半期146、第4四半期を142と見ている。インチ別構成比を見ると、3.5インチは約50%、2.5インチは約1/3、1.8インチ以下は約10%、サーバー向けが約10%である。3.5インチ向けは構成比率が小さくなる傾向にあるものの、サーバー向けは大きくなる傾向である。
Q15. 先日、HDDメーカーのMaxtor社が2.5インチのHDD開発プログラムを止めるというアナウンスを出したが、同社はTDKにとってHDD用ヘッドの得意先の1社であるので、何らかの影響を受けると思うがこのことに関してコメントしてほしい。
A15. Maxtor社の2.5インチ事業化プログラムは具体的な段階にまで詳細が詰められていない段階で撤回するとのアナウンスなので、当社においてHDD用ヘッドの供給計画を立案する以前の問題であると認識している。したがって、当面の事業に影響を与えるようなものではない。
Q16. 現在と2005年末でのHDD用ヘッド120GB/Pの構成比率を教えて欲しい。
A16. 第3四半期は0%、第4四半期は3%を見込んでおり、特殊な用途に使われて2005年末にはその比率も高くなるだろうが、数量としては80GB/Pを越えないだろう。80GB/Pは160GB/Pが出てくるまでは、リプレイスされないと考えている。
Q17. 160GB/PのHDD用ヘッドはどのような用途に使われるのか。
A17. 160GB/Pのヘッドが量産されたときのデスクトップPCの主力が、どういうHDDを搭載しているかによる。ただ、160 GB/Pのヘッドができれば、80 GBのHDDも1本ヘッドで可能と考えられる。
Q18. 中間期の決算説明会でHDD用ヘッドの第3四半期の出荷数指数は123だったのに対し、実績は146だったので出荷数量が約19%の上方修正となったが、この増加分の内訳を教えて欲しい。
A18. HDD市場が好調だったので、ヘッドの需要全体が増加したと言える。その中でも強い需要があったのが、3.5インチのデスクトップ向けとサーバー向けだった。2.5インチ向けの構成比率はほぼ横ばいだった。1.8インチ以下は需要が強かったが、TDKはあまりシェアを取れなかった。
Q19. ヘッドを内製しているHDDメーカー(キャプティブ)向けへのHDD用ヘッド出荷数量を増やしたいとの話だったが、この見方は今も変わっていないか。
A19. 下期は上期に比べて、キャプティブ向けへの出荷比率を増やせると考えている。
Q20. HDD用ヘッドのTMRの技術に関して、今TDKがどのようなことを考えているか教えて欲しい。
A20. TDKはTMRヘッドの特性値(MR比、MR比プラス単位面積の抵抗値)を改善していくことで、TMRヘッドのHDD採用範囲をハイエンド等に広げていきたい。
Q21. 富士通さんとの関連事業について、今お話できる範囲で教えていただきたい。それから、前回の説明会で、120 GB/Pや100 GB/Pに関し、これらは、立ち上げもうまくゆき、収益的にはプラスになると言っていたが、第3四半期において正しいかどうか。また、これは、まだ先の話になるが、160 GB/Pはお客様のスペック等が固まってきたので、これに関しての御社のポジショニング、収益などの視点から、来期のヘッドのプラス要因あるいはマイナス要因を整理してほしい。
A21. 富士通さんとの件は、先方との守秘義務があるので、詳細な情報についてはご勘弁願いたい。120GB/Pについては、予定通りに進んでいる。また、160GB/Pがすべて技術的にフィックスされて商業化に動いた時は弊社に対してプラスに働くかというご質問だが、プラスに働くと考えている。
Q22. HDD用ヘッドについて、3.5インチと2.5インチのロードマップを先ほど教えていただいたが、可能であれば1.8インチのロードマップ、30GB/P、40GB/P、それ以降があったら教えて欲しい。足下は1.8インチで苦戦というお話があったが、今後の見通しおよびテクノロジーの行方を教えて欲しい。あと、3.5インチの160GB/Pでテクノロジーが固まったという話だが、そのテクノロジーについても、ご紹介できる範囲で教えていただければと思う。
A22. 今、1.8インチは30 GB/Pだが、2.5インチ60GB/Pができると、40 GB/Pも射程距離に入ってくると思う。それから、160GB/Pはどういうテクノロジーかということだが、これはTMRにプラスアルファのテクノロジーを考えている。