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[ 2019年3月期 第2四半期 決算説明会 ]Q & A

Q1. センサの新製品が売上に貢献するタイミングが遅れるとのことですが、上期から下期にかけ、センサ応用製品セグメントの売上はどのように変化する見通しですか。また、収益改善の見通しはいかがですか。2020年3月期以降の成長戦略についても説明してください。
A1. 第1四半期の決算説明会で、指紋認証センサについて、スマートフォン向けを視野に入れながら見極めを図っていくとご説明しました。TDKの持つ超音波指紋認証技術は、他の技術と比較すると認証性などにおいて優位にあると思っていますが、最新のスマートフォンの要求に対応しながら、当社の技術の価値を最大限に訴求していくには、もう少し時間を要するという結論に至りました。これが今期最も大きな差異を生じさせている要因です。スマートフォンメーカーは、デバイスの表面にボタンやカメラを付けることを避けるため、デザイン性を確保しながら指紋の認証をする必要があります。アプリケーションと技術のマッチングに時間を要していますが、一度承認されれば大きな売上に結び付く見通しです。指紋センシングソリューションとして使っていただくために、センサ単体の強化だけでなく、モジュールメーカーやパネルメーカーなどとのタイアップを深めることによって、事業を改善しています。
またMEMSセンサは、6軸センサを中心とするモーションセンサなどの販売を拡大していくことも課題です。
今期第3四半期のセンサ応用製品セグメントの売上は、第2四半期からほぼフラットの見込みです。第4四半期にかけてMEMSセンサの新製品が立ち上がってきますので、下期の売上は上期比で10%弱増加すると見ています。営業利益については、下期に大きく改善することは見込んでいません。
2020年3月期において、温度・圧力センサは、自動車市場向けを中心に引き続き堅調に推移する見込みです。磁気センサは、下期にICT市場向けで一部調整がありますが、自動車市場向けは引き続き好調に推移します。特に最大の用途であるEPS(電動パワーステアリング)にはデファクトスタンダード的な傾向が見られ、堅調に推移していく見通しです。ICT市場向けのTMRセンサは、新たな用途を実現し、堅調に推移していく見通しです。MEMSモーションセンサは、顧客基盤拡大、アプリケーション拡大、新製品開発を進めており、事業基盤は確実に整ってきています。大気圧センサも新製品の開発を進めています。
Q2. 磁気センサは、ICT用途向けに採用の拡大が進むと思いますが、成長の見込み、投下資本のリターンの見込みはいかがですか。
また、来期にはソフトウェア技術が難しいカメラのソリューションが必要とされるため、インベンセンスのMEMSセンサにとってはビジネス拡大のチャンスではないかと見ていますが、いかがですか。指紋認証センサは、プロセッサメーカーとディスプレイメーカーと共同して進めていくビジネスかと思いますが、そういった仕組みをどう見ているか教えてください。
A2. 温度・圧力センサや磁気センサは自前主義で進めており、これは大きなポイントです。また、ただ精度が高いだけでなく、センサ内に後段のICだけでは対処し切れないような情報を処理する能力を埋め込むことで、センサ素子自体に付加価値を与えることができます。このようにセンサ素子に付加価値を与えられる製品は、自前で手掛けるべきだと思っていますし、付加価値を与えられるか、与えられないかによって、資本投下の仕方を変えるべきだと考えています。
インベンセンスを中心としたMEMSセンサは、次の2つがカギとなります。1つは製品設計です。どのように設計するかがポイントですので、必ずしもファブを持つ必要はないと思っています。もう1つが後段の処理で、どれだけノイズを除去し、省電力で正しい信号が出せるかがポイントです。ICの上にMEMS構造を作りますが、ICから全て自前で作るのではなく、外部のリソースを使うべきだと考えています。MEMSセンサにおけるTDKの競合はセンサメーカーではなく、欧米を中心としたICメーカーです。センサ設計をアプリケーションから模索することにより、ICメーカーのセンサの発想から差別化を図っていかなければならないと考えています。またご指摘の通り、MEMSセンサに求められる技術が難しくなればなるほど、TDKにとってチャンスは広がっていきます。
Q3. TDKが現在持っているセンサのポートフォリオにおいて、M&Aによって補うべき技術はありますか。また、指紋認証センサ以外の新しいセンサの状況はいかがですか。
A3. 当面M&Aで補強すべきところはありません。
現在TMRセンサを使ったモジュールに着手しており、またミクロナスのホールセンサを使ったモジュールもすでに展開しています。インベンセンスはソフトウェア技術も持っていますので、スマートフォンを中心に、OISやEISなどのアプリケーションにモーションセンサのハードとソフトを搭載していきます。
Q4. HDDヘッドは、データセンター向け需要の鈍化や、NANDフラッシュの供給力の高まりがあり、来期以降多少のリスクがあると見ていますが、いかがですか。
