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[ 2001年3月期 第3四半期 連結決算説明会 ]HDD用ヘッド事業について

取締役記録デバイス事業本部長 橋本 富智

取締役記録デバイス事業本部長 橋本 富智

まず、第3四半期の売上状況について。第3四半期の見込みは、昨年11月にこの場で406億円を目指すとご報告していますが、実績は395億円にとどまっています。売上高としては、11月の見込みに対して3%の減少となりました。
その理由としては、11月後半から12月にかけて、HDDの生産調整が、ある得意先で起こっています。それらの影響を受け、私どもの売上高が、11月の見込みに対して、金額で3%、数量で約10%の減少になっています。

また、これも前回、歩留まりについて3つの大きな問題を抱えているとご説明いたしましたが、この第3四半期においては、これらは、ほぼ目標値に近づいています。この問題につきましては、後ほど、技術的なことも含めて詳しくご報告いたします。

続きまして、第4四半期の見込みの状況について。これも、11月時点では466億円としていましたが、今回は380億円とみております。金額としては、18%の減少です。得意先各社とも、1月以降、新しい製品を立ち上げ市場の挽回をはかっていますが、数量的な回復にはいたっていないのが実情です。このため、第4四半期の数量は、11月時点の見込みに対し、約20%の減少が見込まれています。また、売上高は、HDD用ヘッドの他に、その他のヘッドがありますが、こちらもPC関係の市場減速の影響を受け、大容量フロッピー等の数量がかなり下がっています。そのようなことで、全体として18%減少というのが、現在の第4四半期の見込みです。
その結果、下期の見込みも、前回872億円を目指していると申し上げましたが、今回の見込みは775億円にとどまるのではないかとみています。したがいまして、通期の売上高は、11月時点で1,790億円を見込んでいましたが、1,693億円にとどまってしまう見込みです。

このようなTDKの状況と市場との関係について(シェア)ご説明します。11月時点で、申し上げた数字は、PC需要が年間1億3,800万個、ヘッド需要は6億2,000万個で、シェア32%とご説明しました。この数字については、歩留りや水害等の影響を受け、前年より実績は下がるであろうという見方でした。今回は、もう少し市場が軟弱だということで、PC需要は年間1億2,800万個、ヘッド需要は5億9,000万個とみています。1台当たりの員数に対しては若干マイナスの見方をしており、TDKとしては、その中で31%のシェアの確保という見方をしています。前回よりもシェアのパーセントが落ちているのは、やはり歩留りの問題等の挽回が十分ではなかったために起こっていると考えています。

このような中で、今後どのような形で実績に対応していくかということを、若干ご説明させていただきたいと思います。TDK GMR Head Roadmap にまとめてありますように、すでに量産が始まりつつある20ギガビット/平方インチ(30ギガバイト/ディスク)、その次に、30ギガビット/平方インチ(40ギガバイト/ディスク)、その後45ギガビット/平方インチ(60ギガバイト/ディスク)というような形で進んでいきますが、私どもとしてはここに示すような技術を持って取り組んでいきたいと考えています。今まで一時的に遅れをとっていましたが、他社に先駈けるような形で対応していきたいと考えております。

まず、20ギガビット/平方インチ(30ギガバイト/ディスク)に関しては、大きな改善項目として、MR素子の形状の問題があります。従来、MR素子の寸法が非常に大きい段階では、この形状がそう大きくは問題にならなかったわけですが、密度を高くする、高密度にするために寸法が小さくなっていきます。寸法を小さくした結果として、この形状が大きく問題になっています。これまで、このMR素子の形状が台形をしていましたが、この形状ですとMR効率が低下してしまいます。そのため、今回この形状を長方形にし、改善いたしました。この結果、非常に大きな変化が出力で表れております。20ギガビット/平方インチ(30ギガバイト/ディスク)については、この技術で対応できると考えています。

次に、30ギガビット/平方インチ(40ギガバイト/ディスク)では、LOL(リードオーバーレイ)構造で対応して行こうと考えております。この構造は、業界ではすでに知られた構造ですが、各社、まだ完成しておりません。現状では、私どもが他社に先駈けているのではないかと思います。これを乗り越えるためにはいくつか問題がありますが、新工法の開発、装置の導入等で、技術を確立してきております。
また、MRの素子として、従来、私どもはトップスピンバルブを採用していましたが、LOLで、より効率を上げるということから、ボトムスピンバルブという構造を適用しています。リードオーバーレイはスピンバルブに重ね合わせていることが大きな特徴です。

続きまして、45ギガビット/平方インチ(60ギガバイト/ディスク)の製品が出てきます。この製品に関しては、先ほどのロードマップの中でお分かりになるように、現在、サンプルをお得意先に出せるような形で動いておりますが、先ほどのリードオーバーレイの構造に更にエクスチェンジバイアスを導入しています。
また、MR素子として、先ほどのボトムスピンバルブ形状の中で、スペキュラータイプの採用を図っております。この部分は、酸化層を入れるということで、従来のものよりも、技術的に難しくなっています。

もう一つ、このクラスになってきますと、記録系で大きな障壁があります。それは、記録がなかなか出来ないということになってきているわけですが、それを乗り越えるために、新しい記録系の材料を採用するということを考えています。

これまで説明しました各ヘッドすべてに関係してきますが、動特性の安定性改善ということがあります。高密度化に伴って、媒体との間隔が狭くなっていくということで、ヘッドとしての変化ができるだけ少ない状態を目指し、ヘッドの構造を検討しています。
一番の問題として、コイルに電流を流すと熱が発生するわけですが、その熱でヘッド自体が非常に変化します。それをどれだけ押さえるかが問題になっていますが、アンダーコートの膜の改善、薄くして熱を逃げやすくするとか、コイルパターンの形状等を改善して、熱の発生を極力抑えると同時に、熱を逃げやすくする構造をとっています。これは、先ほど申し上げたすべてその製品に採用するということです。
その次に、書き込みの特性の問題があります。その対応として、ステッチトポール構造を考えています。これも、この業界の中では知られている構造ですが、実際に製品化して、商品としてお得意先にお出ししているということでは、私どもが、一番数量的にも多いと思います。やはり、高密度化にむかって、この構造がかなり有用であると考えます。
もう一つは、記録系の材料系で改善をしないと、なかなか特性がとれないということで、45ギガビット/平方インチ(60ギガバイト/ディスク)のヘッドに対しては、BS(飽和磁束密度)が、2.2テスラーの材料を採用し、また、二重構造にしていくことで対応していきたいと考えています。

このような形で、新しい製品をこの1月以降、来期に向けて、昨年の失敗を繰り返さないように、全力で対応していきたいと考えています。

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