世界陸上競技選手権大会のトリビア
TDKは、1983年の第1回ヘルシンキ大会からゼッケンスポンサーとして世界陸上競技選手権大会を協賛してきました。このページではTDKと世界陸上との関わりや、1983年から現在までテクノロジーによって世界陸上がどう変わってきたのかなど、様々なエピソードをご紹介します。
予期せぬトラブルから生まれた
TDKのサインボード
陸上競技の花形と言えるのが100メートル走。このスタート地点の後ろにある印象的なTDKロゴが掲載されている巨大なボードは、1987年の第2回ローマ大会から登場しました。実はこのボードは大会開催中に急遽設置されたものなのです。大会中、一人の選手がTDKロゴのついたゼッケンを外してしまうというトラブルが発生しました。その行為に対して、当時の主催団体と話し合った結果、翌日、TDKロゴのボードを設置することになりました。思わぬトラブルで登場したTDKの巨大ボードですが、それから40年近く常に、世界中の注目を集める100メートル走で頂点に挑むアスリートの勇姿を見守っています。
LEDボードの輝きを裏側から
支える、
TDKのテクノロジー
第18回オレゴン大会の会場であるヘイワード・フィールドに設置される100mスタートボードは、AC-DCコンバータ(AC入力電源)というTDKの製品が使用されたLEDボードです。TDKのAC-DCコンバータは、世界中の陸上競技場や野球場、サッカースタジアムなどの大型映像装置で活躍しています。映像を表示するために、装置の内部で電気を交流(AC)から直流(DC)へ変換(コンバート)し、映像のRGBカラー(赤・緑・青)を正確に表現するために適正な電圧に変換を行っている製品です。TDKの電源技術が活かされているLEDボードに、ぜひご注目ください。
印刷からLEDへ。鮮やかに
進化したスタートボード
1987年のローマ大会途中に登場した、100メートル・スタートボード。そこに掲載されたTDKロゴは、カラー印刷によって表現されていました。それが、2015年の北京大会からはLEDボードが使用され、2022年のオレゴン大会からはTDKが電源供給を支える100mLEDボードになりました。
電子チケットで入場も
スマートに進化する
長年、チケット(入場券)は紙による発行でした。それが変化したのは、2000年代に誕生した、二次元バーコード型の電子チケットです。これにより、観客は送られてきたメールのプリントアウトや携帯電話(フィーチャーホン)の画面表示で入場できるようになりました。そして2010年頃よりスマートフォンが急速に発展し、専用アプリを使用した電子チケットの普及が進んでいます。世界陸上では、2022年のオレゴン大会より、電子チケットが導入されています。
1/1000秒の差も見逃さない
機械の眼
100分の1秒を争う、100メートル競走のタイム計測。昔は計測員がストップウォッチで計測していましたが、1964年の東京五輪で初めて目視以外での判定方法として、写真判定システムが導入されました。世界陸上では、第1回目のヘルシンキ大会から写真判定システムが採用されており、現在では1秒間に数千枚もの画像撮影を可能にするスリットビデオや赤外線を使って、着順とタイムを計測しています。
通過するだけで測定できる。
マラソンのタイム測定技術とは
マラソンのタイム測定は1980年代までは、選手のゼッケンに印刷したバーコードをゴール地点で読み取り、タイムと順位を集計していました。1990年代に入ると、ゼッケンまたは靴に装着したトランスポンダー(ICタグ)で計測するというシステムが開発されました。このシステムは、人手が圧倒的に少なくなる上に、タイム測定も飛躍的に正確になり、通過地点のタイム測定なども可能になった画期的なものでした。世界陸上では、第1回目のヘルシンキ大会から第6回目のアテネ大会まではバーコード方式で、トランスポンダーシステムは1999年の第7回目のセビリア大会より導入されています。
マルチアングル映像で観戦スタイルが変わる?
1990年代までは、競技場における観客のメディア観戦は、ポータブルラジオやポータブルテレビによるものでした。しかし、こうした観戦は、通信状態の不安定さや機器の持ち運びの不便さなどで、一般的な普及には至りませんでした。2000年代に入り、携帯電話(フィーチャーホン)にワンセグ機能が付きましたが、こちらの観戦も浸透しませんでした。ところがスマートフォンの普及と5Gの登場によって、現在はまったく違う形で観戦が可能になっています。5Gを活用したマルチアングル機能により、観客席で試合を観戦しながらスマートフォンで多視点からの試合映像をほぼリアルタイムで楽しむことができます。現在、実証試験が進められており、世界陸上でも新しい観戦スタイルとして、注目されています。
みんなで一緒に盛り上がれるテクノロジーの進化
近年に至るまで世界陸上を含むスポーツ中継は、一部の飲食店をのぞき、自宅においてテレビ視聴することが一般的でした。それが大勢の人と盛り上がれるようになったのは、2000年代に普及したパブリックビューイングです。競技場などに大型スクリーンを設置して大勢の人と観戦することで、まるで会場にいるような感覚を味わえます。そして最近では、SNSを通して多くの人と盛り上がるスポーツ観戦も広がっています。競技中に歓喜の声や試合分析といった、各人のSNSを眺めるだけでも楽しく、大勢の人と一緒に観戦している気分になるという人もいます。会場でもメディアでも、SNSを通じた観戦はこれからも新たな楽しみ方を提供していくでしょう。
TDKについて
TDKは、電子材料の「フェライト」を事業化する目的で1935年に設立された、
磁性技術で世界をリードする総合電子部品メーカーです。1983年の第1回ヘルシンキ大会から、
オフィシャルパートナーとして世界陸上競技選手権大会を協賛しています。
