[ 2001年3月期 第3四半期 連結決算説明会 ]Q&A
- Q1. 記録メディア・システムズ製品部門の売上高の内訳を教えてください。
- A1. 売上高の内訳を申し上げますと、オーディオテープが構成比15%で、対前年比マイナス22%。ビデオテープが構成比37%で、前年比マイナス13%。光ディスクが構成比24%で、前年比マイナス8%。残りはその他で構成比25%、前年比18%のプラスとなっています。また、このその他の中には、PCカード、データテープなどが含まれています。
- Q2. 通期売上高見通し7,000億円の内、セグメント毎の見通しについて教えて下さい。
- A2. 電子材料製品の売上高見通しは2,192億円で、前年比25%の増収になる見通しです。電子デバイス製品は1,473億円で前年比プラス14%。記録デバイス製品は、1,693億円で、マイナス16%。記録メディア・システムズ部門は、1,372億円、前年比マイナス8%。IC関連その他は、270億円、前年比プラス28%と見ており、合計で7,000億円という見通しです。
- Q3. 設備投資、減価償却、研究開発費の見通しにつきまして変化があるようでしたら、お聞かせください。
- A3. 設備投資は前回11月に説明いたしました900〜950億円という数字は変わらないと見ております。したがって、減価償却費も大きな変化はないと思います。研究開発費ですが、前回の数字からは、10億円程度下回ると考えていますが、研究開発費比率約5%という線は変わらないと考えています。
- Q4. HDD用ヘッドは、今後も新しい構造へどんどん移行していき、酸化層が二つ加わるというご説明でしたが、そのことで、工程数が増えてさらに歩留まりが悪化する、と懸念する必要はないのでしょうか。
- A4. 確かにご指摘のとおり酸化膜をつけることは非常に難しいことですが、特別な装置の開発を行って、この問題を解決し、歩留まりを確保するような方式をとっています。
- Q5. その装置が開発された時期はいつ頃でしょうか。
- A5. 開発時期は昨年の前半です。
- Q6. 下期の売上高の見通しを11月の時点から記録デバイスで約100億円下げられていますが、それは、シェアの回復が思ったほどいかなかったことによる要因が大きいのか、あるいは1-3月期のHDDメーカーの生産調整の影響が大きいのか、どのような要因であったのか教えてください。
- A6. TDKとしましては、市場全体の需要は、第4四半期、1-3月期は下がるだろうという見方をしています。その影響がひとつの要因です。一方、シェアも前回の見通しから1%下がると見ています。これは、やはり昨年9-10月の歩留まり悪化、水害等で出荷できなかった影響を挽回しきれていないことでシェアを下げていると見ています。
- Q7. それでは、記録デバイスは、ほほ環境要因とシェアが挽回できなかったという固有要因と、半々くらいのイメージでよいのでしょうか。
- A7. だいたい、半々という見方です。
- Q8. 積層チップコンデンサとか高周波部品等、電子材料製品と電子デバイス製品の売上高を減額されていますが、これは主に数量要因で下方修正されたのか、あるいはそれに加えて単価面で11月当時に見ていたよりも1-3月期の価格が厳しくなっているのか。数量要因か価格要因か分かるようでしたら教えてください。
- A8. 一般電子部品については、数量の減をかなり大きく見ております。価格については、一部に厳しい要求もありますので、その点は、一部織り込んでいます。
- Q9. コンデンサの第3四半期用途別売上高の構成比と伸び率について教えてください。
- A9. 主な用途として、OA関係が構成比30%弱で、前年比約45%。通信も同じく構成比30%弱で、前年比70%、AVは約20%弱という構成比で、前年比50%弱という伸びになっています。
- Q10. 主要製品の、1-3月期の減産幅と、4-6月期に減産がどれだけ残るか方向性を与えてもらえますか。
- A10. 数量ベースという細かい数字は現在手元に資料がありませんが、例えばコンデンサですと、3Qに対して売上高の落ちを、約2〜3%程度で見ております。高周波部品に関しては、もう少し厳しい落ち込みがあるだろうということで、第3四半期に対して、約4割程度落ち込むと見ています。インダクティブデバイスついては、ざっと10%くらいマイナスと見ています。
来期につきましては、現在、事業計画を策定中であり、全体の数字がまだまとまっておりませんので、ここで、はっきりとしたことは申し上げられません。ただ、第1四半期は引き続き厳しいだろうという見方をしております。 - Q11. HDD用ヘッドの部分だけでかまいませんので、4-6月期以降の方向性について、何かアイデアをいただけませんか。
- A11. 基本的に中期については、昨年説明させていただいた中期計画を大きく変えようという考えは、現段階では持っていません。ただ、市場の影響で1-3月期の売上高が11月時点の見通しから約18%下がっており、4-6月期もかなり厳しい状態が続くだろうと考えています。
- Q12. 今期の業績見通しを11月時点から修正されていますが、利益の減額幅に与える記録デバイス製品の影響はどのくらいだったのでしょうか。
- A12. 記録デバイス製品の売上高の減少は約100億円くらいになります。これに対する利益の影響度を数字で具体的に説明するのはご勘弁いただきたいと思いますが、大きく落ちると思います。
- Q13. 岩手の積層チップコンデンサ工場の立ち上げについて、昨年11月時点での企画と比較して、変化はないか教えてください。