A4. パソコンや、オンラインドライブ、オンライン系のサーバーにSSDが使われることは認識しており、それらの需要が減っていくことは想定の範囲内です。来期、再来期にはMAMRやTAMRにもある程度目処が立ってきますので、この2つの技術によって差別化を図っていきたいと考えています。
Q5. フェライトマグネットの長期性資産減損の話がありましたが、これによって償却費が減少するだけでなく、収益性も改善されるのでしょうか。
A5. フェライトマグネットは、期初段階から弱含みという認識を持っていましたが、開発を含めた設備投資が十分に行われていなかった時期がありました。自動車のモーターなどに使われるマグネットは非常に高い性能を要求されますが、TDKが現在持っている古い生産設備で高性能なものを作ると、歩留まりがあまり上がらず、収益力を圧迫します。
ネオジムマグネットは、以下の2つの技術を確立する必要があります。1つは、マグネットをモーターにとって理想的な形状にする技術です。C型やかまぼこ型など、異形状のマグネットを量産に移しているところです。もう1つは、モーターに使用しやすいように磁束配向する技術です。これらの技術を向上させることによって、製品競争力を上げ、平均単価が比較的高いフェライトマグネットにシフトすることができると考えています。
Q6. 2019年3月期上期におけるエナジー応用製品セグメントの売上高が、2018年3月期上期から約29%増加していますが、バッテリのみではどのくらい増加しましたか。また、その増加分を数量増加、材料価格変動の影響、製品ミックスの改善などの要因で分けるとどうなりますか。
A6. エナジー応用製品セグメント全体の売上増加率とバッテリのみの売上増加率は、ほぼ同じレベルでした。増加の大部分は数量増加によるものです。第2四半期の材料価格変動による単価への影響は、第1四半期と比較して大きな変化はありませんでした。第2四半期に新製品の立ち上げがあり、平均単価が若干上がりました。
Q7. バッテリは、第1四半期が終わった時点で、第2四半期に9~12%の売上成長を見込んでいるとの説明がありました。中国向けスマートフォンが大きく減速したにも関わらず、この見込みを上回った背景を教えてください。
A7. スマートフォン用バッテリの業界において、ATLは非常に大きな生産能力を持っています。スマートフォンメーカーが毎年新機種を出すたびに、バッテリは新しいサイズ、容量を求められますので、短期間でこれに対応しなければなりません。ATLはTime to MarketとTime to Volumeに同時に対応できるファーストサプライヤーであり、中国スマートフォンにおいて圧倒的なマーケットシェアを持っています。安全に対する投資や、Time to Volumeに対する投資も非常に高く評価されています。中国スマートフォン全体の浮き沈みの影響は、セカンドサプライヤー、サードサプライヤーが大きく受けていると思いますが、ファーストサプライヤーであるATLは受けにくくなっています。
Q8. 来期以降、スマートフォンの台数は大きくは増えないと見込まれていますが、バッテリの売上をどのように拡大していく計画ですか。
A8. スマートフォン市場は飽和状態にありますが、新興国向けのスマートフォン用バッテリの売上をいかに拡大していくかがポイントとなります。特に中国のトップティアのお客様からは、戦略的なサプライヤーとして認識いただいており、来期もしっかり対応したいと思っています。スマートフォン用バッテリは単体で販売するケースが多いですが、TDKにはパッケージングの会社もありますので、バッテリとパッケージングを合わせて提供し、付加価値をさらに高めていこうと考えています。
一方スマートフォン以外の市場において、ウェアラブルデバイス、ワイヤレスデバイスなどの新しいアプリケーションに、当社の小型のバッテリが採用され始めています。製品特性を生かせるようなアプリケーションを、来期以降も積極的に広げていきたいと考えています。
Q9. スマートフォン用バッテリの大容量化が進んでいると思いますが、来期以降もその傾向は続くと見込んでいますか。
A9. バッテリの大容量化は基本的にスマートフォンの設計によるため、お客様のご要求によって幅があります。ただ、エネルギー密度を高めていくという方向性は変わっていませんので、継続的に向上できるような取り組みをしています。
Q10. 公開資料によると、CATLではリサイクル事業が軌道に乗っているようです。すでに一定の規模でバッテリの材料をリサイクル材料から調達できる状況になっているようですが、この事業の持分によって損益に影響は出ていますか。
A10. 2018年3月期の実績として、関係会社株式の利益約30億円を計上しており、そこにリサイクル会社の利益も含まれています。リサイクル事業はSDGsやESG投資にも関連してくると認識していますので、社会的責任としての取り組みを十分に考える必要があります。現在中国において先進的なリサイクル事業に取り組んでいますが、これは他の国にも影響していくと思っています。また、バッテリだけでなく、マグネットも材料調達の問題に向き合わなければならない状況になっていきますので、リサイクル材料を確保していきたいと考えています。

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