- A13. 北上工場につきましては、予定どおり、来期早々には立ち上げを予定しています。
- Q14. HDD用ヘッドのロードマップの説明図で四角に塗ってあるところから、実際に量産が始まる時期と考えてよろしいですか。
- A14. 量産としては四角い部分ではなく、MPと書いてあるところがマスプロダクションの開始とみていただければと思います。
- Q15. HDD用ヘッドの価格について、現在は、歩留りも改善しにくい状況で、下がり方も緩やかになってきていると思います。この状況は、需給環境が崩れた場合、再び下がると考えられるのか、それとも、歩留りが改善しにくい状況が続いていくので、価格の下落については心配する状況ではなくなっているのか、教えてください。
- A15. 価格につきましては、中期的に見ればAV関係が入ってくると同時に、かなり厳しい状況に追い込まれることは間違いないだろうと見ています。ここしばらく、第2四半期ぐらいまでは緩やかな価格低下が続くのではないかと思いますが、中・長期的に見た場合は、やはり厳しいと見ています。その厳しい状況は、技術的に難しくなっても、変わらないと見ています。
- Q16. 業績の見通しについて教えてください。下期の為替前提113円とされていますので、為替のプラス分を考えますと、利益の減少幅が大きいように思えます。これは減産による利益減以外に、何か要因があるのか確認させてください。
- A16. 為替については、確かに、現在ドルは円安に推移していますので、第4四半期、若干の益が出ると思いますが、これもユーロとの関係がありますので、以前のように対円に対して全通貨一方的にということがないのが現状です。利益については、売上高減少に伴い操業度が低下するという見方をしています。また、実績でも固定費の中で研究開発費が増加していますが、この点は、今後も積極的に続けていくと考えていますので、この四半期では固定比率の増加になると考えます。
また、営業外費用で、この第4四半期については、現在進めています事業の再編に関わるコストを、期末ということで引き当てを立てています。現在考えていますのは、米州の記録メディア等の製造拠点で、リストラ費用として、約30億円程度見ています。具体的には、今その内容をつめている段階です。 - Q17. 4−6月期は、まだ厳しいという話でしたが、厳しいというのが、1-3月期に比べて4-6月期が更に悪化するのか、それとも同じくらいという意味なのか。それとも、1-3月期と比べると厳しいが4-6月期は多少回復するという意味なのか、その辺のニュアンスをコメントしていただけませんか。
- A17. 厳しいという意味合いですが、これは、さらに厳しくなるとは考えておりません。しかしながら、厳しい状態は続くであろうと見ています。また、今後のポイントとしては、いつまで在庫調整が続くかという点になると思います。
- Q18. 1-3月期のコンデンサの売上高の減少幅が10-12月期に対して2〜3%のマイナスということで、かなり小さいようでしたが、何か特殊な要因があるのか、コメントをいただけますか。
- A18. 基本的には、市場や得意先構成に影響されていますので、コンデンサについては、そのような状況から他の製品ほど減少しないと見ています。しかしながら、この製品も今後注意して見て行かなければいけないと思っています。
- Q19. HDD用ヘッドのお得意先からの評価はどのような感じになっているか、その感触をお聞かせください。
- A19. 20ギガビット/平方インチ(30ギガバイト/ディスク)の製品は、確かに昨年苦戦して私どもの評価も何番手かにいましたが、現時点ではかなり上の評価をいただいていますので、挽回できるだろうという見方をしています。
- Q20. HDD用ヘッドのマスプロダクションに入るタイミングで、30ギガビット/平方インチ(40ギガバイト/ディスク)から45ギガビット/平方インチ(60ギガバイト/ディスク)に移る期間が、約5カ月と、かなり早いタイミングで導入されることになりますが、実際にこのタイミングでお得意先を含めて業界全体がついてくるかどうかの考え方を教えてください。
- A20. マスプロダクションの時期については、全ての製品が同じ時期に切り替わるのではなく、得意先の中でもかなり先行する得意先があります。それに対して、対応していきたいということで、この時期を掲げて、開発を進めております。
- Q21. 大まかでも結構ですので、この第3四半期の記録メディア・システムズ部門と電子素材部品部門の営業利益の状況について教えてください。
- A21. 第3四半期の営業利益ですが、合計181億円の内、記録メディア・システムズ部門は、赤字の約10億円強ということで、上期のレベルとあまり変わっておりません。残りの部分が、電子素材部品部門になります。
- Q22. 記録デバイス製品で、第3四半期と第4四半期それぞれ、数量ベースでどうなったのか教えてください。
- A22. 数量ベースでは、第3四半期は11月時点の見込みに対して10%マイナス、第4四半期は同じく20%のマイナスと見ております。
- Q23. HDD用ヘッド事業の営業利益のボトムは今の時点ではいつかを教えてください。また、1〜2年先を見たときのHDD用ヘッド事業の収益性は、どのくらいまで戻る可能性があるのか、お考えがあればお聞かせ下さい。
- A23. 収益性の改善は、歩留りが改善されれば、かなり良くなってくると考えています。その考え方は基本的には変わりませんが、どこまで戻すかについては、かつてのMRヘッドの段階まで戻るには、大変難しいのではないかと考えています。